あらすじ
流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が――。母の愛こそ最大のミステリ。
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Posted by ブクログ
母親完璧教の母親が目を離した隙に、息子が池で溺れてしまい、すかさず同じ誕生日で産み直した娘。毎年毎年誕生日の度に亡くなった兄の誕生日を祝い、娘の分はつけたしのようで、母は兄の好物は知っていても、娘の好物は知らない。娘を息子の生まれ変わりだと固く信じる母に育てられた娘は…
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不育症による流産をくり返し、長い不妊治療の末に授かった最愛の息子を不慮の事故で亡くした母と、亡き兄と同じ誕生日に同じ名前を名付けられ「産み直された」娘の愛憎の物語。
毎年誕生日ケーキには兄の年齢分の蝋燭を立て、2人分のプレゼントを用意する常軌を逸した母親の姿には狂気を感じるが、「完璧な母親」であることが求められる世の中で過ちを犯した者を糾弾し、いつの日か自分自身も「母親失格」の烙印を押されるのではないかと見えない影に怯え、良い母であり続けようとする母達は少なくはないのではないだろうか。
歪な母の愛はやがて子の心や人生を絡め取るように蝕んでいく。
子を持つ母親として読み進めるのが辛くなる、けれどページをめくる指が止まらなくなる一冊だった。
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初読みの作家さん
YouTubeにて紹介されててあらすじだけで気になったので購入
母と娘の歪な関係の小説ってなぜだかすごく好きで、こちらも読むしか無かった!
宗教じみた考えをしてる狂っているのかと思うほどこわい母親の話を読むのが好き
そしてその子供達の思考?を読むのが面白い
湊かなえさんの母性を思い出す
これが好きな人にはおすすめ
ミステリーかと思いきやその要素は皆無なので拍子抜けしたのは事実だけど、一気読みするほど面白かった
母親って色んな意味でこわいよなと改めて感じる
愛は狂気
Posted by ブクログ
物語としてバチッと完結はしてない
自分の中にたくさんの問いかけを残したまま終わった感じ
母の育て方によって歪められた子供たちはこれからどうやって歩んでいくのかな
母に従い、愛すしかない子供たちが自ら「当たり前の、いわゆる普通の」道に辿り着くのは不可能なのかもしれないな
母には後悔はあれど、罪を犯したのも客観視し始めたのも大人になってからの出来事なわけで。子供に抱えさせてしまったものとは全くちがうものだとおもう
この本は独身時代に一度読んでるけどあまり印象に残ってなくて再読した。もうじき4歳になる娘がいる今読んだら、私の理想を押し付けてないか不安になった。
Posted by ブクログ
これもなかなか辛い、母親と娘の両視点で紐付いていく話。不穏な序章、何がどうなってそうなるのかよくわからないまま進む、メイン2家族の話、主人公もちょこちょこ変わりながら真相に近付いていく様が良い。精神的に責めてくる描写は少なめなものの、登場人物全員が辛い。ずっとどんより暗くて、特に最近こういうのばかり読んでる気がする。好きですね。
Posted by ブクログ
1章では、完璧な母親を演じようとするが故に歪んだ考えを子供に押し付けていて読んでいて子供が気の毒だった。
池で溺死した兄の生まれ変わりだと洗脳されてきた妹の波流子と、池で同時に溺れていた秋絵が兄の謎を解明していくところが面白かった。
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2日で一気に読んでしまった小説。
これは何かスピリチュアルな話?サスペンス?毒親の話?と謎が解けないまま進み、最後になるほど。
よかったです。
Posted by ブクログ
まさきとしかさんの作品はホントにリアルの一言に尽きる。。この描写は女にしか描けないと思う。それだけ、女性目線、母親目線である。逆に考えると男性はこの表現を理解できるのかな?とも思う。
Posted by ブクログ
❇︎
