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  • 人喰鉄道(上)
    5.0
    1~2巻660円 (税込)
    暗黒大陸と怖れられたアフリカ大陸に、文明の曙光を投げかけんと企てられた、ウガンダ鉄道建設。英人鉄道技師・パターソンは理想に燃えて赴任するが、サバンナは、人間の侵略に〈人喰い(マン・イーター)〉と化したライオンとの血みどろの戦場だった。雄大な大自然のなかに、ライオンと人間の死闘を非情なタッチで描き出した、異色の動物文学。
  • ヒトはなぜ子育てが下手か
    4.0
    人間や動物にとって重要な問題である「生殖」から「子育て」まで、動物たちの生きる姿をさまざまな側面から見て、さらにその本質に迫りながら、われわれ人間社会と比較してみる。動物とヒトの子育てを対比しながら、人間社会における本当の子育てとは、また真の親子関係はどうあるべきかを追究・考察する、親子動物記。
  • ヒトはなぜ助平になったか
    -
    なぜヒトには「交尾期(さかり)」がなくなったのか? ヒトはなぜ「対面位」で交わるようになったのか? なぜオッパイはいつも肥大しているのか? 比較動物学という見地から多くの動物たちの場合と照応しながら、ヒトの性を男女の結合力の根源として据えなおし、ヒトと動物の性の本質を、真面目に楽しく考察する名著。
  • ひとりを愛し続ける本
    3.7
    情熱的な愛に生き続けたいと人は願うが、それは、激しくとも短く終わるもの。本当の自分、真実の生き方を求めて心の中を掘り下げ、明暗の異なるもう1人の自分に気がつくとき、人生はより深く、より拡がりを持つ。――退屈と忍耐、悲しみや苦しみの中に、人生を楽しみ愛する方法を、明快に語るエッセイ集。
  • 火の舞い(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    若狭の山村に祖母とつましく暮らしていた村瀬ふくが、男女の仲にうるさい田舎をあとに、京都の町へ出たのが19歳の秋。多情の血を継ぐふくは、勤め先の工場で出会った初めての男・田島の子を宿すが、それを知った田島は突然、姿をくらます。やむなく腹の子を堕ろし、呑み屋、ホテルの女中を転々とし、男遍歴を重ねるふく。そして偶然にも田島に再会したふくは、幸福な結婚を夢見るのだが‥‥。男たちへの愛に命を賭けた女の哀しい半生を描く。〈上下全二巻〉
  • 非・文化人類学入門
    -
    なに、よくあることさと見すごしてしまう日常の出来事も、狂気と知性に妖しく彩られた華麗なる料理人・豊田有恒の手にかかると、ドタバタハチャハチャと、たちまちその姿を怪しく変える。読者の前に出されたこの奇妙な20の一品料理。はたして、いかなる味がするものか? ぜひご試食されんことを!(ただし食あたりされても責任は持ちません。――編集部註)
  • 百年戦争(上)
    3.0
    1~2巻662~705円 (税込)
    ネコに変身してしまった小学生清くんが飛び込んだのは、銀座ネコVS.築地ネズミの大戦争の真只中だった。清くんは三毛のオスとしてネコ軍団を率いることとなり、同級生秋子くんも加わって大騒動。どうやらネズミ軍団の長も同級生の変身した姿らしい。彼らの変身劇には世界的陰謀が隠されていて事態は急変! (講談社文庫)
  • 開かない花
    -
    学生運動に熱中し、中小企業に就職後も労働運動をしてクビになり、会員制クラブのマネージャーになった津村の前に現われた悠子は、悲しい運命の女であった。男から男を転々としながら彼女が求めていたものは、いったい何であっただろう。美女の奇妙な行動に秘められた悲劇。両親から受けついだ自分の血を呪いながら……。という表題作など、傑作6編を収録。現代社会をたくましく生きる庶民の男と女のバイタリティを描いた、興味尽きない1冊。
  • 昼下がり 夜明日出夫の事件簿
    -
    アリバイ崩しに挑戦する夜明の推理。社長邸で軟禁状態の女が夜明に助けを求め…。距離と時間の謎と格闘する夜明探偵が、不可能殺人のアリバイを崩す! ――助けてください……と、夜明日出夫のタクシーに乗り込んできた美女の背後には、限りなく巧妙な罠が潜んでいた。元警視庁の敏腕刑事からタクシードライバーに転身した夜明は、殺人事件の容疑者のアリバイ、9時間の空白を埋めるべく、愛車を駆る。距離と時間の壁と格闘する夜明の、冴えわたる推理が犯人を追いつめる!
