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Posted by ブクログ
主人公トムは、夏休みをおじさんの家で過ごします。その理由は弟ピーターが、はしかにかかったため。やむなく預けられるのです。
退屈な夏休みかと思うとそうではなく、真夜中になると、昼になかった素敵な庭園がトムの前に出現し、ハティという少女との出逢いがありました。想像の世界は広がります。自然描写にうっとりです。
自分にとっての、ハティにとっての「時」や「時間」とは何なのか。自問自答するトム。
最後にトムが、真にハティのことを理解する物語の展開、構成は素晴らしいとしか言いようがありません。謎が解けたとき、感動が溢れました。
本書の巻末に作者ピアスの文章があり、この作品の理解が深められます。
ピアスの文章、最後の一文
「私たちはみな、じぶんのなかに子どもをもっているのだ。」
Posted by ブクログ
尊敬する作家のひとりである小川洋子さんが、忘れがたい作品として挙げていた一冊。本当に素晴らしかった…!
できるならば子供の頃に読みたかったし、トムとバーソロミュー夫人の間の年代である今読んだからこそ、どちらの気持ちも感じ取れた気もする
イギリス児童文学らしく、庭園にまつわる描写や、それを愛で、共に成長する人々の暮らしの様相が手に取るように伝わってくる
そもそもが個人的にイギリス文化贔屓なこともあり、この点だけでも100点満点の読み応えだったのだけど、更に素晴らしいのが、トムやピーター、幼いハティらの子供らしい感覚を、「未熟な大人」として見下したり、過剰に幼く無知に描いたりは決してしていないこと(優れた児童文学というものは皆そうだけども)
大人が考える「子供らしさ」という型(よかれと思ってトムを教え諭そうとする叔父夫婦のやり口も、ある意味これにあてはまる)から飛び出して、トムは自由に、大胆に、勇敢に、また驚くほど冷静に、真夜中の庭で素晴らしい時を過ごす。家に残してきたピーターや、幼いハティへの思いやりの心にも溢れている
その様は、子供と大人という時のくびきから解き放たれたひとりの人間として、とても魅力的だったし、だからこそ、ラストシーンの2人の邂逅にも胸が熱くなった
人生における特別な一冊が、また増えました
Posted by ブクログ
児童書なんだけど、おとなのほうが楽しめるかも?
めちゃめちゃ面白かった。
冒険への期待と不安、部屋からスケート靴が出てきたときの興奮!ハティとの別れを予感したときの寂しさ、再会できたときの喜びときたら!
今目の前にいるハティは、いったいいつのハティなのか?庭園の謎も深まり、ミステリー要素もあって、思わず懸命に推理するはめに。
結末は予想しやすいけど、十分泣ける。
印象に残ったシーン。
「トムは「過去」のことを考えていた。「時」がそんなにも遠くへおしやってしまった「過去」のことを考えていた。「時」はハティのこの「現在」をとらえて、それを「過去」にかえてしまった。しかしそれは、いまここで、ほんのつかのまのあいだではあるが、トムの「現在」に−トムとハティの「現在」になっている。〜」
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