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韓国社会を震撼させたデジタル性犯罪「n番部屋事件」。その実態を暴いた2人の大学生による取材記録! 「n番部屋」と呼ばれるテレグラム内のチャットルームでは、卑劣な手口で未成年者を含む女性たちが性的搾取の対象とされていた。被害者を救うべく「追跡団火花」として立ち上がったプルとタンによる潜入取材、そしてフェミニズムとの出会いやメディアの反応など事件前後の出来事を記した「わたしたち」の連帯のための一冊。
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Posted by ブクログ
普通の、今まで自分が読んできた事件のルポルタージュや本とは一線を画す内容だと思う。 まず、被害内容がほぼ書かれていない。被害者がどのような目にあったかの具体的内容が書かれていないことがとても印象深かった。追跡団火花が被害者の事を考え、事件をただの消費物としないように最大限配慮している事が伝わってきた...続きを読む。センセーショナルな書き方は避け、あくまでも追跡団火花が行ってきたことを視点として書いている。なので、前知識がないと少し事件を把握するのが難しいところがあるかもしれないし、n番部屋事件を知りたいという欲求には少し物足りなさを感じるところがあるかもしれない。でもそれはこの事件をセンセーショナルに消費したい欲望がそうさせているような気がしてきてそれを自省しながら読んだ。 とくに本の中盤。追跡団火花の2人の事件とは一見関係ない日常についての文章が、かなりページを割いて掲載されている。n番部屋についてが知りたかったのでこの部分は必要なのか?いるのか?と思いながら読んでいたが、徐々にそれが必要であるかを理解した。 ともすれば日本よりも厳しい男尊女卑が韓国には溢れている事を知ったし、追跡団火花の2人がどうして追跡団火花として活動するに至ったのかをより深く理解することができた気がする。(何しろ髪をショートヘアにするだけでもかなりの決断を強いられるという衝撃) 韓国の話だけど、まるで日本の話のような気持ちだった。性犯罪に対してのあまりに軽い刑罰、一向に減らない加害者、政治家の無理解、などなど。 それに男性不信になりそうというかちょっとなる。加害者はもちろんだがデジタル性犯罪には傍観者という存在もいて、それがひょっとしたら身近な人かもしれないというのがとても恐ろしく感じた。 後半に今後どのような法整備が必要かなども書いてあって、それはそのまま日本にも当てはまる内容だと思った。日本も韓国のように変わっていってほしいし、そのために微力ながら力を尽くしたいと思わせる1冊だった。
悪いのは加害者 時代やテクノロジーはどんどん進むが 法や人々の認識は同じスピードでは進まない でも、だからこそ!
N番部屋事件とは何か?という詳細を知れる本かと思って手に取ったので、火花の2人のエッセイ集的な第2章が正直長すぎて読むのしんどいなと思ってしまった。 2人が今は実名を公表して活動されていることは知らなかったが、こんな壮絶な体験を経てその決断をした勇気に驚くし、彼女たちが安全で幸せに日々を過ごせていて...続きを読むほしい。
本書では被害者のことを考慮し具体的な被害内容は描写されていない訳だけれど、断片的な情報だけで日本で女をやってる身としては何が起きたのか想像がつく。むしろ具体的に書かれてたら読み切れなかった気がするので助かった。 第2部では追跡団火花の2人の現在に至るまでの経緯が書かれている。彼女達の経験している侮辱...続きを読むやセクハラやからかいは、私にも身に覚えのあるもので、それらはn番部屋事件と地続きにあるものだと思う。けれど「その程度で被害だなんて」って言われちゃうんだよな。
挫折しそうになったが、読み切った。ショートカットとノーメイクにそんな深い意味があろうとは全然知らなかった。恋人がいてもええやんか。