  • 風塵(上)
    -
    天正10年、織田信長は60余州制覇の駒を進めていた。野望渦まくこの戦国乱世に生み落とされた孤児……山猫。信長の姪・茶々に想いをかけ、一国一城の主となって、茶々を嫁にするという大きな夢に命の炎を燃やす男……山猫。非情な運命に弄ばれながら、逞しく人生を切り拓いてゆく男を痛快に描く、戦国ロマン。
  • 夫婦のルール
    -
    老いてますます輝く90歳と85歳の作家夫妻が明かす、人間関係、そして人生の極意とは? 「僕は嘘つきです」から始まった結婚生活、作家として執筆と子育てに追われた30代、世界を飛び回りながら3人の親を介護し看取った40~50代、様々な危機を越えて人生の第三幕を迎えた夫婦が、ともに歩んだ歳月を振り返り、本音で語り合う夫婦関係の極意。人生の智慧にあふれた大反響作、文庫化!
  • 『深い河』創作日記
    4.0
    「この小説のために文字通り骨身をけずり、今日の痛みをしのがねばならなかったのか」。作者最後の長編小説であり、純文学の奇跡と今もなお絶賛される『深い河(ディープ・リバー)』は、壮絶で苛酷な闘病生活のなかから生み出された。1990年8月26日から1993年5月25日まで、小説と死を見つめ続けた感動の軌跡。(講談社文庫)
  • 不義にあらず
    -
    武家の奥向きにふさわしくない卑賎の女と、その女・やすを憎悪する隠居。親に押しつけられた妻を離別し、やすを手許に置こうと望む当主。かたくなな父子を和解させようと、いじらしく知恵を絞るやすの身は……。体面にしばられる武士の家庭を描いて、人間らしい幸せを求める男女の、愛憎の果てを語る秀作短編集。
  • ふふふ
    3.6
    苦笑、失笑、嘲笑、哄笑――。世の中、笑い事ではないけれど、ぐるっと見回せばあちこちにつつきどころがあふれんばかり。言葉のもつ面白さ、政治と社会への溜め息、文化が受け継いで来たぬくもり……。シニカルながら温かい、著者ならではの視点が光る! 日々の思いを綴った現代版『徒然草』的エッセイ集。(講談社文庫)
  • ふふふふ
    4.0
    繰り返される戦争やテロ、政治家の失言、脅かされる平和憲法、ないがしろにされる農業……。いつの間にやら窮屈になった世の中を、時には嘆き、おおいに憤慨しつつ、それでも真剣に愛し、格闘してきた著者が遺した言葉の数々。ユーモアと、定評のある観察眼が随所に光る、今こそ読みたい徒然の身辺雑記第二弾。(講談社文庫)
  • 武家女夫録
    -
    出雲藩の木実方添奉行(このみかたそえぶぎょう)・梅沢作之丞が惨殺された。特産物の生蝋の専売役で内福を噂され、茶屋女・お鯉の身請話を決めた直後のことであった。藩の詮議に、年若い妻・寿恵と若党・弥八は、互いに庇いあって……。体面を重んじながら、困苦に耐える微禄の武家の暮らしと、封建制に抗した男女の愛情を描く、名作短編集。体面にしめつけられても、燃え上がる不義の愛!
  • 平家物語を歩く
    -
    夏草おい繁る祗園女御塚、墨色の暮靄に沈む祗王寺……、一ノ谷、壇ノ浦へ、そして大原寂光院へ……。春浅き西海に散った平家の滅びの美を謳う一大叙事詩「平家物語」を、「人間業」の記録とみた著者がいざなう、もう一つの平家物語の世界。――歴史の舞台を彩った人々の、封じこめられた呻き、悲歎、呪咀を行間につたえる歴史紀行。平家の舞台を旅しその「心」を探る。この1冊をポケットに平家物語を歩こう!
