やなせたかしのレビュー一覧
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ネタバレあんぱんを途中から見てたから情景がよく浮かんでとても読みやすかった。
やなせたかしさんの素直な気持ちが赤裸々に綴られていて、自分ではずっと「なぜかこれが人気になったのだ」「何もしたことのない私がなぜか声をかけられた」などと自信のない様子が伺えたが、その謙虚な姿ややなせさんの優しさに関係者も読者も惹きつけられたんだと思う。
後半の妻のぶさんへの思いは涙無しでは見れず、本当に素敵なパートナーなんだなと思った。最後までアンパンマンのパーティーなどおかしいこともいっぱいしてたみたいだけど、本人が言うように本当に天性のよろこばせ屋だったんだとこの本を読んで改めて思った。 -
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購入本。やなせたかしさんが正義とは何かを語っている本。読んでみた。
児童向けに書かれているので、とても読みやすい。やなせさんが半生を振り返りながら、色々とその時にどう考えていたのかが書かれている。正義についてだけではなく、どのような仕事をしてきたかとか影響を受けた人とか、アンパンマンのキャラクターの解説とか興味深い話ばかりで面白かった。
正義についても、戦争を体験しているやなせさんが語っているから説得力がある。子供に読んでほしいと思える良著。
以下付箋貼った所(個人用メモ)
P20 21歳で戦争に行った当時は「天に代わりて不義を討つ」と歌う軍歌がありました。「この戦争は聖戦だ」と勇ましく歌う歌です。僕も兵隊になった時は、日本は中国を助けなくてはいけない、正義のために戦うのだと思って戦争に行ったのです。
でも聖戦だと思って行った戦争だって、立場を変えてみればどうでしょう。中国の側から見れば侵略してくる日本は悪魔にしか見えません。
P26 悪いものは、いかにも悪い感じで現れるとは限りません。我々の社会は、なんでそんなことで騙されるのだろうということで簡単に騙されるものなのです。
P73 僕には師匠はいません。すべての人が師です。でも、一人選ぶとすれば宮城まり子かもしれません。構成も、作詞も、演出も、僕はみんな宮城さんに教えてもらいました。講義を受けたわけではありませんが、見て覚えました。今、目の前にいる観客のハートをつかむということでは天才的な人でした。
P120 ばい菌が全滅すると、人間も全滅する。絶えず両方が拮抗して戦っているというのが健康なんです。何人かは負けて死んでいくけれど、それも仕方がないんだよね、たとえ人間が善人ばかりだとしても、増えすぎちゃダメなんです。気の毒だけどそうなんです。誰一人死なないとなると、バランスが崩れて大変なことになる。
P123 愛と勇気だけがともだちさ
という歌詞があります。それで抗議がきたことがあるんだけど。これは、戦う時は友達をまきこんじゃいけない、戦う時は自分一人だと思わなくちゃいけない事だということなんです。お前も一緒に行けと道連れをつくるのは良くないんですね。
P149 人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。
悪夢よりは楽しい夢がいい。すべての人に優しくして、最後は焼き場の薄けむり。誰でもみんな同じだから焦ってみても仕方がない。そう思っています。 -
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周囲の子どもたちが漏れなくハマっていくアンパンマン。私ももちろん大好きでしたが、やなせたかしさんについては調べたことなく読んでみました。
短編エッセイ集になっており、読みやすさとやなせさんの人柄が伝わる内容。
元々漫画家さんであることも知らなければ遅咲きだったことも知らなかったことがお恥ずかしい‥。これからやなせさんの作品に触れたら、やなせさんらしいってついつい言いたくなりそうなほど身近な存在に感じさせてもらえる一冊でした。
子どもと接する時、子どもだからという勝手なフィルターを通して接するのではなく、1人の人間として接せられる人間でありたいな。 -
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ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そのためにかならず自分も深く傷つくもの。悪者をやっつけて派手派手しく自分をアピールすることではない。
悪人といえども、全部まっくろの悪人じゃない。善人にも悪い魂はある。悪い人間にも善良な部分はある。ただ悪いやつには悪い分領が多すぎるというだけで全部まっくろじゃない。
『逆転しない正義は献身と愛です。』 それは目の前に飢えている人がいたら一切れのパンをさしだすこと。
「自分の顔を食べさせるなんて変な話!」なんて思っていたずっーと前の自分が恥ずかしくなるくらいのやなせ先生の正義の概念。この思いずっと未来の子どもたちまで伝わるといいな。 -
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「アンパンは食べられる為にこの世に生まれたのですから、もし食べられなかったら、コチコチに乾いてしまって棄てる他はありません。
焼きたての一番おいしい時に食べてもらうのがアンパンマンのねがいであり本質です。」
