シティブックス作品一覧

非表示の作品があります

  • 羽川豊リポート2014 日本&世界ゴルフツアー
    -
    2014年ゴルフ界で起きたサプライズ、事件、トラブルをすべて網羅する貴重なゴルフデータ本である。 日本ゴルフ界悲願の日本人男子プロによるメジャータイトル獲得が近付いている。丸山茂樹プロに並ぶ日本人最多タイの米ツアー3勝をマークし、世界ランキングトップ10に入った松山英樹だ。 ドライバー飛距離、ショット精度、パッティングの技術はすでにトップクラス。米ツアーでは毎週のようにパワーランキングで優勝候補に挙げられ、世界も認めるトッププロに成長した。 そんな松山の2014年ツアー軌跡を世界最強レフティと呼ばれ、シニアツアーで活躍する羽川豊プロが的確に分析する。 4月のマスターズ・トーナメント、6月の全米オープン、7月の全英オープン、8月の全米プロ選手権とメジャー大会は年に4回開催される。 これまで松山がメジャー大会でどんな戦いをしてきたか? 勝てなかった理由は何か? 松山に求められているモノは何か? いつメジャーに勝てるか? など、世界で戦ってきた羽川プロの鋭い視点でチェックする。 また高校1年生のアマチュアで日本ツアーに優勝して一躍人気者になった石川遼は米国でなぜ勝てないのか、取り組むべき最優先課題は何か。米女子ツアーでは宮里藍、宮里美香、横峯さくらが競争激しいステージでどれぐらい活躍できるのか。ゴルフファンが抱く疑問にズバリ答える。 人気選手不在で試合数が激減、長期低迷にあえぐ日本男子ツアー活性へのヒントを提言する。
  • 萩・西長門殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    椎名紗智は恋人ともに、日本一美しい海と称せられている萩から西長門を旅していた。笠山半島の虎が崎で、偶然にも中年カップルを目撃したことで、殺人事件に巻き込まれていった。 ひなびた田舎の土地での大規模な観光開発がからんでいるのか、それとも、怨恨なのか。 警察庁遊撃捜査係の宮之原警部が、欲と憎悪の深層を追う!
  • 白銀の暗黒
    -
    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。 表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに、別の登山者の凍死体が発見されたことが事件の発端となった。 「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたことから責任をとって辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。 「弱味」は、6千万円を持ったまま行方不明になった不動産会社社長の行動を追ううちに、忌まわしい過去をあぶり出していく。 「岩尾根の告発」では、ピッケルを間違えてられた若者に悲劇が襲いかかる。 「雪の蝶」では、記憶喪失になった男が、蝶を描くことだけはできるということを知った長野県警豊科署の道原伝吉の見事な推理が冴え渡る。 「避難命令」では、雪山の小屋から署に犯人移送をはじめた伝吉たち刑事の危機を描く。 梓林太郎が、巧みで、力強いことをあらためて知らせている。読後感は清涼だ
  • 函館殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    元風俗嬢という異色の経歴をもつ四宮沙奈江が、公家の家に生まれた優男・警視庁捜査一課の桜小路資朝(さくらこうじすけとも)刑事を相棒にて、難事件に挑む! 浅草の旅館で若い女性が焼死するという「能登三十六歌仙殺人事件」では、沙奈江は現場から消えた中年男性のこと以上に、被害者の女が燃えさかる炎から守り通した貝殻と西行の歌に着目し、担当刑事となった桜小路の尻をひっぱたくようにして、手掛かりを追って能登に飛んだ。おっとりてしている恋人の刑事を尻目に、沙奈江は鋭い推理によって犯人に迫る! 男を手玉にとる術を知る手練れの女でありながらも、恋人にはウブな少女になってしまう美女だった!
  • はずれ姫
    3.0
    1巻605円 (税込)
    「はずれ姫」は「マキの包むもの」「はずれ姫」「ナッちゃんの豆腐」「蛍を飲む」「サリーの恵み」の5編からなる短編集。表題作の「はずれ姫」は路地裏のバーで、艶めかしい魅力の女のいつも貧乏くじを引く人生の焦り描く。「マキの包むもの」は、中国人の経営する宅配餃子の店で働くやるせない日々、「ナッちゃんの豆腐」の女性は、小さな飲み屋の女将、醜女の彼女はその店の中だけで人生の大半を過ごすが、ふらりと現れた男に騙される。「蛍を飲む」は、男と酒だけが生きがいの アルコール依存の女の優しさ。「サリーの恵み」は引きこもり男が病院で知り合った天女にも思える女の悲しい性とは。5編の短編それぞれにまともな人生を生きられない女たちの懸命さと、切ないまでの男と女のふれあいを描く。
  • 働くことがイヤな人のための本
    -
    仕事に生き甲斐を見いだせないで悶々としている20代、30代、40代、50代の人たちを登場させながら、仕事とは何か、生きるとは何かといった本質に迫っていく。 仕事に疑問を感じた時、立ち止まって考えたい時、本書を手に取ってほしい。哲学者だからこそ語れる核心が散りばめられている。
  • 八甲田山死の誘い
    4.0
    1巻682円 (税込)
    明治35年、吹雪の八甲田山で、訓練中の部隊が遭難事故を起こした。死者199名。世界の山岳遭難で最悪の事故である。 その事故の現場に挑もうと、一組のパーティが八甲田山に入った。 その日もやはり吹雪だった。そして彼らもまた、遭難してしまった。 4人のパーティが遭難し、3人が死亡。しかも、生き残ったひとりが帰途の車中で殺害されてしまう。凶悪でありながら謎の深い山岳事故の真相に、警視庁捜査1課の白鳥刑事と月村巡査コンビが迫る!
  • 八方尾根殺人事件
    3.0
    1巻682円 (税込)
    北アルプスで起きた2件の遭難死亡事故は、殺人ではなかったかとの投書が、長野県警刑事部「特殊犯罪捜査室」に寄せられた。 捜査をはじめてみると、明らかにおかしな点が出てきた。 同じ人物のパートナーが遭難していた。 彼らは、親しいつきあいをしていたわけでものに、北アルプスに向かったのだ。 これは事故なのか、事件なのか。刑事たちの地道な捜査がつづき、少しずつ真実が明らかになっていく。 驚愕の結末は、予想できないものだった。
  • 果てなき死線
    -
    1巻682円 (税込)
    平凡な男が、暴力団組長の娘の誘拐を企てた。 ごく少額だった闇金融での借金が法外な利息によって膨れ上がり、家をとられ、妻は自殺し、娘二人も苦界に沈んだのだ。 サラリーマンだった男の目的は、復讐あるのみ。それこそが、ひとり残された夫・父としての存在証明となるのだ。組長の娘の誘拐に成功したものの、その現場には、かつて三木の組に籍をおいていた馬場豊が犯行を目撃していた。その馬場もまた、組長への憎悪に燃えていた。 交わるはずのない二人に、復讐という同じ目的から奇妙な友情が芽生えていく。心にしみるバイオレンス!