他の方のオススメを見て、
いつかは読みたいと思っていた一冊。
本の帯に書かれたコメントを読んで、
『これは絶対に引っ張られるタイプ』と思い、
読んでいてどうしても苦しくなったら
勇気を出して読むのを諦めようとルールを決めて
読み始めました。
前半半分まではやっぱり読んでいて苦しくて、
分かると分かりたくないという相反する
共感と拒絶の間で何度か止めようと思いました。
視点が変わった第二章で、なんとか気分が
持ち直してそのまま一気に読み終えました。
第一章は一章の息苦しさがあり、
第二章は二章の疑問と戸惑いがありました。
混乱の怒濤の中、その流れのままに第三章に
なだれ込んで驚愕に胸を震わすラストでした。
どんな人なら、この母のように凄まじく
狂おしいほどに子を愛し、押し潰さんばかりの
愛を注ぐことができるのか。
そして、その狂気的な愛を真っ直ぐな想いに
昇華させられるのかと深く想像しました。
Posted by ブクログ
大事な我が子を突然亡くしたら?自分の子と他人の子が同時に危ない目に遭っていたら?いいお母さんて何?親が恐れる事態や悶々とした案件に心が掻き乱され考えさせられる。「自分の子供を守るために仕方なかった」は母親ならではの本音。そこを否定できないある意味物凄く怖い本だった。
育てられる側の悲しみがこもった「母親って自分に都合よく考える生き物だよな」の涼太の言葉も忘れ難い。
真相が分かっても、大切に思うがゆえに誤り愛するがゆえに壊してしまう母親の危ういバランスの愛の上で親子関係は続く。永遠に答えが出ない関係なのだろう。
Posted by ブクログ
母と子の苦悩。1番後ろの解説を読んで、ようやくテーマが落とし込めた。
母親ってなんだろうか…?父親ではなく母親と子どもの苦悩…。
『完璧な子育て』なんてない、けど『ダメな子育て』はある。虐待、マルトリートメント。しかし多くの母親はきっとしている。解説にあった、『気づいて、修正する』ことで親子関係が造られていく、という文章に『なるほど』と思ったし、金髪で子どもを放ってパチンコに行く親=子どもを見ていない⇒あんな母親になっては行けない、という呪縛もしっくりきた。
良いも悪いも、こどもって親に愛されたいんだよなぁ、必要とされたいんだよなぁ…赦す許さないの問題じゃないんだよなぁ…向き合うって難しい。
はるこのストーカー行為は読み進めたら咀嚼できた。姉に関しては、姉の中でも自分を正当化するために生まれ変わりだと思い込んだんだろうなと。
解釈がないと整理できなかったので、評価は星3つ。テーマは好きだった。
Posted by ブクログ
幼くして死んだ息子。
娘を生れ変わりと信じ、
同じ名前を付け、
誕生日には息子の歳数のロウソクで祝う。
母の狂愛に戸惑う娘。白眼視する夫。
私はこんなに愛しているのに。
どうして、どうして、どうして、
子供は親の言う通りに育たない。
親のする通りに育つ。のだと
私の親は言ってたなー
Posted by ブクログ
最初は面白かったけど、2章あたりからなんか思ったのと違うなと思いつつ、読み進めていくと、え?こんな感じでおわるつもり?と思ってたら終わった(笑)
まだ解決してないことあるよね??と思ったり、後半関係性がわからなくなってきたり、なんか中途半端に終わった感じがした。みんなの感想読んでてもそんな感じだったからやっぱそうよね??ってなった(笑)
Posted by ブクログ
第一章
友高波琉子
風間秋絵をビルから突き落とした。
風間秋絵
指名手配中にビルの屋上から飛び降りたものとして駐車場に倒れているところを発見された。
友高知可子
不妊症による流産を繰り返し、結婚八年目、三十歳のときに波琉を生む。
波琉
知可子の息子。
実
知可子の夫。波琉子が生まれてまもなく、T市から離れた。配置薬販売員から事務機器メーカーの営業マンに職を変えた。
波琉子
知可子の娘。
蔓井朱実
友高家が住むマンションの隣の三〇二号室に引っ越してきた。
大野初美
友高家と同じマンションの一〇一号室に住む。七十歳。
涼太
朱実の息子。
蔓井芳春
朱実の夫。
第二章
田尻成彦
新聞社勤務。築三十年の金星荘に住む。
長谷川芳乃
外資系化粧品メーカーの美容部員。
中江
成彦の左隣の部屋の住人。七十過ぎ。
松永
