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Posted by ブクログ
金貸しのスクルージ爺さんは、ケチで気難しく冷たい心の持ち主です。今日はクリスマスイブだというのに、たった一人の甥を追い返し、書紀のボブ・クラチェットを安い賃金でこき使っています。しかし家に帰ったスクルージの前に七年前に死んだ共同経営者のマーレイの亡霊が現れます。マーレイの亡霊は重い鎖をつけてスクルージに警告します。「この鎖は生前のわしが自分で作ったものじゃよ。お前もわしのようになりたくなければ心を改めよ」
そしてスクルージの前に三人のクリスマスの精霊が現れて、過去・現在・未来を見せます。
貧しくも希望のあった若い頃の楽しいクリスマス、金だけを信じて人の温もりを自ら投げ捨てたこと、自分が周りの人々にどのような酷い仕打ちをしたのか、そして人々は自分をどのように思っているのか。
自分の人生がどんなに冷たいものだったのか、自分が心を閉じずに人々と触れ合えば皆が楽しく良い人生が遅れるのに。スクルージは「わしが心を入れ替えれば、人々を助けることができて、わし自身も人間としての温もりを取り戻すことができるのだろう、まだ遅くはないはずだ。必ずわしは行いを改める」と決意するのでした。
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ディケンズーー!!おもしろいーー!!
始まりかたが<まず最初におことわりしておきますが、マーレイは死んでいました。そのことに疑いの余地はありません。マーレイを埋葬したことを証明する記録簿には牧師さんと教会書紀と葬儀屋と会葬者代表とのサインがきちんと揃っていました。会葬者代表としてサインしたのはスクルージでした。(…略…)つまり、マーレイ氏が死んだことは、ドアに打った飾り釘が死んでいるのと同じくらい確かなことだったのです。(P7)>などと長々しく念押しされたのには冒頭から笑ってしまいました。
このようなテーマは説教臭くなってしまうこともあるのですが、ユーモアと皮肉の混じり合いがとても良く、スクルージが改心して良かったと思えます。
出てくる人たちもいい人たちで、心からクリスマスを楽しみ、お互いを思いやっているので読んでいても気分がいいですね。
私は「クリスマスキャロル」の舞台を二種類見たことがあります。両方とも市村正親さん主演です。年末の気分向上にとても良いんですよ。
一つは一人芝居で、市村さんがスクルージはもちろん、ドアノブから女性の役もすべて演じきります。
もう一つはミュージカルで、これは再演のたびに年末の気分向上として3回位みにいきました。スクルージの甥と若い頃、甥の妻とスクルージが別れた女性の役をそれぞれ同じ俳優さんが演じて、大切なものを手放したスクルージと、大切に持っていた甥の姿として現れていました。また最初のクリスマスの精霊はスクルージの姉で(甥の母。しかし実際には妹ですよね?姉だと甥がなかなかの高年齢になってしまう…)、スクルージは大切な姉と会話を交わせたという描き方になっていました。
本も舞台でも、本当にいい気持ちになるお話です。
ではティム坊やの言葉を皆さんにも。
「神様のお恵みが、みーんなぜんぶにありますように!」
Posted by ブクログ
初めて読んだのは小学生のときで、ミッキーのクリスマスキャロルを観たのは保育園に通っていた時かな…。
簡単に言うと「人の親切を受け取らず、他人の不幸にも目を向けない人は、ひとりぼっちで不幸に死んでいくし、亡霊になった後も苦しむことになるんだぞ」という教訓めいた物語なのだが、子どもの頃の私の記憶からすると、これは「怖い物語」であった。
しかし、周りの友達や大人に聞くとそんな感想を言う人は誰もおらず、不思議に思っていた。
何故私だけがそんな感想を持っていたのか。
それはおそらく「死」というものが関係していると思う。
「幽霊」や「お墓」、「今は亡き共同経営者」など、この物語には数々の「死にまつわるキーワード」が出てくる。
ましてや、この物語は何者か分からない語り手から読者に語りかける方式をとっており、この物語に触れあうだけで、自分が死の国に引きずり込まれるような気になってくる。
そして、この「怖さ」が先行していたために、私はこの物語の真意を受け取ることができなかったのだと思う。
私自身想像力の足りない子だったなと思うが、本というものの受け取り方は人それぞれ。(開き直り)
一人くらい、私のような感想を持つ子どもがいても面白いかもしれない。
そのため、読書感想文や朗読会の題材としてはとても良いと思う。
現在の私は教訓も読み取れたし、スクルージが最終的には良い人になったことを喜ばしいと思う。
しかし、冒頭に出てきた、マーレイや他の苦しんでいた亡霊はどうなったのだろうか…。
今もクリスマスの時季になると苦しんでいるのだろうかと考えると、少し陰鬱になる。
Posted by ブクログ
冷酷な守銭奴スクルージが、神の慈悲によって改心し善人になる話。要約するとそれだけであり、そう聞いただけで脊髄反射的に読む気を失ってしまう人も多いだろう。まして作者の御都合主義ぶりは、翻訳者ですら認めている(というより、それがディケンズの一般的評価らしい)のだから尚更だ。
それでも私は敢えて高評価をつけたい。この作品の魅力は、ストーリーやプロットとは別の所にあると思うからだ。第一に、人間描写の妙。特に、大都会ロンドンの下町に生きる庶民の活写ぶりが秀逸だ(その光も闇も含めて)。次に、シニックでハイブロウなブリティッシュ・ジョーク。英国紳士は、たとえ読者が子供であっても手加減はしないようだ(「極めてむなしいもの」の比喩として「アメリカ合衆国の公債」を挙げるあたり)。
そして何より、クリスマスの情景の素敵なこと! キリスト教徒でないにも関わらず、この作品を読んだあと無性にローストチキンとクリスマスプディングが食べたくなったのは、絶対に私だけではないはずだ(イギリスのプディングとやらは実はあまり美味しくないという噂を聞いていてもだ)。このクリスマスの描写だけでも19世紀イギリスの風俗小説として読んでおく価値があると思う(ただし実際は順序が逆で、この作品の発表によってクリスマスを盛大に祝う習慣がイギリスに根付いたらしい)。
ディケンズの文章はやたらセンテンスが長くて読みにくいという印象があったのだが、岩波少年文庫の訳は平易で読みやすい。解説も充実しているので、子供だけでなく、大人のディケンズ入門としても手頃だと思われる。
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