  • 花舞台殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    大衆演劇出身の人気俳優・鈴鹿進一郎はかつての兄貴分、姫川初太郎の座長旗揚げ公演に参加のために大分県日田に向かっていた。途中、福岡県飯塚で公演中の香椎研二郎一座を尋ねたことから、連続殺人事件に巻き込まれる。 予告された香椎座長殺害がその日のうちに実行され、翌朝尋ねた姫川の瀕死の状態にまで遭遇する。二つの殺人事件現場にいたことから鈴鹿は福岡県警の警部・久住院から疑われる。 香椎の娘で一座の女優・希代美、謎の女・城ケ崎淳子がからみ事件は複雑化していく。著者の初期旅情ミステリーの力作。
  • 針ノ木岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    新宿駅西口の飲食店街「思い出横丁」にある小さな食堂の店内で、ゴールデンウイーク明け前日の朝に、登山者と思われる服装をした男の刺殺体が発見された。 所持品の中に長野県警豊科署の刑事・道原伝吉という名刺が入っていたことから、男は日東自動車に勤務している相沢敬三だと判明する。 相沢は、数日前に後立山連峰の針ノ木岳という山で刺殺された、同じ会社の梅津文大と交友関係があった。 ふたつの殺人事件の関連を、道原刑事は追い始める。長編山岳ミステリー。
  • 春信の春、江戸の春
    5.0
    江戸の浮世絵界に一大変革をもたらした絵師が、鈴木春信だった。単色の摺りの木版画だった浮世絵を、多色摺りの「錦絵」にしたのだ。本書は、春信のカラー画像をふんだんに載せ、江戸時代の絵師・鈴木春信について独自の視点で解説している。 さらに本書では、紙の本では絶対にできない、電子書籍ならではの特長のあるつくりをしている。現代かな遣いに加え、同じ内容で全篇(目次を含め)を歴史的仮名遣にしたものを収録しているのだ。こんなに凝った本、どこにもない。
  • 半村良コレクション1
    -
    1~2巻671円 (税込)
    半村良の初期の短編や中編を収録した。のちの長編のもととなるものや、サイドストーリーとして書かれたものもある。 SF作家としてスタートした著者だが、その後人情もの、時代ものなどのジャンルの小説を書き分け、高い評価を得ている。 第一部は短編でまとめられさまざまな手法でのSF。第二部の中編は伝奇ロマンが綴られる。『半村良コレクション』として刊行されていた文庫を二分冊にした。半村良マニア垂涎の作品集である
  • ハード・忘れられない
    -
    1巻682円 (税込)
    郷田健一は杉並で開業した歯科医。結婚して8年になる貞淑な妻と幸せな家庭を持っているが、学生時代からの女遊びは止められない。 29歳の美しいOL由利にも偽名を使い旅行ライターをかたって口説き落とし、一夜限りの情交を楽しんだ。 その場限りのはずだったが、新宿のデパートで偶然再会したことで、由利の旺盛な性欲と奔放な性戯に「三度は会わない」という自らの禁を破ってしまう。 スリルを楽しみつつ、甘美な肉体に溺れたあげく、「好きだよ、由利」と囁いてしまう。 そんなことがあっても、何事もなく過ぎていくはずだった。 ところが、由利が彼の歯科医院に患者として現れて……。 美しくも淫らな描写と、男と女の愛憎の心模様が、読者を官能の世界にいざなっていく。
  • 爆弾ゴルフ
    完結
    -
    全1巻451円 (税込)
    日本ゴルフツアーきっての飛ばし屋・北の丸小鹿プロは、爆弾ショットと呼ばれる圧倒的なドラバー飛距離を武器に、青木、尾崎、中嶋、倉本ら最強と呼ばれたAONKを蹴散らしてトーナメントで暴れまくる。
  • 「ばっちいもの」健康学
    3.5
    現代人は「きたない」「くさい」「きもちわるい」などを排除してしまう。 しかし、こうしたものがないと、本来人は生きていくことができなないという。 うんこ博士と言われ、自らの体内に寄生虫を飼い、感染免疫学の専門家であるの著者は、身の回りの「きたないもの=ばっちいもの」とむきあう。 ウンコ、おしっこ、おなら、げっぷ、汗といった人の体から出るもの、細菌、ダニ、寄生虫、カビなど、嫌われものとのつきあいを通じて、アレルギーにも負けない免疫力の高い体作りを考える。 そして、殺菌、滅菌、消臭、無臭などを指向する「超清潔社会」に警鐘を鳴らす。
  • 晩年の美学を求めて
    -
    さて、晩年とは何歳なのだろうか、という簡単な疑問から始まる。当人にはいつが晩年かわからないからだ。連載当時七十歳代半ばだった著者は、晩年をどう美しく生きるかを、人生の締めくくりとして考え始める。超高齢化社会に加速度的に向かう日本と日本人は様々な問題を抱えている。老後の生活の不安、ひとり残された暮らし方、老いた親のことなど。ボケを防止するという消極的なことではなく、自らを律し(自律)、自ら生活を立て(自立)積極的に老後を生きることを提案する。不幸な家庭と戦争という少女時代、貧しかった世の中、作家として生きることを決め、キリスト教者として「神の存在」を確信し「愛」で自らを見つめる。人みな老いていく中で、どう生きるべきか、どう人生を締めくくるか。 本書は考えるきっかけを、心に語りかけてくれる。
  • パラサイト式血液型診断
    -
    1巻792円 (税込)
    A型、B型、O型、AB型――。一世を風靡したABO式血液型による占いは、いつの間にか下火になった。人間を4つの型に分けて分析するなんて乱暴すぎる、といった当然の批判が噴き出すようになったあたりからだろう。 本書は、血液型について真正面から科学的にとらえたものである。 血液型は、生活習慣病をはじめとして、さまざまな病気と関連があることがわかってきた。これを免疫学の視点から解き明かしていく。もっとも硬派な血液型本!
  • 秘花〈上〉
    -
    1~2巻693円 (税込)
    中学生の娘・水絵から思わせぶりな物言いで、電機メーカーに勤めている父・小橋行広が浮気していると、母・知子に伝えたのだった。 はたして本当に浮気しているのか、中学生の娘に何か思惑があって嘘をついているのか。 懊悩する母をさらに混乱させるかのように、娘は思わせぶりな言動をつづける。それを裏打ちするかのように、夫が不審な行動をする。 母・知子は真実を突きとめようとするが、事態は、思わぬところに向かっていく――。
  • 飛騨岩稜殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプス涸沢岳西面の岩稜ルート、通称「飛騨泣き」で中年男性の死体が発見された。遺体の腹部は横一文字に切られていたことから、転落死ではなく、他殺と断定し、捜査を開始した。 長野県警豊科署の道原伝吉刑事は東京に出張し捜査を開始するが、手掛かりは得られない。捜査に行き詰まり感がではじめた頃、同様の切り傷をつけた殺人事件が発生した。 点と点はつながるのか。連続殺人ではないのか。道原伝吉の地道な捜査と、透徹した眼力で、殺人の深層をえぐり出していく。人情刑事・道原伝吉の山岳長編ミステリー。
  • 飛騨高山祭り殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。 伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた!
  • 人は星、人生は夜空 2019年版
    4.0
    結婚、家庭、健康、病気、老い、死……。時代が移り、社会が大きく変わっても、これらは私たち人間にとって容易に解決できない永遠のテーマである。一日一日を生きていくなかで、常に壁となって行く手を阻み、私たちを苦しめる。それでも人間は歩み続ける。うまくいかなくても、挫けそうになっても、信念をまげず上を向いて。天空に輝く星に自分自身を重ねるように。 一生はよくも悪くもなくただ続くものかもしれない。そんな日々過ぎて行く時間を、少しでも楽しく、目的を持って費やすならば、人生はみじめであるどころか、その人にとって眩い光彩を放つものになる。作家曽野綾子の数多くの著作には、そんなメッセージが散りばめられている。 妻として、夫として、子として、親として。誰もが拠って立つ位置それぞれの、様々な場面で指針となる希望のことばがここに詰まっている。人生に悩み、闇夜に彷徨うあなたを厳しく、そして優しく照らしてくれる珠玉の箴言集。
  • ひとり遊びをときどき
    -
    様々な雑誌や媒体に掲載されたエッセイをまとめたもの。したがってテーマも多岐にわたっている。主婦、母親、そして女優との間を行き交う。高校時代から駆け出し女優時代を得て三十代の成熟した女へと成長していくなかで、見たこと、したこと、感じたことを綴っている。結婚記者会見での指輪のエピソード、理解ある夫の元で友人たちと飲み歩いたり麻雀に興じたりして、まわりの主婦たちを唖然とさせる。しかし、娘が生まれた後は、母親としての気遣いを見せる。幼馴染や旧友たちとの別れや再会、好きな車の運転、車窓から透けて見える人たちの生活、などなど。I.「いつまで続くやら」と心配された私の結婚生活II、女の敵はやっぱり女なのかなあ……III、子供と過ごす時間、彼女はいろいろなことを教えてくれるIV、ひとり遊びをときどきV、「フツーのおばさんになりたくない」と思っていた頃
  • 皮肉な凶器
    -
    1巻671円 (税込)
    成田信夫に会社の同僚・盛岡精一が頼んできたのは、ゴルフの雑誌社が主催するゴルフコンペに身替わりとして参加してほしいということだった。腕に少々自信のある成田は、優勝賞品の高級ゴルフクラブに惹かれて頼みを聞き入れることにした。翌日、成田は盛岡の出社を待ったが現れない。いったい盛岡の身に何が起きたのか……(表題作の「皮肉な凶器」)。 「損な役割」では、高校時代からの同級生八重沢から、秘密の頼み事をされた遠野の顛末が描かれている。八重沢は不倫をしていたが、夫にバレてしまう。話し合いの席をもうけることになったが、身替わりとして遠野に出てほしいというものだった。慰謝料として百万を携えていった遠野がそこで見たものとは……。 もっともっと評価されるべき作家・佐野洋の、身替わりを材にとった凝りに凝ったミステリー7編。
  • ひみこーッ
    -
    1~2巻495円 (税込)
    吉良邸討ち入りに現われる白装束の「ひみこ」。井原西鶴の「好色五人女」のお夏清十郎、樽屋おせん、おさん茂右衞門、八百屋お七の話などに現われひっかきまわす「ひみこ」鞍馬天狗のカッコ良さに痺れたかと思ったら、病の沖田総司にお茶をいれる「ひみこ」……。日本の歴史や物語を手玉に取り、フィクション・ノンフィクションひっくるめて縦横無尽に描く博覧強記の黒鉄ヒロシの世界。一度読んだら、病みつきになること間違いなし。
  • 百万塔伝説殺人事件 警察庁 宮之原警部 東北旅情難解ミステリー長編
    4.0
    1巻682円 (税込)
    岩手水沢の日高火防祭りを見物のために東京から訪れていた緒方に、見知らぬ男が突然、風呂敷包みを渡して走り去った。 一緒だった恋人の飯島晶絵は、不安になり、そんなものは警察に届けるか、ホテルか駅のコインロッカーに置いてきてしまえばいい、と言ったが聞き入れられなかった。 不安は的中した。 翌日、渡した男が死体で発見され、渡された緒方にも不幸が……。 捜査をはじめた警察庁の宮之原警部は、これは古美術にまつわる事件と看破したが、思いもよらぬところまで向かう難事件となる。
  • 憑神
    -
    1巻693円 (税込)
    ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。 人間の深淵を描く著者の力作全3篇!
