あらすじ
「成長し続けなきゃ」
「仕事と感情は切り離そう」
「自責であれ」
「時間を何か有意義なことに使わなきゃ」
「◯◯力をつけよう」
「ポジティブ思考で生きよう」……
「強いビジネスパーソンを」目指して鬱になり、考えた、「資本主義のしんどさ」から自分を守って生きる法。
がんばりたいのに、がんばれなくなってしまったのは、なぜだろう?
これは僕だけの話じゃない。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
強さを、成長を、求められる社会で、ふと足を止めて周りを見渡すきっかけになるような、そんな本だった。
特に響いた言葉は以下
ひとつの行為にだって億の「原因」がありうるのだ。
たくさんの原因がある、というのは聞くけれど、これを具体的に「億」ということで一気にリアルなものとして自分の中に受け入れられた。この言葉は使っていきたいと思ったり。
「結婚する運びとなりました」もあながち間違った表現ではないのかもしれない。確かに。
弱いまま生きていくために
→休むのではなく「別の行為をする」
休むことは大事だ。だけど、自分が活動的だと自覚がある人は無理に休もうとするのはあきらめて、目の前の「有意義」な行為を別の行為に切り替えよう。
→大人になって、友達を作るために
あえて、「友達になってほしい」と背景も含めて伝える。
以下メモ
弱さ→自己コントロールの問題、自立の問題
規範を守り、社会に求められる人間像の幅に自分をコントロールすることができる人は強く、それができない人は弱い。
なぜ会社は毎年成長しなきゃいけないのだろう
→①競争:市場経済では常に競合が競争を仕掛けてくる
②負債:競争に勝つために負債が必要。利息を返すためにも成長を目指す。
・今を生きていない
あなたは「役に立てるのか」と、社会に問われる側にいる同時に、自分も外に対して「これって役に立つの?」と同じ問いを発する。
「役に立つ」はいつだって目的を必要とする。未来の目的に向かって、現在の手段が存在する。未来に手を伸ばすほど、足元が疎かになる。
・努力は不安に対するセラピー
未来が分からない不安を抱えた状態に耐えられないから、努力するんじゃないか?
「なんじらの勤勉は逃避である。自己を忘却しようとする意志である」ニーチェ
・能力も成果も、個人と個人の「あいだ」で生まれるのだ。誰もが日々高めようとする能力を、僕たちは所有できない。
・触媒的能力
その人が何をなしたか、ではなく、その人が周囲の人に「何をなさせたか」に注目する考え方。具体的にはごきげんでいること。ごきげんなんだけで、周りの人は働きやすくなる。
・人事評価
一人一人の能力をいかに正確に評価するか(能力は個人の内側に属する)ではなく、どんな外部リソースを提供すればこの人は輝くのか、どうすればこの人の内部リソースを生かせるのかという視点。
(この考え方に共感する一方で、最近の転職活動へのあおりはちょっと行き過ぎかも?と思ったり。これは私のつぶやき)
・アメリカ的思考:因果関係は細分化することで理解可能・コントロール可能(未来からの逆算で考える)
日本的思考:因果関係は複雑すぎて理解不能・コントロール不可能、「どのようになったか」という時系列で世界を捉える視点。
なのにビジネスでは、急にアメリカ式の未来からの逆算を求められる。
・パチンコ玉的自分:いつでもどこでも誰とでも、状況に左右されず変わらない強い自己
うつわ的自分:いつ・どこ・誰の状況で変わる弱い自己
・やりたいことがあるべきという空気、やめてもらえませんか
私には「やりたいこと」よりも、安心して「ここが自分の居場所だ」と思えるチームで働けるかどうかのほうが大事です。自分に周囲が期待してくれることを、ただ頑張るだけです。
Posted by ブクログ
いろんな悩みが吐露されていたが、1番つらいのは、未来のために現在が消費されている感覚なのではないかと思った。ゴールは必要だけど、そこに辿り着いた時に、犠牲にしてきたものを振り返りゾッとするような気がする。プロセスも目的に出来ればよいのだろうが、それもどこか自己欺瞞を伴っている気がする。
良く生きて、良く働いて、幸せになりたい。
しかし、プロセスエコノミーなど新しい考え方が生まれている昨今、共鳴するキーワードが、散りばめられていた。
Posted by ブクログ
今の自分がまさにこういう姿なのでどんぴしゃにはまりました。
本当、著者のおっしゃる通りで、いくら資本主義で生きることがつらいとか苦しいと思っても、それがあるからこそ私たちは戦争のない平和な世界で高い文化的な生活を送れているし、そこで生き抜いていく強さが求められている部分がある。
