ブックライブの書店員おすすめレビュー

すべて のおすすめレビュー

  • 人を魅了し、メロメロにしてしまう存在、猫!!
    そんな猫達が人間の社会に進出してきた世界の物語です。
    全8編の物語で構成されているオムニバスの物語ですが、どの物語も不思議な世界観で惹きこまれていきます。

    中でも注目したのが3話目の「シャパリュ」という物語です。
    人であるマオが猫社長リチャードの会社を取材した際に「猫ならでは」の部分を探してしまうのに対し、リチャードは“人”だから“猫”だからではなくそれぞれに最適でストレスフリーな雇用環境を模索していると伝えるのです。
    それは現代の多様性について示唆しているのではないでしょうか。
    “猫”と“人”という種族の違いとして描きながらも、猫だから特別なことをするのではなく、それぞれが違うことを認識し、個を尊重することが大切であると教えてくれます。

    可愛い猫と人とのほのぼのストーリーかと思いきや、社会問題に鋭く切り込んでいたり、哲学的な要素が盛り込まれていたりと奥深い作品となっています。
    是非この奥深さをじっくりと味わってみてください!

    2022年07月20日
  • 「男子のみ」で構成される伝統の歌劇団、吉祥寺少年歌劇。
    そこへ入団するために付属の音楽学校へ入学した進藤瑞穂(しんどう みずほ)は男役になることを目指していたのですが、娘役と判定されショックを受けます。
    ですがライバルであり仲間でもある同期や先輩達の言葉によって、自分の道を見つけ夢の舞台を目指すのです!!

    主人公の瑞穂は男役に憧れ入学したにも関わらず適正面談で娘役と判定されます。
    逆に同期のサワは娘役に憧れていましたが、その体格から娘役を諦め男役を目指します。
    ふたりはそれぞれ理想と現実の狭間で揺れ動き、どう心に折り合いをつければよいのだろうと苦しむのです。
    そんなふたりに対し先生は
    「骨や筋肉や肌質や…身長は理想通りには備わらないことの方が多いものです」
    と話し、だからこそ自分の素質を美しく磨いていくことが大切であると伝えます。

    歌舞伎の家に生まれながら音楽学校へ入学してきた白井寿(しらい ことぶき)。
    娘役を嫌がる瑞穂に「そんなことならやめてしまえ」と言ったり、実力も才能もあり何もかもが完璧と思われていましたが、そんな彼もまた立ちはだかる壁の大きさに打ちのめされるのです。

    どのキャラクターもそれぞれの物語が丁寧に描かれており、様々な想いを抱きながら舞台に上がることを目指し壁にぶつかり苦しむ姿はとてもリアルで心が震えました。
    本当に吉祥寺少年歌劇が存在しているのでは!?とすら思えてきます。

    こちら1巻完結となっておりますが、もっと読みたい!!と思わずにはいられません。

    2022年07月20日
  • 毎日淡々とした作業をこなすことを至福の喜びとしている柳(やなぎ)。
    ある日、高校時代からあこがれの同級生いちかと再会します。
    いちかは今放送中のリアリティーショーに出演している若手女優。
    柳はいちかの性格的に向いていないからあの番組に出るのはやめたほうがいいと言いますが、いちかはそんな柳に対し寂しげな笑顔を向け去っていきます。
    数日後、いちかが自殺したというニュースが流れ、柳は自分が助けられたのではないかという思いに駆られます。

    柳はショックで目の前が真っ暗になり…次に気が付いた時には、死んだはずのいちかの姿に!!
    なんと半年前に戻っており、いちかと柳の身体と中身が入れ替わっていたのです。
    眩しいくらいに憧れの存在だったいちかと、冴えない人生を歩んでいた柳との人生が交差したのでした。
    柳はいちかとしてリアリティーショーに参加し彼女が死なずに済む世界を目指しますが、一方何も知らないいちかは柳の体で予想外の展開に巻き込まれていきます…。

    描くのは『ぼくらのへんたい』『愛と呪い』などの、性や毒親といった重いテーマを可愛らしい絵柄で描いてきた、ふみふみこ先生。
    今作では今までのふわっとした絵柄とは違うタッチで描かれており、ふみ先生の表現の幅広さに驚かされます。

    タイムリープのタイミングから事件のあった半年の間にいちかの身に何があったのかを柳が追体験していくのですが、彼がどのように状況を乗り越えていくのか…。
    柳といちかが入れ替わったことで、どのような変化が起きるのか…。
    先の展開が全く読めません!!