この言葉だけでも読む価値はあった。世界広しといえど、自分が食材で食べられてもらって他を助けるのは後にも先にもアンパンマンだけではないだろうか。
悪人から、あるいは災害から自分を救ってくれた人は間違いなくヒーローだ。でもヒーローっていうのはそれだけじゃない。空腹で困っているときに手を差し伸べる、命を救うことだけじゃない、これもヒーローなのだ。アンパンマンからは誰もがヒーローたりえる資質があるのだ、という哲学を感じる。
人間が一番嬉しいことは、人間を喜ばせること。美しく生まれた人は美貌で、学問のある人は学問で、絵をかける人は絵をかくことで。
こういった前向きになれる温かな言葉が綴られている。子どもたちが喜ぶために全力で子どもに向き合っているからこそ温もりが溢れているように感じられる。
本作を読んだいま「やなせたかしはどういった人だと思われますか?」と聞かれたら、私は「温かい」と答える。
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時代を超えて、小さな子どもたちのヒーローであり続けるアンパンマンの作者という、ものすごい存在でありながら、やなせさんは一つも威張らず、ひょうきんな語り口でこの本を綴られていた。
日の当たるところに出るのにとても時間がかかったからこそ、アンパンマンは底無しに優しく、弱きものの味方であり続けられるんだろう。やなせさんが戦争を経験されているのも大きいのだろう。正義は往々にして逆転する。だからこそ、逆転しない正義を描きたかったのかもしれない。
うちの1歳の子どももアンパンマンが大好き。たくさんの人が子どもの頃にアンパンマンのあの優しい笑顔に勇気をもらったのだと思うと、その唯一無二の存在こそ、なんて尊のだろう。 -
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94歳で逝去されたやなせたかし先生が90歳で執筆された自伝的哲学エッセイ。
我が子もそうだけれど、まわりの幼児達を見ていても、小さな子供のアンパンマンへの愛は異常に強くいつも驚かされる。何がそんなに子供達の心を打つのか、ヒントを掴みたくて読んだ一冊。
先生はきっと幼い自分自身を救いたかったのだろうなぁ。辛い幼少期を過ごされていることが印象的だった。
7歳のとき母に捨てられたこと。
手先が不器用なことがコンプレックスだったようで、小学生時代、図工の工作で作った竹とんぼが、クラスで自分ただ一人のものだけ飛ばずに足元に落ちてしまったこと。
中学時代には自殺しようと家を出て警察沙汰になったこと。
幼いやなせたかし少年を抱きしめてあげたくなる出来事が多く回顧されていた。先生はアンパンマンというヒーローに、そんな孤独な少年時代の自分を救ってほしかったのではないかと思った。そうやって真剣に作られた愛のヒーローだからこそ、たくさんの幼い子供たちの心を打っているのではないだろうか。
アンパンマンワールドに登場するキャラクター達に凝らされた具体的な工夫も興味深かった。
なんと先生はアンパンマンシリーズにおいて2000を超えるキャラクターを生み出しているのだけれど、①キャラクターの形は基本的にコンパスや定規で描ける丸や線を基本として、変則的な形のものはできるだけ作らない、②手には基本的に指を描かず丸い形にしている、という原則がある。このことにより、アニメ化するときに作画が楽で、ぬいぐるみなどのグッズを作るのも容易になる、というメリットがあるそう。アニメやグッズが作りやすい(流通しやすい)というのも、子供たちや親の目にキャラクターが触れやすく、これほどまでに愛されている要因なのかもしれない。
先生は、アンパンマンに影響を与えた作品として、『フランケンシュタイン』、『風と共に去りぬ』、井伏鱒二の詩集などを挙げている。どの作品も子供向けのものではなく、アンパンマン自体は子供向けの作品でも、根本には硬派な哲学や倫理観が流れているのだなぁと感じた。
かつて子供の頃、私自身もアンパンマンを愛していた。大人になってこの風変わりなヒーローのことを一度は忘れていたけれど、今親になって再びアンパンマンに助けられている。
先生は幼い自分自身を救えたでしょうか。亡くなる直前まで舞台挨拶や制作活動に携われていた先生。
本当にお疲れ様でした。
こんな素敵なヒーロー達を子供達に与えてくださって、ありがとうございます。 -
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ネタバレ"正義"という言葉が世の中のいろんな問題の諸悪の根源になっている気がしていて、正義というタイトルの本には反応してしまう
"正義とは愛と勇気"というやなせさんの考え方を知れて良かった
それから、アンパンマンには興味が無いけれども、この本で紹介されていたアンパンマン誕生秘話は印象に残っている
やなせさんが50歳過ぎて世に出したアンパンマン
最初のアンパンマンは、あんぱんを子どもたちに手で配り歩くオジサンだったらしい笑
スーパーマンみたいな見るからにヒーローな正義の味方ではなく、見た目パッとしなくてもお腹の減った子どもたちにあんぱんを食べさせるような正義の味方にしたかったんだって
I’ve been feeling lately that the word "justice" is often at the root of many problems in the world, so I find myself reacting whenever I see a book with "Justice" in the title.
