まさきとしかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「わからない」をトコトン捜査し、あらゆる可能性を排除しない男、みたび。
500ページ超えてましたが、まさきさんの読みやすい文章力と、展開力の良さで没頭した読書時間でした。全く関わりそうのない二つの事件が並行して描かれるので、最初はごちゃごちゃしますが、話が進むにつれて、ガチッとからんでいきます。
ただタイトルを忘れていました。
『あなたが殺したのは誰』。
えっ!誰?
「あなたを」ではなく、「あなたが」なんですよね。
ラスト3部の後半の疾走感はすばらしい。
2転3転する後半は、やはりまさきとしかさんですね。油断してたわー!って。
みんな呪いにかかったような辛い人生にみえますが、やはり毒親達 -
Posted by ブクログ
札幌市の川岸で女性の遺体が発見された。その遺体の両目には黒い粘着テープが貼られていた。8年前にも隣の江別市で同じように両目に黒い粘着テープが貼られた女性の遺体が発見されており、犯人は未だ逮捕されていなかった。同一犯なのか、1か月前に澄川警察署刑事第一課強行犯係にに異動してきた天道環奈は、とっつきにくい強面の上司緑川ミキと犯人を追っていく。
ずっと読みたいと思っていたまさきとしかさん、初読み。
とても読みやすい文章で、ぐいぐい引き込まれた。物語が二転三転していき、最終的にそこに落ち着くのかって言う犯人だった。
歪んだ我が子への愛。妄想癖のある隣人。
執着深い人たちがたくさん出てきて、ちょっと -
Posted by ブクログ
まさきとしかさん、初めましての作家さんです。
ミステリのおすすめ作品でよく紹介されていたので、この田所三ツ矢コンビ作品3冊購入しました。ほぼ一気読みで、有意義な休日を過ごせて感謝です!
ざっくりな展開としては、15年前の容疑者逃走事件にまつわる事故と、15年後に起こる殺人事件にどんな繋がりがあるのか?というオハナシ。
全体として、家族・親と子の関係、愛情からくる
ドロドロな展開が続くのですが、展開が意外と早いので読みやすく、先へ先へと進んでいけます。
刑事三ツ矢さんが、ググッと!犯人の心を掴むあたりは、普通に良かったのですよ。
⭐︎4つくらい、楽しめたんです!
そこからのラスト7ページ -
Posted by ブクログ
次から次へと死人が出る鐘尻島。まるで「呪い」があるかと思わされるほどの悲劇的で救われない展開で、暗い気持ちにさせられる。そこには、各登場人物が目の前の人を救えなかった後悔とやり切れなさがついてくる。そんな感情移入をさせられるような描写がまた良い。
その呪いのような悲劇は、三ツ矢、岳斗タッグが関係者の言動を解いていくと、想像もしていなかった真相が明らかになっていく。誰が悲劇の始まりを起こしたのか、誰が一番悪いのか…そんな価値観も壊され、わからなくなっていくところに、もどかしさを感じながら読み進めた。
受け手の憶測が織りなす悲劇の連鎖の物語にやりきれない想いで、始終重くてどんよりとした気分になっ -
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感情が揺さぶられる読書体験だった。良い。。
登場するのは、家族の死や、不倫、離婚、リストラ、不妊、満たされない承認欲求などなど…家庭に起きるさまざまな悲劇に直面した家族。そして悲劇をきっかけに家族が壊れていく。加えてそういう時には、本人の内なる憂い(悩み、苦しみ)と、他人から見える状況にはギャップがあるもので、それが負の連鎖となり更なる悲劇をうむ。
そんなどうしようもなく報われない状況であっても、ある人が抱える想いや真相が明かされる時に、それぞれの人物に希望の光が当たり心が解放されることもある。ラストは、切ないながらも暖かさも感じさせてくれるような描写もあり感動させられた。ミステリー作品とし -
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川岸で発見された女性の遺体には、目に粘着テープが貼られていた。
八年前にも同じような未解決殺人事件があり、関連性があるのか…事件を捜査するのは50歳の緑川ミキと刑事課に配属されて間もない天道環奈である。
捜査を追う刑事に隣りの家の主婦が、母子で暮らすひきこもりの息子が怪しいと言う。
間に挟まれる殺人犯の母が綴る手記が、その母のものなのか…
まさか同じひきこもりの息子を持つ似たような母子が近くにいたとは…。
なりすましを演じていたのか…。
何度かこれで幕引きなのか、と思ったが予想外の人物が…
エピローグの5行がなんとも言えない。
初公判で犯人はどんなスピーチをするのか。
子どもの気 -
Posted by ブクログ
明けない夜はないとか、神は乗り越えられない試練は与えないとか、つらいときは逃げていいとか。何も知らないからだ。他人ごとだからだ。ー逃げたくても逃げる場所がない。
そんなぎりぎりまで追い詰められた人間に向ける作者の視線はどこまでも優しい。
と、解説にあったがまさにそれ。
ミステリーなのに、涙がこぼれた。
護られなかったものたちへを読んだ時の、あのやるせない思いと同じものを感じた。
必ず映像化されるだろう。その時、三ツ矢と田所のバディを誰が演じるのか、想像するだけで楽しい。
三ツ矢は背が高くてヒョロ、あまりイケメンだと違う気がするから柄本佑辺り。田所は誰でもイケる。