甲田学人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京で作家になっていた真木夢人が帰ってきた。それも地元で曰く付きの家系・七屋敷の娘である薫を伴って。婚約者との顔合わせの席で、思わずそのことに触れてしまった弟・現人に、夢人は「だからコレクションしたんだ」と耳打ちして小さな波紋を生み出す。事実、夢人の帰還はいくつもの波紋を生み出していた。例えば真木家の末娘・信乃歩の周囲で――
まずは顔見世といったところで控えめな感じがする。眼球に××××××するところとか、ひたひたとやってくる××××××とか、過去の作品を思い出して「おごぷ!」となりましたが……今作から読み始めた方にとってはどのように映るのか、作者が好きすぎて読めない。
顔見世と申しましたが、登場する人物が多いのです。
真木さんちの三人兄弟(夢人・現人・信乃歩)、夢人の婚約者の薫、現人の幼馴染み祐貴子、信乃歩の友人(命・あゆみ・駿・読書会のお喋り組四人)に――あと真木夫婦に七屋敷のお手伝いさんズに喫茶店マスター(一応語り手を一部分務める)を加えると人間だけで17人。加えて、冒頭から道祖神が真っ二つに割れ、異界にぶっ飛んだあとの描写がなされてやや群像劇風味。恐怖もたけなわになって前後不覚人事不詳、論理も飛んでフラットなまま場面転換が起こるのが妙に怖い部分もある。
尚、魔王陛下から始まる衒学の傾向は今作では夢人が引き継いでおり、今回はフレイザーの金枝編に言及。missingでも金枝編について触れていたため、missingを読んだ上で今作を読んだところ「みなさん、教科書は読んできましたか?」「はーい!」というやり取りが個人的に脳内で再生されました。展開もややベタ、まずは第一巻だから抑えめなのでしょうか。
今巻は現人が積極的に物語にかかわる部分はあまりなかったため、(道祖神が割れ異界描写のあとの)割と平常な導入パートが現人視点で語られるのは現人の異質さを客観的に描き出すことが出来るという良さもあるが、あんまり君話に絡まないよね? と疑問に思うこともしばしば。喫茶店マスターも同様だが、今後物語の展開で絡んでくることはあるのだろうか。
同様に長壁姉弟のキャラクターが出色だと個人的に思うのだが、あんまり出番がなかった……! これも次巻以降に期待か。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想像力が豊かだと、かなり辛い。
というスプラッタと生理的に想像したくないシーンがあります。うーん、このシリーズはそれが多いのだ。
最終章は「白雪姫」
王道の物語ですな。ある程度わかりやすい童話を題材にしているのでまぁ、有りですが。そして童話がいかに残酷かと思う解釈に、ちょっと思うところも。たしかにグリム童話は残酷ですが、改編することでよりそれが際だつってのも、なるほどって感じで。
この作者の話は、「救いようがない」という形の、完璧なバッドエンド一歩手前のより微妙な状態、という認識が私にはあるので、後半は、ここまでくるとその予感が。
入谷さんの断章が本気で救いようがないねぇ。
いや、断章は全てそうだけど。
ということで、後半です。