  • ヒラリーマン
    -
    1巻495円 (税込)
    4コマ漫画は多かったが、著者が挑戦したのは6コマ漫画。昭和の時代でも珍しかったくらいのコマ割りだけに、今読むとショッキング。ぐだぐだのサラリーマン氏の日常を面白可笑しく描いている。サラリーマンという生き物は、今も昔も変わらないなあ。ちなみにタイトルのヒラリーマンとは、役職のつかない社員を平社員と呼んでいたが、その「ヒラ」と、サラリーマンをギュッと押し込めた造語。
  • 広島水の都殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    最先端のバイオ技術の研究に取り組むバイオセラピー社の社長・久枝治臣が、広島のホテルの浴室で死亡しているのを発見された。 広島県警は自殺と断定したが、娘の晴香は信じなかった。父に自殺する動機がないと訴えても、広島県警の刑事たちに信じてはもらえなかった。 助けを求めたのは、警察庁の広域捜査官の宮之原警部だった。 調べを進めると、欲深い政治家や企業が、バイオセラピー社の技術に群がっていることがわかった。はたして、本当に自殺だったのか、自殺と偽装した他殺だったのか。宮之原警部は、核心に迫っていく。
  • 美幌峠殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    北海道の石北本線にD51二重連結機関車が走るという企画に、撮り鉄が撮影ポイントに集まっていた。偶然にもそこで撲殺された遺体が発見された。 被害者は、前夜に北見市のバーに出かけたという美幌町の酪農家だった。 容疑者として、被害者が訪れていたバーのママが浮かびあがった。そのママには、11年前にも殺人事件の容疑者になっていた。 その美貌のママは、警察庁の宮之原警部に助けを求めたのだ。 はたして、ママと宮之原警部との関係は? 被疑者と関係のある宮之原警部に事件の究明はできるのか?
  • 夫婦口論 二人で「老い」を生きる知恵
    3.7
    まるで、朝食のテーブルを挟んで前に夫婦が語り合っているかのようだ。 丁々発止のやりとりは、スリリングであり、エキサイティングだ。 日々の生活、子育てから始まり、日本と日本人、国際社会で生き抜くこと、安全保障の危うさ、戦争はいかに人を作るか、キリスト教、イスラム教、仏教、神道―宗教は人生とどうかかわるか、夫婦の在り方と幸福とは、などとさまざまに展開していく。 義務や責任をないがしろにし権利だけを主張しがちな現状を憂い、このままでは日本は危ういとまで言い切る。 日本人はどうあるべきか、どう生きるべきかを、長い人生経験と独特の価値観、50年以上の夫婦生活の経験から語る珠玉の言葉の数々。
  • 夫婦の情景
    3.0
    夫婦にとって何が大切で、何が夫婦に幸せをもたらすのか。そして、夫と妻、それぞれの幸せと不幸せとはいったい何なのか?  夫婦生活をつづけていけば、必ず起きる、喧嘩。些細なもので済むこともあれば、別れる別れないの大事に展開していくこともある。何がどうなって、気持ちはすれ違っていくのか。互いの思いやりが、相手の心に響かなくなってしまうのは、いつからなのか。  壊れやすい夫婦の愛と心を、温かいまなざしで描いた極上の短編集。
  • 復讐の狂炎
    -
    1巻682円 (税込)
    親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか? 上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか? 地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか? 本書の中編4本に、それらの答が描かれている。 悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。
  • 不逞の輩 退職者たち
    -
    1巻660円 (税込)
    サラリーマンは会社では没個性を良しとして生きているが、それはあくまでも会社での顔である。 彼らの素顔があらわになるのは、定年退職した時だ。 自分はどうやって生きていけばいいのか。社会との関わりをどうやって維持していこうか。いっそ、世の中に背を向けて生きていくことも可能だろうか。 退職者たちは、生き方を探りながら恐る恐る一歩を踏み出す。 けれどもそこで待ち受けているのは、安全な地ばかりではない。落とし穴や底なし沼かもしれない。 退職がきっかけとなって起こる悪意や殺意を見事に描いた短編9作品!
  • 冬の巡礼
    -
    1巻715円 (税込)
    おふくろに届けてくれ――。 坂倉博光は、謎の言葉を遺して突然亡くなった。 託されたのは位牌。同僚の鈴木克宏は、途方に暮れながらも、坂倉の故郷・高山に向かった。 鈴木は自分の行動を、お人好しの男の善行と考えていたが、思いもよらず襲われてしまった。 これは坂倉がもたらした災厄なのか、位牌に秘密があるからなのか。鈴木は危険を承知で、謎を追う――。
  • 「冬の蝶」殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    はじまりは、セクハラの告発だった。 温泉宿に社員旅行にいった医療機器販売会社の男子社員が、女子社員の入る女風呂を覗いた。覗かれた女子社員は新聞社に告発文を送ったため、内部でうやむやにならず、マスコミが連日大きく取り上げた。 責任をとる形で、覗きを主導した社員と、東京支社長の西野が左遷された。左遷先への赴任当日、西野は新幹線には乗ったものの、京都支社に顔を見せなかった。1週間近く後、静岡県掛川市の山中で発見された。 人望があり、尊敬する父が殺されたことに、遺された娘の奈穂は納得かいかず、少しずつ調べはじめた。そこに宮之原警部が加わり、事件の裏に、奈穂の想像もつかない闇が広がっていたことがわかった……。
  • 富良野ラベンダーの丘殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    天才調香師との呼び声の高い矢代幸生が、新たな香水を創り上げると同時にイタリアで失踪した。 恋人の柳井悠が心配のあまりイタリアに飛ぶと、同じタイミングで、失踪したはずの矢代が帰国した。 だが彼は、北海道の富良野で惨殺されていた。そしてそこには、まったく新しい香水の匂いが残されていた。 調香師を殺害したのは誰か? 世界のファッションメーカー、化粧品メーカーが欲しがる香水と調香表は、どこに行ったのか? 警察庁でただひとり捜査の任を受ける宮之原警部が、北の大地で核心に迫る!
