小林秀雄 講談社作品一覧

  • 評伝 永井龍男 ─芥川賞・直木賞の育ての親─
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    最後の鎌倉文士、名文家、名編集者、そして芥川賞・直木賞の育ての親として著名な永井龍男の日本初の本格的評伝である。その人生を詳細にたどりながら語られる昭和文壇史と作品紹介。芥川龍之介と永井家の意外な接点。菊池寛・横光利一らに文才を愛された少年時代。小林秀雄・堀辰雄・中原中也・青山二郎らとの青春の日々が、ここに甦る。講談社から刊行されている全集未収録作品も含めた永井の小説の全容を示す、最初の試みとなる。本書は、昭和文学に関して専門的な知識を持つ読者だけではなく、より一般的な文学愛好者も対象とする。学術書としての資料的価値と、読み物としての面白さ・判りやすさを兼ね備えた本格評伝である。 (※本書は2017/4/17に青山ライフ出版株式会社より発売された書籍を電子化したものです)
  • 藍色の福音
    5.0
    作家と出会い、言葉と出会う 生きることの傍には、常に「言葉」があった 言葉が語らない「あわい」にこそ たしかなる人生の道標がある 「あの日、この本を机の上に置いたとき、 のちに自分がこれとほとんど同じ経験をすることになるとは 思いもしなかった」 (本文より) 生涯の伴侶となる女性に『深い河』を渡した日から、 妻を喪い、死者に託された「何か」を生きる今に至るまで 河合隼雄、須賀敦子、小林秀雄、柳宗悦、堀辰雄―― 自らの軌跡と重ねて綴る、特別な一冊
  • 新しい小説のために
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    1巻2,816円 (税込)
    小説の中の「私」とは、誰なのか?新世代の小説家たちが切り開いてきた現代文学の新たな地平の持つ意味を、小林秀雄以来の文芸理論を徹底的に検証しつつ探った、まったく新しい小説論。「役割を終えた」近代文学を更新する!
  • 女の日記 現代日本のエッセイ
    3.0
    尾崎士郎、東郷青児、北原武夫、梶井基次郎、三好達治、小林秀雄、青山二郎ほか、著者が愛してやまなかった人々との思い出、自分のこと、周囲のことなどを、起伏多い人生の軌跡に重ね、端麗、強靱な文体と円熟した瑞々しい感性で軽快に綴る。『女の日記』『親しい仲』『恋は愉しいか』などから、新たに編み直した名品44篇。第一級のエッセイ群。
  • 学問
    3.7
    学歴より学問を選べ!――老師ニシベ曰く、人生に必要な四点セットとは「一人の別れがたい恋愛相手と、一人の頼りがいのある親友と、一個の忘れがたい思い出と、一冊の繰り返し言及する書物」。この本が、あなたの一冊の書物となることを! <「学問」119のキーワード> 政治・権利・義務・自治・議会・憲法・官僚制・権力・権威・コミュニティ・デモクラシー・エリート・大衆・メディア・宗教・法律・国家・天皇・日本・2.26事件・グローバリズム・イデオロギー・アメリカ合衆国・国連・国際法・ナショナリズム・国益・資本主義・市場・正義・自衛・有事・戦争・平和・終戦記念日・日米安全保障条約・ハイエク・ホイジンガ・自由・作法・知恵・伝統・公心・倫理・チェスタトン・トックヴィル・バーク・ヴィトゲンシュタイン・古代ギリシャ・家族・父・母・兄弟姉妹・学校・青春・いじめ・恋愛・進学・モラトリアム・勤労・職業・競争・友情・結婚・子供・ユーモア・対話・マナー・病い・老い・死・思春期・学生時代・学生運動・転向・実存・アウトサイダー・劣等感・パラドックス・虚無・アイデンティティ・自尊・信念・運命・愛・成人・フランス革命・ルネサンス・進歩・ヒューマニズム・人権・平等・産業革命・科学・ルソー・アダム・スミス・マルクス・ソクラテス・プラトン・キルケゴール・ニーチェ・ハイデッガー・ヤスパース・オルテガ・オークショット・福田恆存・田中美知太郎・清水幾太郎・三島由紀夫・実学・一身独立・遺産・未来・豊かさ・専門・人生・福澤諭吉・夏目漱石・小林秀雄
  • 「国語」入試の近現代史
    -
