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心の働きを微細に観察し、人間の真理を追究した釈迦の仏教。自然法則の発見を通して、宇宙の真理を追究した近代科学。アプローチこそ違うが、この世の真理を求めて両者が到達したのは、「人生の目的はあらかじめ与えられているものでなく、そもそも生きることに意味はない」という結論だった。そのような世界で、人はどうしたら絶望せずに生きられるのか。なぜ物事を正しく見ることが必要なのか。当代一流の仏教学者と物理学者が、古代釈迦の教えから最先端の科学まで縦横無尽に語り尽くす。
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Posted by ブクログ
自然の法則を研究し、宇宙の真理から粒子までの成り立ちを追究する近代科学。 人間の真理を追究し、涅槃に入る道を説いた釈迦の仏教。 この二つは一見全く違うもののように思えますが、世の中の真理を求めて両者が到達したのは、「人生の目的はあらかじめ与えられているものではなく、そもそも生きることに意味はない」と...続きを読むいう結論でした。 ではこのような世界で、どのように生きるのか、なぜ物事を正しく見ることが必要なのかを、一流の仏教学者と物理学者が語り尽くします。 最新の物理学は私の頭ではあまり深くは理解できませんでしたが、両者の共通点には驚かされるものがあります。 とにかく素晴らしい本です。
仏教の学者と素粒子の学者の対談。ビッグバン、相対性理論、量子力学。科学者のような釈迦、四諦、三宝。基本的な話とやや難しい話がうまくブランドされていてとっても面白かった。 ・キリスト教やイスラム教では唯一の神がいるが、釈迦は神ではなく法則を発見した。 ・この世は苦に満ちているが、消す方法はある。 ・...続きを読む修行ではなく、スーパーパワーにすがるのが好都合な大乗仏教が中国で主流→日本へ入ってくる。 ・一般相対性理論と量子力学がブラックホールで矛盾するのを証明したのがホーキング。
仏陀の「苦しみは現実の誤認から生まれる」という考え方と、最先端の物理学から明らかになってきた「本当の現実」を組み合わせ、最終的に「人はどう生きるべきか」という問いへのヒントを与えてくれます。現時点で私が最も影響を受けた本です。
宗教者の佐々木閑、宇宙物理学者の大栗博司両氏の対談。対談と言っても普通の会話のやり取りではない。宇宙物理学と量子論、原始宗教と大乗仏教に関する専門分野のセッションを3回にわたって行い、間に質疑が入る。最新の科学情報と宗教情報が融合して、生きることの意味を考えさせてくれる。(大栗博士の超弦理論は理解で...続きを読むきないが面白い、すごいと思う)以下は気になったメモ▼▼(大栗)死後の世界を佐々木先生はどう考えられますか。▼(佐々木)死んだ後の世界は信じません。釈迦の教えによれば、私たちの存在はたんなる構成要素のゆるやかな集合体にすぎず、それが生まれ変わり、死に変わりに際して離合集散していくのが輪廻だからです。そこには「自己」という不変の実在はありません。これを仏教では「諸法無我」と言います。もしも業のエネルギーがなければ、死によって発散した「私」は二度と再合成されないはずなのですが、そこに業が作用して、再び別の形で「私」を形成してしまうので、輪廻が繰り返されるというのです。▽私自身は業や輪廻という現象を信じませんから、結果として、私という存在は、「再構成の可能性を持たない、構成要素の緩やかな集合体だ」ということになります。それはつまり、私に死後の世界はない、ということを意味します。▽ここで申し上げておかねばならないのは、私自身が死後の世界を信じないからと言って、「死後の世界はある」と主張する人たちの立場を否定するつもりは全くないということです。大栗先生もおっしゃったように、「死後の世界があるかないか」という問題自体が、科学とは関わりのない宗教世界での問いですから、それに対する答えが科学的事実である必要がありません。▼(大栗)仏教では、意味がない人生をどうすればよく生きられると教えるのでしょう。▼(佐々木)釈迦は、「みんな同じようにこういう意味を持って生きろ」といったことは一切言いません。教えの内容は、日々の生活の具体的な方法を語る生活マニュアルなんです。そのマニュアルを実践することによって、自分が向上する、すなわち煩悩が消えていくことを確信する。
購入したのは1月になってからだ。 タイトルだけ見ると危なさを感じたが読み出すとその杞憂は払拭された。 宇宙物理学と釈迦仏教の融合点と相違点を客観的に知ることができる良書だ。 注意点としてはここで扱っている仏教は日本人が慣れ親しんでいる大乗仏教ではないところ。 個人的には奇蹟を認めない釈迦仏教や上座部...続きを読む仏教の方が正統であるし本質(真理?)であると思っているのでなおさら読みやすかった。
対話形式の本は読みやすくサクサク進むのが定番だが、深い深い知見を持った2人の対話は重みがあり過ぎて、非常に時間がかかってしまった。 しかしまぁ読み終わってみれば心地よく知的好奇心が満たされたとも言える。 物理学は専門ではない(仏教も専門ではないがw)ので知らん用語も出てくるが、それでも面白いと思...続きを読むえ、物理学も勉強したいなぁと思う。 SFの世界にはこの手の知識が反映されているので、知らず観るのと知ってから観るのでは大きな違いがあるだろう。 少し噛み砕いた物理学の本でも探そうかなー。
最近よく目にする、仏教と量子力学が繋がっていたという類いの話ではないことに安心感。科学と宗教それぞれの専門領域から世界を正しくみること、いきる意味を見いだすこと、苦しみを乗り越えることを目的とした説明が詳細になされている。
真理の探究 佐々木閑 大栗博司 答えが出る世界を 摩擦による有限界と言い 具体的な答えの出ない場を 有って無い無限と言うのでは無いか 果てしなく真球を目指す世界観が 手段として必要とするのは 重力場における有限界による 相対の関係なのでは無いか 鏡となる相手の存在から 我を知る為の情報得る 無限...続きを読むと有限の相対関係 神と悪魔の相対関係 意識と肉体の相対関係を 追求して行くことで 無限につながる集合意識を育てていく この果てしない冒険こそが 連鎖する生命環境なのではないのか
p144 “生きることは本質的にすべて苦しみであって、楽しみはその上に浮かぶ儚い泡のようなもの。その生きる辛さを自分の知恵で解消しろと釈迦はいうわけです。 ● 科学も仏教も生きる意味を与えない。ならばどうする? p185 (大栗)宇宙そのものに意味がないとすれば、生きる目的は最初から与えら...続きを読むれているわけではありません。目的や幸福感は自分で見つけるしかないでしょう
仏教学者とゴリゴリの物理学者の対話。 ビッグバン理論などで宇宙の始まりは「無」だった(宇宙の誕生は偶然だった)、という考え方が浸透してきた。こうした理解と、「超越者の存在を認めず、現象世界を法則性によって説明する」(P.144)原始仏教は実は似たところがある、と。 とは言え、「仏陀は量子論を知って...続きを読むいた」というような説は二人とも強く否定する。個人的には、宇宙とは何だろうと考えているときに、最新の物理の知見がない人も偶然に似たような世界観を思い描くこと自体面白い気もするが、学者二人はそれを以って「仏教と現代物理学は矛盾しない」などといったことは言わない。 西洋が、科学の発展とともに「宇宙に意味がなく、人間にはあらかじめ目的が与えられていないことを明らかに(なった)」(P.33)ことに思い悩む中、仏教はもともとそういう設定がなく、「苦」そのものである人生において「修行によって自分を変えていくプロセスそのものが、自分の生き甲斐になると考える」(同)という点が興味深かった。
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真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話
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