佐々木閑のレビュー一覧

  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    パラダイムシフトを繰り返し進んで行く科学の思考法・世界観の方向性とブッダの創始した仏教の思考法・世界観とが相似形であるということを論じた一書。ブッダの本だというのに、全302頁中、ブッダが本格的に登場するのが233頁。だからつまらないかというと、そんなことはなく、筆者の博覧強記ぶり、さまざまな学問分野の歴史のエッセンスをぎゅっとつかみ、分かりやすく読者に提示する手つきが素晴らしい。こういう類いの本(特に歴史書など)は学問的にちゃんとしようとするあまり、学問的には正確な記述なんだろうけど、「結局何がどうなの?」となることが多いが、実に本質を分かりやすく伝えてくれる。そして、上座部仏教の方がブッダ

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    2024年04月25日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    身の回りに起きている自然現象、当たり前に受け入れているそれぞれの、改めてみるとなんと不思議なことか。
    初期の哲学者が科学者たり得たこと。

    神が創った世界を解明するための科学から、
    神ではなく人間が知覚する世界を記述しようという態度への変化。

    ヴィパッサナーは本来的な仏教の教えに限りなく近かった

    人間を通して物理的世界を究明する科学、
    人間を通して精神的に世界を追究する仏教(本来の)

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    2024年04月18日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    科学と仏教という、一見したところどうにも関連づけようのないふたつの分野の隠れた関係性を明確化するというのが本書の目的なのだ

    Location: 182

    その際、デカルトは、探求のための言語として数学を用いることの有用性に気づいた。感覚的経験よりも数学的確実性を重視し、数学を用いれば物質世界の法則を一般化して語ることができるということを指摘したので

    Location: 245

    科学が人間化していくという現象を示すために、典型的な事例を選んで考察していこうと思っている。最初に物理学を考えた。次に生物学、特に進化学について見ていくことにする。ここにも、科学の人間化を示す事例が数多く見出さ

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    2023年07月21日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    釈迦の仏教から
    大乗仏教
    その分化へ。

    多様性は、結局のところ「かんたんさ」によって担保されていく。

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    2023年02月12日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    ネタバレ

    第一講:「釈迦の仏教」から大乗仏教へ
    ・日本に入ってきたのは大乗仏教
    ・もともとの釈迦の教えは時代を経て分派し、若干の解釈の違いを認め合う「部派仏教」へそれぞれ分派していった
    ・部派仏教の中で同時多発的に「大乗仏教」の考えが生まれはじめた
    ・「釈迦の仏教」では修行を積み阿羅漢(ブッダの下位存在)を目指すというゴールに対し、大乗仏教では「ブッダ」になることをゴールとし、輪廻転生を通して善行を積むことがブッダになるための近道と考えた。

    釈迦の仏教では、自身の修行を見せることで、他者にこういう救いの道があるのかと「気づき」を与える考え方の一方、大乗仏教では、自分を犠牲に他者を救うという考えの違いと

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    2022年12月17日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    多層で複雑怪奇な仏教について、ほんの少し知ることができた。というか仏教は多層で複雑怪奇なものであると知ることができた。
    また「なぜ原始的な仏教と日本の仏教は全然違うのか」という謎も少し知ることができた。
    大乗仏教と原始の仏教は随分と異なるものであると、具体性を持って学ぶことができた。それでも、日本の仏教は日本の風土風俗に合った進化を遂げたものだと思うので、それはそれで良いのだと思う(祖先の墓が寺にあることは事実なのだし)。
    それでも現代日本人に「貴方達が拝んでいる仏教と本来の仏教は全然違うものですよ」と言ったら大体反感食らうだろうな。

    パラダイムシフト…流行りのビジネス用語で言えばゲームチェ

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    2022年09月23日
  • 宗教は現代人を救えるか