  • 北京の旅
    4.0
    首都の輝き、首都の威厳。北京千年の歴史、文化、風俗を伝える魅力の旅行記。千年の歴史を秘める中国首都を探訪――中国の首都として、千年の歴史を秘める北京。そこは時の流れの風化、人の世の変転のなかで、いまなお首都の輝き、首都の威厳を失わない。まちには人々の精気が、活気がみなぎっている。歴史の遺跡をたずね、文明の源流を求めて雄大な王城の地をくまなく逍遙し、肌で感じた北京のすべてを伝える好紀行。
  • 北京悠々館
    -
    時は清末、日露の風雲急を告げる明治36年、初秋の北京に、ある任務を帯びて下り立つ美術商・土井策太郎。露清撤兵協約の再締結! 批准? 対露開戦の大義名分を失うのを恐れる日本は、巨額の金で清朝要人の買収を工作、舞台は「悠々館」。だがパイプ役は、完全密室で殺害、同時に金も消失し……。腐敗と無策を孕む国家の末期症状で、事件は謎を深める。本格推理と歴史小説が見事に結合結晶した会心の作。
  • 炎の虚像
    -
    赤い悪魔が闇を刺す! ――テレビ界の実力者・加古川が、自ら演出する大作の撮影をすっぽかした。代わりを女性ディレクターがつとめ撮影は進行したが、その頃、加古川は交通事故に会い、新進女優の家で眠り続けていた。加古川へテレビ界の風当りは強い。しかも今度は、新進女優の死。事態は謎めく一方だ。テレビ界に巣喰う野望を描いた傑作推理。
  • ぼくたちの洋行
    -
    敗戦国・日本をあとに、初めての留学生として、意気揚々とフランス船に乗り込んだのだったが……。4人の留学生の直面した現実を描いた表題作。死の臭気が漂う青春時代に、愛国心への疑問を抱いた青年を描く「入営の日」、芸術家の娘を持った父親の孤独を描く「父親」のほか、「あわれな留学生」「ピエタの像」「弟と犬」「終戦記念日」「ナザレの海」「鏡」「老いの岸辺」。人間心理の襞に触れる、感動の10名篇を収録。
  • 舞え舞え断崖
    4.5
    その昔、金精神の祠があったという断崖。一愛読者からの手紙が縁で、断崖の上下に住むことになった閨秀詩人・日折真船と画家・流子の姉妹。二人はともに妖精をモチーフに名を成した。妖精にまつわる遠い過去の記憶を秘めて……という表題作のほかに、「女形の橋」など艶にして妖、情念の襞にせまる珠玉の6編も収録した、伝奇ロマンの傑作小説集。
  • 水戸黄門(一)葵獅子(上)
    5.0
    名君の誉れ高い水戸光圀の人間像を浮き彫りにし、その生涯を描く長篇。全8巻。水子にされる運命だった千代松が、気弱な兄にかわって御三家・水戸家の世嗣と決まったのは、寛永11年、7歳のとき――千代松は水戸から江戸に移り、将軍・家光に拝謁し、9歳のときに元服する。そして、徳川左衛門督光国と名乗る……。
  • 源義経(一)
    4.0
    平家全盛の承安3年秋、洛北鞍馬寺で文武の技を磨く、源義朝の子・遮那王は15歳になった。明けて4年の春、遮那王は京五条の橋の上で弁慶と出会い、主従を誓うが、この非凡な少年に平家の目が光る。危険をさけ、奥州平泉に藤原秀衡を訪ねていく途中、近江の国・鏡の宿で元服し、自ら九郎義経と名乗る……。悲劇の英雄・源義経の生涯を描く一代記(全5巻)。
  • 胸に棲む鬼
    4.0
    志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。
  • 室町抄
    -
    酒色に溺れ政治に無力な足利将軍と、奔放に御台政治を貫く日野富子を活写。義政夫人の威力に破れた男たちの声――何もしない文人将軍・足利義政に嫁いだ日野富子が、天性の資質で幕府を牛耳り、応仁の乱を切り抜けて、強大な御台政治を貫く面白さ。酒色に溺れ、滅んでいった、足利家の男たちの文化の素晴しさ。権勢の近くにうごめく武将たちの、凄絶な闘い。富子を中心に、刺激と活気にみちた室町時代を縦横に描く、傑作小説。一族の野望をになって足利家に送りこまれ、室町幕府に権勢をふるった日野富子の生涯。美しく、わがままで、強い女の魅力とその時代。
