甲田学人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレほうかごで自身の担当した「まっかっかさん」を沈静化させた啓。だが担当の「赤いマント」を無視し続けた見上真絢が死んだ。衝撃が走る中、啓は瀬戸イルマから頼み事をされる。
真夜中のメルヘンのうたい文句で当初からそこに疑問を持っていたが、2巻でメルヘンは何か他の言葉の裏返しなんだと感じた。そうでないと説明がつかないバッドエンド一直線な展開だった。
今回は瀬戸イルマ「ムラサキカガミ」、堂島菊「テケテケ」、古嶋ルキ「こちょこちょおばけ」がメインになる。
1巻でキーワードは「自分」だと思ったが、舞台は小学校で登場人物は小学生だ。現実世界でどれだけのその年代の子どもたちが自分と向き合いそれを受け止め戦えるだろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ放課後の教室で黒板に書かれた「ほうかごがかり二森啓」、突然の自分の名前と謎の言葉。その日の深夜、自室にチャイムの爆音が鳴り目の前に不気味な学校「ほうかご」があった。
真夜中のメルヘンという事だが、メルヘンって何?と考えてしまうほど一般的に考えるメルヘンと距離感がある。
対象年齢が小学校高学年からといった印象だが、私がその年代の時に読んだら読んだ事を後悔しただろう。作者の創り出した「ほうかご」と「無名不思議」の不穏で不吉で不気味な雰囲気、それが怖い。始めは何が起きたのかが分からない恐怖。そこから事態を説明されるが、それぞれの動き方はもちろん違う。動く事は恐怖の対象と相対する恐怖、動かなければ事態 -
Posted by ブクログ
中学生の頃にハマって読んでいたシリーズ。
旧版をどうにか揃えたまま放置していたら、新装版が出版!ということで、旧版と新装版を読み比べる。やはり懐かしさを感じる。
今回は「呪い」「犬神」について。
1巻よりも加筆修正されている。書き下ろしもあるし、ごっそりカットされている部分もある。
今回大きい変化はFAXの存在。仕事で使ってるので存在に違和感を持っていなかったが、よく考えれば家の電話機がない家庭が増えているのだから、FAXを使ったことがない人は当然いるだろう。また仕事で使うようなコピー機一体型とは違い、ガガガガガ…といった独特な音も特徴的。それを知らない人も多いかもしれない。
でもあえて新装 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生の頃にハマって読んでいたシリーズ。
旧版をどうにか揃えたまま放置していたら、新装版が出版!ということで、旧版と新装版を読み比べる。やはり懐かしさを感じる。
話の流れに変わりはないが、ネット環境や表現の仕方、色、登場人物の雰囲気が少しだけ変わっている。登場人物の雰囲気が変化するとは思っていなかったが、これもありと思える。
授業が週6日制のままになっていたことには驚き。今の学生が読んで不思議に思うかもしれない。
携帯を持っていないという設定も、現代人は驚くかもしれないが、こういう人がいてもいいと思う。
変わらず厨二病心をそそられる作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ武巳くんと魔王様たちとの解離が心苦しくなってきた。
武巳くんだから見えている世界と魔王様たちが把握している世界がずれているのが辛い。
全体としてはまだ折り返しに入ったくらいなのに。
今回の魔王様は事件解決の役にはあまり立っていない。
肝心なところで足止めを食らうし、傍観者に近い。
体を張ったのは武巳くんと村神くんだ。
村神くん、また傷が増えた……
体を張ったと言えば、某美術部員もか。
魔王様たちを勝手に敵認定して、読者側すらも敵に回しかねない言動をやらかした挙句、最終的には被害者になるという。
また遺体の様子がひどかったこともあり、勝手に暴走したことに腹を立てればいいのか、同情すればいいの -
Posted by ブクログ
葬儀屋が死んだことによって、彼の力で生かされていた瑞姫もふたたび死ぬことになり、蒼衣を逆恨みした勇路が襲撃を仕掛けます。危機に陥った蒼衣の断章の力が発動し、どうにか命は救われますが、傷を負った彼を救うため、神狩屋はさらに蒼衣の精神を追いつめざるをえなくなります。
その後、泡禍の対応にあたっていた雪乃は勇路と遭遇し、彼に攻撃を仕掛けますが、そのさいに勇路の口から今回の事件の思いもかけない黒幕の存在が語られます。
今回は、まったく予想していなかった展開におどろかされました。さらに、蒼衣たちのロッジに、ずっと前にその存在だけは明かされていた人物が登場し、クライマックスに向けて彼がどのようにストー -
Posted by ブクログ
2作目から圧倒的ホラー感。怖かった。
今回は呪いと魔術と犬神筋。
作中で語られる都市伝説と伝承文学の文献が
楽しくて仕方ない。創作のようだけど、かなりリアル。
旧作で読んでいるので、この話の本筋が「呪いのFAX」(チェーンメールみたいなもの)だとはっきり覚えていて、FAXの描写はどうなっているんだろう?と思いながら読んだ。
一応作中ではFAXを使っている人は少ない設定になっていたけど、話の本筋は変わっていない様子。
旧作は軽く20年前だもの、FAXは各家庭にありましたよね。今の子はFAXを受信しているときの、あの音、聞いたことあるのかな?
あの、
ぶぶぶぶ、、、
っていう独特な音と、スピ -
Posted by ブクログ
ネタバレ書き下ろし掌編ってどこだったんだろうと読み終えてから思い直して、冒頭の話だったことに後から気付いた。
(目次に特に記載がなかったのと、書き下ろしは巻末にあるものと思い込んでいたため)
大迫氏の著作の引用から始まるのがお作法だったことを失念していた。
それくらい、書き下ろし部分は本編に馴染んでいた。
内容も、今回の話にマッチした魔法の話だったし。
電撃文庫で読んだ当時の衝撃を思い出し、懐かしみつつも、容赦ない展開にハラハラした。
分かってはいるんだけれども。
生徒も結構バタバタ死んでいくから、このシリーズ。
先生が消えた時は当時も本当に衝撃的だった。
しかも、やらかしたのは部活メンバーの一人だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ異界の匂いを思い出すと同時に、電撃文庫で読んでいたあの当時の空気も思い出した。
物語はこうやって易々と年月の隔たりを飛び越えて、当時の感覚をこうも鮮明に蘇らせてくれるのかと。
登場人物たちのその後のことも分かった上で改めて読む一作目は色々な意味で感慨深かった。
そう言えば一作目は魔王陛下は囚われのお姫様状態であまり出番がなかったなと懐かしく思い出しつつの読書。
存在感ありありの人が存在感皆無になるという。
あやめちゃんの能力のせいでもあるけれど。
メインキャラたちの背景が本当に色々濃いから、一作目からかなりの情報量である。
また神隠しに対してのアプローチの仕方が異なるから、多方向から攻めてい -
Posted by ブクログ
降霊会”ロザリオ・サークル”で霊媒としての経験を積みつつある瞳佳が対峙するのは学園創設に関与した人物の、いわくつきの”キャビネット”。学園を擁する百合谷市の、熾烈な陰謀が見え隠れする中の依頼は、当然、無事で済むわけがなく――
やってきました上下巻! やっぱり! でも心のどこかで待っていた!
スケールが大きくなれば、そりゃあ上下巻になりますって。次の巻が出るまでどっきどきですよ、あなた。それでもって次の巻でもドキドキするって二度おいしい。
一巻と二巻と比べた時に、二巻は(やっぱり二回目のせいか)ロザリオの棺の描写が迫力が落ちたな……と思ったのですが、今回は別のキャビネットが登場。つまり、キャ