    何故いちかは自殺をしてしまったのか?という謎を中心に社会問題にもなったリアリティーショーの闇を描きつつ、入れ替わった柳といちか二人が送る人生自体も“リアリティーショー”となっている、入れ子構造にも注目していただきたいです。

    2022年07月20日
  • 格差が広がる一方の社会で、“CEOと一般従業員の年収格差が千倍以上の世界的企業に対し、3年間の内に差を200倍未満にせよ”と声を挙げる謎のテロ集団が現れます。
    3年後、彼らは世界トップ企業のCEOを次々と襲っていきます。
    彼らは一体何者なのか…?

    テロ集団が掲げるスローガンに思わず、格差が少しでもなくなるなら…と共感しそうになる冒頭でがっちり心を掴まれました。

    主人公の石井大良(いしい たいら)は、幼少の頃何者かによって父親を目の前で殺されるという過去を持つ刑事です。
    彼は一度見ただけで人の顔と名前を覚えられるという特技がありました。
    そんな彼がたまたま見ていた東京のロケット発表会で発生した爆発事件中継に、父親を殺害した犯人の姿が映っていたのです。

    男の正体を探るべく調査に乗り出す大良ですが、その男がイベント会社に勤める佐藤と名乗る人物であるとわかったものの、名前も住所も全てが嘘であったことを知ります。
    更に証拠として押収していた動画の一部が消されていたことが発覚し…。
    なんとか跡を掴んだと思った途端するりと真実が指の間をすり抜けていく。そんな感覚になります。
    誰が敵で誰を信用してよいのか…読む側も大良同様に先が読めないまま振り回されてゆきます。
    大良はわずかな手掛かりをかき集め、少しずつ繋がっている部分を辿り男の正体を見つけ出すことができるのでしょうか。

    今作は『リウーを待ちながら』や『インハンド』で医療サスペンスを描いた朱戸アオ先生の新作です。
    朱戸先生は、「現実に起こり得そう、でも実際に起きたらとても絶望的…!!」というクライムサスペンスマンガの第一人者です。

    今回も“何かが起きている!でも何が起きているのかは解らない。”そんな漠然とした状況に、空恐ろしくなります。

    今はまだ気付いていないかもしれませんが、同じような危険がすぐ傍で蠢いているかも…。
    実際に起こり得るかもしれないという恐怖心がべっとりと張り付いて離れません。

    2022年07月20日
  • 夫と死別したうみ子。
    ぽっかり空いた心を持て余す日々を過ごしていましたが、ある日訪れた映画館で映像専攻の美大生・海(カイ)と運命的な出会いをします。
    海から「映画を作りたい側の人間ではないのか」と言われ、ハっとするうみ子。
    更に、興味本位で訪れた美大のオープンキャンパスで海の映像作品を見たことで、制作意欲が沸き上がります。
    戸惑いながらも新しい一歩を踏み出したうみ子の先に待ち受けているものとは…。

    誰しも新しい環境に踏み出すには勇気がいります。
    若気の至りで踏み出せることもあるかもしれませんが、年齢を重ねれば重ねるほど多角的に物事を考えリスクを回避したくなり、踏み出すことを躊躇してしまう人も多くなるのではないでしょうか。
    それなのに65歳を過ぎ美大生になったうみ子の行動力は、読む人に勇気を与えてくれます。

    作中のセリフで
    「作る人と作らない人の境界線てなんだろう
    船を出すかどうか…だと思う
    その船が最初からクルーザーの人もイカダの人もいて
    誰でも船は出せる」
    というのがあります。

    作中、タイミングが訪れた表現として、うみ子の足元に波が押し寄せる描写があるのですが、“船を出す”というセリフに結び付く重要なキーとなっています。
    瞬間的意欲というのは誰しも感じることがありますが、そこから先に進むかどうかはとても難しい。
    セリフの通り船を出せる状況でも、天候が悪いから、海図が読めないから、船の性能に不安があるから…など、色々な理由をつくりがち。
    それでも漕ぎ出しさえすれば海に出ることができるのだと、うみ子さんが体現してくれています。
    どのタイミングで波が現れるのか、是非注目してください。

    また、晴れて大学生となったうみ子ですが、若者からの悪意ない高齢者扱いに気が引けてしまい自信を持つことができません。
    うみ子は、映画を撮ろうとする姿勢を学生から「老後の趣味の自由時間」と言われてしまい、モヤりつつもついつい自分のことを茶化してしまいます。
    ですがその後、海との会話で何気ない一言が取り返せない後悔になることを思い出すのです。
    真剣に取り組むのが何故か気恥ずかしくなり、自分を茶化してしまうことは年齢を問わずあるのではないでしょうか。
    そういった少しずつ摩耗していく日常にうみ子はどう立ち向かっていくのか、うみ子がどういった映画を撮るのか…続きが楽しみです!

