甲田学人のレビュー一覧
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薄汚れた洗面台で、老女はいつものようにひび割れた石鹸を取り上げて、掌で揉み始める。乾いた石鹸はすぐにぬめりを取り戻し、白く濁った水がぬるぬると手にまとわりついて泡となって嵩を増やしていく。最後に一通り両手の表面を泡で拭いた瞬間、それまでとは違う異様な感触が掌に伝わり、そして――。
泡禍解決の要請を受...続きを読むPosted by ブクログ -
街灯の明かりも届かない細くて暗い袋小路。暗闇の中から流れ出すのは、鼻の奥を突き、口から胸へと流れ込む生臭い湿った鉄の臭い。そして、墨に沈んだような暗い路地に浮かび上がるように、真っ白な裸の手足が無造作に転がっていた。その前にしゃがみこんでいたのは、小柄な少女の影――。
〈泡禍〉解決の途中で怪我を負い...続きを読むPosted by ブクログ -
曰く、この世界に存在する怪現象は、全ての〈神の悪夢〉の欠片である。この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がること、急速に人間の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』...続きを読むPosted by ブクログ -
小さな森の中。小さな神社へと続く、石と根だらけの細くて狭い、暗い道。前を行く友人び律子に追いつこうと、危なっかしい歩みで必死に足を進める愛。そして彼女は、神社を目前にした石段の上、律子の頭上にかかる朽ちた赤色をした鳥居から、死体の色をした真っ白な“腕”が垂れ下がるのを目撃した……。
田上颯姫の妹が住...続きを読むPosted by ブクログ -
じりりりりりん!
寺の敷地内にある住職一家の住居に、不意に電話のベルが鳴り響いた。くぐもった遠い電話の音は、音が夜に食い尽くされたかのような静寂の中を虚ろに繰り返して、響き続けた。誰も決して出ることなどなく、血と、腐った磯と、そして石鹸の匂いが混じったような、異様極る臭いがただよう住居の中に――。
...続きを読むPosted by ブクログ -
時槻風乃は、知っている。この世界と全ての存在は、常に『痛み』という火によって、焼かれ続けている。幼い頃に火傷した時、火という物の本質は『痛み』であると学んだ。―――火は『痛い』もの。そして、彼女に燻り続けていた『火』と『痛み』への思索は熟成され、一つの結論へと――。
時槻雪乃のクラスメイトの古我翔花...続きを読むPosted by ブクログ -
やっぱり上下巻になりましたね。(笑)Missingの時も長編多かったですし。早速グリムじゃないお話。でも、全然違和感無いかも。(ぇPosted by ブクログ
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赤ずきんの見方が変わる話でした。
上巻に比べ、ホラーとグロさが多く深いですね!その辺りはやはり怖かったですが、解釈も含め面白かったです。Posted by ブクログ -
ヘンゼルとグレーテルは森の中へー
それは本当であって本当の話じゃない
もし迷っていたら?
どうなってたのかなぁPosted by ブクログ -
森と白い腕。どう赤ずきんと関わるのか、そこも怖くて楽しみです。
新キャラも登場して、どんな風に展開していくのか楽しみです!Posted by ブクログ -
甲田学人さんの断章シリーズ。
皆さんも幼い頃読んだことのある童話の真実。それに隠された神の悪夢。
新たな恐怖が生まれる!Posted by ブクログ -
恐怖系小説もついに4巻目。
泡の泡渦。相変わらず描写がグロイです。
今回一番人が亡くなるお話かと。
(前作Missing時代から含めて)
食事中に読むのはお勧めできません。
お魚が食べれなくなっちゃうよ?
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今回は人魚姫の話でした。
その上巻。
怖かったです。
グロかったです。
でも先が気になる!
雪乃の戦い方はいつもかっこいい☆Posted by ブクログ -
じりじりと発売を待っていました!
始まったばかりの悪夢の続き。予想を上回る恐怖と狂気と凶器の物語。
…この韻を踏む語りがすっと入ってくるのが好き。
描写される狂気の逼迫間にふと周囲を見回してみたり。
しばらくは泡が怖くなりそう。Posted by ブクログ -
ライトノベルだとなめてはいけません!
文字を追っているだけなのに背筋に寒気が走ります。こわいです。
でも、ページを捲る手を止められません。Posted by ブクログ