  • 不倫の報酬
    -
    1巻682円 (税込)
    義母が亡くなった。北軽井沢の林道に駐めた車の中で。自死というが遺書はなかった。 義母と秘かに深いつながりのあった息子は、義母の自死に納得できず、行動に出た。真実を突き止めることが義母への愛の証だという思いもあった。 母には、家族には秘密があることがわかった。莫大な借金、そして不倫。だとしても、納得できない。息子はさらに行動した。 本書は、自死の母について、義理の息子、不倫相手、そして息子と関係をもった義妹、それぞれの視点から描く。構成の妙に加え、官能を色濃く敷き詰めることで、それぞれの身勝手さを浮き彫りにし、ひとりの女の自死の不条理さを浮き彫りにする。見事な作品。
  • フリーズ
    -
    1巻671円 (税込)
    テロ未遂事件を起こしたのは17歳の時だった。それから20年が経ち、男は殺人事件を引き起こした。 20年もの長い間、男は果たせなかったテロの失敗を悔やみつづけたのだろうか。それとも新たに殺意を育てたのか。 拘置所の中での自問を、読者は追体験することになる。息をするのが苦しくなってくる自問がつづき、殺意が身近になっていく。 心の闇が迫る心理サスペンス!
  • 豚に食わせろ
    -
    1巻693円 (税込)
    大坂で、東京で、世界で成り上がるぞ――。 何が何でも成り上がってやると決意した男の、ホンモノの成り上がり物語だ。 手を出したのは先物取引にはじまり、メリヤス販売、魚介加工、そしてたどり着いたのがインスタントラーメンだった。 人々の求めを読み解く力と、先見性に富んだアイデアは、日本人の支持を受け、時代の寵児となっていく。その裏には、男のアイデアと熱意を支える女たがいた――。インスタントラーメンとともに人生を走り抜けた男の、女たちと歩んだサクセスストーリー!
  • 平成版モダンゴルフ
    完結
    -
    全1巻416円 (税込)
    ゴルファーなら一度は経験したことのあるスーパーショット、トラブル、大ミスを、漫画家・たかぎしひろや(日本漫画家協会会員)がコミカルなタッチで4コマに詰め込んだエスプリの効いた抱腹絶倒のギャグ漫画。
  • 蛇と住む女
    -
    1巻691円 (税込)
    おおらかな中国のセックスに関しての実話集。一対一の男女のか関係はもちろん、男1に女2、はたまた乱交、そしてホモとレズ、蛇と交わる女と様々な男と女たちが登場し、いろいろな場面が繰り広げられる。女のあそこが匂う村では、下半身むき出しで暮らし如沿おうした男に乗っ取られた女子学校、中年女に犯される美少年、舌の艶技が抜群の女、陰門で話す母と無脛、などなど26話を収録。
  • ヘミングウェイと猫と女たち
    -
    1巻880円 (税込)
    日本のヘミングウェイ研究者の第一人者が、著作や残された膨大な手紙、メモ、証言から作品と人となりを読み解く。ヘミングウェイは、生涯4回の結婚をし、多くの恋愛の逸話も残している。いまだにキー・ウエストの邸宅には、彼自身が飼っていた猫たちの子孫が数多く住んでいるということからも分かるように、愛猫家でもあった。「猫」「女たち」をキーワードに、時代と場所を手掛かりに本質に迫っていく。傑作と言われる「雨の中の猫」や長編「誰がために鐘は鳴る」「武器よさらば」などの作品を解剖する。研究書ではあるが、丹念な取材と紀行文としての趣きが読み物として、尽きない興味をそそる。
  • ヘルスフード科学講座
    -
    21世紀の新しい「知的食生活」を実践するために必要な考え方と具体的な食素材をわかりやすく解説。 著者はヘルスフードとは、予防医学的な効能を持つ食品、そしてQOL(Quality of Life)改善機能など健康と美の維持・増進を有する食品であると定義。 水産機能性物質(マリンビタミン)、脳機能障害予防食品としてのブレインフード、疲労回復に効果的な食品、QOL改善食品、美容食品、サプリメント、デトックス食品までを網羅。 体にいい食品やサプリンメントの有効性、そのメカニズムと効能を図表を使いながらレクチャー。 健康維持と疲労回復、生活習慣病の改善、予防医学的な観点など、現代人必読の食の教科書である。
  • 崩壊山脈
    -
    1巻660円 (税込)
    北アルプスから下山した岩佐は、都内の愛人宅の部屋のドアを開けたところで殺害された。 凶器は、ピッケルと思われ、登山経験者が疑われたが、手掛かりに乏しく、捜査は手詰まりになった。 そこに、また登山用具を凶器とする殺人が起きた。 地道な捜査がつづけられたが、犯人どころか、犯人像さえ浮かばなかった……。 はたして、執念の捜査が実を結ぶのか。 長野県警豊科署の道原伝吉が、金と色の欲にまみれた連続殺人の深層を暴く!
  • 抱卵
    -
    1巻636円 (税込)
    女たちはいつも愛を求めている、そして裏切られ、妬み、憎む。泣き、笑い、怒る。その先に本当の愛があることを夢見る。しかし女は決して弱くはない。 うなじを育てる、毛玉を吐く、かさぶたに覆われた女、巨大な蛸になるなど、不思議なテイスト、シュールな物語世界の中に女の本質がある。  5つの「愛の形」の物語が堪能できる短編集。
  • 星を見た金魚
    -
    小説雑誌に連載された「吟行エッセイ」をまとめたもの。金魚は高橋洋子の俳号でもある。  編集者とカメラマンをしたがえて北から南へと各地を巡る。行った先々で様々な出来事にぶつかり、ユーモラスな体験をする。  城崎では志賀直哉の足跡を追い、ひなびた温泉街に郷愁を覚え、松葉ガニと格闘する。  伊豆天城では踊り子を思いながら「踊り子号」の客になる。早咲きの河津桜と猪レースを楽しむ。  沖縄では首里城で琉球王国をしのび、万座ビーチでは熱帯魚に囲まれて水中で句を詠む。  山形上山では好きな競馬を堪能し、霧中で何も見えない蔵王を巡り、強酸性の温泉につかる。  長野は冬季オリンピック直前、滑らないカメラマンを従えてスキーに挑む。善光寺では暗闇のお戒壇巡りを体験。  瀬戸内明石では蛸に感激し、出来たばかりの吊り橋で淡路島へ、時間が留まったような町並み、そして渦潮。  奥多摩では銘酒「澤ノ井」の蔵元を訪ね、新酒を味わう。やっと出会った紅葉。  焼津ではのんびりと釣り糸をたれ、吊りが好きだった父親を思い出す。港の食堂で旬のカツオ三昧。  長崎は雨だった。グラバー邸、眼鏡橋、ハウステンボス……、彼女自身の若いころの恋の思い出が蘇る。  仙台では新蕎麦の手打ちにトライし堪能、俳句と言えば芭蕉の松島、伊達政宗の瑞巌寺を散策。  厳寒の網走は監獄とオホーツクの流氷、白熊のような現地ガイドとスノーモービルで疾走。  最後は俳句の聖地・四国松山へ。正岡子規、坊ちゃん団子、道後の湯、そしてやはり桜で締め。
  • 穂高屏風岩殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。 「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。 「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。 「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
  • 穂高雪山殺人迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    連日雪が降り続いていた3月の北アルプスで、男性3名女性1名のパーティーが遭難した。幸い3名は救助されたものの、男性1名が行方不明のまま捜索が打ち切られた。 2か月後、パーティーのリーダーだった真中荘平から再び救助要請が入った。 行方不明の男性を捜しに、同じパーティーのメンバーだった古田紀洋と2人で登り、古田が滑落したという。 翌日発見された古田の遺体頭部には、滑落時に負ったものではない傷があった。 死因に不審を抱いた豊科署の道原伝吉刑事は捜査を開始する。 過去と現在が絡み合った、異色長編山岳ミステリー。
  • 螢草
    -
    渡世の世界で、自分を信じて生きる真っ正直な男「昭次」と、「姐さん」と呼ばれる親分の女房「絹」とのせつない交情を描いた「螢草」、バーの女に夢中になって家庭を捨てた夫を本当の心に想いを馳せる「微笑みの秋」、「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」など五編を収めた、著者独特の味わいに満ちた短篇集。読了時には、読書の満足と喜びが得られるはず――。
  • 北海道雨竜殺人湿原
    -
    1巻682円 (税込)
    白バイで暴走車を追跡中だった諏訪署交通課の浜中良秀が亡くなって一年半あまり経ったある日、妹の久絵が旅行先の北海道で消息をたった。 連絡がとれないだけなのか、行方不明なのかわからない段階だったが、不安になった浜中家の父は、良秀がかつて警察学校で同期だった一色昌平刑事に相談した。 しかし一色は、浜中家を出た直後、何者かによって射殺されてしまう。豊科署における初めての刑事射殺という大事件となった。 捜査本部が置かれ、専従となった道原伝吉刑事は、幾重にも重なり、見えなかった事件の深層に、少しずつ近づいていくが、そこには、想像を超える驚きの事実の連続があった!
