まさきとしかのレビュー一覧
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ネタバレまさきとしかだなぁ…。
イヤミスと知って読み、イヤミスはイヤミスなんだけど、嫌な話だったな、で終わらない切なさがある。ホワイダニットの名手。大好き!
冴えない中年サラリーマンが殺害され、捜査線上に上がる女たち。
浮気相手(彼女は何も知らずただ恋愛してただけなので被害者は被害者)の佐藤真由奈がいちばんきつい。妄想ちゃんの痛い女。あっちゅん…
被害者の妻杏子は、最初からそんなに嫌悪感を抱かず。ある意味いちばん可哀想かな。単純に被害者。女としての愚かな自分と、母としての強い自分に気づいて、まっすぐ自分の道、家族の道を再生していってほしい。
事件のキーマン渡瀬川瑠璃は、わたしはいちばんかっこいいなと思ってしまった。怖いけど。強い意志と深い愛情を感じた。
真犯人の山本葵(瑠璃の実妹)は、サイコパスとはまた違う、子供の頃から成長を止めた、純真で凶暴な動物。いちばん真っ直ぐで、いちばん危険。愛を欲し、迎えた最期はとても悲しいものだった。
最後に姉が幼い頃の妹が書いた手紙を読むシーンがすごく切なかった。まあ、こんな妹絶対愛せないけどね!やばすぎ!笑
ストーリーテラーとして機能している我城薫刑事は、冷めた女として描かれているけど、警察天職だよね。情熱と冷静を兼ね備えたなかなか好きなキャラクターでした。薫刑事のシリーズあるのかな? -
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ネタバレ自分で産んだ子どもに対する愛情ってなんだろう。責任感や義務感だけで育てている、そんな時もあるかもしれない。かわいいだけでは済まされない、人間を育てることも良くわかってない年齢で私も産み育ててきた。だからどの気持ちもわかるような、認めたくないような。
主人公は子育てと仕事を天秤にかけ、その重さを考えるのではなく、娘に嫌われているからという言い訳で離婚、子を手放す。
その一方、自分自身は亡くなった父母の血縁ではなかった。母親は、夫の浮気相手の女が産んだ赤子を誘拐し愛おしさで返せなくなった。そして愛情いっぱいに実子として育てた。
子を愛せない、金銭目的で産む、子を捨てる、親の愛情を求める子、など読みながら辛くなる。
そして自分が子育て終了の時期にもかかわらず、気持ちが揺れることにも驚く。一生誰かの子であり、私も子の母親であることに終わりはない。
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いつまでも余韻が残る本でした。
宝子の母の
「偽善でも悪よりは善のほうがいい」
という考え方に共感した。
そして、
「ふりをする」「全力で演技をする」「もしかしたらいつか本物になる時が来るかもしれない」
そう思って宝子を育てた母の生き方を、私は素敵だと思う。
事件をきっかけに、そして愛里の存在によって、自分の子供時代を追体験し、宝子はしっかり愛されて育ったと実感した。
「愛里のことが大好きで大切にしてくれる人がママなの、それは愛里が決めていいの。血がつながっているとかつながっていないとかは関係ないの」と子供に言いつつ、自分自身にも語りかけている。
何だか心がホッと温かくなった場面でした。
「捨てた」と「あげた」は違うけれど、それを聞いて心が楽になっただろうか、、、
それより宝子から誕生日の祝福の言葉を聞いたとしたら、蒲生君はどう思うだろう。誰かを恨むばかりの人生から解放されるだろうか、と思った。
たくさんの罪を犯したけれど。
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後味の悪い話が好きだった昔。
後味悪いけれど不幸の詰め合わせなだけでつまらない話が多いな、と思い始めた今。
本作、個人的には後味悪い話なのだが、最近読んでた後味悪い話って何なの?と思うくらい、とても面白い。こんな凄い話書いて作者誇らしくないの?と構文使うくらいに面白い。
面白い要素その1。クズ?クズ男のことかな?違う人かな?いや、お前だよ!! と、頭をぶん殴られる気分になること。
面白い要素その2。王道を複雑に積み重ねているため、分解したら定番の展開だけれども、一見して奇を衒った話のようで新鮮に感じること。(本当にそんな上から目線で語れるのか?)
面白い要素その3。おっかちゃん…おとっちゃん…。長すぎたり、一瞬だったりするお別れを描いていること。
面白い要素その4。何でこんなとこに?マジでいらないし駄作だわ…と思ってしまうほどミステリー作品として、他者視点描写を入れるタイミングがネタバレすぎて致命的。でもそのネタバレは多くの謎の内のほんの一つであって「この先の展開読めましたわ、ドヤ」とか思っていたら、物語の全体の謎を見落としていて、ドヤった自分が恥ずかしくなること。
要するに、自尊心がズタボロにされて、他人に優しくしようと思えた。
今日、自身としては悪意を感じる回答をされ、表面上は相手を上にあげて返すも、内心腸煮えくり返ることがあった。
でも、後々その人がめちゃくちゃ大変な目に遭っていて私と連絡している暇なんてないのに連絡をくれたことを知ったし、その人が悪意なしに回答してきた事も他人から聞いた。
世の中ってそんなもん。そんなもんだから、自分の余裕のある範囲内で前向きな考えをしていきたい。なんか違うけれど、そんな話。
まあ、自分の意思で人は殺しちゃいけないと思うけどね。 -
ネタバレ 購入済み
面白かった
なんだか読んだあとに切なくなる作品。でも不思議と生きることについても考えさせられたような気がする。もう一度読みたくなる。幸せということがどんなことなのかわかるような気がする作品だった。切ないけれど素敵でした。
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人それぞれ皆違うように母と子、親と子、家族の在り方もそれぞれ違う。
真っ直ぐでも歪んでいても捻じ曲がっていても皆誰かの子、子供が産まれれば誰かの母。(父)
そして親であったり子であったりする前に皆1人の人間。
親子って何なんでしょうね〜
正しい親子の在り方とかあるんですかね…
そしたら皆それを教本にすれば良くてそしたら皆良い母(父)良い子になれる…はずないんですよ!
だって皆違うんだもん。
少なくとも世間が笑顔で紹介するような家族の絆ってやつは表面で見てるほど綺麗なものじゃないはず。
押し隠し繕っている表情もあるはずですよね、世の中も家庭の中も良い事ばかりじゃないから。
親子の愛なんて突き詰めれば突き詰めるほど分からなくなる。
そして分からないけど突き詰めれば突き詰めるほど深い関わりがある…絶対に切れない繋がりを目の当たりにする。
そこには純粋に愛おしく想える愛があって欲しいなぁ
表面だけで終わらせないまさきとしかさんの作品は好きだぁ -
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この作家の作品には特異なキャラの人物が多いですね。
そもそも人間は自己本位な生きものなので「『いちばん悲しい』のは自分である」と思い込みがちです。
それでも佐藤真由奈は異常すぎるのではないでしょうか。思い込みが激しく依存体質の「構ってちゃん」は少なくはありませんが、ここまでのスケールの持ち主には会ったことがないほどです。
渡瀬川瑠璃とその妹・葵もまた異常で、やはりお目にかかったことがないタイプです。
そうであるのに、こんな人間が実際にいるかもしれないと思わせるところに作者のうまさがあるのだろうと思いました。
人間は、理解できない存在に恐怖を感じるものなので、ホラーとしては十分に楽しめました。さらに事件解決にまでは至らないエンディングが、ミステリーとしては却って新鮮でよかったと思います。( もっとも薫子には気の毒ではありますが )
まるでアルフレッド・ヒチコックの映画のような印象を受ける作品でした。