あらすじ
「それゆけ!アンパンマン」「手のひらを太陽に」の生みの親やなせたかし氏による、愛と勇気の人生論。戦争を経験した著者が考える、本当の正義とは。国民的ヒーローのアンパンマンが生まれた背景や、子どもたちから学ぶ純粋な心など、著者のものづくりへの姿勢や生き方、温かな人柄が伺えるエッセイ集です。 ●第1章 ボクと、正義と、アンパンマン ●第2章 子どもは先生 ●第3章 人生はよろこばせごっこ ●第4章 女の子・男の子 ●第5章 表紙の取れた本
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今更感あるかもだけど、朝ドラきっかけで。
もともと小さい頃、アンパンマンの教育ビデオを見ていたのもあって、購入。
やなせさんの人物像が、文章から手に取るように伝わる。
それに朝ドラで描かれたやなせさんの姿がありありとそこにあって、本当にこんな人だったんだなぁと思った。
お父さんのこと、お母さんのこと、手のひらを太陽にに対する思い、絵本に対しての思い…。
どれを取ってもそこにやなせさんらしさがいっぱい詰まっていて、最高でした。
Posted by ブクログ
誰もが知っているようなアンパンマンの生みの親でも特別な人ではなく、普通の人と同じような人で、特別な才能があったわけではないとこの本で言っていることが印象に残った。
特別な才能が与えられ、それを鼻にかけて何もしない人よりも、才能がないなりに自分のできることや目の前のことを一生懸命にやっていく人もはたまたま特別な才能を持っているのかもしれないと感じた。
Posted by ブクログ
読みやすくて一気読みした。やなせさんの哲学的な部分を少し知れて、感動した。丁度、いわさきちひろさんとアンデルセンの展示を見た直後だったから、古典のメルヘンの話はなるほどと思った。アンパンマンの明るく、しかし哲学がしっかりある歌に元気を貰える理由が分かった気がした。
Posted by ブクログ
自分は才能もなくて目立ちたくない…と言いながら
やりたい事は全部やって編集、漫画、デザイン、イラスト
歌や司会の人の前に出る仕事も。何でかなぁなんて言っているところが可愛らしい
子供に向ける目線が、どこまでも優しい
アンパンマンや詩に滲むお人柄
子供の頃は自然に触れ、都会の洗練をうけ、海外に行くがいいと書かれていてそれは納得。
中学生の時の芥川龍之介に憧れて包帯巻いてみたり文学ばかり読んで勉強しなかったり厨二病っぷりが面白すぎる
Posted by ブクログ
パラパラっとめくって読んでたら
ある一文に惹かれて購入!
すごく感動した。
子どもの心をすごく大事にしていて
それがすごく私の心を動かした。
『人生は、よろこばせごっこ』
アンパンマンからすごく滲み出る。
子どものキャラクターかもしれないけど
私はアンパンマンが好き。
やなせさんの考え方。
私も子どもに関わる以上は見習いたい。
Posted by ブクログ
コテンラジオで紹介されていたエピソードがいくつかあって、なるほど!と思いながら読みました。コテンラジオで第三者目線で語られるのとご自身の文で語られるのと印象がちょっと変わるのがまたおもしろい。
Posted by ブクログ
朝ドラでやなせたかしさんという人物がどのような人だったか気になり手に取った。
全体の感想としては、本全体が読者を温かく包み込んでくれる雰囲気をまとっていた。特に「お金がもうかる正しい原則」の章の「お金持になれる正しい原則は良心的な面白い仕事をすること」の一文が深く心に残った。この信念を貫いてきたから国民から愛されるアンパンマンが生まれたのだと納得した。
真面目さは馬鹿にされたり、良いこととして捉えられていない風潮があると最近感じていたがこの本を読んで、やなせさんのように自分も腐らずに実直に真面目に頑張っていこう、人生を楽しもうと元気をもらえた。
Posted by ブクログ
子供ができて、30年ぶりくらいにアンパンマンの歌の歌詞を見て涙がでた。すごいと思った。
