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「飛ばし」とは含み損が発生した有価証券を決算期の異なる企業に簿価(購入時の価格)で一時的に引き取ってもらい、決算期を越えたら買い戻す取引のこと。時価会計基準の導入以降、「飛ばし」は過去のものになったはずだが、オリンパス粉飾決算事件によって再び世の注目を浴びる。「飛ばし」で問題の隠蔽を図る日本企業の経営者の体質と、金融工学を駆使し、そうした日本企業を食い物にしてきた外資系金融機関の実態を暴く。
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Posted by ブクログ
企業の損失飛ばしのお話。 手口は年々高度化するけれど、共通するのは下記2つ。 ・表沙汰にしにくい損失 ・ガバナンスの欠如 露見した時には途方もない損失になっているというね。。。手を替え品を替え、この手の事件は忘れた頃にまた起こるのでしょう(-_-;
「前述したワラント債は、ワラントと社債を切り離し、ワラントだけでも独立して売買できるタイプが主流だ。」 損失隠しの”飛ばし”に焦点をしぼった本。 実際に行われた飛ばしの方法、金額、経路が書かれている。 山一証券、ヤクルト、オリンパスの事例が登場する。 山一証券の倒産は悲劇的に語られるが、本書を読...続きを読むんで、山一はつぶれて良かったと感じた。金融のプロとして失格である。
簿価割れ資産を「飛ばす」場合、飛ばした先でどうやって資産をBS上簿価で抱いていたのか、抱く資金はどこから手当てしていたのかが全く理解できていなかったのだけど、この本でその疑問が氷解。「売り現先」、「仕組み債」、「のれん代として繰延べ」・・・。考える奴も見破る奴も凄い、と素直に思う。
果てしなくややこしいし読んでて暗い気分になる 嫌な現実から目を背けるためにはなんでもするという愚かさ バブル前後の金の価値の低さ(一度体験してみたい) あとはきっちり稼いでいく外資系金融機関のしたたかさ ま、儲けにならないことをこんだけ労力と金かけてやってりゃ大変なことになるわな 早く日本も資本...続きを読む主義国家になるといいんだけど
本業を忘れ財テクなんかに走るべきではない、「にぎり」で特金を運用するなどトラブルを進んで抱えるようなもので言語道断・・・そんなことを今になって声高に叫んでも所詮は後講釈だ。簿外の含み損が何百億円規模で膨らんでいく事態を目の当りにしたら、先送りして今をしのげればと願ってしまうのが人情だろう。山一証券の...続きを読む廃業に至る飛ばし、ヤクルト巨額損失事件、オリンパス事件。本書はこれらの発端から結末までの経緯を詳細に述べており、抜き差しならない状況に追い込まれる過程がひしひしと伝わってくる。各事件とも、歯止めの効かない杜撰な管理体制だったことに唖然とさせられるし、これらの教訓を踏まえて現在は法制度や社内管理体制が整備されているのだと思う。それでも仕組みを作るだけで再発防止できると果たして言えるだろうか?月並みだが、不幸な歴史を追体験し、少しでも立ち止まって考えることも必要なのではないか。本書はその機会を提供してくれると思った。
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飛ばし~日本企業と外資系金融の共謀~
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田中周紀
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