    うみ子を見ていると、自分もまだ何かできるような気になります。
    新しい環境に踏み出す勇気をくれる作品です。

    2022年07月20日
  • 主人公のあかりは、2.5次元アイドル好きの隠れオタク。
    同じカフェのキッチン担当でコワモテ男子の恩田も、同じく2.5次元アイドル愛するオタク男子です。
    一緒に推し活をする仲ですが、ある日恩田から「好きなんだけど」と告白をされます。
    青天の霹靂の告白にとまどうあかりですが、恩田の普段と違う優しさにギャップ萌えが発動!!
    恩田のことを推せるのでは!?と気づくのです。
    その感情は一体何なのか解らないあかりですが、お試しでつき合うことに!!

    恥ずかしながら私、ギャップ萌え属性があるので、普段はぶっきらぼうな恩田が、推しを前にすると乙女モードになる姿にキュンキュンします!
    更に、恩田があかりに対してデレた姿は、見てはいけないものを見てしまったような…そっと宝箱にしまっておきたいような、そんな極上のキュンを感じます。
    あかりはそんな恩田の“デレ”に対し、“個別のファンサ(ファンサ=ファンサービスの略)をもらったようなときめき”と表現していますが、この表現がオタク心理を上手く表現しており、作者の青井みと先生流石です…!!と言わざるを得ません。

    推し活と恋愛イベントのバランスに戸惑いながらも、あかりと恩田が彼氏・彼女の関係を築こうとする姿には尊さを感じます。

    果たして、萌えは恋愛に発展するのでしょうか!?
    ふたりの今後に注目です!!

    2022年07月20日
  • 主人公は同級生のクールな琉生と人懐っこい伊吹でBL妄想にいそしむ、隠れ腐女子の本田日和。
    琉生は日和にとって“推し”だったハズですが、彼のさりげない優しさに触れる内にいつの間にか“推し”から恋愛対象に変化していきます。

    それでもBL妄想を止めることができない日和はSNSに琉生と伊吹のBLをマンガにしてUPしてしまいます。
    流石によくないと思い直し削除しようとした矢先、琉生にマンガがバレてしまいます。
    イイネを稼ぐためにUPしたと勘違いし怒った琉生は、日和に「俺の言うことを聞け」と脅すのですが…。

    脅されたにも関わらず琉生の要求に舞い上がってしまう日和。
    嫌がらせをしつつも、そこはかとなく日和への想いを伺わせる琉生。
    ふたりの想いの微妙なすれ違いにじれキュンが大暴走します!!

    佐倉チカコ先生が描くキャラの目の表情にも注目していただきたいです。
    会話の中でバツが悪そうにする琉生の目線の外し方や日和のやるせない感情を含んだ目の描き方には尊さを感じます。

    タイトルにある通り、ふたりの関係性はスロースタートかもしれませんが、気持ち的にはジェットコースターです!!
    推しとの恋がこの先どうなってしまうのか…。
    キラキラした世界に是非ひたってください!!

    2022年07月20日
  • 好きな男性のタイプは俳優 高倉健な幽霊肯定派の女子校生・綾瀬桃と、同級生の怪奇現象オタク・オカルン(本名 高倉健)。
    互いに否定するUFOと怪異を信じさせるため、桃はUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ行くことに。
    なんとそこで桃は宇宙人と、オカルンは心霊のターボばばあと遭遇!!
    宇宙人に襲われ必死になった桃は超能力を開花!そして、オカルンは…ターボばばあに呪われてしまい…。

    ジャンプ+で連載が開始されてすぐに注目された今作ですが、注目すべき3つのポイントがあります。

    1つ目は、画力と物語の勢いです!
    キャラの生き生きとした表情や迫力のあるアクションシーンなど絵の勢いが凄く、物語のテンポもよく、とにかく“マンガ力”が高くてびっくりしました。
    描いているのは龍幸伸先生。
    なんと『チェンソーマン』の藤本タツキ先生や『地獄楽』の賀来ゆうじ先生の下でアシスタントをされていたそうなので、納得の実力です。

    2つ目は、名作へのリスペクトです。
    セルポ星人の真の姿が『ウルトラマン』に登場するダダを彷彿としたり、ターボババアに呪われたオカルンが壁に激突するシーンでは大友克洋先生の『童夢』の名シーンを感じさせたりと、色々な作品のオマージュが散りばめられており、龍幸伸先生のリスペクト心が窺えます。

    3つ目は、桃とオカルンの人間性に注目いただきたいです。
    自分のことを育ててくれたお婆ちゃんの事が大好きな桃ですが、素直になれずに反発してしまった事を悔いていたり、友達ができないからこそ宇宙人となら友達になれるのでは…と思ったオカルンなど、思春期に抱く悩みや思いにまっすぐ向かっていく姿は等身大の少年・少女感があります。
    人間性から外れてしまいますが、太眉女子好きは必見です。桃の可愛さにハマること間違いなしです!

