まさきとしかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幾つかの殺人や事故を軸に、女性たちの毒のような感情が渦巻きます。
不倫を主とした男女の歪んだ関係性に、まさきとしか作品ではおなじみの母子の問題が重なり、登場する女性たちは皆、「誰かが不幸だから悲しい」のではなく、「自分自身がいちばん悲しい」という地点に立たちます。
今回はミステリー色がやや強く、事件の謎解きも物語を重層的に。犯人像については少しすっきりしない印象も残りますが。
その一方で、冒頭に登場する“騙されていた不倫女性”の描写は圧倒的で、生々しく、気持ち悪さが際立っていました。
他者の悪意や不幸よりも、自分の中にある感情の醜さこそが読後に残ります。そんな意味で、本作のタイトルは非常に的 -
Posted by ブクログ
どうやって2つの事件が絡み合ってくるのか。
いや、無理があるでしょ。
なんなら一部と二部で全く異なる物語に展開?
なんて思っていたらとんでもなかった!!
同じ息子を持つ母親として、ここまで無条件に
息子(子供)を溺愛できるものなのか。と
タイプの違うふたりの母親と自分を比較してみると
自分の母性の低さを感じさせられて凹む。
また、追い打ちをかけるように
普段なら号泣する場面でも(息子の心情を知る件)
ドライアイが潤む程度にしか涙腺刺激せず。
それでも物語には引き込まれ、イッキ読み。
どうやら三部作だそうで、他の二作品も
ぜひ手に取ってみようと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ母親の執念と、登場人物の心理描写が深い
後半にどどっと見え方が変わってくる。急にイヤミス。
一部と二部が後半までリンクせず不安になったけど、最後繋がってすっきり
メモ
母親 息子が死んだ→たまたま同時期に起こった殺人により、何も悪くない息子が責められる→私が悪い→息子は死んでないと思いこむ→遺書により息子が愛した同級生に依存する→15年後に同級生の夫と不倫相手殺害
息子 [二部で判明]動物を殺していた→人を殺してみたい→同級生の境遇が後押しに→同級生母の殺人(人違い)→警察に捕まるわけ(大好きな母に知られるわけ)にはいかない→[一部]事故死
…部活をサボって好きな子に会いに行ってたと -
Posted by ブクログ
ネタバレ三ツ矢刑事シリーズ続編。
クリスマスイブに空きビルで身元不明のホームレスと見られる女性の遺体が見つかった。指紋がデータベースと一致し、千葉県の男性殺人事件の事件現場で見つかった指紋の持ち主と判明。被害者の妻に会いに行くが…。
色々入り組んでいて人間関係が複雑に絡み合っている。出てくる登場人物はそれぞれに繋がっている。最後の最後まで全部繋がっていてびっくり。
話の中心となる、殺されてしまったホームレスの女性・松波郁子。郁子は正直悪いところはなく、助けを求めた保健福祉センターで心無いことを言われ、夫を亡くしてから自分を責めている。保健福祉センターの担当者を見つけた時も後を付けるだけで思いとどまっ -
Posted by ブクログ
全体はミステリの構成で、且つ
親になれば子どもを愛するのは当然なのか、と問いを投げ掛けてくる骨太なお話だった。
子どもに「供」の文字を使わなくなっていることが多いけど、
この本のタイトルはまさしく、
供える・隷属する意味が思い起される「子供」がしっくりくる。
主人公の宝子をはじめ登場する人は皆、親に翻弄されて、生きながらあがいているから。
だけど読み終えると醜くあがくことになったとしても、あがくことこそがだいじなんだと思えてくる。
「祝福の子供」というタイトルは、なんか人間讃歌のようだと思った。
まさきとしか作品は初読みでしたが、他の作品も読んでいきたい。