あらすじ
虐待を疑われ最愛の娘と離れて暮らす柳宝子。私は母親失格――。悩み続けたある日、二十年前に死んだはずの父親の遺体が発見される。遺品には娘への手紙と猟奇事件の切抜き記事。父の過去を探り事件を追う宝子だったがそれが愛する家族の決死の噓を暴くことに。父の手紙の意味は? 母が犯した罪とは? 愛に惑う〝元子供たち〟を描く感動ミステリ。
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Posted by ブクログ
自分で産んだ子どもに対する愛情ってなんだろう。責任感や義務感だけで育てている、そんな時もあるかもしれない。かわいいだけでは済まされない、人間を育てることも良くわかってない年齢で私も産み育ててきた。だからどの気持ちもわかるような、認めたくないような。
主人公は子育てと仕事を天秤にかけ、その重さを考えるのではなく、娘に嫌われているからという言い訳で離婚、子を手放す。
その一方、自分自身は亡くなった父母の血縁ではなかった。母親は、夫の浮気相手の女が産んだ赤子を誘拐し愛おしさで返せなくなった。そして愛情いっぱいに実子として育てた。
子を愛せない、金銭目的で産む、子を捨てる、親の愛情を求める子、など読みながら辛くなる。
そして自分が子育て終了の時期にもかかわらず、気持ちが揺れることにも驚く。一生誰かの子であり、私も子の母親であることに終わりはない。
Posted by ブクログ
いつまでも余韻が残る本でした。
宝子の母の
「偽善でも悪よりは善のほうがいい」
という考え方に共感した。
そして、
「ふりをする」「全力で演技をする」「もしかしたらいつか本物になる時が来るかもしれない」
そう思って宝子を育てた母の生き方を、私は素敵だと思う。
事件をきっかけに、そして愛里の存在によって、自分の子供時代を追体験し、宝子はしっかり愛されて育ったと実感した。
「愛里のことが大好きで大切にしてくれる人がママなの、それは愛里が決めていいの。血がつながっているとかつながっていないとかは関係ないの」と子供に言いつつ、自分自身にも語りかけている。
何だか心がホッと温かくなった場面でした。
「捨てた」と「あげた」は違うけれど、それを聞いて心が楽になっただろうか、、、
それより宝子から誕生日の祝福の言葉を聞いたとしたら、蒲生君はどう思うだろう。誰かを恨むばかりの人生から解放されるだろうか、と思った。
たくさんの罪を犯したけれど。
Posted by ブクログ
人それぞれ皆違うように母と子、親と子、家族の在り方もそれぞれ違う。
真っ直ぐでも歪んでいても捻じ曲がっていても皆誰かの子、子供が産まれれば誰かの母。(父)
そして親であったり子であったりする前に皆1人の人間。
親子って何なんでしょうね〜
正しい親子の在り方とかあるんですかね…
そしたら皆それを教本にすれば良くてそしたら皆良い母(父)良い子になれる…はずないんですよ!
だって皆違うんだもん。
少なくとも世間が笑顔で紹介するような家族の絆ってやつは表面で見てるほど綺麗なものじゃないはず。
押し隠し繕っている表情もあるはずですよね、世の中も家庭の中も良い事ばかりじゃないから。
親子の愛なんて突き詰めれば突き詰めるほど分からなくなる。
そして分からないけど突き詰めれば突き詰めるほど深い関わりがある…絶対に切れない繋がりを目の当たりにする。
そこには純粋に愛おしく想える愛があって欲しいなぁ
表面だけで終わらせないまさきとしかさんの作品は好きだぁ
Posted by ブクログ
この作品まさきさんの作品の中でもすごく好きかもしれない…
まさきとしか作品は女として母親として読むことがキツいと思う
そこが好きなのだけどね♪
今作はほんと色々な母親が出てくる
そしてまさきさんの言葉が刺さります。
世間から褒められる母親像はキビしい
結婚、妊娠、出産、育児…
この4つの事は女性が身内どころか他人にまで勝手に口出しされて…ツラいですね
読み手が女性か男性かの違いだけじゃなくて
色々な受け止め方がある作品だと思った
ミステリーとしても良い作品でした(^-^)
男の方のレビューも気になりますね…
Posted by ブクログ
「ゆりかごに聞く」2019改題
そして、この改題が読後によく効いてきます
虐待を疑われ、自分の産んだ子供を
夫と義母に預けるしかなかった主人公