    1話目を読んだ時にアダルト要素が強いのかな?と思ったのですが、ご安心ください。
    少年マンガらしい展開でバランスのよいラブコメになっております。

    幽霊、都市伝説、UFO、超能力、バトルアクション…様々な要素を織り込み、化物VS化物という究極バトルを繰り広げながらも、しっかりとしたラブコメを描いている今作。
    今一番アツい『ダンダダン』の勢いに振り落とされないようにご注意ください!

    2022年07月20日
  • スピンオフマンガが増えている昨今、新たなスピンオフの金字塔マンガが登場しました!!
    主人公はバットマンシリーズで大人気ヴィラン・ジョーカー。
    「悪」の権化であるジョーカーがまさかの子育てに奔走します。
    育てるのは、ひょんなことから赤ちゃんになってしまったバットマン!!
    しかもワンオペ育児に追われ次第に“ヴィラン”としてのジョーカーではなく、“育児者・ジョーカー”に変化していく様は、育児の大変さをコミカルに描きながらも哀愁を感じます。

    ジョーカーといえば、映画「バットマン」「ダークナイト」「スーサイド・スクワッド」「ジョーカー」などで様々な俳優さんが演じられているキャラクターです。
    今作のジョーカーはそれらの作品の要素を織り交ぜた独自のジョーカーとなっております。
    映画のパロディシーンもふんだんに盛り込まれておりますので、映画を見たことがある方はどの作品のシーンかを考えながら読むのも面白いのではないでしょうか。
    (もちろん今作を読んだ後に、バットマンシリーズの映画を見ても楽しいと思います!)

    バットマンシリーズを見たことがない方も、普段は白塗りピエロの格好をした悪役が育児に追われ悪役メイクをする時間がない…など、子育てに奔走する姿には思わず笑ってしまうことでしょう。

    仕事(銀行強盗)をするためには赤ちゃんを保育園に預けないといけないのに、保育園の申し込みが全落ちしたシーンなど思わず笑ってしまうものの、現代の保育園事情のリアルさに真顔に戻ってしまうのは私だけではないはず!
    ギャグでありながら社会派要素の織り込まれ方は秀逸です!

    新たな育児マンガとして楽しむもよし、
    新たなバットマンスピンオフマンガとして楽しむもよし、
    新たなギャグマンガとして楽しむもよし。
    色々な楽しみ方ができる作品です!
    未だかつてないジョーカーを堪能してください。

    2022年07月20日
  • 舞台は「アミガサ」という世界政府によって人類が支配・管理されている、ジョージ・オーウェルの小説『一九八四年』を彷彿とさせるディストピアな世界。
    人々は限られたエリアで決められた食事を与えられ、行動や思想を制限され、感情すらも制御される中、主人公のダンテだけが異質でした。

    失読症なこともあってか、彼は周りのように同一の行動・同一の思想に染まることがありませんでした。
    「危険思想」とみなされるダンテの行動でしたが、身体的能力の高さと失読症であるが故に見逃され処刑されることはなく厳罰で済んだのです。

    D-18という領域でしか生きたことのないダンテは、ある日領域外に出て反乱組織「エーテル」を撃滅するという極秘任務に配属されます。
    初めてエリア外に出るのでワクワクするダンテですが、待ち受けていたのは菌類に覆われた世界でした。
    ほぼ部隊が全滅する中、ひとりだけ生き延びたダンテは女性区から来た「エーテル」一派の少女アオイと出会います。
    彼女の
    「自由な考えも会話も許されないなんてどう考えてもおかしいじゃない!」
    という一言でダンテは自分の今までの違和感の理由を知ります。

    彼女との再会を誓いエリアに戻るダンテでしたが、彼の帰還はアミガサにとっては予定外の出来事でした。
    拷問を受けるダンテを待ち受けていたのは、「脳菌糸」を寄生させるというものでした。
    なんとアミガサタケを脳に寄生させることで自由を奪い、思考を奪い、菌類は徹底した管理社会を築き上げていたのです。

    通常なら思考を奪われるハズのダンテでしたが、奇跡的に支配を免れることに成功します。
    更に脳のアミガサと金属を合成させるメタルカプセルを取り込むことで「エーテル」の戦士となったダンテ。
    予定調和の世界で、異分子として覚醒します。
    彼はこの世界で誰にも支配されることなく、世界を変えることができるのでしょうか。