  • 北海道・神威岬の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    人里離れた北アルプス烏川渓谷の発電所で、少女がひとりでいるところを発見された。 なぜ、この少女はここにいたのか。 体が冷え切った少女は何も語らない。それは話したくないのか、精神的なショックを受けたせいなのか。 報せを受けた豊科署刑事・道原伝吉は、少女が見つめていた草むらを捜索することを指示すると……。 感涙必至、人情刑事伝吉が本領発揮! 人のやさしいまなざしが事件に気づき、人を思いやる気持が事件を解決させていく──。
  • 炎の残像
    3.0
    1巻682円 (税込)
    愛しい恋人は、自らの命を絶った。 その原因を、小津健吾はわかっていた。 伊豆にドライブデートに出かけた時、暴漢に襲われたことを苦にしたものだった。 ふたりで乗り越えようと誓ったが、果たせなかった。 悲劇はそれだけでは終わらない。 今度は健吾が命を狙われる。地方に暮らす親兄弟までもが襲われる。 なのに、なにに原因があるのか、相手が誰なのかわからない。 健吾は相手を特定できないまま、復讐を誓う――。 迫力のハードバイオレンス長編。
  • 炎の埋葬
    -
    1巻660円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の事務所に、八王子の病院長・若生文彦が訪ねてきた。 「行方がわからなくなった母を捜してください」という依頼だった。若生家の後妻に入った義理の母は50歳とまだ若く、息子である文彦とは8歳しか年の差がなかった。 預貯金をすべて解約、投資していた株もすべて売っていた。 覚悟の家出にみえたが、調べを進めていくと、誰かに脅されていたらしいことがわかってきた。丹念に美貌の母の足跡を追ううち、秋津は何者かに襲われる。 失踪した義母は生きているのか。依頼した病院長と義母との関係は――。精巧にくみ上げられたハードバイオレンスは、意外な結末に向かう!
  • 炎の黙示録
    -
    1巻693円 (税込)
    ニューヨークのダウンタウンの路地裏で美術商・堀江伸彦が殺害された。堀江の父親の依頼で、友人の遊乱二郎(あそびらんじろう)は現地に飛ぶが、強盗殺人との警察見解に疑念を抱いた。美術商とは違う裏の顔がありそうだった。 早速、私立探偵のトミーと独自の調査を開始するが、命を狙われる。やがて事件を葬り去ろうとする圧力がかかり、東京、パリと舞台は広がり、乱二郎だけでなく周囲の人間まで殺し屋の魔の手が伸びてくる。 冷徹な国際政治が底流にあるのか。暗躍する不気味な敵に挑み凄絶な死闘を描く、国際バイオレンスの大作!
  • ホルモン窃盗団: トラベル旅々トラブル
    -
    「ホルモン窃盗団」とはいかなるドロボー集団なんだ?米軍ジェット戦闘機に搭乗し空から原子力空母へと乗艦した時の恐怖体験!異国のホテルの浴槽で目が覚めたら腎臓がなくなっていた女性の話。土佐生まれの著者が会津への取材旅行で感じた率直な想い、クロガネ少年の心の中に今も走るSL…。虚実皮膜の間、オソロシくオカシく展開する奇っ怪華麗なる「黒鉄ヒロシの世界」!! 描きおろしイラスト76点も収載。タイトルに惹かれた人はもちろん、なんじゃこりゃ!? の思いを抱いた人にも超オススメの旅行エッセイ。時空を超えて「黒鉄ワールド」をご堪能あれ。
  • 本物の「大人」になるヒント 2019年版
    4.0
    人生の指針となる貴重な一冊である。 これほどまでに、きちんと、人生について、生き方について、仕事について、解き明かした書はなかろう。 若者にとって必読の書であるが、惑いを抱きながら日々生きる大人たちも必読すべき書である。 目次  I 人間関係の基本  II 他者と自分  III 魂の自由  IV 精神の鍛え方  V 仕事に対する考え方  VI 選択と責任
  • 撲殺の夏
    -
    1巻682円 (税込)
    東成化工の梶井征一郎専務は、ホステスの美枝とともに赤坂のホテルでヘンタイの限りを尽くしていた。享楽の後に、地獄が待っていた。 その時の淫らな姿を隠し撮りされていたのだ。そして、写真のネガ返還の条件は、金ではなく、社の機密文書を持ち出すようにというものだった。 自分を守るべきか、社を守るべきか。困り果てた梶井は、裏社会に通じている代議士秘書に相談した。事はそれで収束することはなく、さらなる泥沼に向かい、思いがけない展開を見せていく。解決などあり得るのか――。
  • ぼくは偏食人間
    -
    他人にとっては「なんでもない」ことでも、気になって仕方がない。「食物の偏食」からはじまって、「音の偏食」「言葉の偏食」と、あらゆることに拘りをもって生きる日々の記録。 世の中の「善人」の持つ鈍感さに対して、一歩も譲らぬ戦いを挑む哲学者の日常。
  • ポコチン共和国
    -
    1~2巻475~495円 (税込)
    障子の穴から覗いたみたいに、見たい、ヤリたい世界がポコチン魂全開で広がる。昭和の匂い満載の黒鉄ワールドに、思わずニヤリ。甘酸っぱい、ちょっとムラムラ、むずむずが連続する艶話の楽しみを満喫してください。
  • ぽこちん黒書
    -
    1~2巻440円 (税込)
    黒鉄ヒロシ巨匠の初期の作品集。元禄期が舞台ながら、思春期の男子が思い描くエッチな妄想がそこかしこにちりばめられいて、思わず笑ってしまう。風刺ととんちとエッチの切れ味はどれも鋭い。才能のきらめきが眩しい。
  • 魔淫
    -
    1巻660円 (税込)
    カリスマ的な人気を誇るロック界のスーパースターKAZUMAのコンサートに出かけた少女たちが次々と行方不明になっていた。 自らの義妹も行方不明になった、雑誌記者の佐倉圭子は恋人の矢部吾郎とともに調査を開始する。 ネクロフィリアを連想させる曲を歌い、猥雑さを強調した衣装を身に着け、観客を異様な熱狂に誘い込むKAZUMAの正体を追い、ついに「神殿」と呼ばれる彼の住まいにまで立ち入った圭子は、さらなる謎と恐怖に直面することになる。 じわじわと恐怖が迫る、傑作オカルト・サスペンス!