そのなかで、それなりの生活を目指してあがき続けるしかないというのはまさにその通りだと思うし、そこは折り合っていかないといけないと思わされました。
現代社会で生きていくことが心苦しいと感じている方、必見です。
Posted by ブクログ
普段小説ばかり読んでいるから、何となく身構えてしまっていた上に最初はビジネス業界についての説明があってしばらく寝かせてしまってた。
けれど、中盤からは社会で求められる強い人間って厳しすぎない?という話題からは自分についての話になったから読みやすかった
(途中『「論理的思考」の文化的基盤』が引用されててゆる言語学ラジオでやってたやつ!ってテンション上がったり、趣味の話になった時脳内で積読チャンネルの飯田さんが「趣味を持とう!」って言ってたりして楽しくなったのも大いにある)
むりやり何者かになろうとせず、仕事に依存するのでもなく、今の自分を引き受けてやってみようと思った
途中で出てきた自分は記憶で構成される(曖昧な記憶なので間違ってるかも)のくだりはとても気になったから、他の書籍で同じような内容のものがないか探してみたい
Posted by ブクログ
強くなろうとせずにいることが難しい時代を生きている。しかし、「強い人間」になろうと頑張るが、どこななり切れず、かといって「弱いままで良い」と開き直ることもできず、苦しんでいる。
弱さとは「自己コントロール」や「自律」の問題で、規範を守り、「社会に求められる人間像」の幅に自分をコントロールできる人は強く、それができない人は「弱い」
「何もできない」時期を通して学んだことは、「理性は幸運の副産物」「買い解決思考の問題点と待つことの大切さ」「自分の中の上から目線」
未来からの逆算なんて不可能。だが、逆算を強く意識し、未来へと続く一本道を選びがち。その引き換えとして、目標達成に関係しないものはノイズになり、見えなくなる。すなわち、「未来からの逆算と「偶然への感受性」は両立しない。
企業が成長を求められる理由は「競争」と「負債(金利)」で、市場における競争がある以上、「負債」を避けた「のんびり」を許してくれない。よって、どの業界にいても変化が求められ、「いつまでも同じことをしていてはいけない」と圧をかけられる。
社会学者晴人ムート・ローザ(2022)『加速する社会』
「初期近代においての間世代的な変化の速度から、「古典的近代」においで世代交代とほぼ同期した段階を経由し、後期近代に至って世代内的な店舗へ上昇した。」
すなわち、終身雇用から、「いつかここではないどこかで働く自分」の想定をするようになり、「自分はいつでも、どこでも役に立てる人間なのか?」という問いに繋がっていく。
人間は少人数ではごく単純な道具しか作ることはできない。例えば、ワクチンなどの高度な製品は絶対に無理。ここから、複雑な分業と商品を交換する市場経済でこそこうした交換は可能になり、市場経済を否定した自給自足の世界とは「治る病気も治らない」貧しい世界になる。つまり、今の世界は「何をするにもお金がいる社会」だが、日本では貯蓄のない世帯は三割。彼らは働けなくなったら、親族・共同体・福祉に頼るしかない。
給料は売り上げから原価を引いた粗利から払われるが、粗利は「一人でいかに多くの人を相手にできるか」に大きく左右され、そのために、現場があり肉体という物理的制約がある
エッセンシャルワーカーの給料は低くなる。
「役にたつ」はいつも目的を必要とし、これにより「未来の目的」に向けて「現在という手段」が存在することに。その結果が、現在の手段化で、「これは(未来の)役に立つの?」という質問となる。
「努力は良いことだ」は「変化・成長は良いことだ」と同じく、社会的・経済的に形作られた規範であって、ヒトの動物的な本能ではない。しかし、産業化が始まり、「努力は良いことだ」と多くの人が思っていた方が社会は発展するため、試験・評価を通じて「時間を有意義に使おう」という考え方が内面化され、際限なく強化されていく。
鈴木宏昭(2022)『私たちはどう学んでいるのか』
「自分の内部リソース(経験・記憶)」と「外部リソース(状況・環境)」とが相互作用を起こした結果、「能力」と呼ばれるものが生成される」
=「コト」的能力観
≠内部にある「モノ」
優秀な人とは、自分の内部リソースの見極めと必要な外部リソースの調達・提供が上手い人
老いとは、「できること」が一つ一つ「できないこと」になっていく過程を示しているが、人は全ての能力が必ず消えゆくという事実にあまりに無頓着に、そして無邪気に能力を追い求めたはいないだろうか?
