甲田学人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ遅ればせながら、イソップ寓話の成り立ちが紀元前なのをこれで知りました。
そんな昔からあったのか……
今回はいつものがっつり長編ではなく、雪乃さんがさくっと炎でやっつけてしまえる程度の、そして蒼衣くんの力を借りなくていい程度の規模のお話。
もしくは風乃さんの「生前」の、そして「きっかけ」になったであろう過去話も。
生前という表現にちょっとばかり抵抗があるが、それはさておき。
お姉さん、今も存在感がでかいから。
イソップ寓話の様々な物語が登場。
かといって泡禍は泡禍なんで、割とえげつない現実をつきつけてくるという。
ある少女の占いも、ある少女の親の再婚によるごたごたも、そしてある少女の恋愛でさえ、泡禍が絡むとろくなことにならない。
最初の話は、頬を貫通する怪我はしたけれど、後は残らないとの話だったので本当によかった。
ただ他二編はちょっとしんどい。
軽音部を巡る恋愛は、メインの子に感情移入というか同情しづらく、亡くなってしまった子の方に同情を覚えた。
例え真相がどうであれ、個人的には助けられた方の子を「アリとキリギリス」の「アリ」とは認めたくないなと感じた。
恋愛面でも努力が必要なのは分かるし、彼女も様々な場面で努力しているのも分かるが、友人を死に追いやっておいて成功者としてこれからも生きていくのを受け入れられないのは、多分自分が亡くなった子の方に近い人間性だからだろう。
一番つらいのは最後の継母との音話。
雪乃さんがまだ穏やかな頃の過去話。
これもう継母がやってることえげつなくて、戦うためには怪物にならないといけなかった少女の物語。
でも、その少女の努力は何も生み出さず、最後の一撃すら軽いもので、ただ彼女が命を散らして終わるという。
しんどいって。
短編ながらしんどいって。
つい彼女に感情移入してしまうので、どうかあの両親が彼女がつけた傷以上の報いを受けますようにと願ってしまう。
多分、読んだときの自分の精神状態がよろしくなかった気がする。
分かっているが、落ち込んでいるときによむさくひんではない。
それでも面白いんだよなあ。
そう評するのは不謹慎かもしれないが。
書き下ろしの画家との邂逅話も興味深かった。
蒼衣くんは今後どんな地獄を見るのだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく終始「このクソガキ!」と思っていたのだが、仲間から手痛い(手痛いどころではないか)おしおき食らうし、最終的には自分以外の同年代全滅だしで、最終的にはなかなかお労しいことに。
子供ゆえの突っ走りではあったのだが、それでも擁護はし辛いし、風乃の言ったことが真理だと思う。
もっと早く相談していれば、大人を頼っていれば。
ただ今回の泡禍の被害は想定以上だったので、彼周辺を少し救えたところで結果はあまり変わらなかったかも。
誤差範囲内くらいかも。
やはり、泡禍はえげつない。
今回は出張スタイルかつ雪乃さんは途中離脱に近かったし、既に「アリス」の手にも負えないことになっていたので、主役組の活躍はあまりなし。
雪乃さんは後始末の方に駆り出された感じ。
今回一番仕事していたのは、間違いなく葬儀屋ペアだろう。
本当にお疲れ様でした!
それにしても、赤ずきんは派生が多くて難易度高かったなあという印象。
狼絡みの話も、赤色絡みの話にも派生するから収拾がつかない。
そこが複雑でもあり、面白さでもあった。
あと笑美さんが怖かった……ある意味泡禍より怖かったやも。