彼女の元へ 警察から21年前に死んだはずの父親の新たな遺体が発見された連絡が入る
その真相を知る為 父親の記憶とそれまでの生活をたどっていくと 自分の存在まで危うくなる
母親とは 母性とは を辛辣に
誰しも経験するかもしれない子育の葛藤
祝福されるべきだった子供達の愛情から遠い情景
容赦なく文章にしていきます
愛している演技も続ければ現実になる
そして、真実になるかもしれません
まさきさん 厳しくて好きです
Posted by ブクログ
相変わらずゆーき本さんのレビューが刺さりまくる私です。
この本もゆーきさんのレビューを見て直ぐにメモメモしておきました。
まさきとしかさんは三ツ谷シリーズしか読んだことがありませんが、これもめっちゃ面白かったです。
プロローグは、ベビーカーに乗せられた子供が攫われるシーン。
もうこの場面からガッツリ心掴まれます。
こういうの何か好き (๑˃̵ᴗ˂̵)و
ベビーカーを押していた母親、子供を攫った人間、攫われた子供、彼らは誰なのか?読者は本編に入ると共に、誰が誰なのか?想像しまくりながら本編へ。
産んだ子供を上手に愛せず、別居していた夫に虐待を疑われ、夫が娘を見ることになり、娘とは離れ1人で暮らす柳宝子。母親失格だと悩み続けていたところに、警察から電話があった。
二十年前に死んだはずの父親の遺体が発見されたというのだ。遺品の中に自分宛の手紙と、当時世の中を震撼させた殺人事件の新聞の切抜き記事があった。
不可解な父親の死に疑問を抱き、新聞の切り抜きを頼りに、真相を調査することにした宝子。
本編には、何人かの母親が登場するのですが、
何パターンかの母親と子供が描かれいます。
読んでいて苦しく感じるところもありましたが、こんなふうに自分の産んだ子供のことでここまで悩む人も居るのかもしれないなと、何処か俯瞰しながら物語を眺めているような気分になりました。
私は子供全般がどうにも苦手なタイプでしたが、何とか2人の子供を育てることができました。2歳のイヤイヤ期はあったものの、思春期の反抗期も無く、育てやすい子供だったのかもしれません。
しかし子育て時代の母親の悩みなんて尽きないですよね。
実の子じゃなかったとして、あの試練に私は耐えられるのか???
色々なことを考えながら読みましたが、とっても面白く、サクッと一日で読めました♪
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期間限定で、高校時代、稀に女の子にモテていた頃の写真をアップしてみます。
私は正真正銘女の子です♪
Posted by ブクログ
三ツ矢&田所刑事シリーズが大好き!なまさきとしかさん(ちなみに第3弾の「あなたが殺したのは誰」が一番好き)
こちらの作品は「母親」って何なんだろう…
と深く考えさせられる作品でした
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不穏な空気と謎がパンパンに詰め込まれたプロローグ。
「あの女さえいなければ-」
暗闇の中、自分の人生を狂わせた【あの女】の押すベビーカーから赤ん坊を攫う【誰か】。
【誰か】の正体とは-
攫われた赤ん坊の安否は-
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娘への虐待を理由に離婚され、娘とは二ヶ月に一度しか面会できない宝子。私は本当に娘を愛していたのだろうか、いや、愛しているのだろうか。宝子自身は両親からたくさんの愛情を注がれ育てられたのに、自分が産んだ娘には同じように接することが出来ず「母親失格」と自分を責める毎日を送っている。
ある日、警察から「あなたの父親が亡くなった」と宝子に連絡が入る。
「どうして?」
宝子の父親は二十数年前に単身赴任先のアパート火災ですでに亡くなっていた。母親と同じ墓に眠っている。はずだった。
父親の遺品から宝子宛の手紙と一緒に見つかったのは、「現代の阿部定事件」と騒がれている八王子で起きた猟奇殺人事件の記事。
父は私に何を伝えたかったのか?
事件と父親の繋がりを調べるうちに、見えてきたものは-
両親が宝子にどうしても伝えられなかった秘密。
そして、伝えたかった真実。
また八王子の猟奇殺人事件の関係者も次々と不審死を遂げ-
宝子にも危険が迫っているのか
事件は衝撃の事実を持って宝子の目の前に現れる!
