読み応え抜群のマンガシリーズ6部目の6巻です!ゾロ目は縁起が良いし、内容も前巻の勝負の続きが結末まで読めるのでオススメです!
まず、花山薫とジャックハンマーについて語りたいです
この二人ほど、強さの対極に位置する組み合わせは、ありません。ジャックは、無謀です 強さを求めて、果てなく鍛えて、肉体の健康すら損ない、筋肉の機能を損ねれば、ドーピングで筋量や出力を補います また、より強さを求めるには足りないリーチと地表からの高さは、骨延長で長さと位置エネルギーを補い、さらに父にまで敗北した噛む技術を補うために、無くした歯の代わりに入れたのはチタン合金です 日常の利便性や計画的で安全な将来を全て擲って、取り入れる強さを余すところなく求めています。
対して、花山薫は、無垢です 鍛えないのです それでも、他者を圧倒する存在感に、極端に強い握力と、それを支える全身の筋力とタフネス、おまけに骨の宮です 強者としての心構えを余儀なくされる、強者だから強い存在です。
この二人の対極性に惹かれて、レビューを書きたくなりました それは、人類の手にした武器と野生動物たちの闘争本能としての相克を表す汽水域が、二人の間を流れていると思ったからです だから、二人の闘争という「対話」は、汽水域を成す、山から雨水が濾された淡水と、海の生き物たちが一括りに住む生活の場としての海水のぶつかり合い、勢力図を食い合う、価値観が揺れる場所です その二人の闘争を比較することで、人類のもつ武力の汽水域の広さと深さを見つめ直すことが出来ると思いたちました。
拳ほど、人間を象徴する武器はありません、花山薫と言えば、握力ですが、その握力が生み出すパンチは貫通力が倍増です で、コレがマジらしいんですよ なんかのネットの記事で読んだ話で、ふんわりした肉で覆われた手の平と、指の付け根の握りこぶしの骨頭をぶつけるのでは、貫通力が、マジで倍らしいんですよ この貫通力のある拳によるパンチが人類をどう優位にしたのかは分かりませんが、人間の武器に違いありません
その武器としてのパンチを5巻では、ジャックは噛道の技術で捌いていました
花山薫のヤクザキックも良かったです アジア人の骨格だと腰を回す蹴りが威力を生むと思っていて、見事に理にかなった一撃でした
5巻から続く勝負も決着に向かう後半戦であり、二人の死力の尽くした技は、いのちへ届く危険なものばかりでした
というか、もがれた肉片の絵に引き付けられました ああザクロみたいだなぁって、はじめて思いました そういえば人肉をザクロみたいな味だと言う変な話を思い出して、皮膚の下の肉が、落ちて、生きた細胞として、血を零れるほど含む赤さが、ザクロを連想させるのだと、絵の力で理解させられました。
とくに、決着することになる話での水分の描写が凄かったです 互いの身体から放射される水気が、集中線のごとく、これが決定打になるだろうと思わせる説得力がありました。
そうして、思うのが、ジャックは花山薫を相手取ることで、何と戦ったのか、という問いです ただ肉体のスペックや格闘技歴だけ比べるなら、勝ったとて誇れる部分は、その場で敗者が生まれことで、反作用で決まった勝者であるという結末だけです ですからジャックは花山薫の中に、自身以上の何かを感じていて、挑戦を受けたに違いありません、まだ私には、ピンと来ないですが、読み続けて答えたる解釈を見つけられれば良いなぁと思いました
反して、ジャックへ挑戦を挑んだ花山薫は、自己の強者像の揺らぎを感じていたのでしょうか、あまりに容易く、範馬勇次郎へ挑み、敗れ、安息の顔を浮かべる それを良しとした過去を、ジャックを通じて超克しようとしたのかなぁとも思いました、親父でダメなら息子にリベンジは納得のいく理屈ですが、それなら主人公でも良いし、あの瞬間に、挑んだ理由にはなりません だから、流儀をもたないジャックの強さに、自身を鍛えすらしないでも、強者と疑いなく信じていられるのか、その自身の強さへの信仰心を試すような勝負だったのかと思います
ですから、新技?が出て、子どものころ痛みを与え合うのに、しっぺ、でこぴん、の遊びを洒落にならない威力で出すところが、花山薫だなぁと感じました。
木崎の役職に?が付いていることに気づいてクスっとしました、花山薫のお付きの方というか、周りにとっても、秘書扱いなんだろうなぁと。
そうして、花山薫は、自分の信じる強さを拳の破壊力や、蹴りの威力、新技?の有り得なさで示すことで、男が立ったのではないかと思いました。
対して、ジャックは、この一戦も噛道の技術体系に咀嚼して、より良い強さを目指すことになるのでしょう、作中で一番に諦めの悪い、カッコ悪いところが格好良い男だと思いますから