佐々木閑のレビュー一覧

  • 世界史のリテラシー 仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立

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    佐々木氏はYouTubeでも仏教研究者/僧侶として多くの学びあるコンテンツを広く大衆に向けて発信している。本書の内容はそれとの重複はあるものの、仏教通史を日本から見通すという目的がすっきりと、コンサイスに示されており、初学者や関心のある市井の人にとって素晴らしい内容と感じた。

    原始仏教から大乗仏教、日本の仏教の歴史と広範なテーマをカバーしているので、もちろんかなり駆け足なのだが、抑えるべきストーリーを提示してくれるので面白く、まts身近に感じられる。仏教者は本書の内容を把握しておくくらいのことは、必要最低限なのではないかと思われる。

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    2025年12月21日
  • 世界史のリテラシー 仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立

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    日本人なのに日本の文化を説明できなくて凹んだ、というのと同じ理屈で、浄土真宗と曹洞宗には触れる機会があるけれど、何もわかっていない自分が歯痒くて、解説書を手に取りました。
    日本で仏教の宗派が数多く存在する事情や、僧が妻帯肉食を許される事情、神仏分離令など、本当は成人なら知ってて当たり前なことが、非常に分かりやすく説明されています。
    原始仏教について、もっと深く知りたくなりました。

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    2025年12月20日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 最期のことば

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    ネタバレ

    知らないことだらけですが、瞑想パートが特に興味深く参考になりました。
    「空」についても、そうなの…?!と驚き。

    最後の対談に、ものすごい丁寧な読書案内、ブッダの略年譜と、とてもとても勉強になりました。また読み返して、振り返りたいです。

    「自己鍛錬システム」という言葉には思わず頷かざるを得ませんでした。これは一つの杖として絶対に知っておいたほうがいいなと勝手に確信しました。

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    2025年11月26日
  • 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話

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    対話形式の本は読みやすくサクサク進むのが定番だが、深い深い知見を持った2人の対話は重みがあり過ぎて、非常に時間がかかってしまった。

    しかしまぁ読み終わってみれば心地よく知的好奇心が満たされたとも言える。

    物理学は専門ではない(仏教も専門ではないがw)ので知らん用語も出てくるが、それでも面白いと思え、物理学も勉強したいなぁと思う。

    SFの世界にはこの手の知識が反映されているので、知らず観るのと知ってから観るのでは大きな違いがあるだろう。

    少し噛み砕いた物理学の本でも探そうかなー。

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    2025年08月13日
  • 世界史のリテラシー 仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立

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    著者の本は、以前にも読んでいて、かなり重複があるのだが、コンパクトにわかりやすく仏教の多様性がどのように生まれたかを説明してあると思う。

    タイトルは、部派仏教とあるが、これは出版社との関係でそうなっただけで、内容的には大乗仏教、日本の仏教まで流れを整理してある。特に、日本の仏教関係の部分は目から鱗の議論がいくつかあって、勉強になった。

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    2025年05月28日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば

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    ブッタの言葉が端的な文として、アフォリズム的に語られている『真理のことば』の解説書。同じようなことを様々なたとえを用いて色々と言い換えて、伝えてくれているという印象。思っていたよりも数段読みやすく、これまで何となく宗教チックなんだろうとか、難解なんだろうなどと思い敬遠していたことを後悔した。

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    2025年04月20日
  • 世界史のリテラシー 仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立

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    同じ仏教なのに、なぜ宗派によって教えが違うのか、なぜ多種多様な教えがあるのか。
    釈迦が説いた仏教は、いつ、どのようにして部派に分裂し、なぜ大乗仏教に変容したのか。
    そして、日本仏教が、世界で最も特異な仏教とされる理由はどこにあるのか。
    仏教学の碩学が、仏教の謎を分かりやすく解説してくれます。
    本書を読むと、いかに日本の仏教が特殊なのかが分かります。

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    2025年03月14日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 最期のことば

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    たまたま手にとって読んだのですが、読んでみて良かったです。これまでキリスト経や西洋に関して調べることが多かったのですが、大乗仏教ではない、仏教に興味が湧きました。

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    2025年03月08日
  • 人生後半、そろそろ仏教にふれよう

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    原始釈迦仏教から大乗仏教まで、仏教の全体像を大まかに捉えることができます。仏教について深く知りたくなる内容で、入門書としておすすめです。

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    2025年02月01日
  • 人生後半、そろそろ仏教にふれよう

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    ●本書抜粋
    「どんな音にも驚かないライオンのように、網に捕らえられることのない風のように、水で濡れることのない蓮のように、犀の角の如く、ただ独り歩め」

    お釈迦さまが考える仏道修行者の姿。今の自分に当てはめて、自分を奮い立たせることが出来る言葉だと感じた。

    ⚫︎本書解説

    本書は、お釈迦さまの仏教、日本に伝わった大乗仏教、仏教と現代社会問題について古舘伊知郎氏と仏教学著名の佐々木閑氏における対談形式でまとめられている。

    お二人とも、お釈迦さまの仏教を信じ実践しているが、大乗仏教には大乗仏教の良さがありどちらが良いということはないとの事だ。

    自我を完全に無くすことは難しいが、少しでも我を抑

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    2024年11月21日
  • NHK「100分de名著」ブックス 般若心経