    作品内容紹介に
    『進撃の巨人』諫山創が惚れ込んだ、新たなる"絶望"と"抵抗"の物語。
    とありますが、先が見通せない物語設定に、少々粗さがある絵柄とコマ展開など、確かに『進撃の巨人』がはじまった当初を彷彿とさせます。

    菌類がどうして人間を支配するに至ったのか、アミガサの目的とは?
    更に菌類に対して鉄の力でどう人間は立ち向かうのか。
    まだまだ謎が多い今作、今後それらの謎が徐々に紐解かれていくのではないかと期待しています。

    “絶望”からはじまる物語は未だに注目度が高いジャンルです。
    絶望からはじまるからこそ、そこからの成長が引き立ち、生きる意味・立ち向かう尊さを感じられるのだと思います。
    この作品が新たな“絶望スタートの物語”の柱となってくれるのではないでしょうか。

    2022年07月20日
  • 舞台は琉球を彷彿とさせる島々からなる王国、龍宮。
    王によって滅ぼされた古来から住まう巫女の民“ルカ”の生き残りであるオトは、女であることを隠し一族の怨みを晴らすために第一王女の暗殺を企てます。
    しかし、忍び込んだ先にいたのは王女ではなくアスと名乗る替え玉の男だったのです。

    オトは人の嘘がわかるという能力を持っていました。
    暗殺は未遂に終り捕らえられたオトですが、自分が殺そうとしたアスによって助けられます。
    そして、アスや従者たちの嘘を繋ぎ、驚愕の真実を知るのです。

    それは、王女は女ではなく、アス自身が王女であるということでした。

    オトの能力に有益さを見出したアスは、頻発する王女暗殺未遂の犯人探しをさせるために手元に置くことにします。
    更に、アスはオトに「結婚しないか?」とまで持ち掛け…。

    王族に怨みがあるオトはどうしても王族であるアスのことを許すことができないのですが、アスの優しさに触れ次第に心が揺らいでいきます。
    嘘が見抜けるからこそ、彼の本心に気付いてしまったのです…。

    アスとオトは女装の男子と男装の女子という組み合わせですが、ジェンダーレスなキャラクターが登場する物語は最近のトレンドと言えます。
    更に宮廷・陰謀論・偽装結婚といった要素がテンポよく織り込まれており、極上の物語になっています。

    描くのは、『大正ロマンチカ』『初恋ダブルエッジ』『花はどっちだ?』の小田原みづえ先生。
    どのキャラクターも生き生きとしており、心の機微が丁寧に描かれているのは「流石、小田原先生!!」と言いたくなります。

    1巻はアスが女装をし王女として生きる理由や、“ルカ”が狙われる理由など、ドラマチックな展開が続き、一気に読み進めてしまいます。

    宮廷・後宮ファンタジーが人気の昨今ですが、新たな宮廷ファンタジーの誕生と言えるのではないでしょうか。

    2022年07月20日
  • 強迫性障害による潔癖症のため5年間引きこもり生活をしていた主人公の黒田公正。
    そんな彼の前に車椅子姿のピアカウンセラー足立歩が訪れます。

    ※ピアカウンセラーとは、似たような境遇にある者同士が対等な立場で行われるカウンセリングと、その実践者(作中より)

    足立は黒田にゲームをしようと誘いますが、車椅子に乗り手指も不自由な足立を見て「出来ないクセに」と思い断ります。
    足立はそんな黒田の思いを笑い飛ばし、見事に口でコントローラーを操作しゲームをプレイしてみせるのです。
    足立はプロのゲーマーであり、ゲームの中は自由であることを伝えるのです。

    肉体の接触がある現実世界は潔癖症である黒田にとって不快でしかありませんが、肉体を介さないコミュニケーションができるゲームの世界は快適な環境に思えたのです。
    ですが、黒田は思考がとにかくネガティブかつ極端。中々自分自身の現状を受け入れることができません。
    それでも障害者である足立と一緒にいることで、自分自身の考えの至らなさを実感し、更には足立のポジティブさに影響を受け、少しずつですが変化していくのです…。

    黒田のように、どうしても前向きになれず自分を卑下してしまう事は誰しも経験があるのではないでしょうか?
    そんな自分の姿を思い出してしまい、負のスパイラルに陥り身動きができなくなってしまう黒田の姿に苛立ちを感じつつも、なんとか脱して欲しいと願いながら読み進めてしまいました。

    編集者の方からのコメントで
    実際に障害を持ちながらゲームをする方にお話を聞いたり、障害者施設での、eスポーツを取り入れたリハビリなどを取材するなど、リアリティには拘っている。
    とありましたが、eスポーツについての解説もあり、ゲームを全くやったことがない方でも楽しめる熱いヒューマンドラマです!

