やなせたかしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、インタビュー番組で語られた漫画家・やなせたかし先生の言葉をもとに原稿を作成し、単行本化したものだそうです。
先生の代表作『アンパンマン』誕生秘話、その根底にある戦争体験。
老いてなおマンガと向き合い続ける姿勢、震災復興への思い…等々。
齢93歳(当時)にして現役漫画家として輝き続ける先生の、現在と未来を見つめて語られた珠玉のメッセージが胸に響きます。
尊敬する著名人を挙げるとしたら、私は迷いなくやなせ先生を挙げると思います。
先生の代表作である『アンパンマン』のヒーロー像には、先生の正義に対する一貫した信念が生きていると思います。
先生が作詞した『アンパンマンのマーチ』は、人間の永遠のテーマとも言える難しい命題を、子どもにも分かる言葉で真っ直ぐ突きつけていて…そこに“生命”を感じずにはいられません。
とにかく『アンパンマン』は、先生の生き様そのものだなと思うのです。
印象的だったのは、正義を行う覚悟――〝正義を行う人は、自分が傷つく覚悟をしなくちゃいけない。〟(49頁)という言葉でした。
アンパンマンは、まさにこの覚悟があるヒーローだなと。だからこそ、ヒーローなんだなと。
子供向けの本以外で先生の著書を読むのはこれが初めてですけど、どこかで聞きかじった話もいくつかあり、それでも先生の生い立ちやらデビュー前の話など知らなかったこともたくさんあって、貴重なお話がたくさん聞けてよかったです。
震災復興に対しても、自分が出来ることを出来る範囲で実行していく~ということで、ここでもやはりブレない先生の芯の通った生き方が素晴らしいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
戦前、戦中、戦後をいきたやなせさんの自伝。すばらし内容でした。
覆らない正義とは何か?ひもじい人を助けるということだ。ひもじい人をこの世からなくす。これは日本にいようがアメリカにいようがどこにいっても正しい事で絶対的だ。それ以外はかわる。83
何をやってもうまくいかなくてそんな絶望の中からふとうまれたのが「ぼくらはみんな生きている」の歌だった。106
山梨シルクセンターの社長と知り合い、この会社は出版なんかしたことないのにやなせさんの詩集を出版したいと。それでいきながらえた。のちのサンリオ。
僕が食べる事にこだわるのは、命を支えるのは食べ物しかないからです 120
あんぱんまんは大人向けのメルヘンで幼児向けではなかった。129
人生は喜ばせごっこ198
日本には漫画的精神がかけている。それは笑う事。人と人とつなぐのは笑顔。今日も笑顔でいこうと毎朝、鏡をみて心に号令をかけている。209
自分はなんのためにいきてるのか?自分の楽しみは何か?長い間さがしてきたが、「人を喜ばせる事だ」とおもった。人生は「人を喜ばせごっこ」だ。僕たちが生きているのは人を喜ばすためなのです。どんな人も誰かが喜ぶ顔を見ているのが一番うれしいのです210
今日はこんなにでいた、と、今日はこれだけしかできなかった、では大きな違い。活力をうむのは+志向。232
朝のこない夜はない236 -
Posted by ブクログ
ネタバレアンパンマンの作者のエッセイ……だけど、時代を感じさせる価値観がチラホラと混ざっていてその部分は少し考えてしまった。いや。その時代を生きたらそうなるのはわかるけど、現代だと少しキツイ。
5つの章があった。
第1章 ボクと、正義と、アンパンマン
アンパンマンにまつわるお話。……他の著作で見かけたような話だなと思って読み流してしまった。
第2章 子どもは先生
赤ん坊は天使で、子供は先生……ということだけど、正直、理想化させすぎな気がしてしまった。これが『理性で押さえられない衝動を持っている』という意味なら、歳をとったらまた理性が働きづらくなって、子供に戻れるよと身も蓋もない考えが頭をかすめてしまう。
第3章 人生はよろこばせごっこ
この章も他の著作で見かけたような話。
第4章 女の子・男の子
最初のエッセイからどぎつ過ぎた。『現代の女性に求める九の反省』最初、読み間違えてて『女性に対する反省』かと思ってしまった。読み進めたら真逆だった。『女性は慎みを持て』というこの時代の人あるあるの話。だったら次は『現代の男性に求める九の反省』かと思えば、そんな話は全く入ってなかった。
最後に『実のところ自分も大いに反省しているのです。』159pと、反省しているふりを入れれば無罪になると思ってるのもグロイ。
第5章 表紙の取れた本
子どもの頃の本の話……。お坊ちゃまな空気を感じるエッセイ。
この時代の人だとこういう感じだよなぁと思いながら読み終えてしまった。私もその時代を生きてたら、そうなってたと思う。でも、現代に生きてしまってるので、こういう価値観はきついなぁと思いながら読み終えた。
もう少しアンパンマンの話が出てくるかと思ったけど、そうでもなかったのが残念。
ごちそうさまでした。 -
Posted by ブクログ
あのアンパンマンのやなせたかし先生の本。
漫画家として、大衆芸術に対するスタンスや生きてきた時代背景が描かれている。
しかしなぜか僕に依頼が来たとか、人に恵まれたとか、とてもやんわりまったりとした文章になっている。ご自身が晩年に振り返られたものなのだろう。
もっと手塚治虫に苛烈な劣等感を感じているような人物だと(勝手に)想像していたので、そんなこともなかったのかなと思った。
表題にもある正義についてもアンパンマンを通じて語られているが、押し付けがましくもなく、まったりしているので、印象に残りづらい。
お人柄がよく出た本だなと思ったが、生きるヒントや導きをこの本に求めると、肩透かしに感じるかもしれない。