【感想・ネタバレ】ほうかごがかり3のレビュー

あらすじ

僕らの手には『それら』と戦う力はない。だけど。

二森啓は思っていたのだ。もう自分は、いつ死んでもいい存在だと。
だがもう、それは叶わなくなった――。
大事な仲間を立て続けに失い、悲しみと絶望感に覆われた『ほうかごがかり』。そんな時に啓が示した明確な意思をきっかけに、『太郎さん』は隠された事実を明らかにする――「七人目の『かかり』だよ」
どうやら前年から『かかり』でありながらも、ずっと役割を逃れている人物がいるという。それを知らされた啓たちは……。
「…………ほんとに、あれがやってたことを引き継ぐのか?」
理不尽、そして怒り。追い込まれていく子供たちの、死を決した闘いの記録。鬼才が放つ恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第3巻。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほうかごがかりシリーズ第3巻。とりあえず第一部完というか、この小学校での話は一区切り。

前作の引きから、もしかしたら惺は無事なのかもしれないと勝手に想像していたら。残念な結果で、尚且つ現実世界での死なので記憶から消されることがないという。

そして留希の担当していた「こちょこちょおばけ」は本当にタチが悪くて、「てけてけ」よりも大暴れしたんじゃないだろうか。

大方の予想どおり、ほとんど卒業できず。。。
そして何よりも菊。惺の決意とかよりも、菊の献身が切ない。甲田作品でこういうキャラと展開はあまりなかったのではないか。
太郎さんの話も意外性があり良かった。そういうことかと、今作一の驚きポイント。

とりあえず一区切りだけど、次巻からは別の小学校が舞台か。引き続き楽しみ。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

小学生の頃は『学校七不思議』というものはちょっとしたスパイスであり、ある種のファンタジーでもあったのに、それが鬼才の手にかかると、『子供たちから夢や希望や未来を根こそぎ奪い取る』という、こんなにもおぞましい物語になるのか…とあらゆる意味で半泣きになりながら読み終えた。それに対抗するのが、母を楽にさせるため自分は死んでも構わない=自身の未来に期待していない主人公、というのがまた上手く、おかげで『Missing』や『断章のグリム』以上に、これ解決するの?という絶望感も味わっていた。とはいえ、化け物を描き上げるためには自分も化け物になるしかない、と一線を越えた辺りの狂気感が凄まじく、『地獄変』を思い出すほどの迫力があってものすごく良かった。これはこれで二森啓にとっての『希望』では?いやそんな綺麗な感情ではないのでは?と、あれこれ考えてしまった。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

綺麗に終わった。
これ本当に綺麗に、ぎゅって苦しくなるぐらい綺麗に終わった。涙が止まらなかった。
多分、私自身が非常に涙脆いからだろうけれど。

次々と死んでいく『かかり』の子供に、7人目の存在。そういやどこかで見たことある名前だと思っていたら、前の作品の『霊感少女は〜』で出ていなかったかな?
会話文は「っ」とか「……」とか喋らないことが多いのに、何故だか登場人物の心情が分かる。それでいて景色が想像できるほど詳細。言葉は必要最低限のはずなのに。
登場人物の心情をそのまま刷り込んでくるかのような上手い書き方。多分、他の誰も真似できない。
理不尽な世界の中で、それでも最後には救済があるっていいね。だからこそ涙が出てくる。

面白かった。
シリーズを一気読みするぐらいに面白かった。
ホラーもあり、メルヘンチックでもあり、目が離せない作品です。

……これ後書を読んだけど、続刊あるって本当です?

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

第一部完結だが、おおなるほど、と息をついた。残酷だが、ほんのひとさじの優しさと暖かさがある。そこに至るまでの彼らの運命は幼き彼らには大きすぎるし残酷すぎる。暗黒のメルヘンの惹句がぴたりとハマる。
学校を舞台にした作品として、正直そこまでのアイディアはないのではないかと考えていたが、本書を読んで考えが変わった。毎年のように様々な子供たちを受け入れ、色々な在り方を見つめる学校とはある意味では異界そのものなのだ。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

ほうかごがかり3巻。前回、これからどうなっちまうんだ……!?っていう幕引きだったので心配だったのですが、期待を裏切らない面白さ!
ホラー要素が多めなのに、こんなに熱心に追いかけてるのはこのシリーズが初めてかもしれない。自分の卒業した学校にも語られない怪異があったのではないかと想像してしまう。

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2024年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

甲田さんの作品は登場人物が容赦なく死んでいくことが多いので覚悟していたが、予想通りの結果になった。
小嶋留希の最期は何とも味が悪い。絵を描き上げた瞬間屋上から落ちなければ助かっていたのではと思ってしまった…。
狐の窓で学校全体を見たときに森が見えたが、前作のMissingでは山が学校と重なって見える描写があったなとふと思いだした。
前作と照らし合わせられる部分もあって面白かった。
続刊予定とのこと、どのように続いていくのか楽しみだ。

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2024年05月14日

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