強さを、成長を、求められる社会で、ふと足を止めて周りを見渡すきっかけになるような、そんな本だった。
特に響いた言葉は以下
ひとつの行為にだって億の「原因」がありうるのだ。
たくさんの原因がある、というのは聞くけれど、これを具体的に「億」ということで一気にリアルなものとして自分の中に受け入れられた。この言葉は使っていきたいと思ったり。
「結婚する運びとなりました」もあながち間違った表現ではないのかもしれない。確かに。
弱いまま生きていくために
→休むのではなく「別の行為をする」
休むことは大事だ。だけど、自分が活動的だと自覚がある人は無理に休もうとするのはあきらめて、目の前の「有意義」な行為を別の行為に切り替えよう。
→大人になって、友達を作るために
あえて、「友達になってほしい」と背景も含めて伝える。
以下メモ
弱さ→自己コントロールの問題、自立の問題
規範を守り、社会に求められる人間像の幅に自分をコントロールすることができる人は強く、それができない人は弱い。
なぜ会社は毎年成長しなきゃいけないのだろう
→①競争:市場経済では常に競合が競争を仕掛けてくる
②負債:競争に勝つために負債が必要。利息を返すためにも成長を目指す。
・今を生きていない
あなたは「役に立てるのか」と、社会に問われる側にいる同時に、自分も外に対して「これって役に立つの?」と同じ問いを発する。
「役に立つ」はいつだって目的を必要とする。未来の目的に向かって、現在の手段が存在する。未来に手を伸ばすほど、足元が疎かになる。
・努力は不安に対するセラピー
未来が分からない不安を抱えた状態に耐えられないから、努力するんじゃないか?
「なんじらの勤勉は逃避である。自己を忘却しようとする意志である」ニーチェ
・能力も成果も、個人と個人の「あいだ」で生まれるのだ。誰もが日々高めようとする能力を、僕たちは所有できない。
・触媒的能力
その人が何をなしたか、ではなく、その人が周囲の人に「何をなさせたか」に注目する考え方。具体的にはごきげんでいること。ごきげんなんだけで、周りの人は働きやすくなる。
・人事評価
一人一人の能力をいかに正確に評価するか(能力は個人の内側に属する)ではなく、どんな外部リソースを提供すればこの人は輝くのか、どうすればこの人の内部リソースを生かせるのかという視点。
(この考え方に共感する一方で、最近の転職活動へのあおりはちょっと行き過ぎかも?と思ったり。これは私のつぶやき)
・アメリカ的思考:因果関係は細分化することで理解可能・コントロール可能(未来からの逆算で考える)
日本的思考:因果関係は複雑すぎて理解不能・コントロール不可能、「どのようになったか」という時系列で世界を捉える視点。
なのにビジネスでは、急にアメリカ式の未来からの逆算を求められる。
・パチンコ玉的自分:いつでもどこでも誰とでも、状況に左右されず変わらない強い自己
うつわ的自分:いつ・どこ・誰の状況で変わる弱い自己
・やりたいことがあるべきという空気、やめてもらえませんか
私には「やりたいこと」よりも、安心して「ここが自分の居場所だ」と思えるチームで働けるかどうかのほうが大事です。自分に周囲が期待してくれることを、ただ頑張るだけです。