子供向けの話のはずなのに、大人の心にぐさっとくる歌詞を書けるなんて、、、
まだ0歳の娘よりも私の方がアンパンマンを好きになってしまって、本屋でこの本を見つけた時は嬉しくて即買いした。
子供にとって良い本、面白い本。でも毒入れすぎない。それを真剣に追い求めたのだということが伝わってきた。それから仕事が大好きだったということも。アンパンマン、これからもずっと子供達に人気でいてくれるといいな。
Posted by ブクログ
この春スタートの朝ドラの主人公のモデルであり、アンパンマンの作者、やなせたかしさんのエッセイです。
遅咲きで突き抜けたからこその謙虚さと優しさ、そして、アンパンマンほど突き抜けることはなかったにしても、若い頃からマルチに活躍をされていた深みのある人生を垣間見ることができて、読んでいて勇気をもらいました。
もっと深く、詳細に作者の人生を覗いてみたいと思うほどに興味深い人生を送っていると思うのですが、割とさらっと描いているのは、子供からお年寄りまでこのエッセイを楽しんで欲しいという思いなのかもしれません。
アンパンマンは世界中で愛されているキャラクターですが、そこにやなせさんが込めた思想は深く、相手が子供でも、相手に理解してもらえなくても、自分の思いを作品にぶつけるというストイックを感じました。そして、そのストイックさを微塵も感じない、押し付けないスタイルに謙虚さを感じます。
あぁ、こんな人になりたい、と憧れの気持ちで一気読みしました。
“そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
たとえ どんな敵が あいてでも
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため”
Posted by ブクログ
0〜3歳くらいまでの子どもに本気で向き合う作品を作ってくれるやなせたかしさん。
ここ何十年の日本人なら、子どもの頃ほぼ全員が通ってきたのではないかと思うアンパンマン。
本を読んで、こういう方がアンパンマンを作ってくれたんだと思うと、自分が子どもの頃に関わっていたことに安心できるし、自分の子どもにも通ってほしい作品に思う。
赤ちゃんや幼児は、知らないことだらけの世界に生まれて、そんな中でアンパンマンみたいなキャラクターがいてくれたら本当に安心出来るし、大好きになるだろうなと思う。
大人になって、改めてやなせたかしさんの生涯を知って、アンパンマンをみると、今だって私の心の中にはアンパンマンがいることに気がつく。
アンパンマンがどうしてアンパンなのか、原体験を知れたことも興味深かった。
食べものは自分の一部になるもの。
アンパンマン、ヒーローの中で最弱だとしても、美味しくて、自分の身を削って相手の一部になり喜ばせるなんて、最強のハートを持ったヒーローだと思った!
Posted by ブクログ
時代背景、家族の影響。
遅咲き70歳、大活躍のアンパンマン。
「子ども向けのアニメをつくったひと」
そんな一言では語れない、
経験からくる信念や周りとの関係、人間性。
いろんなところに魅力を感じるひと。
Posted by ブクログ
やなせたかし先生は、エッセイもお上手だったとは。するすると読めて、思った以上に面白かった。物事の捉え方がとても素敵だと思った。ただし、ジェンダー論だけは時代に合わない価値観だけど、事実もう故人なのだから目を瞑りましょう。
Posted by ブクログ
この本は、単なる児童文学の裏話ではなく、戦時下を生き抜き、長く苦しい無名時代を経験した一人の人間が、その人生のすべてをかけて見出した「人生の哲学書」である。読者は、やなせ氏の飾らない、ユーモラスでありながらも深い言葉の数々から、「アンパンマン」という存在の持つ真の重みを感じ取ることができる。特に「いかに正しく、それでいてゆるく生きるか」という読者の洞察は、本書のメッセージを見事に体現している。
最も印象的なテーマとシーン
本書を通じて貫かれている最も印象的なテーマは、「正義の逆転」と「絶対的な献身」です。
