やなせたかしのレビュー一覧
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アンパンマンは君さ。
アンパンマンを観て育たなかったという人と出会ったことがない。
それほど同年代にとってはアンパンマンは人生の最初のヒーローなのだ。
そのアンパンマンを生み出したやなせたかしのエッセイ集である本作。
で、あるからとっ散らかっていた本だった。
しかし『やなせたかし』という人間は自信のない、誰よりもアンパンマンを必要としていた人間ということがわかる作品だった。
と同時にアンパンマンのように澄んだ心の持ち主であることがわかる作品でもある。
自分から見れば天才も『自分は凡人なんだ』と思っているという絶望感にも等しい感情を度々受ける。
でもきっとこれが人の一生なんだろう。
本作で登 -
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3冊のスクラップブックから編集された、やなせたかしさんのエッセイ。1995年に刊行された『もうひとつのアンパンマン物語』を改題し、新装復刊したもの。
始めに表紙のアンパンマンをみて、とても懐かしくなった。アンパンマンとは、たくさんの思い出がある。
そのアンパンマンが日の目を見るのに、意外にも時間がかかっていたことに驚いた。
やなせたかしさんの色々な思いが書かれていた。私が大好きだった、いちご新聞にも関わっていらっしゃったとは驚きだった。
『手のひらを太陽に』の「みんなみんな生きているんだ、友達なんだ」という歌詞が、今こそみんなに届いてほしいと思う。 -
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誰もが通る道アンパンマン。
小さい子どもがいるので、アンパンマン様には足を向けて寝られないくらいお世話になっております…ということで興味を持ち読みました。
著者の謙虚で奥ゆかしくユニークなイメージが見え、松下幸之助さんの自叙伝を読んだときに感じた人柄とリンクするものがあるなぁ…と思ったり。
ふとみるとPHP研究所でなんだか重なるものを感じました。
アンパンマンといえばキャラクター数がものすごいことになっていて、子どもに聞かれてもすぐに名前を答えられないキャラがたくさんで困っていましたが、キャラクターに重きを置かれてるということでなるほどと納得しました。
この本を読んだ後だと、子供と一緒に -
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一番初めに、皆さんご存知「アンパンマンのマーチ」の歌詞が載っていて、これを見ていたら鼻の奥がツーンとしてきた。やなせたかしさんが来し方を振り返ったり、アンパンマンに込めた思いを語っているのを読み進めていく間も、ずっと鼻はツーンとしたまんま。西原理恵子さんがやなせ先生の思い出を書いている所で、あ~ダメだ、とうとう涙が出た。
テレビや雑誌で見るやなせ先生はいつも笑顔だった。身内との縁が薄く、辛いことの多い人生だったというのは、亡くなって初めて知った。長いこと売れなくて、アンパンマンのヒットは七十近くなってからということも、いつも笑いのネタにされていた。本書を読むと、どこまでもサービス精神旺盛で、 -
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代表作・アンパンマンは50代後半から~1奇跡の一本松が教えてくれたこと:2父の病死,母の再婚:3戦争で思い知った本当の正義:4オンボロアパートで日は暮れて:5どん底の僕を救ったアンパンマン:6天国の妻へ:7やなせ流・長寿の秘訣:8人生は喜ばせごっこ:9絶望の隣は希望です:10明日を信じて~父親とは死別,母は再婚,叔父夫婦に育てられ,東京高等工芸学校に進み,銀座で遊んで,田辺製薬に入社,徴兵で砲兵隊に配属され,中国で4年,復員後,故郷の高知で新聞社に勤めて伴侶を見つけ,東京に出て,三越宣伝部に勤めながら,何でも屋で稼ぐ。三越の包装紙のロゴは彼の筆。詩や絵を書き続けながら,ラジオの脚本を書き,舞台