あらすじ
「見えない力」を味方にする
日本人にとって最もなじみの深いお経といえる『般若心経』。その実体は、「釈迦の仏教」を乗り越え、自らが仏へと至る“神秘力”を得るための重要なファクターだった――。
「空」とは何か。「色即是空」の意味とは? わずか262文字の言葉に、般若経の神髄を表したとされる“呪文経典”の全貌を知る。
※テキストにはない、書き下ろしの特別章〈「私とはなにか」を再考する〉所収。
感情タグBEST3
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般若心経の「ぎゃーていぎゃーてい はーらーぎゃーてい はーらーそーぎゃーてい ぼーじーそーわか」というところは神秘なパワーを頂戴するためのおまじないだったんだね。
私たちは、物事を考え抜いてもう自分でできることはない状況の時「最後は神のみぞ知る!」と言う。科学では存在を証明しえない神のパワーにすがりがち。この精神は般若心経に通じているな。
般若心経はお守りとしてありがたく拝受しておこうという著者のスタンスにも共感できた。
羯諦 羯諦 波羅羯諦
波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
Posted by ブクログ
お釈迦さまの伝えた仏教と日本に伝わっている大乗仏教は内容が全く違う。
般若心経に関しては、むしろお釈迦さまの教えを否定している。
人の生きる指針としての神秘性があると筆者は述べているがそれは感じなかった。
けど仏教の成立から分かりやすく書いてあって良書です。
Posted by ブクログ
わずか265文字で記された大乗仏教のお経。般若心経。
信心深くなくとも、聞いたことはあるほど日本人には馴染み深いお経です。
全文漢字なので、なかなかわかりにくいのですが
本書では各文節の意味を訳して、理解を促しながら
それ以上に各言葉の背景や歴史的意味に踏み込んでいるので
理解が深まります。
特に有意義だったのは、般若心経は大乗仏教の聖典であり、
釈迦の宗教である小乗仏教とは違うもので、厳しい修行よりも
衆世を救う事を一番に考えられたお経だという話。
本書を読むと正直、空の概念なんかも眉唾ものに思えてきますが、癒しのお経という視点から見ると。
今、死にたいくらい苦しい人に、すべてを捨てて修行に身をささげろというのは余りにも酷であり、そんな人たちでも一縷の望みや救いを見出せる神秘と考えると、そういう余白も必要だろうと思えてきました。
著者のバックボーンが自然科学者なので、そういった解説にも納得しやすいです。
良い本でした。
Posted by ブクログ
般若心経は、ブッタの教えとは異なる解を説いてるお経ということが、歴史の背景などを踏まえて分かりやすく説明されてます。不安な気持ち、何から大事を成す時など、モノの原理では説明できないような「神秘的」なモノに頼りたいと思う我々の弱さをサポートしてくれる働きを、この経に触れることで感じる事ができる。「生きるための杖」と言う言葉がよかったです。 あまり気にする事も無かった仏教の事、そこで解かれてる考え方について色々勉強できました。
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「100分de名著」の「法華経」のテキストを読んで仏教の話に興味を持ったので読んだ本。「般若心経」の成り立ち、内容など知りたいことを知ることができて良かった。「般若心経」は釈迦の教えとは異なるお経という話と「羯諦(ぎゃてい)、羯諦(ぎゃてい)」という呪文のところ、「般若心経」が「耳なし芳一」の中で使われているという話が印象に残った。この本を読んで「真理のことば」が読みたくなった。
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般若心経がとなえられている大乗仏教とそうでない釈迦オリジナルの仏教との違いを明らかに読み説かれています。
修行ができない人を含む多くの人が救済されることを目指した大乗仏教では、すべてのものが空であるこの世で人智を越えた神秘の力を信じさせてくれるのが般若心経のようです。仏教初心者の私ですが、読みやすかったです。
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小さいころから読んでいた般若心教について、成立過程を含めてその内容を分かりやすく解説している良書。
しかし個人的には「すべてが空」とする般若心境の教えより、筆者が言う「釈迦の仏教」のほうが納得感のある教えであると感じた。
Posted by ブクログ
般若心経というものが釈迦の教えを否定したものから始まった。釈迦の説いた教えは大衆には厳しすぎるから、大衆に受け入れられやすいものにされたのが般若心経。大乗仏教を学んで理解を深めたい。
Posted by ブクログ
色即是空は聞いたことがあったが、仏教がこれほどまでに構造的に世界を整理していること、それを超えて空であることを般若心経は言っていること。因果律だけが考え方ではない、という意味で、思考の幅を広げてくれた。