I’m glad I was able to learn about Yanase-san’s perspective—that "Justice is love and courage."
Also, while I’m not particularly interested in Anpanman itself, the story behind its creation shared in this book really stuck with me.
Yanase-san was over 50 years old when he finally introduced Anpanman to the world. Apparently, the very first version of Anpanman was just an ordinary middle-aged man who walked around handing out bean buns to children by hand! (lol)
He didn't want a "hero of justice" who looked like a typical superhero, such as Superman. Instead, he wanted to create a hero who might look plain and unimpressive, but who would feed hungry children. -
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2026 04/24
二十二歳で戦死した弟を想う詩。子どもの頃からの思い出と弟への想い。同性の兄弟だから思うところは色々あると思う。優秀な弟に劣等感を持つ兄。やなせさんの中ではいつまでも二十歳前後の成長していない姿の弟。
優しい絵とシンプルな文が、心を締め付けてくる。
特に『シーソー』が印象的。
シーソーをかなしいあそびと言うなんて。
「一方があがれば 一方がさがる 水平になることは一度もない」
小さい時は弟は病弱で成績も悪かった。兄は健康で成績は上等。中学生になってから立場は逆転。
「それでもぼくらは仲良しだった」
シーソーをもう一度したいと思ってもひとりぼっちではできない。いつまでもずっと弟と仲良く競争したかったんだろうと思うと、弟を奪った戦争の悲劇、無情さが胸に迫る。
『珊瑚』も辛い。
「なぜぼくだけが生きのこり なぜぼくだけがここにいる」
よくある言い回しだけれど、心からの叫びだと思う。あの時代の生き残った人たちはみんながきっと思っている。辛い思い。
表紙を開いたらシンプルな星。星々の中に流れ星がひとつ。
目次の次のページには『風の中』の冒頭の、
「弟よ 君の青春はいったいなんだったのだろう」
やなせさんの弟への想いが溢れているように感じた。
最後の
「過ぎてしまえば人生も夢と同じだ。どこまでが夢で、どこまでが現実なのかわかりにくい」
色々な経験を経て辿り着いたやなせさんの真理なのかもしれない。 -
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『アンパンマン』の作者である、やなせたかしさんは様々な苦難を乗り越え、生きる意味を問い続け、心の中に刻まれた想いや記憶を多彩な創作活動に込められてきました。
そして辿り着いたのが、かっこ悪くても本当に困っている人に一片のパンを与えられる「アンパンマン」。
朝ドラでも感じましたが、「自己犠牲」や「命を与える正義」という意味では「戦争」という理不尽な現実により命を奪われた弟の千尋が「アンパンマン」に色濃く反映されているのではないかと改めて。
弟との関係性が垣間見え、深い愛情を感じられる作品が本作。
特に「シーソー」の詩が印象的でした。
「シーソーは楽しい遊び。でも乗っている時のように二人の心は均等に平らになることはない…それでも僕たちは仲良しだった。今はシーソーしたいと思ってもひとりぼっちでできない」といった内容。
やさしい絵ですが、モノクロで切ない。
老いても墓前で途方に暮れていたであろうたかしさんを想うと胸が詰まります。
朝ドラファンの方は是非。