佐々木閑のレビュー一覧

  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    宗教としての大乗仏教を科学一辺倒の時代にあって切り捨てることなく、一定の意義を認めている。

    問答形式のため、大変に読みやすい。問答形式なのにわざとらしくないのも好感が持てる。問いが自然だからだろう。

    しかし、原理的な部分がなく、深くのめり込む要素が少ないため、物足りなく感じたのも事実だ。

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    2020年12月14日
  • ネットカルマ 邪悪なバーチャル世界からの脱出

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    ネットカルマとは、現代社会に現れた新しい「業」と「苦」です。
    技術には良いも悪いもありませんが、インターネットが普及した世界では、私たちの行動や情報など、あらゆる場面が刻々と記録されていきます。
    古代インドで、ブッダは「生きることは苦しみだ」と気づきました。
    ネットに縛られた苦しみの世界を抜け出すために、ブッダの教えが役立ちます。
    子どもたちにメディアリテラシーを教える際にも、とても役立つ本です。
    これからの時代の必読書です。

    他人の悪口を言い、貶めることで喜びを感じるというのはなんとも醜い姿ですが、それは人が生まれつき持っている獣性の一部です。仏教で言うなら煩悩です。それが自分の中にもある

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    2020年11月07日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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    大乗仏教の基本知識をインストールするのに使える本。
    宗派ごとの世界観の違いなどが、対話形式でとてつもなくわかりやすく語られている。
    奈良の仏像巡りしてから、この本を読んだらめちゃくちゃ楽しかった。

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    2020年10月11日
  • NHK「100分de名著」ブックス 般若心経

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    わずか265文字で記された大乗仏教のお経。般若心経。
    信心深くなくとも、聞いたことはあるほど日本人には馴染み深いお経です。

    全文漢字なので、なかなかわかりにくいのですが
    本書では各文節の意味を訳して、理解を促しながら
    それ以上に各言葉の背景や歴史的意味に踏み込んでいるので
    理解が深まります。

    特に有意義だったのは、般若心経は大乗仏教の聖典であり、
    釈迦の宗教である小乗仏教とは違うもので、厳しい修行よりも
    衆世を救う事を一番に考えられたお経だという話。

    本書を読むと正直、空の概念なんかも眉唾ものに思えてきますが、癒しのお経という視点から見ると。
    今、死にたいくらい苦しい人に、すべてを捨てて

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    2020年08月15日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば

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    ブッダの言葉を短い詩の形にして423句に集めたのが「バンマパダ」で、日本では「真理のことば」と言われてるとのこと。その説明の書。

    『愚かなひとは、「私には息子がいる」「私には財産がある」などといってそれで思い悩むが、自分自身がそもそも自分のものではない。ましてやどうして、息子が自分のものであろうか。財産が自分のものであつたりしようか。』『子どもを自分の所有物だと思うから執着が湧き、自分の思うとおりに動かしたいという欲求が生まれてくるのです。親の思惑と現実が食い違った時、「ああ、つらい」と苦しい気持ちが生じます。「お前はどうして、私の言うことを聞かないんだ」と怒りの心も起こります。執着すること

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    2020年06月12日
  • NHK「100分de名著」ブックス 般若心経

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    般若心経は、ブッタの教えとは異なる解を説いてるお経ということが、歴史の背景などを踏まえて分かりやすく説明されてます。不安な気持ち、何から大事を成す時など、モノの原理では説明できないような「神秘的」なモノに頼りたいと思う我々の弱さをサポートしてくれる働きを、この経に触れることで感じる事ができる。「生きるための杖」と言う言葉がよかったです。 あまり気にする事も無かった仏教の事、そこで解かれてる考え方について色々勉強できました。

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    2020年05月06日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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    我々が今日触れる”仏教”緒宗派について、ブッダからその歴史を辿って整理している。
    聴講生を前にした講義形式で記されている点が、理解しやすく、整理された無いようになっている。
    日本仏教の全体像を、一つの方向から見渡すことが出来たと思う。

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    2020年05月02日
  • 本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか

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    ・とても分かりやすく解説している本です。初心者におすすめです。

     佐々木閑さんは冒頭「まずは、仏教が生まれる前のインドがどのような状況であったかを知っていただいて、お釈迦様はなぜその時に仏教をつくらなければいけないと考えたのか、それを理解していただかなければなりません」と書いています。

     そう考えると、釈尊は決して自分の苦を乗越えるためではなく、社会から苦を無くしたいと思って出家されたのかもしれません。釈迦族が滅ぼされる時も決して闘おうとはせず、自ら到達した諸行無常の境地を貫いた釈尊にも、強い怒りや深い悲しみに襲われることがあったと思います。

     現代の日本において、仏教というと、どうして

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    2020年04月29日
  • NHK「100分de名著」ブックス 般若心経

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    ネタバレ

    「100分de名著」の「法華経」のテキストを読んで仏教の話に興味を持ったので読んだ本。「般若心経」の成り立ち、内容など知りたいことを知ることができて良かった。「般若心経」は釈迦の教えとは異なるお経という話と「羯諦(ぎゃてい)、羯諦(ぎゃてい)」という呪文のところ、「般若心経」が「耳なし芳一」の中で使われているという話が印象に残った。この本を読んで「真理のことば」が読みたくなった。

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    2020年03月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス 般若心経

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     般若心経がとなえられている大乗仏教とそうでない釈迦オリジナルの仏教との違いを明らかに読み説かれています。
     修行ができない人を含む多くの人が救済されることを目指した大乗仏教では、すべてのものが空であるこの世で人智を越えた神秘の力を信じさせてくれるのが般若心経のようです。仏教初心者の私ですが、読みやすかったです。