金星荘の一階に住む。四十代。
秋絵
成彦の姉。再会した成彦に池で溺れた男の子の生まれ変わりと言う。
友高波琉
ため池で溺れて水死した。
友高波琉子
食品メーカーの研究室に勤めている。
蔓井涼太
戸籍を売って松井俊になった。崖下で白骨化した状態で発見された。
佐々原敦志
波琉子に尾行されている。大学時代に波琉子と付き合ってた。
佐々原京香
敦志の妻。
風間花子
秋絵の母。
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赦すということを書いたすごい本 1、2章はイライラするかもしれない でも3章の為にある大事な序章
3章を書き上げたのはすごいと思う 毒親持ち、母親と確執がある人には刺さるかもしれないけど人を選ぶし、共鳴するものを持っていない人には駄作と感じると思う
虐待母とその子供のリアルさ、美談にしたがる外野、実際と心の内は全然違うことを表現できる、小説ならではのものを書いている
Posted by ブクログ
しんどくて、どうしても前向きになれないような悲惨な事故や事件って現実にあるな…と思うと、全然他人事の話じゃなかった
「私は母親だから◯◯じゃなきゃいけない」
この呪縛は沢山の人にあると思うし、私も将来気をつけなきゃいけないと思う
良い母って一概に言えないのに、"良い母像"が世の中にありすぎる気がした
改めて、「家族」ってそのものが特殊だ
私にとってはとても大切なものだけど、人によって考え方は自由で、こうだって決めつけるべきじゃない
Posted by ブクログ
第1章はとても興味深く、どうなるのかと思いながら読み進めていたが、第二章以降の人間関係と接点が少し強引な感じがした。
波琉子と涼太の二家族でストーリーを進めていってもよかったのではないかと思った。終盤になるにつれて、涼太の母親の存在意義が失われていってしまったのが残念。
Posted by ブクログ
不妊治療、流産を経て授かった幼い息子を亡くし、その後に生まれた妹に対し兄の生まれ変わりである事を押し付ける母。ある時から急に「娘は娘」とハシゴを外したものの、娘はトラウマを抱えて今やストーカー。
その家の隣に住む、一見ダメ親風のシングルマザー。実は暴力夫から逃げている、幼い息子想いの良い母親…と思いきや、やっぱり実はダメ親。成長した息子もなかなかのダメ野郎で最終的には変死。
姉には異常に優しいのに弟には辛く当たる母。モンペ母が姉の友達に傷害事件を起こして一家離散、姉は死んだ男の子の生まれ変わり、と言い張り引きこもり。弟は人に距離を縮められると拒否してしまう、こちらも揃ってトラウマ持ち。
毒母親とトラウマ子供たちばかりが登場し、最終的にはなぜ現在の状態になっているのか、は分かるけど、子供世代のトラウマについてはなんの問題も解決せず、話は終わり。ミステリー感は薄く、読後感も悪し。まぁまぁかな
Posted by ブクログ
終始、どんよりと暗く重い空気に満ちた小説。
ミステリーとしての謎は解決されるのに、スッキリしないベタつくような後味の悪さから逃れられない、そんな物語を求める方にはオススメの1冊。
ただ、内容的に、現在進行形で毒親に苦しめられている人は読まない方が良い。
「完璧な母親」という言葉自体にはマイナスな要素は無いはずなのに、この言葉に漂う不穏な気配は何なのだろう。
読み終えても、それが晴れることはありません。
幼い子の人格に母親が如何に強い影響を与えるのか。そしてそれから逃れることは一生できないのではないか。そんな風に感じられました。
「完璧な母親」である知可子が息子を失ったことは本当に悲しい出来事であるのだけど、「産み直した」娘にそれを植え付ける過程の残酷さがとにかくエグい。
それでいて、自分だけはその「呪い」から逃れ「娘を娘として」切り離し、自分が「救った」他人の母子に勝手な夢を見続け、現在は娘に対し「良き普通の母」であろうとする姿。何も知らずに…。
最後の最後まで知可子は何も知らないまま物語は終わってしまうので、そこが最もモヤモヤする。後味の悪い話が好きな身としては、なかなか良い。
気になるのは、知可子の夫の死。不倫のことは知っていたわけだし、知可子が間接的に殺したのではと疑っていたのだけど、大して触れられなかったから本当に何もしてないのか…?