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    お釈迦さまの伝えた仏教と日本に伝わっている大乗仏教は内容が全く違う。
    般若心経に関しては、むしろお釈迦さまの教えを否定している。
    人の生きる指針としての神秘性があると筆者は述べているがそれは感じなかった。
    けど仏教の成立から分かりやすく書いてあって良書です。

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    2024年11月18日
  • 本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか

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     仏教とくに原始仏教に関しての概観を知ることができる。私はわりと思想や坐禅の方法論を学んできたのでサンガの話や釈迦の弟子たちの話などの歴史は新鮮で非常に面白く読めた。愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶと言うけれどやはり思想と歴史はセットで学ぶ必要があるなと思う。

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    2024年10月22日
  • 仏教の誕生

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    自宅で夜、本を読む時に読んでいたが、習慣が崩れてしまって停滞したためえらく時間がかかってしまった。

    佐々木先生の本はもっと講義の形式を取った、大乗仏教に続き2冊目だが分かりやすく頭に入ってくるのでありがたい。

    中村元さんの本で仏教知識を広げようと断念した身としては大変ありがたいことで。

    藤田師に思想を学び、佐々木先生に歴史を学ぶのが現状の私の学習のあり方だ。

    また涼しくなってきたので読書を楽しむぞ、と。

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    2024年10月14日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば

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    ネタバレ

    NHK「100分でde名著」で放送された「ブッダ 真理のことば」のテキストを一部加筆・修正等された本。
    ブッダの言葉を短い詩の形にして集めた「ダンマパダ(真理のことば)」を取り上げてあるとのこと。

    一切皆苦、恨みから離れる、執著を捨てる、正しいものの見方、の4章から成り立っている。
    どれも身につけたら楽になるんだろうけど、それができないから苦しいんだろうなあということはわかった。
    実践できるものがあるかな。試してみたい。

    ・自分自身の努力によって心の煩悩を断ち切ること、これこそが一切皆苦のこの世界で、真の幸福を手に入れる唯一の道
    ・「釈迦の仏教」の最大の特徴は「自己鍛錬システム」。神秘的な

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    2024年06月23日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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    何だかよく分からんな、と思っていた仏教。藤田一照師の著作を主に、紐解いていくきっかけをもらい。

    今回大乗仏教とはなんじゃい?と好奇心からこの本を手に取った。対談形式という手軽さと、佐々木閑氏の軽妙な語り口で見事、大乗仏教の成り立ちを学ぶことが出来た。

    なるほどねー、こうして大枠のガイドラインを引いてもらってそれぞれの点を紐解いていけば仏教についてより見識が深まる事だろう。

    面白くなってきた。

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    2024年06月13日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    大乗仏教の入門書という位置付けだけど、知らないことが一杯だった。

    まずは、釈迦の仏教と大乗仏教がかなり違う、ということ。ある程度、違うことはわかっているが、やはり大乗仏教の国に生きていると、ブッダの教えの連続性の方に目がいく。が、やはり根源的なところで違うんだな。

    その断絶が最初に現れたのが般若経。般若心経は、これまで関心を持って関連図書を読んできたが、そんなにブッダの教えとここでそこまで違ったかというのは驚きだ。そして、大乗仏教の理論化に貢献した龍樹については、著者はレトリックと詭弁で評価されすぎであると一蹴。そうか〜と。

    で、法華経になるとさらに変質は進み、浄土経などなどとどんどん違

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    2024年04月19日
  • 本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか

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    講座形式でブッダの生涯、仏教の基本を説明。初学者にもわかりやすく書かれている。ただ仏教分裂のところは著者の自己研究でディープな内容に。

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    2024年01月15日
  • 「律」に学ぶ生き方の智慧

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    仏教の経(教え)ではなく律(教団の法律)に焦点を当て、組織運営の秘訣を探る。わかりやすいエピソードが多い。頻繁にオウム真理教を引き合いに出して仏教の運営の素晴らしさを説いている。最後の方の科学者は出家だという論にはわかるところもあるが首を傾げる。

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    2024年01月15日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    科学と仏教。一見すると関係のなさそうなこの2つの間には、世界観を確立する方向性において重要な類似点がある、という。科学は神の視点を廃し、人間の視点によって納得できる物理的世界観を構築する方向に発展してきた(例:相対性理論、量子論、自然淘汰説、実無限など)。一方(釈迦)仏教は、神という超越的な存在をはじめから考慮せず、人間の視点だけで精神的世界観を構築する。神ではなく人間の視点で世界観を構築するという点が両者の類似点である、という考察は非常に面白い。科学は実験というコントロールできるミクロの現実を使って世界を捉えようとし、仏教は禅定によって世界全体を捉えようとする。この方法の相違も、先の類似点を

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    2024年01月08日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    大乗仏教では、凡人が仏陀になるためには仏陀に出会わなければならない、と考えるため、すでに釈迦が死んでしまったこの世界で如何にして仏陀に出会えるようにするかが要点となってくる。大乗仏教の主要な経典では、仏陀に出会える根拠付けが多様な仕方で説明されており、非常に面白い。人はみな過去(前世)に仏陀に出会っていると考えてみたり、釈迦仏陀は実は死んでいないとしてみたり(久遠実成)、パラレルワールドに仏陀はいると言ってみたり、仏陀はあらゆる世界にいて仏陀ネットワークを形成していると想像してみたり、1人1人の中に仏陀はいると主張してみたり、と想像力豊かで多様な仏陀イメージが出てきて楽しい。

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    2024年01月02日