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「君の奥底に眠る『願望(のぞみ)』は───何だね?」 小学校の校庭に立つ大きな桜の木。この桜は子供を攫う。咲が子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。──桜の花びらは危険だ。そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。 これは、『Missing』シリーズの夜色(ヨルイロ)の外套(マント)を身に纏った魔人と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは──。 甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『 -怪- 』と連動し、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
鏡の中に住む魚、薄くて実用的な文房具の光沢について、美しい蝶と茜色の蠅、そうして、桜の森の満開の下。夜色のマントを翻す怪人が放つ美しくて不思議な物語五つ――ただし並大抵の不思議ではなく、恐怖と生理的嫌悪に彩られた欲望が放つ不思議だ。
ライトノベル特有とされる文体の軽さにすっ飛ばして読んでしまっては少々勿体ない位である。正直真面目に辿ろうとすると「ぐわー」とか口から変な声が出るくらい痛い。余計な文章が無い分、回避しようがないのが恐ろしい所である。中二病の黒歴史を思い出してのたうち回るのとは別の方向で痛い。殺人鬼がひたひた迫ってくるような恐怖でもなく、幽霊が突如現れる恐怖でもなく、身体の奥からぐわぐわと溢れる得体の知れなさが持ち味か。
デビューのきっかけとなった「罪科釣人奇譚」を筆頭に、突き抜けてしまって爽快スプラッター(うそこけ)な「白刃奇譚」、ロマンチック色の強い「魂蟲奇譚」、書き下ろしの「桜下奇譚」は幻想と伝奇の比率が優。
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