    黒田が今後どんな成長を遂げるのか注目です!!

    2022年07月20日
  • 絶賛青春中の方も、青春を通り過ぎてしまった…と感じる方も、読めば胸のトキメキを感じること間違いなしです!

    17歳の水帆(みずほ)には同じ住宅地で育った仲良しのイケメン幼馴染4人がいます。
    ですが彼らはずっと近くにいる存在のため兄弟のように感じています。
    水帆は周りが羨むような環境にも関わらず、自分にはキラキラ青春なんて関係ないと思う始末…。

    ですが、幼馴染のひとり、羽沢輝月(はざわ きづき)は、彼女からは弟としか見てもらえていないことにジレンマを感じ、水帆の誕生日会にキスをして彼氏になりたいことを伝えるのです。
    輝月のことをひとりの男として見てこなかった水帆は戸惑うばかり。

    このまま、水帆と輝月の関係で物語が進んでいくのかと思いきや、同じく幼馴染の和泉藍(いずみ あいる)、柏木深(かしわぎ しん)も何やら思わせぶりなシーンがあり…。

    イケメン幼馴染に囲まれるという憧れのシチュエーション、しかもどの男子も爽やか好青年で水帆に優しいという夢のような設定!!
    ドキドキしない訳がありません!!

    雑誌『なかよし』で連載されている作品ですが、大人も楽しめる物語となっています。
    描くのは『放課後、恋した。』や『あたし、キスした。』など、胸キュン青春ストーリーの名手・満井春香先生。
    様々なキュンシーンが散りばめられており「流石!!」の一言です。

    THE王道な少女マンガのラブストーリーのように思えますが、
    冒頭の、大人になった水帆がキラキラ眩しい高校生たちを見て
    「あのころは気づかなかった まぶしい青春がわたしにもあったこと」
    というモノローグが気になるところです。

    今後、水帆と幼馴染の関係がどう変化していくのか注目です!!

    2022年07月20日
  • 舞台は「竜神戦隊ドラゴンキーパー」と「悪の怪人軍団」が毎週日曜日に戦いを繰り広げている世界。
    その戦いは高い志を持って行われるものではなく、ヒーロー側と戦闘員「ダスター」との間で交わされた協定によって行われる「やらせ」の戦闘だったのです。

    主人公である戦闘員Dは惰性のように行われる戦闘に懐疑的。
    「自分たちの使命は世界征服だ!」と熱く夢を語る戦闘員Dに対し、他の仲間たちは「意識高い」と笑いものにします。
    割り切れと諭されるも納得できないDは
    「黙ってやられる役はもう ごめんだ」
    と、立ち向かうことを決意するのです。

    戦闘員は、「死なない」「自分の姿を思い描いた姿に再構築できる」といった特殊能力があります。
    戦闘員Dはその能力を活かし、人間に擬態しドラゴンキーパーの本拠地で大戦隊の戦隊員として潜り込み、ドラゴンキーパーを倒すことを目論みますが…。

    この作品の中で描かれているヒーロー・ドラゴンキーパー達はお世辞にも正義感が強い、みんなが憧れるようなヒーローではありません。
    そのため、ヒーローがカッコよく活躍する物語ではありません。
    かといってアンチヒーローものでもありません。
    では一体何なのか…。

    役割をこなすことの大切さや難しさを描きつつも、ひとりのモブがモブであることを辞めて自分の人生を歩もうと足掻く物語ではないでしょうか。

    春場ねぎ先生といえば、『五等分の花嫁』のラブコメを思い浮かべる方も多いのでは?
    ですが『戦隊大失格』で描かれる世界はラブコメとは大きく異なります。
    それに戸惑われる方も多いのではないでしょうか。

    ですが、強者であるドラゴンキーパーに役割を強制される戦闘員達の姿には、自分を投影できる方も多いのでは?
    現実世界で納得いかなくてもなんとなくこなしている役割があったりしませんか?
    その役割、ちゃんとこなせていますか?
    日常で「しょうがない」と割り切っていることが多い方、役割をこなせているか不安に思う方に是非読んでいただきたいです。

    モブでしかなかった戦闘員Dが今後どうなるのか?
    悪役である戦闘員Dは真の悪役になれるのか!?
    春場ねぎ先生の描く新しい物語に注目してください!

    2022年07月20日
  • 本編とどう違うの!?と思った方…私も同じ思いで読み始めました。
    が、期待以上のギャグマンガでした…。
    原作が怖くて読んでいない方も、原作ファンの方も楽しめる作品になっています!!