「家族」の形にこだわっていた知可子が自らそれを壊すとも考えにくいけど、そのまま夫を許すとも考えにくくて、その辺りが気になったかな。
Posted by ブクログ
なかなか結末が見えないまま話が進んでいった。愛ある故に歪んでしまった家族?が描かれている。自分が母親だったらもっと登場人物の気持ちがわかるかもしれないけど、感情移入はできなかった。あとがきが非常によくまとめられていて、それを読んで確かに確かにと思えた
Posted by ブクログ
前半の狂気に満ちた感じに
ワクワクしながら読み進めましたが、
後半はちょっとバラバラした印象でした。
それぞれで完結はしてるのかな?
どうなのかな?
Posted by ブクログ
前半は狂気に満ちた感じで面白かったのに、だんだん尻すぼみしていった。すこし期待外れだったかな。
ただ母親という存在に対する世間や周り、時には自分からのプレッシャーはすごく理解できて、同情した。
Posted by ブクログ
ようやく授かった息子を失ってしまった母親が、産み直しとして娘を授かり、息子の生まれ変わりとして育て直すという作品。
前半にかけての母親の狂気じみた行動を描く筆致力はさすがだった。ただ若干息子と重ね合わせることをやめた理由がわからなかったり、息子の死の真相を明らかになるまでも尻すぼみ感が否めないなとは思った。
Posted by ブクログ
怖かった。
でも、みんな、母親に愛されたい気持ちは同じ。
はるこの母親が、遅いけれど現実を見れるようになって、本当によかったと思う。
子どもを失って、おかしくなってしまう、狂気的になるのは仕方ないと思ってしまった。
あの時、誰かがはるこの母親を助けることはできなかったのだろうか。
孤独になってはいけない…。
Posted by ブクログ
兄が不慮の事故で亡くなり
そのあと、生まれ変わりとして
同じ誕生日に産み
育てられた、妹。
母親は
狂気に満ちているようで、
同じ女性として、共感できなくはなかった。
まさきとしかさんの本
少しずつ読んでます。
Posted by ブクログ
まさきとしかさんの作品は,序盤でどきどきが始まりとにかく読み終わらないと気になって寝られない。
女性目線の作品で、女の怖さやこだわりの強さ、思い込みの激しさ、多少の誇張はあったとしても、母親なんて こんなものかも。自分が産んだから、守らなくては,そして 子どもは思う通りに育てたい。
子どもを亡くしたから、産んでやり直すなんて思いつかない。それも、同じ日に産んで、なくなった子と産まれた波琉子の誕生日をずっと祝い、名前も同じにつけ。ちょっと病的。それと溺れた波琉を助けず、自分の娘だけを助けた風間母娘、波琉の生まれ変わりかもと疎まれた風間成彦。風間の母親もその娘も過去を背負って壊れていく。ぞくぞくしながら、読まずにはいられない。まさきとしか作品は,中毒性あり。
Posted by ブクログ
先が気になってどんどん読んだ
二つの家族がどうつながるのか、
ただのお姉ちゃんの思い込みなのか、
子供を亡くすってことは想像したくないくらいに
つらいことだし心を病んでしまうのも分かる
でも途中でお母さんが気づいたことがまだ救いなのかもしれない
子供に刻まれたものは大きすぎたし
その後の人生を全て左右すること
自分に言いように記憶はねじ曲がるし
失ったものは取り戻せない
とりあえず悪いことをしたら逃げないってことかな
Posted by ブクログ
うーん、タイトルコレであってるの?ていう読後感。
亡くなった兄の代わりとして産み育てられた(途中で解放されてはいるけど)女の子は確かにかわいそう。完全に歪んじゃってるし。
そしていきなり出てきた兄の生まれ変わりと言い張っている引きこもりの女が出てきて「???」となる。その女も、結局は母親が影響で病んじゃったようなものだけど。
読んでて結構ホラーだった。
Posted by ブクログ
かなり偏った思考にとらわれた登場人物が多く登場するが、そうに至った経緯や理由に対しスムーズに腑に落ちないところがある。そのため感情移入がしづらい。中盤以降は、どう序盤の展開につながっていくのかわからない時間が長く、次々に新しい人物が登場し、なかなか入り込めない。そこまで引っ張った挙句、最終的なつながりが弱い気がする。
あつしのくだりは必要だったのか、、