  • もしもお前が振り向いたら
    -
    哀しい宿命に泣く男女の悲劇を描く、愛の長編ロマンティック・ミステリー――バーのマダム殺しの犯人は、8年前の作曲家殺しの犯人と同一人物なのか? 幾重にも仕組まれた鉄壁のアリバイを、刑事が崩したとき、容疑者は鉄道自殺! 事件はこれで解決したかに見えたが、それは新たな、より大きな謎の始まりだった……。真犯人は、まったく別の所で成功者となっていたのだ。都会派ミステリー長編傑作。
  • モッキンポット師の後始末
    4.0
    1~2巻550~660円 (税込)
    食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の"不良"学生3人組。いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お人好し神父と悪ヂエ学生の行状を軽快に描く笑いとユーモア溢れる快作。
  • モンゴルの残光
    5.0
    あの強大をほこったモンゴル帝国。もし、日本や西欧への進出が成功裡に終わっていたなら……。物語は、元が世界を支配する、ジンギスカン紀元811年に始まる。虐げられた白人の怒りは、激しい抵抗運動となり、主人公・シグルトは、白人支配の世界を創るべく、タイムマシンで時を駆ける。彼の眼前を滔々と流れる巨大な歴史の姿を、若々しい筆致で描く、著者の処女長篇。
  • 邪馬台国を見つけよう
    4.0
    邪馬台国はどこにあったのか? これは史学界、考古学界、そしてアカデミズムの世界から在野に到るまで、諸説紛紛、まさに論者の数だけ意見も錯綜するといわれる謎中の謎である。本書は、この難問に、SF界の奇才が長年の構想と収集資料をもとに、すべての「邪馬台国」に独自の実地踏査を試みて成った、ユニークな邪馬台国紀行・入門書である。ロマンと知的冒険心を湧きたたせるトラベル・エッセイ。卑弥呼の国を旅しよう!
  • 闇に咲く花
    -
    昭和庶民伝第二部。笑いと涙の、傑作戯曲。敗戦後、復員してきたプロ野球選手を巡って神田の愛敬稲荷神社で起こる珍騒動。戦争と神道という重いテ-マを野球で明るく解き明かす名作。(講談社文庫)
  • 闇の金魚
    -
    日本への留学を終えて帰国した童承庭は、政商・永源昌の店で働きながら、反体制運動のレポ役も果していた。が突如、妻が何者かに拉致された……。陰謀錯綜の歴史の裏を暴く長編ミステリ――妻が拉致された。その報をもたらした男が示す紙片には、「とらわれたが拷問には屈しない」とある。確かに妻の筆蹟だ。反体制運動のレポ役・童承庭は、ふるえた。誰が何のために仕組んだ罠なのか? 清朝が倒れ、孫文らの革命勢力が勃興する中国、多様な主義思想の錯綜する歴史のヒダに、推理のメスを鋭く入れる長編。
  • 闇の歯車
    3.4
    川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。白髪の隠居と商家の若旦那。ここに4人を〈押し込み強盗〉に誘う謎の男があらわれた。そして、それぞれに関わる女達。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む、闇の歯車が回る。
  • 夕暮れ 夜明日出夫の事件簿
    -
    ドジなヤクザ3人組が奪った車の荷物は、男の右腕。夜明が解いた真犯人の謎。3人組に泣きつかれた夜明の秘策は? ――男2人と女1人のドジなヤクザ3人組が、借金取立てのために車を強奪した。ところが、車のバッグの中から、切断された男の右腕が出てくる。3人組は警察に追われ、組織からも見放されて、自力解決あるのみ。リーダーの男は打開策を求めて、刑事時代のライバル・夜明日出夫を頼った。真犯人を暴く方法は何か?