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    仏教の佐々木先生とキリスト教の小原先生の対談。小原先生のYouTubeチャネルで紹介されていたので読みました。仏教とキリスト教の比較にとどまるのではなく、宗教の存在意義、宗教の将来というさらに高次元のテーマにも踏み込んでおり面白かった。特に、第3章のネットカルマなどは、ネット革命のその先のテーマを予感させるもので興味深かった。サピエンス全史が好きな人におすすめしたいと思う。

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    2022年06月25日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば

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    仏陀の教えと、日本の仏教が大きく違うことがわかりやすく解説されています。雑学的に知っていましたが、きちんと理解したのは初めてでした。巻末の参考図書を読んでみようと思い

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    2022年03月20日
  • 日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話

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    ネタバレ

    もともとは朝日新聞に連載されていたコラムを下敷きに加筆修正されたものらしい。これまで読んだ本は、お釈迦様の仏教や法句教、涅槃経、法華経などお経をベースとした教え、それぞれの違いの紹介だったりしたので、佐々木先生本人が実際にどう思い、どう感じているかは推測の域を出ていなかったのですが、今回は科学者目線も持っている佐々木先生の目線での考えが随所に盛り込まれて、より頭の整理ができるような本でした。
    特に、「私は釈迦の信者だが、輪廻の実在性は信じない」というのは、現代人としてのスタンスが明確で、ではお釈迦様の仏教に何を求めているのか、何をゴールとしているのかが垣間見れるような気がしました。先生の言葉に

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    2022年02月10日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    めちゃくちゃおもしろかった。
    私は、釈迦の仏教(「私」という虚構を実在と感じてしまうことがあらゆる苦しみの原因であり、それを取り除くことで輪廻から離脱して至高の安楽に至ることができる)のうち輪廻や業を除く部分に強く同意しつつ、精神をそこまで高めたいと願いながら世俗にまみれて暮らす自称修行者に過ぎないが、大乗仏教と釈迦の教えの関係がいまいちわかっていなかったため、本書が大変参考になったし、何より、仏教が発展しつつ変化していく様が生き生きと描かれていて楽しかった。

    釈迦の仏教「『私』は虚構。肉体や感覚という実在の集合体に勝手に意味とまとまりを見出だしているに過ぎない。無我に至れば苦しみは消える。

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    2022年01月18日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    対談本なので話が飛んでごちゃごちゃするかと思いきや、ものすごく構成が明確で、あまり仏教学に縁のなかった身でも良い感じで理解することができた。
    特に「法」に関するテーマの対話が圧巻。
    仏教が、「私」は仮の存在に過ぎないのにそれを実体を伴う本来的に不変で安定したものである錯覚してしまうことからあらゆる苦が生じることを理解し、全てが流転していく世界の縁起をただしく見ることで苦を回避するための教えであることが良くわかったし、長年の疑問であった、それなのになぜ輪廻や霊魂や他力本願が同じ仏教から出てくるのかという問いに対して、大乗仏教がブッダの説いた初期仏教を反転させてむしろキリスト教に近いほどの超越者で

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    2021年12月03日
  • 科学するブッダ 犀の角たち

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    佐々木閑氏は100分で名著で知った。当時メンタルがしんどかったので、見終わった救われた気持ちになった。仏教に出会えて良かったと思う。

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    2021年10月22日
  • NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 最期のことば

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    仏陀の最期のお言葉、もろもろのことがらは過ぎ去っていく、怠ることなく修行を完成せよ。刺さりました!感謝

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    2021年10月14日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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    大乗仏教を学ぶ一冊としては良書。ただ、100分で読み終わることはなく、その倍はかかるのは難点。私の場合、一度通読しただけでは内容を全部理解できていない。

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    2021年08月22日
  • 日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話

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    恥ずかしながら、宗教とは非現実的な事柄に大勢ですがることによって現実逃避するものという認識でしかなかった。

