まさきとしかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
既に捕らえられ、犯行も認めている犯人。なのに違和感と何故?が次々と出てきて何が真実なのかの糸口が掴めない。迷路の中を迷い込んでいる気分でした。
結局、ほとんどが誰もかれもクズだらけだったように思わないでもない。その中で確かに純粋なものはあったけれど、角度によって見え方が変わり影が出来てしまったような、光は閉ざされてしまったのだと思い込んでしまったようなやるせなさ。
そこから絡みもつれ、修復出来ない着地になってしまった真実は、どうにもこうにも複雑な感情が残る。
表立った男女の恋愛の裏側に、それぞれの親の歪さ、そんな親を持つ子たる者達の心情、読んでいてリアルに痛く重い。
いくつもの謎が繋がっていき -
Posted by ブクログ
プロローグを読んで、んんん…なんだか記憶あるようなと思いながらもページを捲る。
ここのところ児童書を読んでいたので、大人の身勝手さやたくさんの罪に昏い気持ちになる。
どっぷりと汚い泥沼に足を突っ込んでしまった…感じだ。
新聞社に勤務する柳宝子は、離婚していて娘を虐待しているとの理由で夫が引き取っている。
宝子のもとに父親が死亡したと知らせが入るが、21年前に父は火災で亡くなっていた。
だが、父親の遺品の中に自分に宛てた手紙と自分の名前の入った新聞の切り抜き。そしてちょうど世間を騒がせている猟奇的殺人事件の切り抜きも入っていた。
すでに母も亡くなっていて、誰を頼ることもできずにこの不可解 -
Posted by ブクログ
❇︎
他の方のオススメを見て、
いつかは読みたいと思っていた一冊。
本の帯に書かれたコメントを読んで、
『これは絶対に引っ張られるタイプ』と思い、
読んでいてどうしても苦しくなったら
勇気を出して読むのを諦めようとルールを決めて
読み始めました。
前半半分まではやっぱり読んでいて苦しくて、
分かると分かりたくないという相反する
共感と拒絶の間で何度か止めようと思いました。
視点が変わった第二章で、なんとか気分が
持ち直してそのまま一気に読み終えました。
第一章は一章の息苦しさがあり、
第二章は二章の疑問と戸惑いがありました。
混乱の怒濤の中、その流れのままに第三章に
なだれ込んで驚愕 -
ネタバレ 購入済み
おもしろい
なかなか面白かった。最初から最後までなかだるみせず読めた。気がつくともうこんなに読んでいたのかとびっくりするほど夢中になれた。特に感動などはないけれど、面白かった。続きがあるようなので読んでみたいと思う。
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Posted by ブクログ
主人公の柳宝子は、東京の新聞社に勤めている。一人娘は虐待を疑われて夫に引き取られてしまった。
「どんなときでもなにをされても、心の底からかわいい、愛おしい、と思えるのが母親としての正解なのだろうか」と悩み続ける宝子。いまだに正解は分からないが、自分が"不正解の母親"であることは疑いようがないと思っている。
そんなある日、宝子のもとに20年前に死んだはずの父親の遺体が発見されたという連絡が入る。遺品には宝子への手紙と、最近起きた猟奇事件の切り抜き記事。
これは父からのメッセージだと、事件を追う宝子。思わぬかたちで明らかになっていく家族の秘密とは──。
"普通の -
Posted by ブクログ
ネタバレ殺人事件に関わる女性たちの悲哀。
書き下ろし。
プロローグ
第一章 残された女
第二章 姿なき悪意
第三章 忘れたい出来事
第四章 かわいそうな母親
第五章 いちばん悲しい
エピローグ
妄想癖が激しい佐藤真由奈の不倫相手・戸沼暁男が殺される。暁男の妻・杏子は真由奈の思い込みによる行動で残された母子の生活がめちゃくちゃに。
捜査する所轄刑事の我城薫子と本部の梶原は、戸沼家族が参加していたキャンプで、女の子が事故で亡くなっていたことを知り、遺族の渡瀬川邦一、瑠璃夫妻に接触する。
瑠璃の生い立ちが明らかになるにつれ、疑惑の目を向けていく捜査陣。
それぞれが「自分が正しい、可哀想」と被害者感