やなせたかしのレビュー一覧
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私はやなせたかし氏の一ファンです。
母からのすすめで読んだが、本当に氏は偉大な人だと再認識。直接話したことがなくても、氏のことを話せば顔が柔らかくなる人は決して少なくないだろうと思う。
簡単なことではないだろうけど、本当にやなせさんのような姿勢の人になりたいと思う。
自分の人生のお手本として読んでも、焦りが少し和らぐような、やさしい本になっている。
途中下車せずに立ち続けたら、あるとき目の前の席が空いた。人生には椅子取りゲームのようなところもある/正義とは、自分の身を犠牲にしてでも人を助けようとすること/キャラクターはそのうち勝手に動き出し、作者はあとをついていくだけ/後輩にも気を遣う本当に -
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やなせたかしさんの晩年のインタビュー本。
生い立ちから、100年後の世界に向けてのメッセージ。
中にあるのは一貫した人生観。
戦争を通じて得た、
「それぞれの立場を言い合う。言い合っている限りは戦争は終わらないし、なくならない」といった言葉は非常に重い。
また
「楽にお金を稼ぐということばかりを考えているのではなく、自分のやっていることが世間にどういった影響を与えていくのか、ということを考えること」が重要とも。
児童文学に最初は志向がなかったものの、次第に天職とかんがえるようになる経緯などは非常に参考になりました。
文末、自分の人生の晩年を夕暮れに例えた「夕日の歌」という詩が掲載されているので -
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まず90歳のときに書かれた文章とは思えない文章にびっくり!
私のイメージする、朗らかで優しそうなお爺ちゃんのやなせ先生そのままの、柔らかいけど、でも確固たる信念のある言葉で語りかけてくるような、そんな文章でした。
今となっては漫画やアニメでは必ずしもヒーロー=正義=強い、というわけではなくなり、弱かったり地味だったりダークヒーローみたいな登場人物も珍しくありませんが、やなせ先生はそういった正義のあり方について早くから考えていらっしゃったんですね。
そしてあんぱんマーチ、子供の頃から幾度となく歌ったり読んだりして歌詞はしっかり覚えていますが、やっぱり何度見てもいい歌詞だ… -
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朝ドラ「あんぱん」をずっと見ていて、番組が終わってからやなせさんの本を読もうと思ってました。
参考にした作品名など正直なところや、毒舌なところもたまにあり、やなせさんは温厚なイメージから意外に思えて、面白かったです。
また、現在のばいきんまんの羽が小さくなったのは、UFOに乗るので羽が不要になったからなど、ユーモアを交えて書かれています。
アンパンマンや幼少期やこれまで関わった仕事のことが書かれている1,2章もよかったが、3章「正義の戦い方」(これまでを振り返った仕事への取り組み方など)の言葉がどれも印象的でした。その中で、以下の2つについては、私も勇気づけられました!
P.135メソ -
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やなせたかしという人物は謙虚さの塊で愛に溢れた方なんだなとこの本を通して感じた。
何かを続ける、貫き通すというのは非常に難しい。
だっていろんなところに逃げ道はあるし、
自分を守るためには必要な手段だとも思うから。
だけど彼は最期まであきらめなかった。
多分、彼は自分軸ではなく他人軸を大事にし、
誰かを喜ばせることに全振りされているのだろうな
だからこそ、亡くなった後も彼の築いた作品の数々は廃ることなく輝き続けている
きっとこれからも。
作品は嘘をつかない、
思いの籠った作品は受け取り手にしっかり伝わる。
朝ドラを通じてやなせたかしという偉大な人物を知ったように、これからもたくさんの素敵 -
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ネタバレ「戦争を語る人がいなくなることで、日本が戦争をしたという記憶が、だんだん忘れ去られようとしています。人間は、過去を忘れてしまうと同じ失敗を繰り返す生き物です。」
やなせさんが戦争時代を生き抜くことができたのは、偶然の重なりだったということが分かりました。親族がいないことで高知ではではなく小倉に入隊した、居眠りがばれて降格した、などの偶然から激戦地を免れたようです。
派遣された中国では紙芝居で村を回ったり、自作のお芝居を上演したりと、やなせさんらしい前向きな生き方が感じられました。アンパンマンが自分の顔を食べさせてあげるのは戦時中の空腹の辛さがあったからとのことです。
「ぼくが『アンパンマン』 -
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「アンパンマン」の作者やなせたかし氏が75歳の時にかいた自叙伝。最後の章は亡くなる1年くらい前に「おしまいのあいさつ」として老いと戦い、受け入れながらも彼らしい表現で綴られた言葉で締め括られている。
94歳まで生きたやなせたかし氏の人生は青春時代には戦争に駆り出され、アンパンマンの最盛期時にはすでに70歳近く。お子さんはおらず、家族や沢山の知人を天国に見送った。
彼が作詞したアンパンマンのテーマソング
なんのために生まれて
なにをして生きるのか
わからないままおわる
そんなのはいやだ!
戦争を経験し、激動な時代を1世紀近く生きたやなせたかし氏が自分に問いかけた言葉。
そう思うととても重みがあ -
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やなせたかしが自分の人生を振り返る本。
漫画家になりたいのに、なぜか頼まれる仕事は漫画とは違うことばかり。それでも器用にこなして、ヒット作を生み出す。だけど、それで有頂天になるどころか「私はいったい何者なのだ?」と悶々とする日々。
名だたる人たちと一緒に仕事をし、そしてヒットするところを見ると、やなせたかしは紛れもなく「天才」なのだろうと思う。見よう見まねでシナリオ描いたり舞台演出するけど、それがちゃんと様になってるから、本当に頭がよくてセンスのある人だったのが伺える。本人は「なんか見よう見まねでやってみたら、偶然、うまくいってしまった」みたいに書いているが、これはぜひ、彼と仕事した人たち -
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今をときめく やなせたかし氏の自伝
朝ドラ「あんぱん」を観続けてきて、最終週が近づいてきたいま、この本を手に取ることができてよかった。
なんのために生まれて
なにをして生きるのか
アンパンマン マーチの歌詞は、子ども向けの童謡にはあり得ないような言葉が並んでいる。
やなせたかしの代表作は?と問われれば「アンパンマン」と答える人は多いと思う。私もそう思うが。しかし、アンパンマンが始まる前からやなせたかしの名前は知っていた。
やなせ氏は、どんな人生を送り、何をしてきたのか?
自伝の内容は、朝ドラの内容とオーバーラップし、現実のものとしてそこに描かれていた。
代表作のない漫画家?として、なんでもこ