あらすじ
神隠し――それは突如として人を消し去る恐るべき怪異。
学園には関わった者を消し去る少女の噂が広がっていた。
魔王陛下と呼ばれる高校生、空目恭一は自らこの少女に関わり、姿を消してしまう。
空目に対して恋心、憧れ、殺意――様々な思いを抱えた者達が彼を取り戻すため動き出す。
複雑に絡み合う彼らに待ち受けるおぞましき結末とは?
そして、自ら神隠しに巻き込まれた空目の真の目的とは?
鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作が装いを新たに登場。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
学生時代にハマっていたシリーズの新装版ということで購入。
学校都市という閉鎖空間で変化していく人間関係の生々しさ、怪異によって引き起こされる事件の残酷さや解決しても残る後味の悪さ、五感全てに訴えかけてくる恐怖や嫌悪感。リアルタイムで読んでいた頃の感覚が鮮明に思い出され、怖いのに続きが見たくて一気に読んでしまいました。派手なホラー演出はありませんが、ふとした瞬間にざわざわと蘇るような怖さがあって私は好きです。
Posted by ブクログ
神隠しにまつわる伝説とそれに迫る高校生たちの物語だが、一気に読ませる力がすごい。
随所に盛り込まれたウンチクや都市伝説ネタも嫌味や知識自慢になっておらず、きっちり物語に落とし込まれて機能している。
怖い話とは転じて悲しい話であるが、本作は十匙の恐怖とほんの一匙の悲しみでできている。面白かった。シリーズを追わなくてはならない。
Posted by ブクログ
中学生とかで読んで忘れられないシリーズの新装版です。
変わっている所もあるようですが、懐かしい!
怖くて美しい表現に当時からハマってました
一冊目だけではまだまだ分かりにくい部分もあるかもですが、読み進める度に好きになった作品です
Posted by ブクログ
中学生の頃にハマって読んでいたシリーズ。
旧版をどうにか揃えたまま放置していたら、新装版が出版!ということで、旧版と新装版を読み比べる。やはり懐かしさを感じる。
話の流れに変わりはないが、ネット環境や表現の仕方、色、登場人物の雰囲気が少しだけ変わっている。登場人物の雰囲気が変化するとは思っていなかったが、これもありと思える。
授業が週6日制のままになっていたことには驚き。今の学生が読んで不思議に思うかもしれない。
携帯を持っていないという設定も、現代人は驚くかもしれないが、こういう人がいてもいいと思う。
変わらず厨二病心をそそられる作品。
Posted by ブクログ
文章が不思議で、物語の世界に入り込みやすかった。
不気味だけど、なぜか「美しい」と感じる。
美しい文章が好きな人、ファンタジー・ミステリー好きな人におすすめ!!
Posted by ブクログ
以前の電撃文庫版も持っていたけど、引っ越しの際にどこかへ紛失してしまったので、新装版としてでもまた手元にあって読めて嬉しい。
改訂した箇所はなんとなく予想はつくが確認出来ないのが残念…。
できれば全巻揃って発刊して欲しい!
Posted by ブクログ
異界の匂いを思い出すと同時に、電撃文庫で読んでいたあの当時の空気も思い出した。
物語はこうやって易々と年月の隔たりを飛び越えて、当時の感覚をこうも鮮明に蘇らせてくれるのかと。
登場人物たちのその後のことも分かった上で改めて読む一作目は色々な意味で感慨深かった。
そう言えば一作目は魔王陛下は囚われのお姫様状態であまり出番がなかったなと懐かしく思い出しつつの読書。
存在感ありありの人が存在感皆無になるという。
あやめちゃんの能力のせいでもあるけれど。
メインキャラたちの背景が本当に色々濃いから、一作目からかなりの情報量である。
また神隠しに対してのアプローチの仕方が異なるから、多方向から攻めていき、最後に合流するのもまた面白い。
まだ血生臭さは少なめ。
今後はどんどんえげつない話にもなってくるから、できることならメディアワークス文庫でも追いかけていきたい。
売り上げ次第だが一応一巻予定とのことだが、覆ってくれることを願う。
Posted by ブクログ
昔々ラノベ時代のこちらに手を出したことで癖を植え付けられました。ホラーとか呪術とかグロ系耐性がついたのはこの作品を多感な時期に読めたからだと思います。新装版となったら買いますよそりゃ。擬音とか異形の描写が上手くて情景が頭に浮かんでくるんですよね〜最悪〜最高〜
1巻は怪異のシステムや世界観・登場人物の紹介メインなので個人的にそこまで盛り上がりはないです。次から(カレー)スプーン一杯分のグロ描写が増してくるので乗り越えて読んで欲しい
Posted by ブクログ
わたしが中学生のときに夢中で読んでいた伝奇シリーズの改訂版。
小野不由美さんの「残穢」のような、
伝染する怪異のお話です。
民俗文学や伝承文学、都市伝説を基盤としたホラーで、
とにかく怖かった記憶がある。
伝承文学、昔話や説話が大好きなので、
それを使ったライトノベルということで、まあそれは夢中になりました。本屋で改訂版を見つけた時は思わず二度見。この歳になってこのシリーズをまた楽しめるとは、嬉しい限りです。
シリーズ1作目の怪異は「神隠し」。
神隠しが「伝染」していくのを説明していくのが面白いのだけれど、1作目はキャラクタの説明が多くて、良くも悪くもライトノベルという感じ。
Posted by ブクログ
中学だったか高校だったかに読んで、今回再読。
改稿されてるらしいが全く内容を覚えていなかったので、初読の気持ちで読んだ。
淡々としてるというか、キャラクターの性格を地の文で説明してるのが多いな~という印象。学生時代に読んだときはもっと面白かった気がするのだけど。
00年代のオカルトホラー
ネット黎明期の都市伝説が廃れ始めたのは何時だったろうか。
ある意味で今よりも情報が断片的だった時代において、摩訶不思議なオカルトというのは流行になった。
今作はそんな時代に生まれた作品の新装版。時事ネタなど書き直しをしているそうだが、正直古びていることは否めない。
だが今作の目玉は強烈なキャラクター性にある。魔王というあだ名を持つ彼によって動く登場人物たち。オカルトに挑む超常の少年少女というのは現代のエンタメでも通用するだろう。
「メン・イン・ブラック」に挑む「バトル・ロワイヤル」の子どもたちと言うべきか。これを楽しめるなら今シリーズは気に入るのではないだろうか。
Posted by ブクログ
神隠しの噂が伝わる町で、いわくありげな少女を連れてきたのは、高校でも随一の変わり者でありいろんな意味で一目置かれている空目という少年。通称「魔王」とも呼ばれる彼はしかし、少女とともにこの世から姿を消したのだった…
まず通称が魔王とは!?と思わなくもありませんでしたが、複雑な過去を持つ空目を中心に、一癖ある仲間たちが彼を取り戻そうと四苦八苦する展開は無駄なくスッキリ読ませてくれますし、なおかつゾッとさせる冷たい雰囲気も湛えていて、まっすぐに十代を描いた小説として楽しめました。
クライマックスの桜舞う場面は美しくおそろしく、そして最終盤のさらりとした救いの描きかたには温かみとほっと息のつけるやさしさを感じました。
謎めいた存在が出てきたり、まだ解明されていないことも多いので、続編の復刊も期待したいです。