とんでもない画力にまずは圧倒される。戦争を遠くから見ていたつもりだったのに、読み進めるうちに自分がコックピットに乗り込んでいるような感覚になる。死を予感し、震えるほどの臨場感。
本作では、四肢がなくとも操縦できるMSが登場する。手足が無い方がよりMSと一体化して戦闘で有利に働くという恐ろしい特性。爆風で手足が吹き飛んでも傷ついた兵士は休む間もなく戦場へ駆り出される終わりのない地獄。
技術も経験もない少年兵が何もできずに無駄死にしたり、功績を残したくて無理をして死を早めてしまったり、平和な世界には居場所が無くて戦争にしか生きがいを見いだせない者もいる…。
連邦軍もジオン軍もどちらも同じぐらいボロボロで、この戦いの末に得るものは絶望しか見えない…。
人を殺せば殺すほど褒め讃えられる狂気の中で、必死で正気を保とうと、冗談を言って笑いあう。理不尽に戦いを強要される男たちの悲哀がそこにある。
感情タグBEST3
匿名 2023年03月03日
イオとダリルの2人にはまさに宿命という言葉が相応しい。音楽の嗜好、立場、愛する人、そして殺し合うという究極の関係。彼ら2人の間にあるものはもはや肉親よりも恋人よりも強いつながりだ。それは救いがたいことにどちらかの死によってしか断ち切られることはないだろう。
作品を知らなかったので、無料キャンペーンで出会えてよかった。
こんなに骨太で丁寧な漫画が世の中にあったのかと驚き。
フルカラー版もあるというからもっと驚き
Posted by ブクログ 2020年01月10日
過去の記憶と現在がすれ違う話であり、ダリルの義手についてこう見られるという、不遇であり、ダリルにとってはかけがいのない腕もあり、また、ニュータイプにダリルが目覚めてると発覚する巻でもあり、ニュータイプを研究してるのが南洋同盟なのかもしれないというまさかの展開には驚かされました。
また、今回は連邦とジ...続きを読むオン、それぞれのヒューマンドラマとなっており、こういう巻があってこそのサンダーボルトなんだと思います。
また、ゾックがまさかのモビルフォートレスという戦えるし、モビルスーツを格納出来る能力を持ってる、モビルアーマーに近いモビルスーツのようなものになってるとは...
Posted by ブクログ 2018年10月14日
ダリル、おまえ、戦う理由がひどすぎるだろ…(イオの方が表に出してるだけましじゃん)
それにしてもビアンカ、戦術眼もあるし、リーダーの素質もあるのな!
刺青だらけで無ければ最高なのに!
コーネリアス…もしかして…
南洋同盟がいじめられるスッキリしない話が続いていたが、物語が大きく展開しそうな雰囲気。ガンダムと言えばやはりニュータイプ思想。未来に希望が見いだせるのかが今後の肝ですね。
Posted by ブクログ 2018年01月21日
前巻と対比して、逆に連邦軍人の人間らしさがよく出てくる巻。
アトラスガンダム本領発揮と、ダリルのジオン離脱から南洋同盟への合流など、ようやく再決戦に向かってきたなという展開。
最近、一巻からまとめ買いして一気読みしましたが、戦場の非情さが描かれた漫画です。
10巻になり、なんとなく着地点が見えたような感じがする、激動の10巻でした。