ビジネスの世界が前提とする個人像が強すぎるのでは?
・自己認識:いつでもどこでも誰とでも「変わらない私」
・重要要素:生産性
・世界観:能動的
→個人主義という規範へ
ジョセフ・ヘンリック(2023)『WEIRD「現代人」の奇妙な心理』
「Western「西洋の」/Educated「教育水準の高い」/Industrialized「工業化された」/Rich「裕福な」/Democratic「民主主義の」に表される現代人が持つ「WEIRD」な特徴は、西洋のごく一部の国々のものでしかないのに、あたかも「現代人の普遍的真理」のように扱われる」
「「現代的」な特徴は、周囲の状況に関わらず、「自分自身」であろうとすること」
「ほとんどの社会は親族関係をベースとして成り立っていて、個人ベースのWEIRDな国々の方がむしろ例外」
渡邉雅子(2023)『「論理的思考」の文化的基盤』
「日本は、社会秩序を成り立たせる道徳心を、他者との共感を通じて養う「社会性原理」によって、アメリカは、比較検討し最も早く確実な手段を選択し目的を達成することを重視する「経済性原理」によって教育が組み立てられている。」
「日本社会の中では、感想文や心情を読み解く共テなど、一貫して「他者の心情の読み解き」と「共感」が求められている。」
「アメリカの教育は、結論ファーストのライティングスタイルなど、ビジネスの原理そのもの」
「未来(結論)」からの逆算のアメリカと、現在からの成り行き(時系列)の日本では、時間の流れが逆」
人間は公正な世界を望み、因果応報であってほしいと願う公正世界仮説により、人々が事件に巻き込まれる結果を見ると「落ち度があったのでは?」と被害者のうちに原因を捏造してしまう。そうすることで世界から公正を保とうとするが、これは被害者バッシングにつながってしまう。
「仕事ができるかどうか」を含む、誰でもわかる普遍の基準で測る限り、必ず自分より上の人が現れ、満たされることは難しく、満たされ続けることは不可能に近い。
Posted by ブクログ
あとがきにある、
いい本はいい問いを与えてくれます。
ページをめくる手がしょっちゅう止まる。
頭の中はまとまらない思考でごちゃごちゃです。
まさにその通りな本で、
この読み方でよかったのだと最後に安心させられた
また読まねば…!
Posted by ブクログ
双極性障害を患った著者の実体験と哲学的思考。
ビジネスパーソンとして成功の道を歩んでいたはずの道が、突然、苦難の道に変わってしまった。
著者に直接お話を聞いたわけじゃないから、ただの憶測だけれど、おそらく働き過ぎたのも、双極性障害の症状の現れだったかなと思う。
躁状態になるとエネルギーに満ちあふれて、凡人にはできない偉業を発揮する人もたくさんいる。
私が好きな夏目漱石も何らかの精神疾患を持ちつつ小説を書いている。
『こころ』は、夏目漱石の「こころ」が小説になっているのだろう。
そんな才能の一方、双極性障害の気分の波は、どうしようもない辛さ、苦しさ、悲しさを与えて、これでもかと心をぐちゃぐちゃにしてくる。
まだ著者は辛さの渦中にいるだろう。
この病気を受け入れるのも大変だっただろう。
この本には、弱い自分を曝け出して書かれている。
著者が参考にしている書籍もたくさん紹介されており、非常に有益な本だった。
そして、著者は編集者であるためか、非常に読みやすい。
(編集者の書く本って、どれも読者を惹きつける魔法がかかっていると私は思う。先入観多め。)
精神疾患は、オープンにされていないだけで、実は多くの人が抱えている病である。
『弱さ考』を読むことで、救われる人がたくさんいるだろう。
そして、精神疾患だから「弱さ」があるんじゃなくて、人間なんて全て「弱さ」でできていると私は思う。
「弱さ」があるから、考える。
「生き方」に正解はないけれど、私は正解を探しがち。
自分の哲学を築かないといけないな。
Posted by ブクログ
■今と未来
「未来志向」は目的達成という結果を通して、プロセスと結果に充実感を見出すという考え。
一方で「今が幸せであればそれでいい」という考えは、プロセスとして人生を深く味わうという考え。
未来は不確実性が強いため、100%未来を意識して今を生きるよりも、50%未来を意識して今を生きる方が気楽でいいんじゃないかと思った。
Posted by ブクログ
強いビジネスパーソンになるためには❓他人の事を思いやったり いかに不快にさせないで場をおさめるのかを教えられてきた日本人には真逆な事をビジネスの世界では求められている❓ポジティブに未来に向けて自分が今何をすべきか考えて行動する 未来思考も実は又社会に出て強く求められる事 上手くそれに乗れない人を弱い人だとは思えない むしろ共感できる
Posted by ブクログ
人の生きづらさを、仕事や経済、自己成長のような社会の常識の観点を中心に、どのように関わっているかが語られている。共感できるが今まで整理できていなかったことも多く、面白かった。
頑張ってる人を否定するような趣旨はこの本にはまったくないのですが、ただ頑張れることもいろいろな状況の積み重ねであり、優劣ではない、という話が本の中にあります。
物事は積み重ねという考え方は好きです。何事も因果関係が強くあるという考えを聞くと、私は懐疑的に思うタイプです。
