あらすじ
花火見物に東吾と深川にやってきた麻太郎と源太郎は、腹をすかせた幼い姉弟を目にし、たまらず大福餅を買って貰って、すすめる。姉弟は身内から折檻を受けているようで、気にかかって仕方ない。「かわせみ」次世代の子供たちの成長が頼もしく微笑ましい表題作。神田で大喧嘩があり、吉松という10歳の男の子が、20数カ所も撲られて死んだ。喧嘩が原因とは思えない死に方に東吾が下手人捜しに乗り出すが、複雑な人間模様が浮かびあがる「吉松殺し」など全7篇を収録。
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御宿かわせみシリーズ7編。表題作では子を愛さない母親、「吉松殺し」では無軌道な子供が出てくる。江戸時代も現代と一緒と読むより、平岩さんは現代の事件を江戸時代に移し替えてるようだ。滑稽編の「初春夢づくし」や三家の子供が絡む人情物「招き猫」も面白かった。シリーズでは良いレベル。
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<目次>
略
<内容>
マンネリ、との声もあるが、時代劇は基本「マンネリ」を楽しむところもないか?テレビのように、「印籠」や「葵の紋の刀」とか、「長谷川平蔵である!」の台詞とか…。今回も子どもの犯罪や母の嫉妬など、単純ではない殺人があるね。
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【7作収録】
・極度の空腹の姉弟と知り合った麻太郎と源太郎。姉弟が母親のもとに入り浸っている男から折檻を受けている様子を目にし、心配していた中、弟のほうが折檻の末に死亡する
・かわせみに滞在した大店の手代。捨て子で苦労した末に見合い話まで上がるが、その昔、娘を騙して自殺にまで追い込んだ男に違いないと女に咎められる。目の悪い女の訴えだけに信憑性は低いが・・・
・二つの町同士の子供の喧嘩の末、一人の少年が命を落とす。しかし、どうも喧嘩の末の事故死とは思えず東吾らが調査を進めていく中、首謀者である少年の父親の再婚相手が遺体で見つかる
・怪我をした同僚の付き添いで姫路に滞在することとなった東吾。滞在先の屋敷の娘で他家へ嫁に行った女が、夫が不在の夜は誰かが部屋の様子を伺っているようだと恐怖し、東吾に相談する
・田舎から訪ねてきたるいの姪。芝居見物に連れて行って後、一人の役者に入れあげ、るいに内緒で何度も芝居に足を運んでいた。嫁入り前の娘に万が一があってはと心配した東吾らは一芝居打つとこにしたが・・・
・稲荷社へ参拝した麻太郎、源太郎、千春の3人。その折、招き猫売りの娘が金持ちの息子といった身なりの少年を紐で縛って、自分の前掛けに繋いでいる光景を目にする。子守にしてはおかしいと思い・・・
・若く実力もあり人気の火消し・伊佐三と定吉。頭は伊佐三と娘を夫婦にしたいが、娘は定吉のほうに心を寄せ、伊佐三は伊佐三で良い仲の芸者がいる。