あらすじ
死の連鎖を誘う、「人魚姫」の真相――。
怪奇現象「泡禍」解決の要請を受け、雪乃たちは神狩屋の店主・鹿狩雅孝が昔暮らしていたという海辺の町を訪れた。過去に例をみないほど溢れ出す泡禍の匂いの中、彼らは鹿狩のかつての婚約者・海部野志弦の妹・千恵に出会う。
奇しくも志弦の七回忌を明日に控え、悪夢の泡は静かに浮かび上がる。そして人魚姫の物語をなぞる惨劇が巻き起こり――。切なくも悍ましい、シリーズ屈指の罪深き物語。
すべての起源に迫る奇書『マリシャス・テイル』初収録の完全版・第2巻。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
分厚さにびっくりしつつ、でもその長さを感じさせない、最初から最後まで飽きる暇もなく面白かった。
と言ってしまうには、あまりに凄惨で、犠牲者も多いので不謹慎な気もするが。
雪乃さんも蒼衣くんも今回はどちらかというとメインよりは傍観者に近く(特に雪乃さん、蒼衣くんは最後に役割があったのでよかったけど、雪乃さんは今回あまり見せ場がない)ひたすら神狩屋さんこと雅孝さんの掘り下げ話。
そしてテーマは人魚姫。
今回もそこからの連想、解釈が面白かった。
真相に至った蒼衣くんの推理と、今回の潜有者の目から鱗感じも。
それに人魚と言えば「あの伝説」も話さないとなと思っていたら、しっかり雅孝さん絡みで登場して満足。
ただ雅孝さんの過去を知って、トラウマにはなった。
手紙に書かれた「真実」を知ってしまった時の彼を思うと、こちらも胸が締め付けられます。
なんて生半可なものではなかったけれども。