やなせ氏は、戦争経験から「ひもじい人を助けること」こそが普遍の正義であると断じます。そして、その正義を体現するのが、自身の顔であるパンをちぎって与えるアンパンマンの姿です。顔が濡れて力が出なくなっても、見返りを求めず、ただ困っている人のために自らを犠牲にするという、自己犠牲的な行動は、私たちが日常で考える「正義」の概念を根底から問い直します。
しかし、読者が指摘されたように、やなせ氏の哲学は「自己犠牲の押しつけ」で終わりません。「自分が一番正しいと思い込まない」「他人の考えを尊重する」という思想は、正義は時代や立場によって容易に変化するという彼の冷徹な現実認識に基づいています。この、絶対的な献身と相対的な正義という二律背背反する要素を、やなせ氏はユーモアと達観によって「ゆるさ」としてまとめ上げています。
そこから得られた洞察
本書から得られる最も重要な洞察は、「不完全な人間が、いかにして心穏やかに生きるか」という普遍的なテーマに対する一つの回答です。
やなせ氏は、自身を「オイドル(年老いたアイドル)」と称するような、肩の力が抜けた姿勢を貫きました。この「ゆるさ」は、「正しくありたい」という理想と、「正しくあれない自分」という現実との間に折り合いをつける知恵です。
すなわち、「絶対的な正義」(飢えを救う)を心の拠り所としながらも、「相対的な正義」(他人の考え)に対しては謙虚で寛容であるという生き方です。自分が正しいと主張せず、他者の「ゆるさ」も受け入れることで、自分自身の不完全さも許せるようになる。読者が学んだ「正しく、それでいてゆるく生きる」とは、この厳しさと優しさの絶妙なバランスであり、現代社会を生きる私たちにとって、極めて実践的な生き方のヒントとなります。
Posted by ブクログ
アンパンマンの賞味期限に笑った。
やなせさんカワイイ。
"肺病になろうとしました"、ん?笑
"どうせ俺なんてダメだという人はチャンスを掴もうとしてないのではありませんか。"
むむ。
わたしの言葉の引き出しでは言い表せないけど、
日本語が流麗でことばが澄んでいる。
やなせさんの温かな人柄伝わるエッセイ。
大好きな星の王子さまも久々に再読しよう。
Posted by ブクログ
やなせたかしさんの人柄が感じられる1冊でした!
今期は朝ドラ『あんぱん』を見ているので、
やなせたかしさんの言葉を読んでると
朝ドラのちびたかしが頭に浮かんでくる〜。
やなせさん自身がアンパンマン!
毒のある笑いは好きじゃない、というより嫌い…
毒がなくとも笑顔にするやなせさん最高!
1995年に刊行された書籍を復刊した作品。
30年前の文章なのに読みやすいなぁ〜
Posted by ブクログ
朝ドラを機に読んでみた。
やはり女とは〜のところが強く残ってしまうが、
全体的にとてもよかった
「人を喜ばせることが何よりの幸せ」
これを意識して生きていこうと思った
Posted by ブクログ
息子が最近アンパンマン!アンパンマン!と良く言い出し自然と親も一緒にアニメを見出している今、ちょっと気になり読んでみることにしました。
まえがきの段階ですでに読みやすい(*ˊ˘ˋ*)笑
今でこそこんなに親しまれていますが、人気が出るまで約20年もかかっていたというのにびっくり!
アンパンマンのマーチの歌詞も載っており、改めて字だけで見ると「なんのために生まれて なにをして生きるのか」ってのは深いというか難しいというか( ᴗˬᴗ)
「手のひらを太陽に」もやなせさんの作詞だったとは!
「人生はよろこばせごっこ」っていうのも良いなと思った。本当に人の喜ぶ顔を見るのが好きなんだなと。やなせさんの人柄の良さがすごくわかる( ´˘` )
ただ第4章に関してはあんまり良い気分はしなかった。女とは~みたいなことが多くて。1995年に出されたものを新装復刊したものらしかったので時代かなとは思ったが。
三冊のスクラップブックから編集して出来たらしく、同じような話がたくさんでてくる(笑)あれ、さっき読んだような?ってことがしばしば。とりあえずあっという間に読み終わった(* .ˬ.)