  • 雪明かり
    4.2
    貧しくも、明日への夢を持って健気に生きる女。深い心の闇を抱えて世間の片隅にうずくまる博徒。武家社会の終焉を予感する武士の慨嘆。立場、事情はさまざまでも、己の世界を懸命に生きる人々を、善人も、悪人も優しく見つめる著者の目が全編を貫き、巧みな構成と鮮やかな結末があいまった魅惑の短編集。
  • 弓の部屋
    -
    夏の夜の神戸を彩る生田神社の花火。それを、異人館のボウ・ルーム(弓の部屋)から眺める男女の間で、突如、殺人が……。被害者は、メイド・光子の夫の山中。彼は、電灯を消した一瞬にすり替えられたコップを口にして、毒殺された。捜査の進展につれ、居合わせた人々の過去が、次々にあばかれて……。神戸情緒あふれる、本格ミステリ。
  • 夢ざめの坂(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    ある男の失踪。その軌跡の果てに浮かぶ謎は!? ――「文化教室」を営む浦上隆志を訪れた初対面の女性・杉坂房子は、こともあろうに、失踪した夫を探してくれと、隆志に頼む。その夫・伊庭潤は、1年前、水墨画教室に在籍したのだという。隆志の奇妙な失踪人探しが始った……。いつかおちいる房子との恋。その語らいの中に浮びあがる隆志の生いたち。滋味溢れる推理長編。<上下巻>
  • 夢の10分間 ショートショート
    -
    夢料理人が心をこめて贈る傑作ショートショート25編――これは夢のレストラン。料理長・豊田有恒が心をこめ、腕によりをかけ、睡眠時間を減らしまでして創り上げた25品。1品10分、一気に食べれば4時間10分のフルコース。もちろん砂をかむような味つけはしてありません。悪夢や奇夢や凶夢に怪夢……。全部食べても340円。さあ、バクと共に、この奇妙なレストランを訪ねよう!
  • ユーモア小説集
    3.5
    1~3巻660~671円 (税込)
    1990年。人体の1000分の1に縮小されたK大学の若い医師山里凡太郎は、3人の医師と、同じく縮小された潜水艇にのり込み、癌におかされた凡太郎の恋人の体内にもぐり込む。患部の手術を無事に終えた時、思わぬ出来事が彼らに襲いかかる……「初春夢の宝船」ほか11編を収めた抱腹絶倒の作品集。(講談社文庫)
  • 夜明け
    -
    名探偵・夜明日出夫のアリバイ崩し! 美人OLを熱海へ車で送った夜明探偵。熱海にいた女が、同時刻に那須で殺人? ――元警視庁随一の敏腕刑事で現タクシードライバーの夜明日出夫は、ある晩、熱海まで美人OLを乗せた。だが彼女は、同時刻に起きた那須別荘殺人事件の容疑者であった。OLのアリバイを証言する最有力の証人である夜明自身が、皮肉にもアリバイ崩しに挑むハメに陥る。ニヒルでシャイな名探偵夜明の推理の答は!?
  • 妖女のごとく
    3.9
    友人の結婚相手にと、大河内女医の身辺を探りはじめた辰野は、いつしか妖しい魅力の虜になり、底知れぬ蠱惑(こわく)の罠に陥っていく。やがて明かされる意外な真相が、さらに恐怖を呼び起こす……。都会感覚あふれる傑作サスペンスロマン。
  • 妖説太閤記(上)
    4.5
    信長の妹・お市の方に魅入られた藤吉郎は、「天下もとるが、女もとる」とばかり、出世の野望に燃えた。半兵衛と官兵衛という参謀を得て、巧みな弁舌と憎めない面相で正体を隠しながら、冷徹な権謀術数でライバルを蹴落とす。「本能寺の変」すら、天下をとるために仕組んだ筋書きだった。風太郎版・異色歴史小説!
  • 妖のある話
    -
    中国史を彩った美女の魔力。美女に迷って暴走する男たちの本性と、女の妖態を軽快につづる女性論エッセイ。女の「妖しさ」はどこからくるのか? ――美女には、時代によって、はやりすたりがあり、好みにも個人差がある。男心をかき立てる「妖女」の魅力とは何? 少女が見せる妖、男装の女武人の倒錯美、愛らしい醜女の心根、病身美人の抗しがたい良さなどなど、男を刺激し翻弄する、妖しくも愛すべき女。博識のフェミニストが軽快に、女性の魅力を語るエッセイ集。
  • よそ者の目
    -
    外国からどう見られているかに過敏な日本人を、同じアジア人の視点であえて語る快著。中国的立場から作家の目で見た日本人論――よそ者(外国人)が日本について発言するとき、たいてい強い反撥を喰う。放っておいてくれ、というわけだ。そのくせ、外国からどういう目で眺められているか、日本人はひどく気にする。島国からくる過敏性であろうか。中国的なものの考え方から、同じアジアの日本人の動向を綿密にとらえる、深甚なるエッセイ集。