    国語入試のなかでも、とりわけ「現代文」という科目は、読解力を問わねばならないため、つねに、客観性と公平性をどう実現するかという難問にさらされてきた。高等学校の共通試験に現代文が定着した大正期から、戦前期を経て、戦後民主主義、小林秀雄と天声人語のブーム、そして共通一次、マークシート化に至るまで、入試問題はどのように国民の言葉=国語を規定してきたのか。その歴史的な文脈を明らかにする力作。(講談社選書メチエ)
  • 小林秀雄
    4.3
    人は詩人や小説家になることができる。だが、いったい、批評家になるということは、なにを意味するであろうか(本文より)ーー中原中也、富永太郎らとの交友関係、未発表の書簡や広汎にわたる資料を駆使して、小林秀雄の批評の成立、構成、その精神に迫る。『夏目漱石』『作家は行動する』などで出発した批評家・江藤淳の自身への問いは、確固たる地位を築く記念碑的評伝となった。新潮社文学賞受賞。
  • 小林秀雄と中原中也
    -
    現実よりも自身の裸の心を守り抜こうとした詩人と、その世界に深く共感するがゆえに背反せざるをえない知性で武装された批評家――。「自分が人間であることのすべてを負っている」と言うほど絶対的な影響を受けた中原中也の特異な生の在り様を「内部の人間」と名付け、小林秀雄の戦後の歩みに「ヴァニティ」(中原中也)を超えた人間探究の軌跡を見出す、秋山駿の出発点。
  • 小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?
    -
    累計12万部突破の「警告」シリーズ最新作! エセ保守が跋扈し、「改革」という名の社会の破壊を企む勢力の乱立に今こそ投げかける、真の保守=小林秀雄の明察。進歩的歴史観のうさんくささを明快に斬り、対象をただそのままに「見る」ことの重要性を繰り返し主張した。難解な思想家というイメージを覆し、日本社会の行く道を照らし出す!
  • 小林秀雄の悲哀
    3.0
    「もう、終いにする」。戦後の知識世界に輝くビッグネーム・小林秀雄が、晩年、10年にわたって取り組んだ『本居宣長』は、執筆に難渋し、結論に達しないまま意外な一言で終わってしまった。日本が誇る知性は、なぜ最後の仕事で挫折したのか。彼がこの書物にかけた思い、そして小林がたどり着きたかった「ゴール」はどこにあったのか。小林の批評ぶりを多角的に検証しながら、批評とは何か、その原理について考える。
  • 幸せとは、気づくことである
    3.5
    「気づき」がひとつ増えるたびに脳は成長する! 「幸せって何?」から、ストレスへの対処法、グローバル化、日本人はなぜ英語が話せないか、笑いの効用、ビジネス力の高め方、教育への提言、人工知能まで、多岐にわたるテーマを論じてきた、ビジネス誌『プレジデント』の大人気連載「世界一の発想法」がついに書籍化。複雑な現代をワクワク生きるための、茂木流・思考法を大公開! 【著者】 茂木健一郎(もぎ・けんいちろう) 1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。脳科学者。 理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現在はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリーサーチャーなどを務める。専門は脳科学、認知科学。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。 主な著書に『脳とクオリア』(日本経済新聞出版社)、『ひらめき脳』(新潮社)、『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)、『挑戦する脳』(集英社新書)、『金持ち脳と貧乏脳』(総合法令出版)、『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』(学研パブリッシング)、『東京藝大物語』(講談社)など多数。【目次】 第1章◆幸せになるチカラを育てよう 第2章◆ビジネス力がぐんぐん上がる脳の磨き方 第3章◆人間関係のマエストロを目指せ! 第4章◆学びは人生の最上のご馳走 第5章◆悩みも不安も脳科学が吹き飛ばす!