  • 負け犬はなぜ早死になのか
    -
    1巻693円 (税込)
    アメリカ、イギリス、台湾、そして日本の国民動態統計を見ると、日本の女性の未婚者の死亡率が際立って高いとわかり、その理由について考察する。 また、社会的な格差が大問題になっているが、精神的な健全性についても分析する。高い地位につき、裕福な暮らしをしていれば満足するではなく、他人と比べて自分の優位さや豊かさが感るかどうかで満足の深さが決まる、という。 豊かさと貧しさについて核心を突き、恐ろしいまでに赤裸々にしていくことで、心を強くする生き方がどういうものかと説く。著者渾身の啓蒙書――。
  • 窓の女
    -
    1巻682円 (税込)
    『窓の女』7編からなる短編集。990年代に書かれたもの。女性の心の中にありがちか感情を余るところなく描き出す。バラエティに富んだ作品集だ。 表題作の「窓の女」は、隣のアパートの窓から覗く水商売の女が子供心にきれいに映る。突然、数日間姿を消し、そして戻ってきたときには背中に刺青のある男と戻ってくる。少女の垣間見る大人の淫靡な世界。「手伝い求ム」はある家庭にお手伝いとして入り込んだ女の企み。「私だけの音」深夜路上に止められたポルシェの排気音に官能的な疼きを感じる人妻。「盗みかえし」高校時代の恋人が主人公の同級生の女と結婚することを聞き、二人の婚約を破局させようとする。うまくいったかのように見えたが……。「日傘のトン子」ジーパンとTシャツ姿でいつも日傘を差しているトン子は映画の小道具係だ、映画の助監督の恋人がいるが、その助監督に女優がちょっかいを出したことから、穏やかならぬ心境になる。「水の中の小さな太陽」はプールサイドで再開した幼馴染。彼女はサラリーマンと妻としてアメリカ生活を終えて帰国、二人の子供がいる。もう一人は独身で銀座のホステス。家庭生活の不満を聞きながら、結婚は女にとって強い砦だと実感する。「黒い電卓」計算高いホステス。新しい男ができると電卓を取り出し、何やら計算を始めるという。
  • マネーゲーム
    -
    1巻770円 (税込)
    【著者の言葉(図々しい自己宣伝)】  この小説は私の処女作です。87年に初版が出てからすでに30年余。豊田商事事件を扱ったという事実が独り歩きして、「事件小説」として受け取られている感がありますが、じっさいは出版当時のポストモダンの思潮の中で、どのような小説が書けるのか? 思考の実験を試みる気分でいろいろ試行錯誤しながら書いた覚えがあります。  だからかどうか、現在、80年代後半のバブルを先駆的に扱った小説として、注目してくださる向きがあることを、少々面映ゆく、しかし、いくぶんか誇らしげに感じる自分がいます。  小説は抜きがたく時代や世代に結びついたものですが、当時を知らない若い人たちが興味を持って紐解いてくれるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。最近の小説の味わいとはまた違った当時の小説状況を振り返ったり、確認するためにも案外と有意味かもしれない――と、ここではせいぜい気張って自己宣伝したいと思います。どうぞ、よろしく!
  • 眩しい道
    -
    1巻682円 (税込)
    週刊誌で連載されただけで、単行本にならなかった半村良の小説を発掘! 有名画家の二人の娘、中学三年生の姉、小学校五年生の妹。彼女たちの美しさは近所で評判だった。 姉はさまざまなアプローチの末に、大手芸能プロダクションの誘いを受け女優としてデビューし、スターへの道を歩きはじめるが……。 ひとりの少女を巡って繰り広げられる大人たちの暗躍、深慮、情熱。芸能プロダクション、テレビ、CM、夜の巷など、ギョーカイを通して少女たちの成長を描く。 半村良の幻とされた小説!
  • 幻の殺人
    4.0
    1巻660円 (税込)
    「わたくし、人を……。人を殺してしまったのです」  新聞社の論説委員をしている私は、愛人の冬子から衝撃の電話を受けた。当惑させられたのは、今朝の二時頃だという。  しかしその時刻、冬子に殺人は不可能だった。冬子とともに、わたしは家族に内密にして、熱海に二泊していたのだ。  冬子はこれから自首するという。わたしの不倫の秘密は守るれられるのか。そして、冬子は殺人犯として逮捕されされてしまうのか――。冬子によってもたらされたわたしの戸惑いが深まる。読めない結末の表題作「幻の殺人」。  この全5作の短篇は、長編の原型となったものばかり。男と女がそれぞれに秘める思惑が、意外な形をつくりだしていく。緻密で精巧なミステリー!
  • 見えた! いのちの底力
    -
    高血圧の黒幕とされる酵素「レニン」の遺伝子解読に世界で初めて成功し、世界的に脚光を浴びた筑波大学名誉教授の著者が、大学時代の生活からアメリカに渡ってからの環境や経験、「レニン」研究の過程と人間の遺伝子にはどういう意味があるのかをわかりやすい言葉で綴った、研究者志望には必読の書。 日本とアメリカの大学研究の違いや、研究者が日々どんな環境にいて、どんな問題を抱えているのかをかいまみることができる。門外漢にとっても興味をそそられる良書。
  • 三河高原鳳来峡殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    公共放送JHKのカルチャーセンターの理事長が、愛知県鳳来峡で転落遺体で発見された。他殺と断定された。 娘の由岐は知らせを受けて現地へ向かったが、意外な事実を知らされた。父親の銀行口座には7億円以上もの残高があるという。通夜の席上、JHK会長から「横領だ」と罵られてしまう。 「父に限ってそんなことはしない」と信じる由岐は、警察庁の宮之原警部に捜査を依頼した。鋭い推理をもとに、宮之原警部は巨額な裏金と黒い人脈、卑劣な罠を明かしていく。今だからこそ愉しめるトラベル推理長編!
  • 淫らな死体
    -
    1巻682円 (税込)
    大の女好き私立探偵・矢部守が事務員の人妻を口説いてベッドに誘おうとしていたとき、美貌の依頼人沢村可奈子が現れる。人に見られたら困る写真を元に脅迫されているという依頼はあっけなく解決した。下心いっぱいの矢部はその後、腕を買われた可奈子から、財界の大物の孫娘がSMプレーの末に怪死した事件の調査依頼を受けることに。簡単な捜査と思われた事件は、思わぬ方向に進んでいく。レズビアン・3P・SM、さらにはエロ川柳まで満載。エロとコメディ、ほどよい格調と品位の長編官能ハードボイルド。
  • 密室
    -
    1巻682円 (税込)
    政治家や高級官僚を相手にする秘密のコールガール組織に、かつて関係のあった銀座のクラブママ・畑野光子が絡んでいる――。 そんなネタを掴んだ雑誌記者の堀部昌二郎は光子を訪ね、勧められるまま買ったコールガールの由美に惹かれていく。時を同じくして、女の乳房と性器を切り裂く連続殺人がおきた。 被害者のうち一人を除いて光子の組織のコールガールだったことが判明する。一方で、由美こと宇津木恵の持つゆがんだ深層心理が次第に明らかになっていく。 疑惑を持ちつつも恵の肉体におぼれていく堀部は、地獄に向かう。傑作長編サスペンスミステリー。
  • 密室の狩人
    -
    1巻682円 (税込)
    銀座高級クラブのバーテンダー、稲瀬谷健太郎にはもう一つの顔がある。裏の仕事は〝いかせや健太郎〟と呼ばれるコールボーイ。 健太郎は特異な体質で、腋の下のあたりから発する独特のフェロモン〝牡の匂い〟が女性たちを欲情させるのだ。 たとえば。 清純アイドル歌手として売り出し中の江見夕子はまだ18歳だが、本性は病的な淫乱娘。事務所社長に「金で買える男を世話して」と要求し、思い通りにならないと仕事はしたがらないし、マネージャーに当たり散らしたりと手が付けられなくなる。そこで夕子のガス抜きのために〝いかせや健太郎〟に指名が回ってきた。 アイドル歌手から、コメンテーターとしてテレビに登場する人気評論家、政治学者、有名ファッションデザイナー婦人、世界的ロックシンガー、外国人プロゴルファーから65歳のおばあちゃんまで、性的な欲求不満を抱える女性たちを、性技と誠実さで心底満足させていく。
  • 蜜の迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    おれは平凡な輸入キッチン用品のセールスマンだった。 ある昼下がり、住宅街の一軒を飛び込み営業した時、欲求不満の主婦に誘惑される。情事の後、ふと目についた現金を盗んだところから、人生は大きく変わってしまった。仕事をやめ空き巣専業となったのだ。 空き巣には思いがけない余禄がついてきた。部屋に隠されていた男と女の秘密の写真やビデオだった。そんなものに興味を抱いたことが地獄の入り口だったとは――。 ここには、信じられないまでのセックスと暴力が描かれている。ハードバイオレンスの極北、極致!
  • 蜜の刃
    -
    1巻682円 (税込)
    女子大生の今日子が二人の男に誘拐され、監禁された。全裸され、手錠で繋がれた上に、女二人も加わっての乱交状態で凌辱された。解放された彼女は恋人の慎治に事実を打ち明けるが、精神に破綻をきたしていた。 その後、脅迫の電話が今日子の実家にかかってきた。乱交状態を映したビデオテープと引き換えに、資産家である父親から1億円を脅し取ろうという魂胆だった。 自分が悪くもないのに罪悪感を感じていた今日子は、思いもかけない行動に出てしまう。そこから慎治は激しい復讐の炎を燃やし始めた。小さな手掛かりから男女4人を追い詰める。これぞ本物の復讐ハードバイオレンス!
