佐々木閑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
●本書抜粋
「どんな音にも驚かないライオンのように、網に捕らえられることのない風のように、水で濡れることのない蓮のように、犀の角の如く、ただ独り歩め」
お釈迦さまが考える仏道修行者の姿。今の自分に当てはめて、自分を奮い立たせることが出来る言葉だと感じた。
⚫︎本書解説
本書は、お釈迦さまの仏教、日本に伝わった大乗仏教、仏教と現代社会問題について古舘伊知郎氏と仏教学著名の佐々木閑氏における対談形式でまとめられている。
お二人とも、お釈迦さまの仏教を信じ実践しているが、大乗仏教には大乗仏教の良さがありどちらが良いということはないとの事だ。
自我を完全に無くすことは難しいが、少しでも我を抑 -
Posted by ブクログ
ネタバレNHK「100分でde名著」で放送された「ブッダ 真理のことば」のテキストを一部加筆・修正等された本。
ブッダの言葉を短い詩の形にして集めた「ダンマパダ(真理のことば)」を取り上げてあるとのこと。
一切皆苦、恨みから離れる、執著を捨てる、正しいものの見方、の4章から成り立っている。
どれも身につけたら楽になるんだろうけど、それができないから苦しいんだろうなあということはわかった。
実践できるものがあるかな。試してみたい。
・自分自身の努力によって心の煩悩を断ち切ること、これこそが一切皆苦のこの世界で、真の幸福を手に入れる唯一の道
・「釈迦の仏教」の最大の特徴は「自己鍛錬システム」。神秘的な -
Posted by ブクログ
大乗仏教の入門書という位置付けだけど、知らないことが一杯だった。
まずは、釈迦の仏教と大乗仏教がかなり違う、ということ。ある程度、違うことはわかっているが、やはり大乗仏教の国に生きていると、ブッダの教えの連続性の方に目がいく。が、やはり根源的なところで違うんだな。
その断絶が最初に現れたのが般若経。般若心経は、これまで関心を持って関連図書を読んできたが、そんなにブッダの教えとここでそこまで違ったかというのは驚きだ。そして、大乗仏教の理論化に貢献した龍樹については、著者はレトリックと詭弁で評価されすぎであると一蹴。そうか〜と。
で、法華経になるとさらに変質は進み、浄土経などなどとどんどん違 -
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科学と仏教。一見すると関係のなさそうなこの2つの間には、世界観を確立する方向性において重要な類似点がある、という。科学は神の視点を廃し、人間の視点によって納得できる物理的世界観を構築する方向に発展してきた(例:相対性理論、量子論、自然淘汰説、実無限など)。一方(釈迦)仏教は、神という超越的な存在をはじめから考慮せず、人間の視点だけで精神的世界観を構築する。神ではなく人間の視点で世界観を構築するという点が両者の類似点である、という考察は非常に面白い。科学は実験というコントロールできるミクロの現実を使って世界を捉えようとし、仏教は禅定によって世界全体を捉えようとする。この方法の相違も、先の類似点を
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大乗仏教では、凡人が仏陀になるためには仏陀に出会わなければならない、と考えるため、すでに釈迦が死んでしまったこの世界で如何にして仏陀に出会えるようにするかが要点となってくる。大乗仏教の主要な経典では、仏陀に出会える根拠付けが多様な仕方で説明されており、非常に面白い。人はみな過去(前世)に仏陀に出会っていると考えてみたり、釈迦仏陀は実は死んでいないとしてみたり(久遠実成)、パラレルワールドに仏陀はいると言ってみたり、仏陀はあらゆる世界にいて仏陀ネットワークを形成していると想像してみたり、1人1人の中に仏陀はいると主張してみたり、と想像力豊かで多様な仏陀イメージが出てきて楽しい。