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「産んだ子どもは無条件に愛すべき存在となるのか」
「母親とは何を犠牲にしても子どもを愛せるのか」
そんな事がずっと頭の中でグルグルする作品でした。
もちろん子ども達のことはめちゃくちゃ愛してます!!と自信を持っていたのですが、宝子の気持ちもわかります。
自分の思い通りにはいかない育児。産後うつになった時には全然子どもを可愛いと思えなくて、それこそ「母親失格」だと泣いてばかりの毎日でした。 今でこそ可愛い可愛い我が子達と思っていますが、それって ちゃんと意思疎通が出来るようになって 手がかからなくなったから可愛いと思えるようになったのか? それって私の心に余裕が出来たから?とか悩んじゃいました。
また、宝子の元彼として登場する黄川田を通して
「父親」は いつ「父親」としての自覚を持てるんだろう?とも考えます。
母親って十月十日 お腹の中で我が子が育っていくのを感じられて 苦しみの末ようやく産んで…と、母親になる準備期間があるように思えるけど、父親は?
やっぱり自分と血の繋がった子を見た瞬間に愛情が沸き上がるものなのかな?
本作の主人公は「母親像」に悩む宝子ですが、私は〇〇の存在にやられました…
いらない子
捨てられた子
愛情の持てない母親のもとに産まれてきた子ども
本文中の「勝手に産むなよ!」という叫びに涙がでました
『みんな誰かの子供なのだ、と頭の連れた部分でそんなことを考えた。
どんな親から生まれたとしても、私たちは一生、誰かの子供であり続けなければならない。』
「なんのために産んだんだよ!」
そんな言葉を子どもに言わせない、そういう親でありたいです。
「お誕生日おめでとう」を毎年祝ってあげられる親でありたいです。
Posted by ブクログ
子どもを産んだけど、愛せない‥
私には考えれないけど実際居るんでろうな
複雑な人間関係で少しごちやとなりそうになった所に上手く繋いでくれた感じで読みやすかった。
現実離れしてなさそうで少し重い小説だった。
Posted by ブクログ
まさきさんの世界観好きです
読み進めると、謎が深まっていく
謎が人間関係(家族関係)に絡み合っている
謎が全解決するわけではなく、謎を抱えたたま、それでも生きていく
Posted by ブクログ
2024.06.01
母親になってから、考えさせられるテーマが世の中に溢れかえっているなと感じるこの頃だったので、とても刺さった。
母性って、何だろう。
私は無条件に子どもたちが大切で、宝もので、自分を犠牲にしてでも守りたいと思っているけど、それが全ての母親に当てはまるわけではないし、当てはめてもいけない。
宝子は自分の母親が鬼塚明美と知って安堵したのだろうか。子どもを優先できなかったのはこの母親にしてこの子ありなのだから、私はおかしくなかったと腑に落ちたんだろうか。
母親をテーマに扱う作品は多いが、こう言う切り口は初めてだったのでとても考えさせられた。
Posted by ブクログ
おおー、なるほど〜!!
…いつも読んでるうちに、プロローグを忘れちゃう私w
それにしても…
なんで、お母さんは、自分の秘密を、お父さんに打ち明けちゃったんですかね?
秘密が重過ぎて、罪悪感に耐え切れなくて、かなぁ?
いつかはバレるにしても、こんな重い秘密は、絶対に自分だけで抱えて墓場まで持って行かなきゃならないと思うんだけどな。
最愛の妻の秘密を知ってしまった優し過ぎる性格のお父さんの葛藤が偲ばれる。
そして、犯人が…完全に想定外の身近な人物で、ちょっとサイコっぽくて、ゾッとした。
まぁ、言ってみれば、登場人物みんなどこか少しずつ狂っちゃってる気もするけど、人って誰しもそんな危険を孕みながら、運良く生きてるだけなのかもしれないけど。
あーだこーだ言いつつ、一気読みだったし、気になる作家さんとして急浮上してきたので、既刊本をガツガツ読み進めていきまーす!w
Posted by ブクログ
どんな家庭環境であっても子どもは親に愛されるべき。と願わざるを得ない。子どもだからわからないではない。愛情と憎悪が交差し、読みにくさもあったが、引き込まれた。
Posted by ブクログ
まさきとしか作品に共通するところがある、子供への愛を問うような話。今作は最初から子供とは別居、家族との関係も良くなく、全体的に気分が沈む。更に殺人事件も複雑に絡んできてミステリ要素も多く、すっきり整理していくのが難しい。落ち着くところには落ち着くとは言っても爽快感がないが、読み応えは分厚く、満足出来た作品。
Posted by ブクログ
無関係に見える事件がどんどん繋がって、知らない方がよかった「自分」の正体が見えてきて驚愕。
それに留まらず、犯人の動機や関係にさらに驚驚愕。
こわいのに、悲しくて切なかった。
かつて子どもだった大人たちが真実と戦う物語です。
Posted by ブクログ
