あらすじ
長助の近所の質屋に空巣が入った。犯人を捕えて取り戻した銭箱に、メキシコ・ドルラルと呼ばれる洋銀が1枚。それも銅にメッキした偽洋銀だった! 日米間の不公平な通貨両替を利用し、闇の両替で私腹を肥やす小判商人を追い、東吾と源三郎、麻太郎と源太郎の両コンビが活躍する表題作。『御宿かわせみ29 初春弁才船』に端を発したメキシコ・ドルラル騒動もこれにて落着です。お石の後釜として奉公に来た14歳のお晴がお目見えする「稲荷橋の飴屋」など全7篇収録。
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源太郎や麻太郎、千春の活躍が多くなり、いよいよ世代交代を感じさせる。印象に強く残ったのが最後の『初卯まいりの日』。一番ページ数の少ない短編ながら、親子の名乗りも出来ず、すれ違いつつも互いを思い合う母と息子の切なさが胸を打つ。
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TVドラマシリーズになった『御宿かわせみ』シリーズ。
本当に平岩弓枝の時代小説は面白い。
江戸時代の話なんだけど、現代の人の感情の表現の仕方で
ほんのささいな日常を語らせたら一番面白いかも。
るい役の高島礼子は本当私のイメージぴったりです。
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御宿かわせみの33弾。
大きくなった麻太郎と源太郎の少年コンビが活躍しています。
こちらも世代交代なのかな??
主人公だった東吾や源三郎がすっかり後ろ盾の様な感じです。
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<目次>
略
<内容>
表題作の「小判商人」が力作。子ども二人の師匠、高山力蔵や麻太郎、源太郎二人も横浜で拉致され、六浦沖で殺されそうにあるが、源三郎たちが先回りすると共に、東吾も結局は太刀回りに加わる。時代背景もあって、面白かった。
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【7作収録】
・お吉の姪の紹介でかわせみに女中としてやってきたお晴。ふと知り合った飴屋の老婆が地蔵前で小さな子供達を容赦なく打擲する様を目にし、話を聞いた東吾は心に何らかのひっかかりを感じる
・塗物屋の若旦那が田舎育ちの弟に店を譲る考えで話し合いをし、弟が必死に説得するが、その決意は固い。一方、世間では大店の主人を自称した詐欺が相次ぎ、源三郎は塗物屋の若旦那に目をつける
・珊瑚そっくりの見た目ながら、はるかに安価な明石玉を扱う商人がかわせみに滞在した。男は珊瑚屋の息子で、その昔、腹を立てて家を出たきりとの事。年老いた母のために再会を果たさせるべく、東吾とるいが立ち上がる
・評判の手妻師の芸を見に行き、包丁を持って暴れた男を取り押さえた麻太郎と源太郎。後日、手妻師からお礼に見世物小屋へ招待された麻太郎一行は、その見事な手妻に見とれる
・その昔、子供のころに生き別れになった兄を探しながら、水売りやてんぷらの屋台をしていた文三。庭師の弟子となり、親方に目をかけてもらっていたが、八つも年上の尼の卵に惚れてしまい・・・
・長寿庵の近所の質屋に空巣が入った。調べてみると、旦那は妾のもとへ入り浸り、娘も息子も寄り付かないという気の毒な内儀がやっている店だという。しかし、盗まれた物の中に洋銀が混じっていたことで源三郎らは疑いの目を向ける。一方、高山仙蔵のふいの不在をいぶかしんだ麻太郎と源太郎のもとに、仙蔵からの使いと称した男が現れ、仙蔵がしまっている洋銀を持ってくるよう頼むが・・・
・愛らしい招き猫が描かれた絵馬を長助からもらった千春。その絵馬職人が子供のころに、姑のいびりの末に実家へ逃げ帰ったきり生き別れになった母親が、かわせみに滞在している女だと知る