井上慎平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
強さを、成長を、求められる社会で、ふと足を止めて周りを見渡すきっかけになるような、そんな本だった。
特に響いた言葉は以下
ひとつの行為にだって億の「原因」がありうるのだ。
たくさんの原因がある、というのは聞くけれど、これを具体的に「億」ということで一気にリアルなものとして自分の中に受け入れられた。この言葉は使っていきたいと思ったり。
「結婚する運びとなりました」もあながち間違った表現ではないのかもしれない。確かに。
弱いまま生きていくために
→休むのではなく「別の行為をする」
休むことは大事だ。だけど、自分が活動的だと自覚がある人は無理に休もうとするのはあきらめて、目の前の「有意義 -
Posted by ブクログ
普段小説ばかり読んでいるから、何となく身構えてしまっていた上に最初はビジネス業界についての説明があってしばらく寝かせてしまってた。
けれど、中盤からは社会で求められる強い人間って厳しすぎない?という話題からは自分についての話になったから読みやすかった
(途中『「論理的思考」の文化的基盤』が引用されててゆる言語学ラジオでやってたやつ!ってテンション上がったり、趣味の話になった時脳内で積読チャンネルの飯田さんが「趣味を持とう!」って言ってたりして楽しくなったのも大いにある)
むりやり何者かになろうとせず、仕事に依存するのでもなく、今の自分を引き受けてやってみようと思った
途中で出てきた自分は記憶で -
Posted by ブクログ
ネタバレ強くなろうとせずにいることが難しい時代を生きている。しかし、「強い人間」になろうと頑張るが、どこななり切れず、かといって「弱いままで良い」と開き直ることもできず、苦しんでいる。
弱さとは「自己コントロール」や「自律」の問題で、規範を守り、「社会に求められる人間像」の幅に自分をコントロールできる人は強く、それができない人は「弱い」
「何もできない」時期を通して学んだことは、「理性は幸運の副産物」「買い解決思考の問題点と待つことの大切さ」「自分の中の上から目線」
未来からの逆算なんて不可能。だが、逆算を強く意識し、未来へと続く一本道を選びがち。その引き換えとして、目標達成に関係しないものはノ -
Posted by ブクログ
双極性障害を患った著者の実体験と哲学的思考。
ビジネスパーソンとして成功の道を歩んでいたはずの道が、突然、苦難の道に変わってしまった。
著者に直接お話を聞いたわけじゃないから、ただの憶測だけれど、おそらく働き過ぎたのも、双極性障害の症状の現れだったかなと思う。
躁状態になるとエネルギーに満ちあふれて、凡人にはできない偉業を発揮する人もたくさんいる。
私が好きな夏目漱石も何らかの精神疾患を持ちつつ小説を書いている。
『こころ』は、夏目漱石の「こころ」が小説になっているのだろう。
そんな才能の一方、双極性障害の気分の波は、どうしようもない辛さ、苦しさ、悲しさを与えて、これでもかと心をぐち -
Posted by ブクログ
人の生きづらさを、仕事や経済、自己成長のような社会の常識の観点を中心に、どのように関わっているかが語られている。共感できるが今まで整理できていなかったことも多く、面白かった。
頑張ってる人を否定するような趣旨はこの本にはまったくないのですが、ただ頑張れることもいろいろな状況の積み重ねであり、優劣ではない、という話が本の中にあります。
物事は積み重ねという考え方は好きです。何事も因果関係が強くあるという考えを聞くと、私は懐疑的に思うタイプです。
なので言いたいことは理解できるのですが、一方でちょっともやもやするのが、それでも頑張った人や頑張っていない人はいて、頑張った人が褒められる世界はあって -
Posted by ブクログ
現代社会で働き、その中で生きづらさやしんどさを抱える人に、ぜひ第7章だけでも読んでほしい一冊です。
この本では双極性障害となってしまった筆者の経験や哲学・歴史・経済学など幅広い視点から、なぜ現代社会で働くことはしんどいのか、その中でどう生きればいいのかを考察しています。
第7章ではそれまでの経験や論文・書籍でみた内容を踏まえて、資本主義社会のしんどさの正体とどう自分を守るのかを論じています。
私がなんとなく感じていたしんどさの原因がこの本を通じてわかり、少し救われた気持ちになりました。
全体的にエッセイのように書いてある本なので、ビジネス書や人文書が苦手な方にも読みやすい一冊かと思います