あらすじ
朝ドラ主人公のモデル、やなせたかし
アンパンマンを生み、「詩とメルヘン」編集長として多くの才能を育てた愛と献身の人生を、数々の名作詩とともに愛弟子が描く。
文庫化に際し『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』を改題、書下ろし掌篇小説「シークレット・ラブ」を収録。解説:永田萠
「君はなんのために生まれたか」
「ぼくは『誌とメルヘン』を
編集するために
この世に生まれました
これが僕の仕事です」
1987年12月臨時増刊号「詩とメルヘンの15年」より
先生は、笑顔で人にパンを分け与えながら、胸の奥に、まるで海のような悲しみを抱きつづけた詩人だった。――やなせたかしが思いを込めて編集を続けた「詩とメルヘン」の”卒業生”が、恩師の作品と人生を貫く「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」という思想を名作詩の数々とともにひも解く感動作。
【内容】
プロローグ----やなせ先生、ありがとう
第一章 あこがれよ なかよくしよう----裏町ぐらしの下積み時代
第二章 さびしいひとをなぐさめたい----「詩とメルヘン」の創刊
第三章 死んでもひとをよろこばせたい-----絵本『やさしいライオン』
第四章 愛がなければ生きられない----アンパンマンの奇跡の始まり
第五章 しあわせよ カタツムリにのって----アンパンマンワールドの魅力
第六章 戦場にも花は咲いていた----『おとうとものがたり』
第七章 今日はすぐに思い出になる-----最愛の人、暢さんの死
第八章 書いては消し、消しては書く----「いい子いい子」
第九章 かわりのメダカはいないんだ----なにが君のしあわせ
第十章 夢の中にも夢はある----『詩とメルヘン』の三十年と幻の生前葬
あとがきにかえて----この人生が好き
解説 永田 萠
シークレット・ラブ----文庫版のための書き下ろし掌篇小説
※電子版では、イラスト・写真の一部をカラーで収録しています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
朝ドラあんぱんを視聴してから
やなせたかしさんの考え方を始め、
紡ぎ出される言葉や詩の数々に
すっかり魅了され
まだまだやなせワールドに
どっぷり浸りたいと思い
表紙がとてもかわいらしい
この本を手にとった
あまり詩を目にすることは
普段ないけれど
やなせさんの詩はすーっと
入ってきてなんだか心地よい
この本を読んで
やなせたかしさんは
本当に"愛"に溢れた方なんだなと
自分の信じた道を諦めず、
真っ直ぐ歩み続け
たくさんの"愛"を届けてくれた
だからこそ
やなせさんの紡ぐ言葉からは
たくさんの温もりを感じられ
心に響くのだろうな
まだまだやなせワールドの沼からは
抜け出せそうにないや
Posted by ブクログ
旅行で高知を訪れた際に立ち寄った本屋さんで、やなせたかし特集が組まれたコーナーに置いてあった本。表紙のイラストに惹かれ、自分への旅のお土産として購入しました。
やなせ先生の優しさと、小手鞠るいさんのやなせ先生への愛が、本から溢れそうなくらいたくさん詰まっていて、1ページ1ページ大切に読み進めたくなる本でした。
アンパンマンを最初に認めたのは誰か?
優しい気持ちで、何度も胸がいっぱいになりました。
Posted by ブクログ
小手鞠るいさんが、やなせたかしさんについて書いた本。やなせたかしさんの詩も多く掲載されている。
児童小説家の小手鞠るいさんを前から知っていたが、デビューして成功するまでに長い時間がかかり、苦労したことはよく知らなかったし、やなせたかしさんとの関わりについても知らなかった。
小手鞠るいさんは、やなせたかしさん主催の詩とメルヘンに衝撃を受け、その後、詩を投稿するようになる。掲載詩の常連となり、サンリオから詩集を3冊出す。ある時京都に来たやなせたかしさんと永田萠さんと出会い、そこからずっとお付き合いは続く。やなせさんは先生、永田さんは友人。
やなせたかしさんの詩にはどこかしら寂しさが漂い、小手鞠るいさんの詩もそう。生きていく孤独感や寂しさを感じさせる。ただ、とても透明でまっすぐであたたかい。
Posted by ブクログ
作者である小手毬るいさんのやなせたかし先生への愛でいっぱいの一冊です。
もちろん、やなせたかしさんの事が好きになります。
カバーに書いてあるアンパンマンのマーチの歌詞にはこんなに深い思いがあったのかと。
やなせたかしさんの人生は愛とは何かを人に伝えるための人生だったからこそ本のタイトルのとおり「愛の人 やなせたかし」なんですね。
アンパンマンの歌詞もアンパンマンの優しさもこの本を読んで理解出来ました。
詩とメルヘンは自由で優しさにあふれている雑誌だったんですね。1度くらいしか手にした事がないのが今更ですが残念です。
Posted by ブクログ
小手鞠るい(川滝かおり)さんを通してのやなせたかしさん。
アンパンマンだけではない、詩人として、編集者としての面を知ることが出来た。
こんな偉大な人に見出された小手鞠さんはやはり才能と魅力を持っているのだろう。
小説はずいぶん昔の尖った自分が読んだので、当時はあまり刺さらなかったのに、読んでる自分かっこいいと思わせるそんな本だったように思う。
今、すっかり大人な自分で改めて読みたくなった。
Posted by ブクログ
やなせたかしの伝記っぽいものなのかと思って手に取ったら、小手鞠るいにとってのやなせたかし先生エピソードと、やなせ先生の詩の紹介みたいな構成。連ドラもやっているし、光村国語とも相性良いので手にとったけど、小学生には向いてない内容でした。でも、小手鞠るいさんの人生を読みながら詩も味わえる良い本です。なかなか、詩の本って、手に取らないものね。後は、小説家を目指している子どもにオススメの本です。『放課後の文章教室』『放課後の読書クラブ』併せて読んで欲しい。
やなせ先生の詩は改めて読みたいなぁと思いました。やなせたかし全詩集に収録されているそう。
「ヒトミシリ科のヒトミシリ」(幸福の歌)子どもにも刺さりそう。
「さびしい日」(小さな雲の詩)絶望のとなりという詩もはっとさせられるけど、これも短くてインパクトある。
「戦場」(ぼくの詩と絵と人生と)やなせ先生が戦争に思うところが、映画のワンシーンのように刻まれています。
「一円玉の希望」(希望の歌)これも短くてはっとさせられる詩。一円の重み。