あらすじ
昔話『奈良梨取り』――。
そこに秘められた“真実の意味”が多くの人々を首くくりに誘ってきた。
そして今、死の連鎖を断ち切るべく魔王陛下こと、空目恭一が動き出す。
異端の作家・大迫栄一郎、首くくり、奈良梨取り、この3点にまつわる全ての謎を解き明かしてくれるはずの一冊、『奈良梨取考』を追う空目たち文芸部一同に待ち受けていた驚愕の真実とは――。
鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第4弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
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Posted by ブクログ
少々複雑にし過ぎたきらいがあるものの、首くくりにまつわる話はゾッとさせるし、本作を読んだ後は夜、後ろを振り向くのが怖くなる。
ただ、個人的に受け入れられないのは連鎖する悲劇も雰囲気があって良いのだが、振り幅が狭くてその悲劇が目立ってこないこと。何か恐ろしいものによってもたらされる死なのであればもうちょっと工夫が欲しかった。
Posted by ブクログ
前後編となる奈良梨話。
今回、俊也は大怪我することなく活躍する場面が。
やっとだな……!
助けたかった先輩はご覧の有様。
今回の件の実行犯も「あの方」なので、結局あの一家はそういう結末を迎える運命だったんだろうなと、そう思うと切ない。
全ての元凶はおじいさまですけれども。
登場シーンは基本的に首を吊っているお姿なので、なかなか絵面はシュールだけど。
稜子を助けるのは武巳の役目だろと言いたいところだが、まだこの頃の彼は立ち位置をまだ自分で決めきれていないので、今回の件はあまり役に立たずに終わるという。
この点が、何というか妙にリアル。
中途半端に関わっても止められるものではない。
まだ彼には覚悟が足りない。
まあ、それが普通の高校生だとは思うけど。
(何しろ周囲が化け物揃い)
稜子の身に降りかかったことは力技で抑えた形だから、犬神憑きの件と違い綺麗さっぱり「解消」して事件が終了しない。
彼女は今後も知らず爆弾を抱えて生きる羽目になるのが……
しかも稜子は今回姉も失っている訳で、彼女の不幸っぷりが凄い。
本編もこれからどんどん血生臭くなるしなあ(うろ覚えだが)
今後は魔女が動き出すから余計に。
ああいう終わり方をしたので、今後も続きが出そう。
楽しみである。