  • 春秋の花
    -
    妥協を許さぬ小説や批評の書き手で知られる大西巨人は幼少期より古今東西の詩文を愛好してきた。成長し老境に至るまで折りに触れ愛唱してきた断章は、柿本人麻呂、西行、正岡子規、石川啄木、与謝野晶子、斎藤茂吉、斎藤史、松尾芭蕉、西東三鬼、金子兜太、島崎藤村、三好達治、佐藤春夫、茨木のり子、森鴎外、夏目漱石、樋口一葉、有島武郎、中野重治、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人…と、万葉の世から現代まで幅広く、また意外性すら湛えて季節毎に丁寧に並べ置かれている。 文学を愛する者として人後に落ちない大西巨人が年月をかけ丹精して選んだ詩文の精髄がここにある。
  • 新編 疾走するモーツァルト
    -
    モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
  • ソロモンの歌 一本の木
    4.0
    戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
  • 遅読術
    4.1
    「速読はバカの早食いと同じ! 」 ロクでもない情報を遮断し 人類の「知の遺産」を味わい尽くせ! ショウペンハウエル、ヴィーコ、三島由紀夫、 ヤスパース、三木清、ニーチェ、 大江健三郎、ヘッセ、小林秀雄、ゲーテ……。 彼らはどのように本を読んだのか! 「速読はバカの早食いのようなものである。 単に腹を満たすのが目的ならマクドナルドのハンバーガーでいい。 一流のレストランに大金を払って「栄養」を求めるバカはいない。 そのレストランが提供する技術に、魂が突き動かされていく。 その過程・時間にこそ、意味がある。 古典を読むのは、過去に存在した偉大なレストランで食事をするようなものだ。 これ以上の贅沢はない。 では具体的になにを読めばいいのか? 過去を振り返れば、すでに道は示されている。 本書では先人の知恵に学びながら、再びそれを示していく。 大事なことは、真っ当な世界に連なる意志をもつことだ。」(「まえがき」より) 「人間として生き延びるには、 自己啓発本とはまったく別の意味における「スキル」が必要になる。 それは、自分を救えるのは自分ではないと気づくことだ。 自分の力などたかがしれていると思い知ることだ。 偉大なもの、崇高なものは、それを教えてくれる。 本書では人類が到達した場所と、 そこに至る「思考回路」を振り返らないと未来はないという事実を示した。 くだらないものと距離を置き、価値あるものに触れ続けなければ、 家畜として死ぬだけだ。」(「あとがき」より) <著者プロフィール> 適菜 収(てきな・おさむ) 1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。 ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、 『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、 『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、 『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、 呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、 『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、 『平成を愚民の時代にした30人のバカ』(宝島社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』、 『安倍でもわかる政治思想入門』、『安倍でもわかる保守思想入門』、 『安倍政権とは何だったのか』、『おい、小池! 女ファシストの正体』、 『問題は右でも左でもなく下である』(以上、KKベストセラーズ)、 近著に『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』(講談社+α新書)など著書多数。
  • 追悼私記 完全版
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    昭和天皇、美空ひばり、手塚治虫、小林秀雄、鮎川信夫、三島由紀夫、中上健次、サルトル、埴谷雄高、平野謙、在野の言語学者、元全学連委員長、学生時代からの友人、実姉…多種多様な死者に手向けられた言葉の数々。そのどれもが感傷のみでは書かれておらず、死を契機とした掌篇の人間論である。著者生前三度にわたり刊行された『追悼私記』未収録の17篇(小川国夫、清岡卓行、吉行淳之介など)を増補する、文字通り完全版!