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    2020年01月05日
  • 出家的人生のすすめ

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    仏教に興味を持つ人の多くは悩んでいる人だと思います。そして、やりたい事だけをしたい、というより殆どが、現状がイヤだけどやりたい事も見つからない、と言う人でしょう。

    そんな人たちでも出家的人生は可能でしょうか❓この本を読んだら、ぼんやりと可能性を感じました。

    サラリーマン生活に疑問を覚え、複業の小さな会社ビズフォリオを始めました。ビズフォリオがサンガのような存在になってくれたら良いのになあ、と思っています。『自分の頭で考えなさい』と仏陀は言いました。この先、出家的複業生活を模索していきます❗️

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    2019年11月24日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    冒頭にハリラの仏教についての記述を紹介しているが、的確な指摘の連続で、イスラエルの歴史学者がここまで仏教を理解していることに宮崎は驚いているが、私もハリラの分析力に感心した.本論に入ると、宮崎と佐々木の討論が始まるが、宮崎が次々と繰り出す論点に佐々木は冷静に対応しているが、読者からすると、宮崎の知識の開陳の連続という感じがした.釈迦が実際に述べたことを忠実に伝えているとされる文書はほぼ確定されたようだが、研究は緒に就いたばかりという感じだ.「仏」、「法」まで読んだが、難しい!日本にはびこっている鎌倉仏教との相違点だけを重点的取り上げて欲しい.日本の仏教と釈迦の原点はかなり異なっている感じがする

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    2019年02月28日
  • 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話

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    仏教学者とゴリゴリの物理学者の対話。
    ビッグバン理論などで宇宙の始まりは「無」だった(宇宙の誕生は偶然だった)、という考え方が浸透してきた。こうした理解と、「超越者の存在を認めず、現象世界を法則性によって説明する」(P.144)原始仏教は実は似たところがある、と。

    とは言え、「仏陀は量子論を知っていた」というような説は二人とも強く否定する。個人的には、宇宙とは何だろうと考えているときに、最新の物理の知見がない人も偶然に似たような世界観を思い描くこと自体面白い気もするが、学者二人はそれを以って「仏教と現代物理学は矛盾しない」などといったことは言わない。

    西洋が、科学の発展とともに「宇宙に意味

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    2019年01月01日
  • 日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話

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    仏教に関した話題を100話。特に釈迦の仏教、原始仏教、根本仏教と言われるものの考え方を紹介する。著者は律の研究者。もともと工学部を出て文学部哲学科の仏教学に入りなおした異色の研究者。

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    2018年10月20日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    科学の発展と仏教の発展を重ね合わせて書かれている。
    物理学、生物学、数学の説明でほとんど終わり、肝心の仏教はオマケのように後半に登場する。
    だが、その構成のためより仏教が科学的に分析出来るものであり、現代のコンテンツにおいても仏教の思想は取り入れるべき要素が多いことが感じられた。
    多くの宗教は「救われること」を求められて広がっていった。
    現代でも仕事や何らかの活動を通して「救われること」を求めている人は少なくないのではないだろうか。
    その仕事を通して、誰を助けるかという文脈だけでなく、やる側はどう救われるのかという精神性にも注目していきたい。

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    2018年09月19日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    釈迦の本来の教えである上座部仏教と大乗仏教との違いを三宝(仏・法・僧)の観点で対談形式で説明している。大乗仏教の中でも日本の仏教が特異であることがわかった。

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    2018年09月02日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    パラダイムシフトが化学の人間化(神の視点→人間の視点)と共に発生するって考えはなるほど、と思った。そのことと仏教の関係は理解できてないからもう一度読み直さないといけない。あと量子論ってやっぱり不思議だ。観測することで結果が変化ってなんか変だよね。これを覆す理論がいつか出そうに思えるんだけど、これも最終的に神の視点ってことになるのかな(^^;) 本筋とは違うけど日本に伝わる仏教は原始のものと全然異なってるってのは勉強になった。

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    2017年12月25日
  • 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話

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     対談でもあり、お二人の話、とても分かりやすく刺激的でした。超弦理論も始めて、分かったような気にさせてくれました。佐々木閑先生を存じ上げず、釈迦から大乗仏教へ至る歴史的な経過は、ただ驚くばかりでした。大乗仏教が、壮大なイリュージョンなのではとすると、妙に納得できました。超弦理論で、ラマルジャンの数式が紹介され、驚きとともに再度興味が掻き立てられました。

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    2017年11月18日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 最期のことば

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    お経によって仏教観は全く異なってくるということをこの『涅槃教』で実感した。今まで描いたいた釈迦のイメージとは違っていた。

    〈本から〉
    お前たちは「もう我らの師はおられない」と考えてはならない。私の説いた法と私の定めた律こそが、私亡き後の師である。

    もろもろのことがらは過ぎ去っていく。怠ることなく修行を完成せよ。

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    2017年03月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば

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    科学者的視点から原初仏教が解説されていて、興味深く読んだ。印象的だったのは大乗仏教との違いに触れたところで、「どちらが良い悪いと言う話ではない」と教義や宗派の違いを肯定的に捉えていた事。なるほど仏教では宗教対立が起こりにくい筈だ。また仏教は自分を見つめる宗教であり、積極的に布教する動機に乏しいと言うのも納得。一部の仏教系新興宗教がこれらに逆行する活動をしているようだが、本来の仏の教えと離れすぎているように思われる。

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    2016年10月05日