    松本光司先生が描く「彼岸島シリーズ」は
    『彼岸島』
    『彼岸島 兄貴編』
    『彼岸島 最後の47日間』
    『彼岸島 48日後…』
    と、今も続く人気作品。

    主人公の宮本明は行方不明になった兄・篤を探すため彼岸島に渡りますが、そこは雅という鬼によって吸血鬼にされた人間が跋扈する島でした。
    明たち「人間軍」と、雅率いる「吸血鬼軍」、人類滅亡をかけた戦いを行う。というのが本編のストーリーですが、今回の『彼、岸島』は、そのシリーズに登場するモブキャラが主人公というスピンオフ作品です。

    今回の主人公は、吸血鬼に対抗する対抗組織に所属している岸島(きしじま)。
    戦いの現場で岸島の目がたまたま充血していたため吸血鬼と間違われ(吸血鬼は目が赤黒いという設定です)殺されそうになったところ、逃げた先で出会った吸血鬼にも仲間と思われてしまい、吸血鬼の一員として戦いを見守ることに…。

    この『彼、岸島』は本編『彼岸島』でいうところの18巻に収録されている教会のシーンから始まりますが、本編のあの謎のシーンにはこんな経緯があったのか!!と、衝撃を受けました。
    『彼、岸島』の特徴として、本編のどの巻にまつわるシーンに繋がるのかが記載されており、本編を読んでいる方は楽しさ倍増!という仕掛けがされているのです。

    本編だと当たり前のように進んでいく物語ですが、主人公の明や雅の行動、周りのキャラにツッコミたくなった方は多いはず。
    心の中で入れていたツッコミを岸島が言ってくれるので、「そうそう!そこ可笑しいよね!」と素直に笑うことができるのです!!
    また、人間でありながら吸血鬼に勘違いされてしまう岸島の不遇さも、可愛そうですが思わず笑ってしまいます。

    スピンオフを描いているのは佐世保太郎先生ですが、松本光司先生の独特な絵のタッチを見事に再現しています。
    是非『彼岸島』本編と照らし合わせて読んでみてください!!

    2022年07月20日
  • 昨今「絵画」に関するマンガの人気が高まっている中、新たな「絵画」物語の登場です!!

    かつては神童と言われていたものの、才能の限界を感じ日本画家への夢を諦めた荻原(おぎはら)あかり。
    彼女はある日海で自殺をしようとしていた男と遭遇します。

    本名も素性も解らない男は臣(おみ)と名乗り、あかりが家にしまい込んでいたかつての絵画や絵の道具を発見し、天才的な絵を描いてみせます。
    そして、その絵をあかりの名前で売りに出して金にしろと持ちかけるのです…!!

    臣の絵はあまりに衝撃で、「あの絵を描くのは自分であってほしかった」とあかりに思わせるほどでした。
    悔しさもあり、認めたくない気持ちもあったあかりは、ギャラリーに自分の作品として男の絵を持ち込みます。
    「売れなければ(評価されなければ)いい」という思いとは裏腹にすぐさま買い手がつき、評価されることに…。
    今まで何百枚と描いても認められなかったあかりは、その事実に複雑な気持ちになるのです。

    絶対的な才能の前に凡人が打ちひしがれる物語や、天才と一緒にいることで磨かれる物語は数多くありますが、この物語はそれらとは若干違っています。
    才能の開花・嫉妬も描かれるのですが、ゴースト画家となってしまったあかりは今後どうするのか…そもそも謎の男の正体は…!?というサスペンス要素が強いのです。

    何者かになりたくてもなれなかったあかり。
    何者でもないものになろうとする臣。

    2022年07月20日
  • 『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

    「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

    主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
    ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
    何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

    最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
    父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
    それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
    犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
    被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

    弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になるのに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
    お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
    九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

    世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
    九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

    連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
    九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

    個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
    烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
    九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

    今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
    また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

    2022年07月20日
  • 夢を諦めてしまった人、夢を諦めきれない人へ、心をアツくする物語!!

    怪獣発生率が世界屈指の日本。
    怪獣を討伐するために組織された防衛隊は、憧れの的でした。
    害獣専門清掃業として働く日比野カフカも、かつては防衛隊員を目指していたひとり。
    ですが、厳しい現実を前にいつの日か夢を諦めてしまったのでした。

    そんな時カフカの仕事先に新しく入ったバイト・市川レノもまた防衛隊員を目指していたのです。
    夢を諦めてしまったカフカに対し冷たい言葉をかけるレノ。
    しかしそんなカフカはめげずに、目の前の仕事を一生懸命に挑みます。
    そんな男気あるカフカの姿を見て、レノは心を動かされ防衛隊の募集年齢が引き上げられカフカも受験資格がある事を教えてあげるのです。

    そんな矢先に、怪獣に襲われる二人。
    なんとか助かるものの、謎の生物によってカフカは怪獣となってしまったのです!!
    怪獣を倒す防衛隊員を目指していたはずが、駆除される側になってしまったカフカ…。
    このまま彼は防衛隊員になれるのでしょうか…!?