    しかし、この本を読み、仏教(中でも仏教原理主義といわれる仏陀が説いた仏教)は、非現実的な神や死後の世界や輪廻を否定し、現実を生きるという苦行をいかに和らげるかということを主題とした、心のコントロールを目的とした超現実的な宗教ないしは思考であることを知った。

    私たちが歴史の授業で学んだ南無阿弥陀仏を唱えれば極楽浄土に行けるといった浄土宗のような仏教は、既に日本に伝わるまでの間、そして伝わった時の日本の状況によって大きく歪められた結果の産物であるが、それすらも仏教の大元の考えに寛容な姿勢

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    2021年05月29日
  • 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話

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    自然の法則を研究し、宇宙の真理から粒子までの成り立ちを追究する近代科学。
    人間の真理を追究し、涅槃に入る道を説いた釈迦の仏教。
    この二つは一見全く違うもののように思えますが、世の中の真理を求めて両者が到達したのは、「人生の目的はあらかじめ与えられているものではなく、そもそも生きることに意味はない」という結論でした。
    ではこのような世界で、どのように生きるのか、なぜ物事を正しく見ることが必要なのかを、一流の仏教学者と物理学者が語り尽くします。
    最新の物理学は私の頭ではあまり深くは理解できませんでしたが、両者の共通点には驚かされるものがあります。
    とにかく素晴らしい本です。

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    2021年01月21日
  • 本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか

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    釈迦の仏教の本質は、信仰ではなく、自己鍛錬にあります。
    生きることの苦悩と向き合い、自己の改良を説くのがブッダ本来の教えです。
    この釈迦の仏教を、ブッダ誕生以前のインド社会の構造、ブッダの生涯、弟子との逸話、サンガの生活規則など6つのテーマから解説します。
    著者は原始仏教の世界的権威佐々木閑先生。
    とても分かりやすく、しかも深いところまで解説されています。
    仏教を知るための入門書に最適です。

    「頭髪が白くなることで長老になるのではない。ただ年をとっただけの人は「むなしい老人といわれる」(ダンマパダ260)
    手厳しい言葉です。しかし本当のことです。年寄りだからまわりが大事に扱ってくれる、年寄り

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    2020年11月27日
  • 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか

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    青年との対話から大乗仏教の本質を明らかにします。
    般若経、法華経、華厳経、浄土教、密教、禅についての概説です。
    釈迦の仏教はどのようにして大乗仏教へと変わったのか。
    律を取り入れなかった日本仏教の特殊性や、鈴木大拙の間違い、大乗仏教一五〇〇年の常識を覆す「大乗起信論問題」の顚末も書かれています。
    これを読めば仏教の概論がよく分かります。
    必読書です!

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    2020年10月29日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    碩学佐々木閑と宮崎哲弥両氏の対談本です。
    仏教学者の佐々木氏はもちろんですが、宮崎氏の知見も、ものすごいです。
    あらゆる文献を縦横無尽に引用しながら、仏教の真実に迫ります。
    どのお経が「正典」なのか、「梵天勧請」はなぜ決定的瞬間なのか、釈迦が悟ったのは本当に「十二支縁起」なのか、日本仏教にはなぜ「サンガ」がないのか、などなど。
    「最強の仏教入門」とありますが、これは入門書以上のものです。
    よりいっそう仏教への理解が深まりました。

    これは仏教に限った話ではありませんが、組織はその維持や発展が自己目的と化したとき、思想を変質させ、人を堕落させます。内部に官僚制度ができあがってしまう。カトリックや

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    2020年10月21日
  • 出家的人生のすすめ

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    自分がやりたい事をやりたくて転職したはずなのに、結局自分の意思に反してやらなきゃ行けない事が出てくる。
    いっそ会社を辞めて自分の好きな勉強や仕事だけやって過ごせたらとも思うが、金銭欲と言う煩悩がどうしても消せず、実行に移せない。
    今年は、哲学の勉強とボランティアでの税務支援を実行し、出家的生活に少しずつ近づいていきたい。

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    2020年02月11日