あらすじ
高瀬舟で江戸に戻る途上、米屋の主人が変死を遂げた。折しも古河藩から迎えた養子と娘の祝言が決まった矢先の出来事だった。東吾が探っていくうちに、主人の懐に百両もの大金が残されていたことが判明。果たして何のための金だったのか? 東吾の推理が冴えわたる表題作。品川の滝川家を訪れた東吾が、人斬りの知らせに飛びだしていくと、女が武士3人に囲まれている。助け出してみると、東吾と因縁浅からぬ人物で……。驚きの展開をみせる「紅葉散る」など全8篇。
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Posted by ブクログ
【8作収録】
・定廻り同心の最古参・吉井。職務に忠実で評判は良いが、跡継ぎ息子は同心に向かぬから勘当してほしいと家にも帰らず、岡場所に入り浸っている。道場の元生徒というよしみで東吾が乗り出す
・米屋の主人が間もなく娘婿となる男と出かけた先で遺体で発見された。内儀も娘も婿となる男を嫌っており、主人を殺したのは旅に同行した婿となる男に違いないと主張する
・かわせみに滞在中の客が殺される。物盗りの犯行ではなさそうだが、大層な世話焼きで恨まれるような人間でもない。すると、後日、遺族として遺骨を引き取りに来た男も行方不明となり・・・
・妹分に男を取られると勘違いし、熱湯をかぶせようとして自分がかぶってしまった芸者。妹分の芸者はどこか暗く、すぐに客を他の芸者に取られてしまう男運の悪さを持っていた
・座敷に客がたくさんいる中で三百両もの大金が紛失する。客の証言で女中は5人いたというが、実際には4人しかおらず・・・
・かわせみが贔屓にしている棒手振の弥七。連れ子のある女房をもらい、子供可愛さで平穏に暮らしていたが、女房がなけなしの金を持って箱根へ湯治に行ってしまい・・・
・お家騒動に巻き込まれて命を落とした東吾の隠し子の母。実の息子と名乗れぬまま麻太郎を助け、後日、事情を知った兄夫婦が麻太郎を養子とする
・和光尼の知り合いの料理屋は、後妻とその連れ子の才覚で人気店となるも、店主は二人に店を乗っ取られるのではないかと心配する。そんな中、店主と前妻の娘が毒を盛られたと苦しみ・・・
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<目次>
略
<内容>
東吾の周りの人も少しずつ死ぬ。特に東吾の隠し子の母、つまり東吾とやらかした琴江が…。その息子をどのように活かしていくのか?
Posted by ブクログ
「日暮里の殺人」の世話好きじいさんが招いてしまった不幸と「名月や」で独り者になった男たちが助け合って生きてくことになりそうな予感が良かった
「紅葉散る」はどうしても胸がざわざわしちゃって何も知らないるいのことを想うとやっぱりしんどい
Posted by ブクログ
8話分シリーズ短編集。
江戸っ子は見栄っ張りだな、が
しみじみ分かる2話目。
不運というより、自分で逃がしているのでは、と
最後まで読むと思わせる4話目。
自業自得な8話目は、人間だらけていては
仕方ない、という教訓ももらえます。