  • 淀君
    -
    父母の仇、豊臣秀吉の側室となったお茶々。高貴の出である彼女には、その立場が我慢できない。子供が欲しい、男の子を生みさえすれば聚楽第の女主人になれると、神にすがるお茶々は、むかし自分を犯した下郎に思うままにされ、男子を身ごもる。淀君と呼ばれ栄華を欲しいままにするお茶々だが……。子を成すことこそ、女の戦さ! 父母の仇・秀吉に抱かれた日から、男よりも権力を愛した女の数奇な運命。傑作歴史ロマン。
  • 淀どの哀楽(上)
    5.0
    江北に名高い豪勇の将・浅井長政と、たぐい稀な美しい妻・お市との長女・茶々は、恐れを知らぬかわいい姫君であった。幼いときに伯父・織田信長によって浅井が滅ぼされ、母の再嫁先・越前北ノ庄もまた、豊臣秀吉の手によって落城した時、何事にも敏い茶々は、託された妹たちをかばって、戦国の女の宿命に従い、敵将・秀吉の側室となった。信長、秀吉の影に生きた淀君の生涯を描いた傑作時代長篇。<全二冊>
  • 夜の水藻
    -
    日本国籍だが、済州島出身のコールガール・那江子は、一昨年も昨年も、クリスマスイブの夜、街をさまよった。そしてその度に、彼女の人生を変える出来事が起った。初めの年のイブ、彼女は韓国人の暴力バーのマスターと知り合った。次の年のイブの夜、拘置所に入っている彼に、妻子が居ることを知った。そして今年のイブ……。夜の大阪を背景に、体を張ってたくましく生きていく女たちと、周辺にうごめく男たちを描く傑作短篇集。
  • 四千万歩の男(一)
    3.7
    忠敬は下総佐原村の婿養子先、伊能家の財をふやし50歳で隠居。念願の天文学を学び、1800年56歳から16年、糞もよけない"二歩で一間"の歩みで日本を歩き尽し、実測の日本地図を完成させた。この間の歩数、4千万歩……。定年後なお充実した人生を生きた忠敬の愚直な一歩一歩を描く歴史大作。全5巻。(講談社文庫)
  • 四千万歩の男 忠敬の生き方
    3.2
    素晴らしきかな、忠敬的セカンドライフ。50歳で隠居するまでの忠敬は下総の名家の旦那。隠居と同時に本格的に星学暦学の勉強をはじめ、56歳から72歳までの17年間で35000キロ、約4000万歩を歩き尽くして、日本地図を完成させた。愚直にも思えるその精神が支えた、第2の人生を全うする平凡な覚悟は我々の生き方に大きな示唆を与える。(講談社文庫)
  • 落日の群像
    -
    妻に裏切られ、さらに部下の背信で、破滅に追い込まれた中小企業経営者の悲劇をえがき、人間の絆を主題にした表題作。金策に行きづまり、ついに占いに頼る「女予言者」。女がある計画を秘して、猛烈に事業に打ち込む「同伴者」。ほか、苛酷なビジネスマンの世界を扱った4編を収録。初期短編から精選して編んだ傑作短篇集。現代人の孤独と都会生活の非情!
  • 楽天大将
    -
    修道女を志す若い保母・朝吹志乃は、みずから園児の身代りとなって、誘拐犯人・金山と逃避行をつづける。しかし、その金山は、白血病の宣告を受ける……。金山を、なんとかして人間の荒地から脱出させ、再生させようとする志乃の献身も、ほとんど空しかった。錯綜する人間関係の中に、無償の愛に生きる女性の姿を鮮烈に描いた、感動長編小説。
  • 洛陽の姉妹
    3.4
    動乱の時代、姉妹を襲う苛酷な運命……。ときの皇帝の正后で、世間で最も恐れられるという南風(なんぷう)。その異母姉である春暉(しゅんき)は、斉の国から洛陽へと、妹に会うためにやってきた。だが、春暉には会おうともしない南風には、姉への複雑な思いがあった……。時代が生んだ姉妹の運命を、力強くまっすぐな視線で描く表題作など、抒情あふれる中国短篇小説5編を収録。
  • 利休 破調の悲劇
    -
    南海貿易によって富み栄えた、剛毅・狡智な堺商人の中の実力者で、覇者・豊臣秀吉に寵愛を受けた茶頭として華やいでいた利休は、なぜ、死を賜らねばならなかったのか? 晩年10年間に凝縮された栄光と挫折の生涯の、自身の性格に根ざした破調と、政情の推移が関わって生じた悲劇を描いて、「利休の死の謎」を解く、迫真の歴史読物。激しく生きた男の、栄光と挫折のドラマ。歴史的、経済的新視点から千利休の死の謎に迫る!
