まさきとしかのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中盤までは最初の事件と後の事件の繋がりが浮かんで来ず、別の物語を読んでいるようだった。
しかし、途中からは絡まったネックレスが解け始めたかのように、少しずつあらわになる2つの事件の接点。その展開が気になり一気に読み進めた。
ラストのたたみかけるようなまさかの展開。
一見幸せそうに見える家族も、その実どのような問題を抱えているのかは他人には見えない。
家族だから全てを話す、家族だからなんでも言える。そんなのは理想であって、実際には大切な家族だからこそ言えない事もある。
母親の子供に対する愛情、信じたいと思う気持ち。
それらは大切な事だけど、子供にとってそれは時に疎ましかったり重荷に感じ -
Posted by ブクログ
「貴和子」という女性にまつわる連続短編集。
本人視点の章はなく、彼女に関わる周りの人物からの視点でそれぞれ語られていく。
スッキリとしない締め方に、どうなったのかと考えさせられる。
自覚無自覚、意図的なのかそうではないのかはわからないが、一瞬で人を狂わせる程の魅力のある女性が身近にいたとしたら、やっぱり嫌だなぁと正直思う。
人には多面性がある。
対する人によって顔が変わる。
いくつもの自分を持っている。
時にどれが本当の自分なのかわからなくなる程、いくつもの仮面を持っている。
そして他人には言いたくない、負の感情も持ち合わせている。
無意識に他人と比べて、比べる事によって自分という人間を認