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4.2大正9年の東京。侯爵令嬢の瀧川鈴子はとある事情から浅草出身で、怪談蒐集を趣味としている。ある日、室辻子爵邸に呼ばれて芸妓の悪霊を目撃した際、花菱孝冬という青年に出会う。彼は十二単を纏う謎の霊を使い、悪霊を「食わせた」のだった……。掴みどころのない孝冬を気味悪く思う鈴子だったが、なぜか孝冬に求婚され――! 逃れられない過去とさだめを背負う二人が結ばれることで、動き出す未来とは。
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4.2世界の南の端にある「花勒」「花陀」「雨果」「沙文」の四つの島は海神のものだという。 島々は、海神たる蛇神の抜け殻からできた、という。 各島はそれぞれの領主によって治められていたが、 領主を決めるのは海神に仕える巫女王の託宣だった。 巫女王のもとには「海神の娘」が集う。 娘らは託宣によって領主のもとへ嫁いでいく。 彼女たちを娶ることで、島は海神の加護を得て、繁栄するのだという。 今宵もまた、ひとりの巫女が舟に乗せられ、月明かりの下、島影へ近づいてゆく。
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3.0世界の南の端にある「花勒(かろく)」「花陀(かだ)」「雨果(うか)」「沙文(しゃもん)」の四つの島。 それぞれの島を治める領主は、海神(わだつみ)の託宣により選ばれた『海神の娘』と呼ばれる娘を娶ることとなる。 この娘たちを娶ることにより、島は海神の加護を得て、繁栄するのだという。 大ヒット小説『後宮の烏』と同一世界で描かれる、神に選ばれた娘たちの”幸せ”を描く婚姻譚。 【第0話「海神の娘」を収録】
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3.6「二十歳までは生きられない」――という呪いをかけられてしまった長野の女子高生・澪(みお)。彼女の生家・麻績(おみ)家は代々、蠱師(まじないし)の一族であった。長野から出ることを禁じられていた澪だったが、家族に内緒で京都へ。そこで邪霊に襲われ、窮地に陥ったところを、なぜか澪のことを知っている様子の高校生・高良(たから)に助けられる。澪を心配して京都に駆けつけた従兄の漣(れん)とともに、蠱師ゆかりの下宿屋「くれなゐ荘」にたどり着いた澪だったが……。高良のことが気になる一方で、自らの呪いを解く鍵が京都にあると考えた澪は、長野から移り住む決意を固める。邪霊はなぜ澪を襲ったのか? そして澪と高良の関係は? 京都を舞台に、運命にあらがう少年少女たちの姿と、次々起きる不思議な事件の謎解きを描く、「後宮の烏」シリーズで人気の著者による呪術幻想ミステリー。
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4.2成都(せいと)随一の高級旅館、張家楼(ちょうかろう)。 主人は成都屈指の豪商、張家の末息子・エン【※】圭(えんけい)である。 すこぶる病弱なエン圭は、23歳になる今まで幾度となく生死の境をさまよった。 風が吹いては寝込み、雨が降っては寝込む。とにかく体が弱いのである。 ある日、久しぶりに体調がよく市をそぞろ歩いていると、 売卜者(占い師)のような男から突然声をかけられる。 いわく、エン圭は幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せる体質で、そのために不調が出るのだと。 半信半疑のエン圭だが、彼にお祓いをしてもらうと、確かに調子がいい。 それを知ったエン圭の父親は、どういうわけか、売卜者の娘を嫁にもらえと言いだした! 戸惑うエン圭をよそに結婚話は進み、いよいよ娘はやってきた。 ――そう、色とりどりに輝く雲に乗り、空の上から。 天女とみまがう美しい少女はエン圭に歩みよると、 「人間の花婿なんて今時、流行らないわ」と言い放つ。 どうやら彼女は「人」ではないらしい……。 果たしてこの夫婦、一体どうなる!? 【※王へんに宛】
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3.5世界の南の端にある「花勒(かろく)」「花陀(かだ)」「雨果(うか)」「沙文(しゃもん)」の四つの島。 それぞれの島を治める領主は、海神(わだつみ)の託宣により選ばれた『海神の娘』と呼ばれる娘を娶ることとなる。 この娘たちを娶ることにより、島は海神の加護を得て、繁栄するのだという。 海神(わだつみ)の託宣により、花勒(かろく)の若き領主・啓(けい)のもとに嫁ぐこととなった蘭(らん)。 しかし彼女は、花勒の先代領主・榮君(えいくん)に父を処刑された過去を持っていた。 己の肉親を殺した男の息子に嫁がねばならぬ運命に不安を抱えながら、蘭は月明かりの下、小舟で婚儀に向かう―――。 【第1章「黥面の妃」を収録】
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