甲田学人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回は覚悟していたほど、心理的に来るものは少なかったような気がする……猫の話を除いて。
今回は短編形式で構成されているせいで一つ一つの話の重さが少々物足りないと感じてしまうのは相当毒されているな。今回の現象は今までのような残酷な“泡禍”ではなく普通のありふれた悪夢と表現したほうが似合いそうな雰囲気が漂っている。
現在と比べて三年前の時槻姉妹の性格が大いに違っていたことは意外だった。三年前の雪乃は普通の少女として、風乃は傷付くことばかりに意識を向けている社会的に死んだ人間のよう。このような過去を知るとあの悲劇の前後で一体どこまで残酷な出来事があったのか是非とも知りたくなってしまう。 -
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Posted by ブクログ
変った設定で面白い。
この小説を読むと、自分の判っていることを、他者に説明することの難しさが良く判るような気がする。
実に特殊な設定なので、説明回だけの話では、全部を理解することが実に難しい。
主人公が読者立場の「何も判らない人」側に立って、説明を受けるタイプの話だが、最初と中盤の説明だけではとうてい全てを納得出来ない。
とにかく、まず読者に何を理解させるのか、から入る小説なのだろう。
設定が凝っている半面、文章がちょっと……失礼ながら、つたない感じがしないでもない。こう、途中で読み手の気持ちを切らしてしまうところがちらほら。
ま、集中力が足りないのだ、と言われるなら、実際にそうなので否定は -
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Posted by ブクログ
マンション住人の子供が犠牲者の大半を占める一連の騒動がついに終局に向けて動き出す。事件に遅れてやって来た作家・夢人の元に情報が集まり始める一方、マンション住人の親の中にも変化が現れ始める。被害を免れた子供たちは、そして子供を抱える親たちは、無事正気で生き延びることが出来るのか。
そう、最初から気付いていなくちゃいけなかった。これは推理小説ではないし、ミステリーでもない。探偵役なんて最初から現場には不在だったわけだし、そもそも彼は探偵ではなく作家だ。何かできることがあるとすればそれは、主人公であるシングルマザーの編集者の出来る範疇のことであるっていうことだけだ。救いようがないが、ある意味救いと -
Posted by ブクログ
献本企画で当選しました。
この本を選んだ理由は表紙が可愛かったから。
あとは、自分ではあまりホラーを買ってまで読まないのでこの機会に読んでみようかなと思って。
当選してから気づいたけど、上巻でした…。
下巻を読まずに評価をするのは難しいので星は3つです。
シングルマザーの結は息子の克己が喘息を発症したのを機に、会社員からフリーの編集者に転身し郊外のマンションに引っ越した。
築浅で綺麗なマンションだしお隣の住人は同年代の子供がいる家庭で母子ともに仲良くなれそう。
幸先よく新生活が始まったと思われたが、そのマンションでは不可解な事件が起きていた。
子供、水難、人形…と日本ホラーのお約束 -
Posted by ブクログ
田舎にある有刺鉄線に囲まれた広場は、かつては子供の遊び場だった。――姫がそこに眠るまでは。
両親の仕事の都合で田舎に戻ることになった繭はかつての友人たちと再会する。けれどもそこには終始ぬぐい去ることが出来ない微かな違和感が終始漂っていた。違和感の根源を探るべく、かつてよく遊んだ空き地を真夜中に訪れた繭の目の前に現れたのはゴシックロリータの装束に身を包んだ少女・時槻風乃だった。
1・2巻で半探偵役だった森野不在のため、もはや死亡フラグしか立っていない! ありがちなどろどろ展開に陥ると思いきや、最後の最後まで友人たちが善意の人であり続けたために却ってラストは切なく悲しい。 -
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