とんでもない画力にまずは圧倒される。戦争を遠くから見ていたつもりだったのに、読み進めるうちに自分がコックピットに乗り込んでいるような感覚になる。死を予感し、震えるほどの臨場感。
本作では、四肢がなくとも操縦できるMSが登場する。手足が無い方がよりMSと一体化して戦闘で有利に働くという恐ろしい特性。爆風で手足が吹き飛んでも傷ついた兵士は休む間もなく戦場へ駆り出される終わりのない地獄。
技術も経験もない少年兵が何もできずに無駄死にしたり、功績を残したくて無理をして死を早めてしまったり、平和な世界には居場所が無くて戦争にしか生きがいを見いだせない者もいる…。
連邦軍もジオン軍もどちらも同じぐらいボロボロで、この戦いの末に得るものは絶望しか見えない…。
人を殺せば殺すほど褒め讃えられる狂気の中で、必死で正気を保とうと、冗談を言って笑いあう。理不尽に戦いを強要される男たちの悲哀がそこにある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2018年10月18日
アトラスガンダムお披露目の6巻。5巻でカミカゼコムサイを両断して登場したアトラス。今回、お披露目の舞台となったのは、南極。ジオン残党軍の水陸MSと水中用MAです。
ということは、当然相手はグラブロ。水中の格闘戦は、アムロなの?クローに片脚もがれるとことか。オマージュってやつか。
ジオン残党軍撃退後...続きを読むの、モニカ博士の言葉がぞっとさせる。
「信仰は…国を越えて拡散するものよ。」
その言葉通りに、ジオン残党軍のカウフマンは南洋同盟の信徒。そして、スパルタンにも戦死者に祈りを捧げるシルエットから、南洋同盟の信徒であろう存在がいます。
理不尽で凄惨な戦場から、生き延び逃げ延びた人々。彼らが普通の生活に戻るためには、すがるべきものが必要で、それが南洋同盟という宗教だったのかもしれないなぁ。
あ、MSにレールガン装備させちゃあいけないと思います。
匿名 2023年03月02日
この作品は戦争の恐ろしさ、苦しさ、悲惨さを丁寧に描いていて、だからこそヒロイックな活躍がより輝いて見えます。それは欺瞞でしょうか?戦争を否定しつつも、その兵器の美しさや兵士の勇気にどうしても魅せられてしまうのです。
匿名 2023年03月01日
6巻まで来たけど・・・スケールが壮大過ぎて、ネタバレまでかけない。読み終えた後、すごーい!と、はぁー読んだー!が、最初の言葉www
個人的に感じるガンダムサンダーボルトの魅力は以下のようなものです。
(1)マンガを描く前にCADでモビルスーツを組むことによって生まれる太田垣デザインのMSが持つリアリティ
(2)アメコミと日本の劇画手法をミックスしたような強弱の効いたラインで描くMSとキャラクターの躍動感
(3)ガンダムユ...続きを読むニバースの中で、傷病兵問題・宗教対立・移民問題などの現代社会問題を取り込む斬新さ