なので言いたいことは理解できるのですが、一方でちょっともやもやするのが、それでも頑張った人や頑張っていない人はいて、頑張った人が褒められる世界はあってもいいと思います。そういう世界と、状況の積み重ねで何事も捉える世界がどう併存させられるのか、作者の意見を聞いてみたいと思いました。
また、人は本質的に頑張ったりその結果評価されることは好きなことなのではないでしょうか。資本主義的な考え方が、人間の本質と適応している部分もありそうと思うのですが、ここも作者の意見を聞いてみたいです。
でも面白かったです。
Posted by ブクログ
著者と同じ病気で休職し、復職する頃に読み始めた。原因と結果を分析して改善するという仕事での思考を人生にも当てはめて生きづらくなった自分にとって、「今の自分はたまたまこうなった、受け入れ難いけど」と開き直るには至らなくとも弱さも含めて仕方ないと思えるような防具になった。
Posted by ブクログ
思索、内省が深く、メンタルダウンした身としても共感するところが多くあった。
「時間ができると「何か役に立つことに使わなければ」と考えてしまい、しんどいです」
は、まさに自分のことだ。
「仕事」が自分から消え去っても生きていけるように、依存先を増やしておく。
とは、よく聞くけど中々むつかしい⋯
Posted by ブクログ
弱さの哲学について、仕事を頑張りすぎて鬱病になってしまった著者の人生経験からまとめた本。
誰もが陥る可能性がある著者の経験談(言語化)はとても貴重で考えさせられる。
著者が考え抜いた弱さの哲学は、色々考えさせられる事ばかり。まだ自分の解釈まで至ってないが、もう少し時間をおいてから読み返して自分の考えをしっかりと持ちたい。
Posted by ブクログ
会社も人も、なぜ成長を求められるのか、なぜしんどいのかを哲学、社会学、文化人類学など、色んな視点で説明していて分かりやすかった。最終章にめちゃくちゃ共感。
Posted by ブクログ
余白と優しさに溢れた一冊
自分を過大評価して負荷をかけすぎた結果、心と体を壊したあの頃の自分に読ませたい
頑張ることは好きでやってるけど、それすらも自分で選択したことじゃないかもしれない
と気付かされた
たまに来るどうしようもなくしんどくなったときに読み返したい
Posted by ブクログ
自分は2025年4月から外資系企業に転職し、強い人間にならなければと1日1日を大切に、飲み会=時間の無駄と思っていたが、考え方が変わった。自分が強い時に相談できる人を増やす事を特に大事にしたい。
Posted by ブクログ
現代社会で働き、その中で生きづらさやしんどさを抱える人に、ぜひ第7章だけでも読んでほしい一冊です。
この本では双極性障害となってしまった筆者の経験や哲学・歴史・経済学など幅広い視点から、なぜ現代社会で働くことはしんどいのか、その中でどう生きればいいのかを考察しています。
第7章ではそれまでの経験や論文・書籍でみた内容を踏まえて、資本主義社会のしんどさの正体とどう自分を守るのかを論じています。
私がなんとなく感じていたしんどさの原因がこの本を通じてわかり、少し救われた気持ちになりました。
全体的にエッセイのように書いてある本なので、ビジネス書や人文書が苦手な方にも読みやすい一冊かと思います。
Posted by ブクログ
「頭でわかる」と「腹からわかる」の間にある、目も眩むほどの距離
他のありようでありえたのに、今なぜかこのような自分として在ること。結果に対する原因はひとつじゃないし、単純じゃないのに、脳は世界を単純な物語に落とし込んでしまう。物語は生物としてのエラーであり、耐え難い現実に対する救いでもある。私は私を所有したりコントロールしたりしていない。
「私」は「あなた」だったかもしれない
Posted by ブクログ
経済的合理的価値観にどっぷりとはまり、そのせいで鬱となり、そこからどうにか抜け出そうともがき、人と出会い、考え抜き、自然体でいることに答えを見つけかけそうになって、それでもふとした瞬間にともとのビジネスマン的考えが頭をよぎる。そんな著者の苦闘をエッセイ。哲学書では無いと言っているが、生きるとはかくも苦しいものか、それを体現する本書は立派な哲学書に思える。
「他のあり得た自分について思いを馳せることをやめないと、ここにいる自分という偶然を引き受けないと、1回きりの自分だけに固有の生きるが始まらない。」
頭では理解しても、そう簡単には体現できない。それも分かったうえで、楽に生きるために、心持ちとして覚えておきたい。
Posted by ブクログ
社会に求められる人間像にコントロール出来ない人=弱い人
→年々求められる人間像の難易度が上がり、弱い人が増えている。
著者はバリバリのビジネスマンだったが、鬱になり弱い人になった。
鬱になった中での気づき
①理性的でいられるのは幸運の副産物
②即解決よりも待たなければ解決できない問題もある
③人の価値は生産性では決まらない
④自分の人生は自分で選んできたつもりかもしれないけど、社会が個人に与える影響も大きい。
(自己責任だけじゃ解決できない問題もある)
今の社会は、自分は転職(違う会社)でも価値を発揮できる人間なのか?
