【感想・ネタバレ】強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考のレビュー

あらすじ

「成長し続けなきゃ」
「仕事と感情は切り離そう」
「自責であれ」
「時間を何か有意義なことに使わなきゃ」
「◯◯力をつけよう」
「ポジティブ思考で生きよう」……

「強いビジネスパーソンを」目指して鬱になり、考えた、「資本主義のしんどさ」から自分を守って生きる法。

がんばりたいのに、がんばれなくなってしまったのは、なぜだろう?

これは僕だけの話じゃない。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

働き過ぎで双極性障害を負った著者だからこそ、それまで自分が描いていた「ビジネスパーソン」たるものの像から、それは偶々がもたらした像だったと気づくまでの軌跡。実感がこもっており、共感した。

結論として、(1)人生とは偶有性に翻弄されて続ける中で生きること。であるならば、自分の理想と現実が合わなくても、それをまずは引き受けるしかない。あがらうのではなく、偶々そういう役回りが自分に振られた と淡々と受け止める。(2)そうであっても、口惜しさは残る。なんで自分なんだ。そのプロセスを、一瞬一瞬を生きる。

と書かれていて、竹田青嗣の解釈によるニーチェの永劫回帰思想。「もしこれが永遠に繰り返されても、私はこの人生を愛せるか?」と自分に問い続けることで、「一瞬の喜びのために、全宇宙を肯定する」。
この強烈なまでの生の肯定が、ニヒリズムを突き抜けた先にある「超人」のあり方だとされています。

ニーチェの超人思想との差が感じられた。

キュブラー=ロス「死の受容の5段階モデル」とも似ていて、人生のままならさを受け入れることの大変さを感じた。

ヴィクトール・フランクルのロゴセラピーの「私が人生に何を期待するかではなく、人生が私に何を期待しているか」と同じ変換が起きて、こんな私だからこそできることをやる。それで十分という思いも伝わってきた。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ビジネス社会の規範と価値観を自分と同一化していた作者が、多忙の末にうつを発症した話。理性的だと自負していた自分が、障害を抱えたことで、いかに幸運だったかを知り、行き着いた弱者の生残り戦略。
異常なゲームには参加しない、他人のルールで戦わない、時には逃げるーーというのは大切だが、普通な結論だなとも思う。ただ、そこでは終わらないんだよね(エモい。

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2026年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

独身未婚中年男性の自分が読んでみました。
いや~、自分も大概面倒くさい思考の人間なので生きづらいのですが、ここまで難しいことは考えません。これだけ物事を難しく考えずにいられないのであれば、そりゃ生きづらいだろうなと。もっとも、メッキであれ一瞬でも「強い人間」を演じられたから、妻子を得られたんでしょうね。それだけでも十分強い人間だと思います。
強い人(元、でもないと思う。本書いて出せるんだから強い人です)が、弱いってなんだろうと、すごく難しく考えた内容をそのままストレートに書いた本ですかね。

「働く場所で求められる「強い人間」になろうと僕たちはがんばるが、どこかなりきれず、かといって「弱いままでいいんだ」と開き直ることもできず、苦しんでいる」(p7)のはまさにその通り。弱いままでいたいわけじゃなく、強くなりたいんです。

タイパだコスパだという人についてつくづく思うのは、本当に現代人って、待てないんだな、ということ。著者の井上先生もそうだったみたいです(p41)。休まなきゃいけないときぐらい、スマートフォン見なけりゃいいのに・・・。
といって、自分が待てるかというとそうでもないのですが。「なお、本書は「引用部分の飛ばし読み」をしてしまうと全体の意味がつかめなくなるのでご注意を」(p42)とあって笑ってしまいました。なので、天の邪鬼な自分は、引用部分はしっかり読んで、本文を飛ばし読みしたら、全体の意味はだいたいつかめました(笑)。

どなたかかこの本を、賢い人が頭の中に出てきたものを殴り書きしたようだと評していらっしゃいましたが、まさにそんな感じ。おそらく、この方が若い頃の感覚があれば、この本で言いたいことは半分の分量で済んでいたかもしれません(タイパ・コスパを求めすぎ?笑)。