最後まで一気に読ませる筆力は今後を期待させられます。ただ、もう少しすっきり、くっきりとしたシルエットを出せるようになればいいなあと僭越ながら思ったりしました。
Posted by ブクログ
プロローグを読んで、んんん…なんだか記憶あるようなと思いながらもページを捲る。
ここのところ児童書を読んでいたので、大人の身勝手さやたくさんの罪に昏い気持ちになる。
どっぷりと汚い泥沼に足を突っ込んでしまった…感じだ。
新聞社に勤務する柳宝子は、離婚していて娘を虐待しているとの理由で夫が引き取っている。
宝子のもとに父親が死亡したと知らせが入るが、21年前に父は火災で亡くなっていた。
だが、父親の遺品の中に自分に宛てた手紙と自分の名前の入った新聞の切り抜き。そしてちょうど世間を騒がせている猟奇的殺人事件の切り抜きも入っていた。
すでに母も亡くなっていて、誰を頼ることもできずにこの不可解な事件と父親のことを調べるのだった。
とても複雑ではあったが、親ってなんだろうか?と考え本当に罪深いのは一体誰なのかと…
エピローグを読み、また苦しくなった。
最後にこの作品は2019年『ゆりかごに聞く』を改題したものとあった。
もしかして少し記憶にあったのは、これを読んでたのかな?
Posted by ブクログ
主人公の柳宝子は、東京の新聞社に勤めている。一人娘は虐待を疑われて夫に引き取られてしまった。
「どんなときでもなにをされても、心の底からかわいい、愛おしい、と思えるのが母親としての正解なのだろうか」と悩み続ける宝子。いまだに正解は分からないが、自分が"不正解の母親"であることは疑いようがないと思っている。
そんなある日、宝子のもとに20年前に死んだはずの父親の遺体が発見されたという連絡が入る。遺品には宝子への手紙と、最近起きた猟奇事件の切り抜き記事。
これは父からのメッセージだと、事件を追う宝子。思わぬかたちで明らかになっていく家族の秘密とは──。
"普通の母親"とは、いったいどういう母親を指すのだろう。"母性"とはなんだろう。
「仕事を辞めたら、自分にはなにもなくなってしまうのではないか。名無しの透明人間になってしまうのではないか」という宝子の危惧はよく分かる。
子どもがいると、どうしたって"○○くんママ"になる。そこに居るのは一個人としての私じゃなくて、子どもの母親としての私だ。仕事を辞めて社会から遠のくと、もうこのまま私個人の存在は消えてしまうような気持ちになる。だから社会とのつながりに必死にしがみつきたくなる。そう考えてしまう私も、あなたが言うように母親失格ですか?と、宝子に問うたらどんな返答が来るのかなあ、なんて。
それはさておき、宝子はずっと自分が不正解の母親だと信じてやまないが、本当にそうだろうか。過去の出来事は消えないけれど、娘を愛することができるのか、何が娘のためなのかと悩むこと。それだって愛の形だろう。
ただ、ふたりの場合は近くにいるより遠くにいるほうが、良好な関係を築くことができた。それだけのことだ。
親が子を愛しているかどうかよりも、子が"自分は愛されている"と感じるのかどうかのほうが重要なのだと思う。
宝子の母の言葉「偽物だとしても悪よりは善のほうがいいでしょ」がすべてだ。
「たとえ嫌っていなかったとしても、僕は嫌われていると感じたし、さびしかったり悲しかったりしたし、母を憎んでますから。ほんとうの気持ちなんて伝わらなければ意味ありませんよね」
「私はおかしいですか?母親失格ですか?どんな気持ちになれば普通の母親になれますか?」
「子供をかわいいと思えないのはどうしようもないと思う。だったら、かわいいと思っているふりをするしかないんじゃないかな。愛しているふりをする。大切に思っているふりをする。全力で演技をするしかないんじゃないかな。そうすれば、もしかしたらいつか本物になるときが来るかもしれない」
Posted by ブクログ
あの日君は何をした
では母親の執念とも取れる狂気が描かれていたが、
今作では相反して母親からは子供への無関心さと虚無感ばかりで、そこに生まれてきて子どもたちの親への執着と願望が
親から愛されなかった子供は、子供を愛することがわからず不幸は連鎖してしまう
子供に愛していることを伝えなければ。
生まれてきたことだけで存在しているだけで
愛おしいのだということを、そしてそれは
当たり前のことなんだと
Posted by ブクログ
さまざまな環境の中、生まれてくる子供がいる。
だけど、どんな環境であれ、どんな人から生まれたのであれ、子供を守り、愛してあげれる社会であってほしいと願う。
Posted by ブクログ
どんな大人であっても、かつては皆、子供だったのだ。
そんな当たり前の事を、強く感じるモノガタリだった。
“貴方が悪いのではない”
そう、遠回しに言ってくれている気がした。
Posted by ブクログ
一気に読んでしまう一冊。父の謎を追ううちに気が付いたら衝撃の事実が浮かび上がる。自分も親だが誰かの子供でもあり、子供への愛情を日々伝えようと思う。
Posted by ブクログ
重い物語!
