甲田学人のレビュー一覧
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泡禍に立ち向かう騎士として生きていく覚悟をもつ雪乃ですが、蒼衣は彼女にもできるだけふつうの少女と変わらない生活を送ってほしいと願います。しかし雪乃は蒼衣の忠告には耳を貸さず、クラスメイトたちの迫害を受けていました。しかし、委員長の媛沢遥火(ひめざわ・はるか)だけは雪乃のことを気にかけて、彼女に接近し...続きを読むPosted by ブクログ
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人魚姫編の下巻で、神狩屋の過去の恋と人魚姫の物語をモティーフにした泡禍の謎が明らかになります。
今回は、これまでにくらべても救いのない結末で、それだけいっそう、泡禍に見舞われたひとの運命を理解し、それによって泡禍を終わらせる能力をもつ蒼衣のやるせなさが強く印象にのこっています。ただそれ以上に、志弦...続きを読むPosted by ブクログ -
電撃文庫のときに読んではいたものの、結構忘れていることも多いのだが、「そうじさま」の展開に関しては覚えていた方だと思う。
部活メンバーは救い出せても、他はすっきり終わらない結末も含めて。
最後のあるキャラの行動は当時も非常に度肝を抜かれた気がする。
本人はそれで救われた部分もあるのだろうが、見せられ...続きを読むPosted by ブクログ -
わたしが中学生のときに夢中で読んでいた伝奇シリーズの改訂版。
小野不由美さんの「残穢」のような、
伝染する怪異のお話です。
民俗文学や伝承文学、都市伝説を基盤としたホラーで、
とにかく怖かった記憶がある。
伝承文学、昔話や説話が大好きなので、
それを使ったライトノベルということで、まあそれは夢中...続きを読むPosted by ブクログ -
前後編となる奈良梨話。
今回、俊也は大怪我することなく活躍する場面が。
やっとだな……!
助けたかった先輩はご覧の有様。
今回の件の実行犯も「あの方」なので、結局あの一家はそういう結末を迎える運命だったんだろうなと、そう思うと切ない。
全ての元凶はおじいさまですけれども。
登場シーンは基本的に首を...続きを読むPosted by ブクログ -
メインキャラの身内から犠牲者が出たことに、電撃文庫で読んだ当時、随分驚いた覚えがある。
しかもムードメーカー的存在である二人(頭脳担当ではない二人)が、この話ではすれ違いが続くので、心休まる場面があまりない。
稜子の他者の気持ちを汲み取るところ、読んでいてしんどい部分もある。
重い、というか。
理...続きを読むPosted by ブクログ -
中学だったか高校だったかに読んで、今回再読。
改稿されてるらしいが全く内容を覚えていなかったので、初読の気持ちで読んだ。
淡々としてるというか、キャラクターの性格を地の文で説明してるのが多いな~という印象。学生時代に読んだときはもっと面白かった気がするのだけど。Posted by ブクログ -
ネット黎明期の都市伝説が廃れ始めたのは何時だったろうか。
ある意味で今よりも情報が断片的だった時代において、摩訶不思議なオカルトというのは流行になった。
今作はそんな時代に生まれた作品の新装版。時事ネタなど書き直しをしているそうだが、正直古びていることは否めない。
だが今作の目玉は強烈なキ...続きを読む -
神隠しの噂が伝わる町で、いわくありげな少女を連れてきたのは、高校でも随一の変わり者でありいろんな意味で一目置かれている空目という少年。通称「魔王」とも呼ばれる彼はしかし、少女とともにこの世から姿を消したのだった…
まず通称が魔王とは!?と思わなくもありませんでしたが、複雑な過去を持つ空目を中心に、...続きを読むPosted by ブクログ -
大学以来の再読。この手洗いうがいが喚起されている中、そして季節柄海の生き物を見たりする機会が増えるこのタイミングで読んでしまった……。でも気になって……。
神狩屋が普通そうで、尋常ではないことがよく分かる回。過去にしか希望がなく、人魚姫に縛られ、一生会うことも叶わない。名前が神を狩るっていうのも...続きを読むPosted by ブクログ -
大学くらい以来の再読。手洗いうがいが喚起されているこのタイミングで読んでしまった……。知ってたのに読んでしまった……。
神狩屋の過去が若い者同士とはいえ感情的だなって思ってしまう。自分自身のこととはいえ、いつもと違うんだよなあー。
泡の恐怖の連鎖反応はどうなるのか……。Posted by ブクログ -
実質再読。高校くらい以来。これも、いらないからともらった本。
魔女の連鎖とは……。最初は本当に怨嗟的なストーカー的なものだったと思うし、あの女性で終わっていたかもしれない最悪な物語。委員長が潔癖すぎて、そういうところも嫌に思っていたのかもしれないし、その優しさに影響を受けての雪乃の行動だったと思...続きを読むPosted by ブクログ -
実質再読。いらなくなったからともらった本。
童話を元に起こる悪夢のような出来事。みんなそれぞれに痛みがあって、その痛みを抱えながら生きている。これ以上の痛みを増やさないために。
ユング、フロイト関係の心理学は専門ではなかったものの、多少はやっていたので、イメージや連想の解釈は前より楽しめた。話...続きを読むPosted by ブクログ -
最後の最後になんて爆弾持ってきやがったんだ…。しかも超弩級の爆弾を……。
筆者も書いているように『なでしこ』という話は相当マイナーなようで、ネットでちょっと調べてみても全くヒットしなかった。だから『なでしこ』を知るのは本書が最初だったりする。『なでしこ』の内容は、最後にお妃が死んでしまいそれに...続きを読むPosted by ブクログ -
今回は覚悟していたほど、心理的に来るものは少なかったような気がする……猫の話を除いて。
今回は短編形式で構成されているせいで一つ一つの話の重さが少々物足りないと感じてしまうのは相当毒されているな。今回の現象は今までのような残酷な“泡禍”ではなく普通のありふれた悪夢と表現したほうが似合いそうな雰...続きを読むPosted by ブクログ -
相変わらずグロテスクだなぁ、ってのが正直な感想。
この巻ではようやく他の『騎士』も出てくるなどレギュラー陣の広がりを感じた。しかし、登場人物の半分以上に死亡フラグが立っているという状況には敬意を表せずにはいられない。
今回のテーマは“赤ずきん”な訳だが改めて読み直し、深く考えてみるとこの話...続きを読むPosted by ブクログ -
この作品は読むとトラウマになりそうなことばかり書いてあるな。台所でひたすら目玉を潰し続けるとか……。それに鹿狩の過去も壮絶すぎるし…。
私が密かに待ち望んでいた泡禍からの救出者。この作品では泡禍から生き残る人がやたら少ないので、たまには誰か助からないかなぁと思っていた。今回も生き残りはしたもの...続きを読むPosted by ブクログ