→過度のコスパ、タイパ主義
能力は自分のものだけでなく、人と人の間で生まれる(活かす)という視点がある。
また能力は環境で決まる。
日本の教育とアメリカの教育
→日本は会話で結論からではなく順序的に話すことが多く学校教育でも流れが重視されていたが、社会では結論ファースト(アメリカ的)なことが求められる。
この今までの教育と社会で求められることのギャップが苦しい
弱っているなら逃げていい!
遠回りや寄り道をしてもいい!
今の時代メンタル回復系の本も多くあるが、こういった鬱になって弱い立場になった人が、今の社会は苦しい!と叫ぶそういった本こそ必要だったのかもしれない。
私自身も受け入れられない(実感がもてない)部分もあったが、きっとそれが自分が漠然と抱えている不安や恐怖なのだと思う。
Posted by ブクログ
沁みる場面、そうでない場面もあった。
だが、自分の中の心の中のドロっとしたものが少し溶けた気がする。読んでよかったと思えるし、手放したくない一冊でもある。自分が何者か悩んだり、自分以外のことでも迷いや懊悩が生まれたら読み返したいと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
この本から以下の問が投げかけられた。ただし、基本的に答えは読者に任せられていると感じた。筆者の答えも書かれているがイマイチ納得できなかった。納得できない理由は、筆者のせいではなく、私や社会がこれらの問に向き合ったり取り上げたりしてこなかったことだと思う。
・成長しないといけないのか?
・自己責任とは?
・あなたが、他人が進んでいる道は、選んだ道、選んでない道、選びようのなかった道、選ばざる得なかった道、どれ?
・メンタル病んだら終わり?
・自分の価値って何?絶対評価?相対評価?定量評価?主観的評価?客観的評価?
※特に成長しないといけないの?は考えさせられる問。近所の家族経営のラーメン屋は人気があっても成長とか考えてなさそう。成長しなきゃいけないというお題目は、実は過半数の人が実践してないかも。そして実践しなくてもいいかも。
Posted by ブクログ
この超加速時代に求められるビジネスパーソン像は逞し過ぎるという話。
資本主義を憎み社会を変えようとするのではなく、自分の弱さを受け入れてみるのも悪くなさそう。
Posted by ブクログ
生きづらさを感じている人がそれでもこの社会で生きていくための方法を教えてくれる本。
"私には「やりたいこと」よりも、安心して『ここが自分の居場所だ」と思えるチームで働けるかどうかのほうが大事です」"
とても大切な一文だと感じた。
Posted by ブクログ
著者は、NewsPicksパブリッシングを立ち上げ、編集長として成果を上げてこられたのちに、精神の健康を崩し、何もできなくなってしまい、そんな経験からあらためて今日の社会の「強さ」と「弱さ」について問い直す考すことになった思考の旅を綴られています。
編集長など、多く本に関わってこられたこともある中で、読書が思考を形作る基盤となってきているようで、数々の本や著者の議論が参照され、読書遍歴のような側面もありました。
Posted by ブクログ
母が適応障害になってしまい(わたしも数年前になったことがある)、本屋でふと気になって読んでみた。ビジネス書の分類だと思うけど、内容はあんまりそれっぽくなくて逆によかった。著者が読んだ本の紹介も交えて、こういう学びがあったという風な構成だから、気になる本が増えていい感じ。