  • 永遠のふたり 夫・田河水泡と兄・小林秀雄
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    「のらくろ」の作者と歩んだ六十年の愛しい日々、中原中也の恋人と出奔までした兄・小林秀雄の型破りな人生、そして伴侶に先立たれた者に平安はいつ訪れる… 生きる意味を優しく問いかける自伝的エッセイ ●田河とはその後も何度か会って、だんだん結婚してもよいと思うようになったので、手紙で兄に相談した。兄からは返事が来た。「高見澤さんが、そんなにお前を愛してくれるということは、本当にいいことだ。なかなか人間が、そういう事実を所有するということは稀だということを忘れてはいけない。一番忘れやすいことなのだ。高見澤という人はいい人だ。世間でいういい人というのは、気の弱い人ということだが、あの人は純粋だという意味でいい人だ……」 (本文より)
  • 批評の誕生 批評の死
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    文学批評という行為の可能性を探る評論集。小林秀雄、花田清輝、吉本隆明、江藤淳、蓮實重彦、柄谷行人など戦後を代表する9人の批評家の足跡を俯瞰し、批評の可能性と不可能性を探る野心的評論集。
  • 風貌・姿勢 現代日本のエッセイ
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    文学に精進しつつ95歳の天寿をまっとうした作家が、その生涯に敬愛し、私淑した文士たちの風貌と姿勢を生き生きと描出する。鴎外、漱石、志賀直哉から小林秀雄、田中貢太郎、太宰治、中野重治ら30余名。講談社名著シリーズ版『風貌・姿勢』に拠る、作家・文士の風貌と個性を見事に活写した随筆集。
  • 文学と宗教の間
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 キリスト教は日本の近代文学にどのような影響を与えたのか? 小林秀雄、宮澤賢治、島崎藤村、北村透谷、徳冨蘆花、堀辰雄を読み解く。 【目次より】 I 小林秀雄 小林秀雄とドストエフスキイ そのキリスト論を中心として 「芥川論」をめぐって 「パスカル論」をめぐって 宮沢賢治 宮沢賢治 その一側面 手帳をめぐって 「銀河鉄道の夜」をめぐって 島崎藤村 島崎藤村 その一側面 「新生」をめぐって 藤村 「若菜集」以前 II 透谷とキリスト教 評論とキリスト教に関する一試論 蘆花とキリスト教 「日本から日本へ」をめぐって 堀辰雄覚書 「聖家族」より「菜穂子」へ 太宰治と聖書 III 文学者のなかの神 二つの「沈黙」 漱石と宮沢賢治 植村正久と近代日本文学 濃情 透谷にふれて 八木重吉と草野天平 近代詩における求道的詩人の系譜 IV 大岡昇平 人と文学 佐古純一郎の芥川論をめぐって 小林秀雄 そのキリスト論 あとがき 佐藤 泰正 1917~2015年。日本近代文学研究者、文芸評論家。元梅光学院大学学長。早稲田大学文学部卒業。文学博士(早稲田大学)。 著書に、『蕪村と近代詩』『近代日本文学とキリスト教・試論』『文学と宗教の間』『日本近代詩とキリスト教』『文学その内なる神 日本近代文学一面』『近代文学遠望』『夏目漱石論』『佐藤泰正著作集(全12巻別巻1)』『中原中也という場所』『文学講義録 これが漱石だ。』『文学の力とは何か』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 文学の運命 現代日本のエッセイ
    -
    「目がくらむような出会い」と交遊――小林秀雄、中原中也、三好達治、桑原武夫、そして「スタンダール」との邂逅。混沌とした青春の放浪時代を出発点に、戦争・戦場・俘虜という「経験と意味」を確認すべく、図らずも小説家として世に出た文学的生涯。常に、文学・政治などすべてに閃めく大岡昇平の鮮烈な「眼」。著者の小説・評論の原点と「志」を語る名エッセイの数々。小説家にして優れた批評家でもあった大岡昇平、珠玉のエッセイ集!