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上
    3.0
    中国・明からの使節を迎え沸き立つ17世紀初頭の沖縄・琉球王国。だが、この国の平和は幕府を後ろ盾にした薩摩によって侵されつつあった。侵攻に膝を屈するか? 独立をかけて抵抗するか? そして宗主国・明は助けてくれるのか? 生き残りを賭けて琉球の闘いが始まる。
  • 龍を見た女
    -
    那古野城の大たわけと呆れられていた少年城主は、夏の河原で手強い美少女と出会った。甲賀の忍びの技を持つ彼女は、以来、城主の影として生涯つき従うが、彼女は、恐るべき猛将・織田信長が、ただひとり心を許した女性でもあった。 驚くべき軍略で乱世を統一し「白雲深きところ、金龍躍る」を体現した非情な稀有の武将を、影として支え続けた女の視点で鮮烈に描いた傑作。
  • 歴史を彩った悪女、才女、賢女
    -
    古代の女王・卑弥呼から、坂本龍馬の熱血の妻・お竜まで、忍従の生活に埋没せず、愛の選択と魂の自由を求めた個性的な女たち。身動きも不自由な時代の制約の中で、力の限り生き抜いて、人々に重んじられ愛された女たちは、どのような人間であったのか? 円熟の作家が共感をこめて描き出した、輝く26人の肖像。古代の女帝から江戸の町娘まで、強大な支配者と女たちの激しい愛憎の物語。時代を超えてよみがえる女たちの真実!
  • レジェンド歴史時代小説 義民が駆ける
    3.3
    江戸後期の天保年間、老中水野忠邦から突然命じられた理不尽な三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、荘内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸をめざす。深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民たちの相貌と、彼らを衝き動かした情動を精緻に描く、傑作歴史長編。〈解説・川村湊〉
  • 牢獄
    3.0
    魔性の皇帝太祖の治下、無実の高官が投獄されて受けた鬼気迫る実験とは? 大官の誇りを砕く凄絶な究極の刑! ――異例の大昇進を遂げたその日に、厳徳ビン(ビン=王に民)は、やにわに逮捕され入牢の身となった。明の初め、魔性の初代皇帝治下の中国では、怖るべき政治と粛清が繰り返されていた。才学抜群の能吏・厳は、大官の誇りにかけて無実を弁明しようとするが、待ちうけていたのは洗脳という、傷ましい人間性の破壊であった……。無実の知識人が投獄されて受ける究極の刑。激しい拷問、破壊される人間性。凄絶な傑作、戦慄の悲劇、中国歴史長編。
  • 倭王の末裔 ―小説・騎馬民族征服説―
    3.5
    日本国家は、いかにして誕生したか? 古代史の謎に、SF作家・豊田有恒が、該博な知識とSFの手法を駆使して挑戦した、雄大な歴史ロマン。その迫真性と実在感は、ノンフィクションとも見まがう力で読者を衝つ。――第一章・女王卑弥呼/第二章・神功皇后/第三章・太の安麻呂。
  • わが恋う人は(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    霧の軽井沢で雑誌記者・秋月美子がめぐり会った男は、豊臣秀吉の家臣・小西行長の子孫だった。戦国のならいによって夫との仲を裂かれた行長の娘・たえは、別離に際して男女の雛人形を夫と分けあったという。女雛に託された悲しみと呪いが、400年の時を越えて現代に甦える恐怖の物語。サスペンス大作。<上下2巻>
  • 我が炎 死なず
    -
    突然襲った、原因不明の全身麻痺。その日から、生への執念と奇病との格闘が始まった。芋虫のようにのたうつ我が身の惨めさ、意のままにならぬ入院生活、看病してくれる妻とのいさかい、絶望的になる日々の中で、作家になることを心の支えにして、ついに難病を克服。強烈なバイタリティがほとばしる、自伝的長編。
  • 病葉の踊り
    -
    旧満州の曠野に見棄てられ、死を待つばかりの重症結核患者。その幽鬼ただよう悲憤を、反戦の気するどく追求した処女作「北満病棟記」。看護士相手におどける俺を嘲笑う、女の冷やかな眼。肉体に欠陥をもつ男が過去を暴かれ、おのれの全存在を否定される恐怖を描いた表題作。ほかに、「相場師」「天穴は見えず」など7編を収録。

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