    夢破れた男が新たな力を手に入れ、再度夢を掴もうとする。ある種王道の少年マンガ展開ですが、主人公が32歳のおじさんという所が斬新です。
    若者だけが夢や希望、可能性に溢れているわけではないという部分が、新しい少年マンガの道を切り開いたと言えます。
    何歳になっても夢を見ることは大切であると思わせてくれ、子供だけではなく大人も心を掴まれるのではないでしょうか。

    「怪獣8号」と命名されたカフカの見た目は、かなりダークなフォルムになっています。
    物語も怪獣によって町が破壊され犠牲が出たりと重い展開ですが、カフカのおちゃらけた性格のおかげで全体的にコミカルになっています。
    悲しい物語や重い展開は読むのが辛い…という方でもスイスイ読めるのではないでしょうか。

    怪獣と言えば「ゴジラ」や「ウルトラ怪獣」など、日本には怪獣文化が根付いていると言えます。
    この物語はそんな怪獣大国日本の新たな怪獣マンガと言えるのではないでしょうか。

    2022年07月20日
  • 可愛い男子が好きな女子必見!!
    200mの近距離で巻き起こるトライアングルラブ!!

    28歳、独身、彼氏ナシな主人公・吉家紬(きっか つむぐ)。
    彼女は両親が残してくれたタワーマンションで一人暮らしをし、在宅で和裁の仕事をしています。
    そんな彼女に仕事を回すのは、紬の高校時代の初体験相手・真霜知哲(ましも ちてつ)。
    真霜との初体験のせいで男性のヘタレ部分にときめくようになってしまった紬は、同じマンションに住む平良連太郎(ひらら れんたろう)が気になるように…。

    描くのは『菜の花の彼―ナノカノカレ― 』で重い愛のトライアングルラブを描いた桃森ミヨシ先生。
    今作では『菜の花の彼―ナノカノカレ― 』とは違い、軽快な物語展開となっています。

    初体験の1件以来10年間離れていた真霜ですが、紬の事を細かく気に留めており、いまだに紬のことが好きなのでは!?と匂わせる描写があったり、
    紬はそんな真霜の気持ちには気付かず、ヘタレ感が満載の年上男子・平良に積極的にいこうとします…。
    1巻で既に今後のトライアングル展開を予感させるシーンが散りばめられております。

    桃森ミヨシ先生の描く男性はとにかく色気が凄いです。
    照れた表情や憂いがちな表情…。
    思わずドキっとしてしまいます。

    女子と2人の男子の恋。
    今後どう展開するのか注目です!!

    2022年07月20日
  • 些細な事でむしゃくしゃする事ってありませんが?
    そんな時にも読めば人に優しくしたくなるマンガです。

    深夜のコンビニバイトのベテラン店員の島さん。
    彼はどこにでもいそうな、ちょっと頼りなさもある白髪頭のおじさんです。
    ですが、実はワケあり…。
    その背中一面には昇り龍の入れ墨が刻まれていたのです。

    恐らくは何かしらの過去があり、ヤクザ業から足を洗いカタギの世界に戻ってきたのではないでしょうか。
    でも、島さんはそんなことを周りに匂わせたりはしません。

    1話目からとても印象的でした。
    深夜にタバコを買いに来た若者に対し年齢確認をした若手の後輩バイト君が因縁をつけられた際、島さんは一瞬でボスポジションの人間を見抜きました。
    彼は過去の経験から、一番静かにしていた人間をボスだと見抜いたのです。
    そして言葉を荒げることもなく、「お願い」をすることでその場を治めました。

    彼は「元ヤクザ」ではなく、あくまで普通のおじさんとして実直に、誠実に人と仕事に向き合っているのです。
    その姿に、思わず状況に流されそうになったりする自分が恥かしくなります。

    島さんの優しさは恩着せがましくなく、とても些細なことだったりします。
    しかし、その些細な優しさに救われるのです。

    島さんの過去に一体何があったのか…非常に気になるところです。
    元ヤクザである事を活かした物語や、島さんの過去も今後描かれるのか…!?
    続きが気になります!!

    ギスギスした世の中に疲れたら是非、『島さん』を読んで優しい気持ちになってください。

    2022年07月20日