あまり好きな方ではありません。
主人公宝子の鬱々とした展開に、読んでてふさぎ込んでしまいます。
ストーリとしては、
娘への虐待を疑われ離婚させられた宝子。自分は母親失格?子供より仕事を優先?本当に娘を愛していたのか?と紋々としています。
そんな宝子のもとに、警察から20年前に死んだはずの父親の遺体が発見されたとの知らせ。
20年前に死んだのは誰?
そして、遺品には宝子宛の手紙と猟奇殺人事件の切り抜き。
父親は宝子に何を伝えたかったのか?
宝子は父の過去を調査するとともに、徐々に明らかになってくる自分の過去。
家族の秘密。
そして、猟奇殺人事件の真相
といった展開です。
出てくる人物もみんな好きになれません。
正直、あんまりお勧めできないなあ..
Posted by ブクログ
途中までは父親と2つの事件はどう繋がるんだろうと予想もできなかったけど
養子斡旋あたりでなんとなく先がよめ
なんだが全員に苛立ちがあった。
色々繋がりすぎてて、父親の居なくなった理由もうーんという感じ。そこまで全力で居なくなる必要あったかなぁ。
結局は何一つ解決した感はなかったけど
子どもは親を選べないは共感した。
Posted by ブクログ
最初に伏線を散りばめて最後、一気に回収していくのはまさきさんらしくて素晴らしいと思った。作品に込められたテーマは重たいですね。「母はお腹を痛めて子どもを産んだんだから愛してあたりまえ」というのは違うと私も思う。歴史を勉強してみると、明治時代までは家族、親戚総出で子育てしてたんですがね。個人差はあるものの、一般的に子育ての労力は半分以上母親が負担していて、重すぎると思う。労力が少なければ愛情がたとえもてなくても育てられると思う。
Posted by ブクログ
まさきとしか、の他の本はもっとストーリーの輪郭がカッチリしてて、どんなふうに読めばいいか分かりやすかったんやけど、、ちょっとなんか読みにくかった?感じ。
でも、良かった。…今までずっと、自分の子どもを愛し抜く守り抜く覚悟もないのになんで産むの?って思ってた。 ネグレクトとか虐待とかさ、その子の人生の責任が取れないなら、産まんかったらいいのに、って。そんなんで母親父親になるなって。
でも、それは自分が愛されて育ったからそう考えるだけで、私の想像力が足りてないんかな。母親も父親も、戸惑ったりわが子であれど疎ましく思ったり、自分の人生で優先したいことがある、、ひとりの人間として。
子どもにとって親は常に完璧であることを求められがちな世の中やけど、親の心身も健康で、できるだけ自然体で、いろいろ助けてもられる世の中になればいいな。「親は子に愛を注ぐもの」っていうプレッシャーを世の中が押し付けすぎないように。そしたらもしかしたら、変な歪みが減るかなぁ。
線香のか細い煙を冷たい風がひきちぎっていく。
心臓がせり上がってくるようだ。
黒く冷たい水が、宝子の胸にひたひたと染み入ってきた。
流した涙を自分の胸に溜めるように泣いていたのだ。
Posted by ブクログ
子供を産んだら考えが一転した。
仕事を辞めたら、自分にはなにもなくなってしまうこではないか。
名無しの透明人間になってしまうのではないか。
わかる。胸が痛くなった。
Posted by ブクログ
子供を愛してるか疑問の母親のそれを巡る過去の話。
愛し方を知らない母親たちと、愛してほしかった子供たち。
一定数いるであろう、子供を愛せない母親たちの闇の部分が浮き彫りになっている作品。