n番部屋事件というネット上で起きた性犯罪についてのノンフィクション。 記者志望の女子大生2人が事件を追跡して、その実態を社会に知らしめるまでの一部始終が書かれている。 性犯罪に対する社会の目は昔と比べたら確実に厳しくなってきていると思う。 それでもまだ「そんなことくらいで騒ぐなんて大袈裟だ」とか「...続きを読む被害者側にも隙があったんじゃないか」みたいな声はあって、いい加減にしてくれよ令和になってもこれかよって怒りを感じる事がたくさんある。 そしてn番部屋事件のようにネット上でも事件も増えてきていて、この世から性犯罪が無くなる事なんてあるんだろうかと絶望的な気持ちにもなる。 n番部屋事件を取材した女子大生達の勇気と行動力が本当に素晴らしいのはもちろんだけど、過去の話が特に胸に刺さった。 彼女たちがn番部屋に関わるまでの人生には、彼氏や学校の先生やアルバイト先の社員による性的搾取のエピソードが散りばめられていて、そのどれもが許せないできごとだ。 だけど残念ながらよくある話で、女性は皆似たようなことを何度か経験しているだろう。 私自身も同じような体験をしてきたし、当時は「不快だけど、世の中そんなもんかな」と思ってしまっていた。 こういう日常的な性的搾取でできている土壌に、n番部屋のような性犯罪が育ってしまうのだと思う。 この前通勤途中に見た女子高生2人組が目に焼き付いている。 電車の改札付近で1人は泣いていて、もう1人は泣いている子に寄り添っていて、警察官と駅員が話を聞いていた。 何があったのかはわからないし、性犯罪とはまったく関係のないできごとだったのかもしれない。 だけどもし、そういう犯罪に巻き込まれてしまったのだとしたら...と思うと、気の毒で仕方がないのと同時に激しい怒りを感じる。 私自身も社会全体も、性犯罪に対してもっと怒らなくちゃだめだ。 男性vs女性で差別だ逆差別だの言い争ってる場合じゃないと思う。 性別関係なく、性犯罪を許さない世の中にならなければ。 どうかあの時の彼女が、幸せであたたかい毎日に包まれていますように。
実話ベースというんだからすごいな。女性であること、搾取される側であること、それを痛いほど実感させられる一冊だった。家父長制が根強く残る日本にも、きっとn番部屋はある。アダルトサイトがこの世から消えることはないだろうけど、合意なき性搾取がなくなることを切実に願う。 p.234 「いつか枯れる花では...続きを読むなく、燃え上がる火花のように生きたいのです。私たちは女性をきれいな花として他者化し、ついには『性器』として対象化する家父長制と資本主義のスクラムを断ち切りたいのです。私たちは花ではなく、火花です」
日本の性的物の取り扱いについてや性犯罪について考えさせられた。 これを読み、n番部屋について初めて知ったが、専門用語などがわかりやすく丁寧にまとめられていて読みやすい印象。 ただ、追跡花火団の生い立ちや結成秘話の掘り下げの方が多いため、n番部屋についてより詳しく知りたいと思って読むにはイマイチかなと...続きを読む感じた。
韓国のデジタル性犯罪に、女子大生ふたりが挑み、その実態を明らかにする実録のおはなし。女子大生ふたりが明らかにしてゆき、警察と国を動かす。犯罪そのものもしんどいし、体験記のような側面もあり、精神がやられていく2人の話もしんどくて、つい目を背けたくなる。 本としては、評価分かれるかも。事件そのものと、...続きを読む韓国フェミニズムを女性視点からひろく捉えた読み物としては良いと思う。 ただ、純粋に事件そのものをルポとして読みたい向きには合わない。エッセイとルポとが混ざった独特の感じ。個人的には読み物として好む形式なんだけど、好みは分かれると思う。 ただこれ、そうなるのも事情があって、先に書いたとおりこの女子大生ふたりも「被害者」なんだよね。病んでるし。 だからその2人がどうなったのか、その後どう過ごすのか、という周辺の話、連絡をくれた被害者のケアに悩む話含めて、このようなエッセイ含む形式のほうがいいかなとぼくは思う。
*被害者に「なぜ?」と問うことは加害に他ならない。私たちは加害者に「なぜそんなことができるのか」と問うべきだ。 *それより、こんな質問をして欲しい。いまの被害者の日常はどうか、政府の被害者保護対策はしっかりなされているのか、必要な立法は何か、裁判所の軽すぎる判決はどうすれば変えられるのか。 *遭...続きを読むうべくして被害に遭う被害者はいない。いくら説明してもこのことを理解できない人がいる。理解できないなら(たとえ嫌でも)ただ暗記してほしい。
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n番部屋を燃やし尽くせ~デジタル性犯罪を追跡した「わたしたち」の記録~
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追跡団火花
米津篤八
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