  • 南信州殺人神楽
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県茅野市の市会議員の息子が、離れの家で殺害された。隣の部屋で寝ていた祖母は、犯人は面をつけていたと証言した。 漠とした証言だったため、真偽を疑う捜査員もいたが、道原伝吉はそれを真実としてコツコツと捜査をつづけた。 犯人がつけていた面が神楽面で、遠山郷の霜月祭りのときの湯立て神楽でつかわれるものだとわかってきた。 地道な捜査があぶり出す、遠い過去の怨念。道原伝吉は女の悲哀に触れ、犯行に至ってしまった過去を憎む。
  • 宮之原警部の愛と追跡
    3.0
    1巻682円 (税込)
    官僚組織である警察庁において、唯一、事件を捜査する権限を持つ宮之原警部は、妻の真由子とともに、信州飯田市に嫁いだひとり娘の津玻紗の家を訪ねることになっていた。ところが、妻は姿を現わさない。不審に思っているところに、「要求はなにもございません」という奇妙な電話がかかり、誘拐されたことが判明した。妻は生存証明のためにその電話口に出て、自分を恨む者の仕業かという警部の問いに対し、「違います。これは不運な偶然なのよ」という言葉を残して電話は切られた。これはいったい何を意味しているのか。最愛の妻を誘拐された宮之原警部は、知力と経験のすべて注ぎこみ犯人と対峙する。はたして、妻を無事救出できるのか。宮之原警部シリーズの中でも傑作との呼び声の高い、感涙の作品!
  • 骸の街
    -
    1巻682円 (税込)
    工場経営者の森健に次々と不幸が襲い掛かる。人生のどん底。不況の煽りを受けて経営していた会社は傾き、妻は出入り業者と不倫、そして離婚。最愛の一人娘は夜道で通り魔に刺殺されてしまう。町工場は金策も尽きてついに倒産。 生きる気力を失った森は、「どこの誰ともわからないまま死にたい」と南房総の海べりの街にたどり着く。酒浸りの日々。 絶望の日々を送る森の前に、ある雨の夜、ずぶ濡れの女が現れた。自殺を試み、死にきれなかったホステスの浅倉夏子だ。 生きる望みを失くした2人は、互いに激しく体を求め、むさぼり、惹かれていく。 だが、夏子は地元の有力者に金で買われた「性の奴隷」だった。その男は地元やくざと手を組み、警察も手名付けていて、誰も逆らうことができないアンタッチャブルの、絶対的な存在だった。 森は女のために自分の生きる証を求めるために、命を賭けて街の黒幕に向かっていく――。男の激情が渦巻く長編ハードロマン。
  • 夢中街
    -
    半村良が紡ぎだす独特の幻想的な小説。 作家である私はなぜか夢世界に引きずり込まれ、夢中の犯罪を取り締まる夢中署の刑事から拳銃不法所持を疑われる。そして現実逃避の長期不法滞在は強制覚醒処置を取るといわれる。 飛行夢、既視夢、疑夢といったさまざまな夢を見るうちに、甥の会社で起こった毒入り缶コーヒーの殺人事件を夢刑事とともに捜査をすることになる。 夢と現実は想像でつながり、夢の中の自分を俯瞰していく。夢とも現実ともつかない、自らを「嘘つき」と呼ぶ半村良らしい幻想的かつ伝奇的物語。
  • 陸奥仏ヶ浦殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    青森県下北半島の奇岩で知られる名勝、仏ヶ浦で刺殺遺体が見つかった。民俗学の大学教授、佐伯だった。発見したのは、地元の漁師の案内で仏ヶ浦を訪れた弟子の美樹だ。死亡推定時刻は、二人がこの地に住む霊感少女、幽香子をたずね、彼女の神憑きを見たその深夜だった。幽香子は未来を予想するかのように、「聖なる地は血で汚され……」と託宣していた。 死んだ者の霊を呼び寄せるイタコの聖地、恐山の麓で起きた連続殺人事件は巨大宗教団体の影がちらついていた。広域捜査官、宮之原警部が若い女性民俗学研究者とともに謎を解き明かす。下北半島を巡る旅情ミステリー。
  • 無法者の独立峠
    -
    1巻715円 (税込)
    中央アルプスにそびえる餓鬼岳の乳川谷の上流に独立峠がある。明治期、その峠の向こうに鬼助邑(おにたすけむら)が存在した。廃村になったはずのその邑に、十人ほどの男女が暮らしているという。ある事件をきっかけに、その邑の存在に注目したふたりの刑事が向かった――。だが、そこには、イギリス外務省秘密情報部SIS(前身がMI6)、アメリカCIA、FBI、国防情報部、海兵隊情報部、フランス国家安全保障局、ソ連KGBを巻き込んだ、想像を絶する巨大な組織、計画が横たわっていた。
  • 室戸岬殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    デザイナーズブランド、化粧品会社、デパート、宝飾品会社、そして大手広告代理店が共同出資して、東京をファッションの発信基地とする大々的なキャンペーンがはじまった。百億を超える予算のこのキャンペーンを、途中で止めるわけはいかない。 ところが、イメージモデルに抜擢した城野純への中傷、脅迫が、代理店に届いた。モデルの純への個人的な恨みなのか、世界が注目するこのキャンペーンの失敗をもくろむライバル会社の画策なのか。宮之原警部が敢然と巨悪と邪欲に立ち向かう――。
  • 名器は殺しの味
    -
    1巻682円 (税込)
    12話からなる短篇集。短編二話ごとに間奏としてさらに短い短編を挟みという凝ったり構成である。本書は著者が苦労してデビューして6年ほど経ったころに書かれたもので、いわば、自信を得て脂がのってきた頃の著作といっていい。意欲的な短編ばかりで、読み応え十分だ。
  • 迷路に花束
    -
    1巻682円 (税込)
    別れた女房に未練はないが、ひとり息子には少しばかり気を遣っている私立探偵・設楽公次の仕事場を訪ねてきたのは、心中で亡くなった女の母親だった。 事故とは思えないので調べてほしいという依頼だったが、設楽は気乗りしなかった。警察では心中に不審な点はないと公式に発表したというのだ。渋々ながら引き受け調べはじめると、次第に心中とは到底思えない事実がでてきた。探偵は細い糸をたぐるよう慎重に、頭脳と男の肉体を使い、心中の核心に迫っていく――。
  • もうひとつの恋文
    -
    絵本作家夫婦の間に、すっと入り込んだ若者。彼が夫婦に心の隙間をついていく「もうひとつの恋文」、知らず知らずのうちに、不美人ながら尽くす女に心を奪われていく男の心模様を描いた「手枕さげて」など5作品を収録。創作のきっかけになったのが、友人や編集者が何気なく洩らした言葉・フレーズというから、一流作家の創造力に唸ってしまう。このあたりのことは「あとがき」に詳しく書かれている。一読推奨――
  • 最上峡殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    知る人ぞ知る、東北地方のある温泉地。美肌の湯と評判の温泉はよかったが、そこの本当の価値は、鄙びていることで醸し出される風情と人情だった。ところが、それを破壊するかのように、徳大寺隆和は巨大なホテルを強引に築いてしまった。怨みを買われたかのように、脅迫状が届き、次々に殺人が起きていく。犯人は、温泉地の風情を壊すホテルへの怨みが動機なのか、ほかに原因があるのか? 宮之原警部が、本当の犯意に迫る――。
  • モンスターフルーツの熟れる時
    3.0
    1巻671円 (税込)
    代官山のすぐ近くの猿楽町を舞台にしたスリリングな連作短編集。 「君江」では、性と生の発芽を、猿楽町の町並みとともに丹念に描き、「友子」ては、全国の女性たちを巻き込むほどの大きなムーブメントを「美」によって作り上げた姿を描く。 次の「千原」では、不安と憎悪と共感がもたらすものが何かを見せつける。そして最後の短篇が「わたし」。 この「わたし」は小説内の「わたし」を指しているいのは明白だが、あなたにも内包するであろう「わたし」にちがいない。緻密に構築された世界が、読む者の心に訴えかけてくる。
  • 焼岳 殺意の彷徨
    -
    1巻682円 (税込)
    東京の開業医千堂士郎が焼岳で遺体となって発見された。検視の結果、転落による事故死ではなく、殺害されたとの結論となった。手掛かりがまったくないため、長野県警豊科署の道原伝吉は、部下の伏見とともに、殺された千堂について調べることからはじめた。身近な者の誰かが殺害を企てたはずとの直感を頼りに、丹念に被害者を調べ、複雑な家族関係、家族も知らない秘密などがじわじわとあぶりだす――。それぞれの人生が、なにかをきっかけにからまるうちに、殺人の動機の芽生えとなることを人情刑事が赤裸々に暴いていく。
  • 八ヶ岳山麓殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県の八ヶ岳周辺の三つのゴルフ場に届けられたキャディバッグの中に、女性の上体の一部が氷詰めにされていた。山梨県側の三ヵ所のゴルフ場には、下半身が詰められたキャディバッグが届けられた。長野、山梨にまたがるバラバラ殺人事件の発生であった。 特別合同捜査本部が設置され、道原伝吉刑事も専従することになった。道原刑事は、若い貞松刑事をとともに、宅配便の荷受けした東京都内の運送会社に向かった。残虐な殺人事件は、思いもかけない展開を見せることになる――。 道原刑事、渾身の推理と地道な聞き込みが、捜査の停滞を打開する!
