あらすじ
六角村、通称・異人館村――。教会を中心に6つの館が建ち、風変わりな住人が暮らしている。金田一一(きんだいち・はじめ)と七瀬美雪(ななせみゆき)は、友人・若葉の結婚式に招待され、この村を訪れた。偶然入り込んだ若葉の家の地下室で、2人は首のないミイラを目撃してしまう。結婚式前夜、若葉は村のしきたりどおり、教会にひとりで閉じこもる。数時間後に始まる、謎のミイラになぞらえた、連続殺人のことなど知らずに……。「犯人はこの中にいる!」【原作:金成陽三郎】
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匿名
人の業
金田一に出てくる犯人はとにかく重い。罪を犯さなければならない程追いつめられているものの、そうした凶刃が無関係な相手にまで及ぼすのがな……。こういう人の業を見てきたからこそ、大人版は当初探偵の道には行かなかったと思うとある意味納得かもな
匿名
編集部からの冒頭メッセージの本が最近読もうと思って購入したもののまだ読んでない作品だったので、ちょっとネタバレされた気分で残念でしたが、インパクトの強い事件で文句なしに面白かったです。
惨劇
ある日校内でクラスメイトと教師の密会写真が貼り出され、 親元に引き戻される事になり、許嫁と結婚する事となった若葉。
結婚式前日、教師の小田切と共に若葉の故郷を訪れた金田一とみゆき。
そこには惨劇が待っていた。。。
初期作品にして名作
金田一シリーズ2作目にして個人的最高傑作。
能力が高く、実際に目的を全て達成できた犯人であるにも関わらず、本人も愛した人も殺した人たちも誰一人救われない悲劇性が美しい。
トリックの関係でメディアミックスができないのが本当に惜しいです。
残酷だけど悲しい
結構残虐さが濃い話です。
今連載されてたらここまでの表現はされてなかったでしょうね。
復讐のために大切な人まで……全て終わったら先生はどうする積もりだったのかなと今でも思います。
面白かった
6人から7体のミイラを作るパズルのようなトリックで、それに準えた殺人でとてもドキドキしました。毎回ですが、まさかの人物が犯人でビックリ
Posted by ブクログ
殺人マシーンとして育てられた六星竜一の境遇には哀れみを覚える。親が自身の抱える不幸を子供に受け継がせるのは個人的には虫酸が走るもので、不幸だったからこそ、それは自分の代で終わらせ、子供には幸せな人生を送らせてやるのが親としては筋ではないだろうか。
しかし、若葉と出会ったことで、ほんの少しでも六星に人の心が芽生えていたことが彼の人生におけるせめてもの救いだったことだろう。特に、一貫して一人称に「僕」を使っていた小田切が、若葉の司法解剖に抗議するときだけ、「俺」となっていた点は細かいながら六星の本音が漏れ出ていたのだと思う。
それでも、見ようによっては、手にかけるべき人を図らずも心から愛してしまう運命になったのは残酷であると言えよう。終盤で、金田一の非難に対して、若葉の悪態をつきながらも涙を禁じえなかった彼の姿がその残酷さを物語っている。
一読では全体の猟奇性や怪奇性に圧倒されるが、具にコマを見直してみると、そのパンチの利いたストーリーの中に細やかな心情表現が散りばめられている。例えば、風祭の微妙な、無理矢理言葉にするのであれば「老成した」雰囲気は、終盤に全ての事情が判明すると、むべなるかなと思えるようになる。
金田一の切なさには毎回心を打たれる。