  • 文学のプログラム
    3.8
    <書くこと>でいかに<戦争>と拮抗しうるのか――。小林秀雄、坂口安吾、保田與重郎の戦時下における著述を丹念に辿ることで、時局に追従する言説と彼らとの距離を明らかにし、保田の『万葉集の精神』を起点に、日本文を成立せしめた「訓読」というプログラムの分析へと遡行する。気鋭の批評家による<日本イデオロギー>の根底を撃つ画期的試み。群像新人文学賞受賞作を収めた第1評論集。
  • へっぽこ先生その他
    -
    東京下町の思い出、四季折々変化する鎌倉の風物、昭和文士たちとの友情、懐かしさ溢れる名随筆の数々――作家としての早熟な才能を示した東京・神田育ちの青年は、菊池寛に誘われ文藝春秋社で編集者となった。しかし敗戦後は社を去り、以後筆一本の暮らしに入る……。人生の断片を印象鮮やかに描き出す短篇小説の達人が、横光利一、小林秀雄、井伏鱒二ら文学者との深い交流や、さりげなくも捨てがたい日常・身辺の雑事を、透徹した視線と達意の文章で綴った、珠玉の名随筆59篇。 ◎「自分の小さかった時のことを思い出してみて、夜なべに針仕事をする母のすぐ脇に、寝床を寄せて眼をつむっていると、なに一つ言葉を交わすのでもないのに、うれしくてうれしくて、眠ったふりをしながら、いつまでも眠らずにこうしていたいと思ったことがあったし、銭湯の帰り道、父と二人並んで歩いていると、まっくらな中で、これが自分と父なのだという、きわめて自然な血のつながりを感じたこともあった。」
  • モノローグ
    5.0
    三島由紀夫/ミルチャ・エリアーデ/小林秀雄/紫式部/ランボー/トーマス・マン/ボルヘス/森鴎外/ピカソ/篠山紀信/フランク・ロイド・ライト/マイルス・デイヴィス――文学、音楽、美術、建築、そして、自らの作品について論じた ファーストエッセイ集。『日蝕』の衝撃的デビューから現在まで、常に時代の最前線に立ちつづけた著者の軌跡
  • 歴史の本棚
    3.8
    日本近現代史の泰斗、東京大学教授の加藤陽子氏は「本読みの名手」でもある。「この人の書評は面白い」「読書の幅が広がる」など、高い評価を得ている。単なる本の内容紹介にとどまらず、世の中の動きや世界の情勢に読者の目を向けさせ、考えるきっかけを作ってくれる、非常に示唆に富む書評だ。 それぞれの本の書き手が、いかなる分析視角によって紡ぎ出したのか。研究書、小説、ノンフィクション、エッセイ、写真集など、加藤氏の感性ですくい上げた名著を紹介する。 【本書の内容】 ●『神聖喜劇』(全5巻、大西巨人=著、光文社文庫) ●『歴史と国家 19世紀日本のナショナル・アイデンティティと学問』(マーガレット・メール=著/千葉功、松沢裕作=訳者代表、東京大学出版会) ●『毒親介護』(石川結貴=著、文春新書) ●『歴史としての日教組(上)(下)』(広田照幸=編、名古屋大学出版会) ●『インビジブル』(坂上泉=著、文藝春秋) ●『歌集 形相』(南原繁=著、岩波文庫) ●『死者の書 身毒丸』(折口信夫=著、中公文庫) ●『「東京裁判」を読む』(半藤一利、保阪正康、井上亮=著、日経ビジネス人文庫) ●『戦線』(林芙美子=著、中公文庫) ●『国際メディア情報戦』(高木徹=著、講談社現代新書) ●『小林秀雄の流儀』(山本七平=著、文春学藝ライブラリー) ●『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』(アンドリュー・クレピネヴィッチ、バリー・ワッツ=著/北川知子=訳、日経BP) ●『わが青春無頼帖』(柴田錬三郎=著、中公文庫〈現在は増補版、単行本は新潮社〉) ●『民藝四十年』(柳宗悦=著、岩波文庫) ●『ミシンと日本の近代 消費者の創出』(アンドルー・ゴードン=著/大島かおり=訳、みすず書房) ●『たまきはる』(神藏美子=著、リトル・モア) ほか ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください

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