  • 矢は闇を飛ぶ
    -
    1巻682円 (税込)
    ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。 人間の深淵を描く著者の力作全3篇!
  • 「藪の中」の死体
    3.3
    法医学の第一人者、元東京都監察医務院院長を務めた上野正彦さんが古今東西の名作に書かれた事件に迫る。 芥川龍之介『藪の中』では武士は誰にどのようにして殺害されたのか、谷崎潤一郎『鍵』で性交死ははたしてなぜ起きたのか、ポーの『マリー・ロジェエの怪事件』では、マリーは水死なのか……。 また戦後日本の事件史に特筆される二つの事件、青酸カリによる強盗大量殺人事件「帝銀事件」と旧国鉄総裁の轢死事件も残された資料から、アームチェア・ディテクティブよろしく、事件の様々な可能性を探る。 そのほか、森村誠一『精神分析殺人事件』と横溝正史『犬神家の一族』も取り上げている。 豊富な経験に裏付けられた斬新な検証と想像力が、物語の興味を一層深くしてくれる。
  • 「病は気から」の科学  心と体の不思議な関係
    -
    「病は気から」とは、なんと言い古された言葉だろう。しかしそれに「科学」が付くと趣きはちょっと違ってくる。 心が体に及ぼす作用をしっかりと見極めて生活することは、ストレスに対する負担を軽くしたり、生活を楽しくしたり、人との付き合いを円滑にしたりする。 本書では日本の幕末の偉人たちの「気」の持ち方を紹介し、多くの研究者の患者たちへの丁寧なアプローチで「心」と「体」と「脳」の関係を解説する。 そうしたことから「安心感」「精神状態」が健康にどう影響するかを検証していく。加えて、高齢化社会の「病」「心」「老」を考える。 健康生活を送るための知恵と心がある。
  • 「邪馬台国の謎」殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    古代史ブームがつづく中、著者不明の「古代日本成立の謎」という地味な本がベストセラーになった。 ある学者がペンネームを使って書いたのではないかと思われていたが、その学者が水死体で発見され、犯人は古代史研究に携わる者ではないかと思われた。だが、犯人検挙の糸口すら見つからない。乗り出したのは、警察庁の宮之原警部だったが、最愛の妻を殺害され傷心が癒えない警部は、ある重大な決意を秘めて犯人を追っていく――。
  • 闇のお仕事ひきうけます
    -
    1巻693円 (税込)
    東大在学中に司法試験に合格した超秀才の稲山威澄は、ハーヴァード大卒という見事な学歴をひっさげ、弁護士事務所を開いた。彼の父は日本最大の広域暴力団のドン。調査員として働いているのは組員の政。事務員の女性はなんと、対立している極北連合の会長の孫・清水さやか。奇妙な人間関係ばかりと承知しているので、稲山弁護士は仕事とプライベートを区別しているつもりだが、依頼されるのは裏のお仕事ばかり。少々不満ながらも、仕事はきっちり華麗に解決していく――。肩肘張らずに気楽に読める痛快極上ミステリー!
  • 闇の法廷
    -
    1巻693円 (税込)
    魅惑の女性・鷲見玲子を信奉する警察官、現役判事、弁護士によって開かれる私的な法廷がある。被告人は、現在の法律では正当な罰を与えられない悪事を行った者たちである。 法とは何か、社会正義、必要悪、市民感情とは何か――。日本社会に横たわるいくつもの矛盾を真正面から問いかけ、惑乱の解を突きつける、著者渾身の力作!
  • 幽霊、買います 百四十年目の怨霊
    -
    1~3巻460~500円 (税込)
    大学を卒業して数年ぶりに再会した俊二と晴子だった。 同級生ネットワークで、俊二があやしげな怨霊除霊の会社に勤め始めたことを知った晴子は、知り合いの息子が何者かに憑りつかれ、相談を受けていることを告げ、怨霊の正体を突き止め、除霊を頼み込む。 一方、晴子は週刊誌の記者として、その怨霊のいきさつをちゃっかりと記事にしようともしていた。 俊二は幽霊・怨霊とは何かを語り、事実の調査を積み重ね、幕末の事件にまで遡る。シリーズ第一作。
  • 雪の埋葬
    -
    1巻682円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の新たな依頼は、妻が失踪したと悲嘆にくれる夫・依田努からだった。 さっそく捜索をはじめるとすぐ、妻本人から、離婚したいから身を隠したという電話が入り、慰謝料5000万円を渡してくれと言ってきた。それはまるで、誘拐犯からの身代金要求のようだった。 普通ではない失踪に、秋津慎平は食らいつくが、はたしてその先に待っている事実を掴めるのか――。
  • 夢あわせ
    3.0
    1巻682円 (税込)
    二つの世界、私たちが生きている世界と別の世界がふとしたことから触れ合ったとき事件が起きる。SFの名手の著者が描き出す12の短編。 同じ夢の中に入りたいという仲睦まじい夫婦の願いがかなった時の結末を描く表題作「夢あわせ」、「雪洞夜話」は江戸時代の女郎の悲しい願いが籠められた雪洞の物語。「怪談桜橋」は著者の戦争体験が生み出した東京大空襲の日のリアルな幻想。「特異点」は著者自身のホテル暮らしに想を得た不思議でユーモラスなオハナシ。20種近い職業を経て作家になった著者の経験や生き様から生み出された、読み応え充分の奇抜ながら納得のSF譚。
  • 横浜殺人ロード
    -
    1巻693円 (税込)
    宮之原警部は、かつて所属していた所轄の横浜に、女子大生蒸発事件を追ってやってきた。 昔馴染みの友人・近野を訪ねると、彼の会社の女子社員が、蒸発した女子大生の友だちであることがわかった。この偶然に、キナ臭さを感じていると、近野がある未解決事件について語った。いくつもの不審な事実が押し寄せてくる中、宮之原警部はそれら複雑な事実を見極めていく。見事な推理と手腕に感嘆――。
  • 吉野山・常念岳殺人回廊
    -
    1巻682円 (税込)
    殺される理由などあるはずのない、善良な男が殺された。 すぐさま長野県警豊科署に捜査本部が設置されたが、犯人検挙に結びつくものは何もなく、難しい捜査を強いられた。 行き詰まった捜査が動きだしたのは、殺された被害者とともに北アルプス常念岳に登っていたもうひとりの男の死だった。 ふたりの男たちはなぜ死ななければならなかったのか。 人情刑事・道原伝吉は、男たちの死に至る理由を、苦悶しつつ突き止めていく。
  • 世にも不幸な男の物語
    -
    1巻693円 (税込)
    関越自動車道の高坂SAであった。根室のみる男の相場は三十代後半で流浪者。ただし、根からの流浪者ではない。心の荒廃で窶(やつ)れはてている――。 「世にも不幸な男の物語」はこうしてはじまる。トラック運転手の根室は、バンパーに凭(よ)りかかっていたヒッチハイクの男を、鋭く観察し、乗せてもいいと判断したところから不幸な男の話ははじまる。男の不幸がどうしてもたらされたのか、驚きの理由が! ほかに「始祖鶏物語」「幽犬」。読み応え十分の中篇が全3篇!

最近チェックした作品からのおすすめ