Posted by ブクログ
やなせたかしさんのエッセー。
アンパンマンは素人目には子供向け、勧善懲悪な雰囲気で捉えていたが、やなせさん自身は子ども向けでなく、勧善懲悪をよしとしていない感覚があることにびっくりした。
そう思って改めてアンパンマンを思い出すと結構深いなあ。
Posted by ブクログ
これだけのヒットを生み出しながら、読者である子どものためを純粋に追求し続けているのがすごい。計算高さや思惑を毒と表現しているのも面白い。本当に価値のあるコンテンツって、それ自体にはやっぱり純粋性があって然るべきで、流通の過程では計算を働かせることがあっても、中身の計算に対しては世間(特に子ども)は敏感なんだろう。
時代のせいか、今ではちょっと受け入れられないような女性観がナチュラルに書かれているのには少し引いてしまった
Posted by ブクログ
アンパンマンは君さ。
アンパンマンを観て育たなかったという人と出会ったことがない。
それほど同年代にとってはアンパンマンは人生の最初のヒーローなのだ。
そのアンパンマンを生み出したやなせたかしのエッセイ集である本作。
で、あるからとっ散らかっていた本だった。
しかし『やなせたかし』という人間は自信のない、誰よりもアンパンマンを必要としていた人間ということがわかる作品だった。
と同時にアンパンマンのように澄んだ心の持ち主であることがわかる作品でもある。
自分から見れば天才も『自分は凡人なんだ』と思っているという絶望感にも等しい感情を度々受ける。
でもきっとこれが人の一生なんだろう。
本作で登場する手塚治虫も、もしかしたら『凡人だなぁ』と思っていたのかなぁ
Posted by ブクログ
まぁ読みやすい。ご本人もおっしゃっているが、とりとめないところからまとめた、というだけあって同じ話が多い(笑)うっかり『あれ?しおり挟むとこ間違えた?』って思うくらい。読みやすいけど、昔に書かれているものなのでほーほー、位で読むのがいいかも。
人生喜ばせごっこ、っていいなって思う。喜ばせる、じゃなくて『ごっこ』ってつけたのが。結局ほんとに喜んでくれてんのかはその人じゃないと分からないもんね。
喜ばせてる風でいいんだろうな、お互い。気が楽で
Posted by ブクログ
■評価
★★★☆☆
■感想
◯物語を作るときに、ストーリーを考えるのではなくキャラクターを考えて、そのキャラクターがどう立ち回るかでスリーリーが勝手にできるという話は、色んな場所で使えると思った。ビジネスとしても誰を船に乗せるかという話につながると感じた。
Posted by ブクログ
日頃お世話になっているアンパンマン様。私の世代ではあまり目にしない原画のアンパンマンと、「何のために生まれて何をして生きるのか」という聞き慣れているはずの、文字にすると途端に興味深くなる一文。あと、個人的に好きなクラフト紙でできた表紙、好き。
まえがきにあるように、ラーメンの待ち時間のような隙間時間に読んだ。タラタラ読みのせいか(?)感想はあまりない。やなせたかしについて少し詳しくなった。朝ドラが楽しみ。
Posted by ブクログ
3冊のスクラップブックから編集された、やなせたかしさんのエッセイ。1995年に刊行された『もうひとつのアンパンマン物語』を改題し、新装復刊したもの。
始めに表紙のアンパンマンをみて、とても懐かしくなった。アンパンマンとは、たくさんの思い出がある。
そのアンパンマンが日の目を見るのに、意外にも時間がかかっていたことに驚いた。
やなせたかしさんの色々な思いが書かれていた。私が大好きだった、いちご新聞にも関わっていらっしゃったとは驚きだった。
『手のひらを太陽に』の「みんなみんな生きているんだ、友達なんだ」という歌詞が、今こそみんなに届いてほしいと思う。
Posted by ブクログ
誰もが通る道アンパンマン。
小さい子どもがいるので、アンパンマン様には足を向けて寝られないくらいお世話になっております…ということで興味を持ち読みました。
著者の謙虚で奥ゆかしくユニークなイメージが見え、松下幸之助さんの自叙伝を読んだときに感じた人柄とリンクするものがあるなぁ…と思ったり。
ふとみるとPHP研究所でなんだか重なるものを感じました。
アンパンマンといえばキャラクター数がものすごいことになっていて、子どもに聞かれてもすぐに名前を答えられないキャラがたくさんで困っていましたが、キャラクターに重きを置かれてるということでなるほどと納得しました。
この本を読んだ後だと、子供と一緒にアンパンマンを観るのがより一層楽しめそうです。
Posted by ブクログ
小さい頃アンパンマンが大好きだったので思わず買ってしまったやなせたかしさんのエッセイ本。
アンパンマンは随分商業化されて、コンプライアンス上昔みたいに頭なくなるまで食べられたりとかの描写もなくなった印象だけど、その描写が大事なんだよなぁと。
いくつになっても新しいものにとりあえず挑戦するという先生の姿勢は見習いたいと思った。