自分もできれば、仕事は「「手持ちのお金で、やれる範囲で、のんびり商売します」と言えれば」(p61)と思っています。経済成長はしないと困るけど。

働けなくなった場合の生きていく道は3つしかないというのはたしかにそうで、裕福な家族親族がいるか、救ってくれる共同体に属せるだけのコミュ力か、福祉を頼れる勇気ということになる(p81~82)。
最終的には、コミュ力(勇気もコミュ力)になると思う。そこで、井上先生は以前職場にいた、無口だがニコニコ話を聞いてくれるFさんは、コミュ力があるとは評価されないだろうが、こうした人が職場で必要と説く(p124)。でもこれって、自分はFさんの立派なコミュ力だと思う。

もっとも、昔は技術があれば無口でも職人などが成立しましたが、今はダメですよね。今の高収入職種は、コミュ力がないと就けない。なので、仕事からこぼれ落ちるのはコミュ力のない人。そうすると、仕事以外のリソースでもつまづくので、どんどん貧困・孤立化していく。結婚できる高収入の人は男女ともにコミュ力オバケのハイスペパワーカップル。どんだけディストピアなんだか(笑)。

最終的にこの本の結論は、これまでの、他の著者が言うような弱者生存スキルと同じ所に着地していると思います。それは間違いではなく、本質をちゃんと捉えているということ。もっとも、それがゆえにこの本を読まなくても得ることのできる知見です(自分は現在うつの症状がやや出てきており、この本を読むのはもの凄く疲れました。なので、うつの人にはお勧めできない)。
「「仕事以外の依存先」を増やしておく(p234)、「あらゆる存在と「関係性のセーフティネット」を張る」(p248)、「逃げられるうちに逃げる」(p252)、など、本当に重要。自分も「「こんなことでストレスを感じる自分はダメなんだ」」(p255)と思っていましたが、自分はキャパが小さいと自覚できたので、身の丈に合った環境への移動はできるならしてもよいのだなと思えるようになりました。「「よりよい明日」を目指さない」(p258)、人生、後退することもあります。でも、進む日もあります。

40代の過ごし方。芸能人の星野さんと若林さんの対談番組の話、お二人とも40代でも悩みやストレスが尽きないと言います(p262)。結論は、120歳でも「俺はこんなもんじゃねぇ」って言っている気がする、というもので、井上先生はその頑張ることが自分にはできないと落ち込みます(p264)。その気持ち、すごくよくわかります。嫉妬です。でも、井上先生も、20代30代で舞台に上がったじゃないですか。自分なんて、中年になりましたが、今まで人生でスポットライト浴びることはなかったですよ(笑)。まあ、井上先生より下層の自分と比べられてもお嫌でしょうけど・・・。

「「学ぶ者」の上から目線」(p269)は、しっかりと井上先生からも感じ取れました。「傷つけてしまったら「ごめん」」(p278)という項目タイトルは、ちょっと気になりました。自分もこの言葉を言われたことがありますが、言った本人から謝罪の意図は感じられませんでした。「傷つけてしまったら」ではなく、自分は確実に傷つきました。だから、そこは四の五の言わずに「ごめんなさい」と言ってくれないと、こちらはおさまりません。でもその相手にはもういくら言っても通じないなと思ったので、矛をおさめました。

この本読んでよかったと思ったのは、大人になってからの友達づくりに、「友だちになりたい人に「友だちになってください」と伝えている」(p243)ということ。他のレビュアーさんも書いていましたが、この発想は自分にもありませんでした。さすがに、自分は井上さんみたいなハイスペなバックボーンがないので、KKO(気持ち悪くて金のないおっさん)の自分が言ったらかなりドン引きされそうですが、ある程度信頼関係が築けたら、言ってみようかなと思いました。

自分も十分難しく考えてますね(苦笑)。

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2026年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は、NewsPicksパブリッシングを立ち上げ、編集長として成果を上げてこられたのちに、精神の健康を崩し、何もできなくなってしまい、そんな経験からあらためて今日の社会の「強さ」と「弱さ」について問い直す考すことになった思考の旅を綴られています。

編集長など、多く本に関わってこられたこともある中で、読書が思考を形作る基盤となってきているようで、数々の本や著者の議論が参照され、読書遍歴のような側面もありました。

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2025年11月23日

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