沼田まほかるのレビュー一覧

  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    どろどろの男、ずるずるの女の描写がうまい。リアルな気持ちもこれほど表現できる人はめずらしい。タイトルの意味がわかるまで読み直します。

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    2024年07月23日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    陣治の描き方がすごいです。ほんとに生理的な意味で嫌悪してしまう。
    それなのに、最後まで読むと、陣治を愛おしいと思えてくる。
    いっぽう十和子はもうほんとにダメ女。
    なんで陣治は十和子をここまで愛せるのか、不思議です。
    黒崎も水島もクソ男。
    登場人物、ダメ人間だらけですね。
    痛々しくて哀れで悲しいほど切ないです。

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    2024年04月25日
  • 九月が永遠に続けば

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    取り返しがつかないほど恐ろしいことが、身の回りで起こってしまったら。
    そしてそれが自分の過失によるものではなく、原因も分からないままにただ立ち尽くすことしかできないとしたら。
    後悔する理由も見当たらず、眠れない夜に何度も寝返りを打ちながら思うかもしれない。あのときの報いを今、こういう形で受けているのではないだろうかと。

    高校生の息子が突然姿を消してしまう。すぐ近くのゴミ捨て場に行った息子は、寒い夜に軽装で、サンダルで、財布も持たずにいなくなってしまった。
    文彦の母である佐知子の胸にまず最初に訪れたのは、信じられないという気持ちだ。何がなんだかよく分からない。それから不安。追いかけるように焦り

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    2024年02月27日
  • 九月が永遠に続けば

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    デビュー作と知って驚いた。
    生々しくてグロテスク、心情表現が細かくて秀逸で、読者の周りにドロドロした感情と情景が絡みつく感じ。
    ドグラ・マグラのような息苦しさと中毒性。

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    2024年01月11日
  • アミダサマ

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    ホラーサスペンスと言っても、純粋なホラーって感じやないな。
    何か、じとっとした感じ…
    それも、ずっと…
    年末の最後にこれ読んで、良かったんか…っと少し後悔せんでもないけど^^;
    初夢の中身がロクなもんしか思い浮かばない…

    主人公のミハル、冷蔵庫の中で発見される。
    一度、死の世界に行ったのか、特殊な力を備えてる。
    あかんで!
    一度、冥土にいったモノを呼び戻すなんて!
    怖すぎる…
    何か呼び戻すしても、もう普通の状態やない!

    伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、火神を生んだために病んで黄泉国に移った伊弉冉(いざなみ)尊を追っていく話を思い出す。

    もう、黄泉の人の姿は!
    ぎゃー!!

    まぁ、この話自

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    2024年01月01日
  • 猫鳴り

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    詩的で、かつ描写は鋭く、
    嫌悪感から始まり、どんどんと引き込まれて行って、
    最終的にたくさんの優しさを感じた。
    歪んだ感情、重苦しい描写の闇や影、、、生と死の隔たりの少なさを感じる。
    さすが沼田まほかるさんの傑作と呼ばれるだけあるなぁとおもいました。
    描き方が強烈で、グサグサと心に突き刺さる、
    きれいなものだけじゃない、残酷で汚らわしく汚い面もちゃんと描かれてる。
    人間とはこういうものだなと叩きつけられる小説。
    読み終わると何故か爽やかな気持ちになる不思議な小説。
    小説でこんなに泣いたの初めてくらいめちゃめちゃ泣きました笑
    泣きたい人、猫好きな人はぜひ

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    2023年10月17日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    読み終わった後に映画化していることを知って、猛烈に観たくなった。北原十和子を蒼井優が、佐野陣治を阿部サダヲが演じ、竹野内豊と松坂桃李が出演しているとなれば、DVDを購入してもいいくらいだ。

    それはさておき。
    十和子は15歳上の陣治と暮らしている。陣治は下品で不潔で貧相で、ほとんどの女性が生理的嫌悪感を抱くような男だ。一方の十和子も、そんな陣治を毛嫌いしながらも、生活のために一緒にいる。働かず何もしていない、ろくでもない女だ。
    十和子には、8年前に別れた忘れられない男がいる。その男は黒崎という既婚者で、十和子はさんざん利用された挙句、ゴミのように捨てられた(ゴミのほうがまだ丁寧に扱われているか

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    2023年10月17日
  • 猫鳴り

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    すてねこのモンが、周りの人間を癒し
    自らに20年の生を全うする
    子猫の頃に捨てられ
    子どもを失くした中年の主婦から
    何回も捨てられても泣きながら
    その家に戻ってくる
    そしてその家に居着き
    周囲の人を何かしら癒していく
    最後に残されたのは
    年老いたおっちゃんとモン
    最後の時間を死を意識しながら
    交流し過ごす
    なんだかせつなくて悲しいけど
    死にいくことを考えさせられた

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    2023年09月22日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    う一む、この作者の本は比較的重く読みにくい。これは特に前半がとても読みにくい。

    ハ年前に別れた男、黒崎を忘れられない十和子はどうしょうもなく下品で下劣な15歳年上の男、陣治と暮らし始める。

    前半では十和子の目から見た陣治とのどうしょうもない生活がこれでもかこれでもかと書かれている。こんな男、別れれぱいいのにと思わせるものの、何故か別れられない。まあ、ありそうな話ですが、描写が上手いので余計に読者としては辟易してしまいます。

    別の男、水島が現れてからは展開は早い。最後は、なるほどと思いますが、う~む。

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    2023年08月29日
  • 痺れる

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    「痺れる」の意味

    1 からだの一部または全体の感覚が失われ、自由がきかなくなる。「正座して足が―・れる」

    2 電気などを感じてびりびりふるえる。「感電して―・れた」

    3 心を奪われてうっとりとする。強烈な刺激を受けて陶酔する。「ジャズ演奏に―・れる」

    3番かな?
    この短編集は〜!

    何か魔がさしてというか…
    こんなん、あかんやろ〜と思いながら…って感じのいつものイヤラシイ感じなのが好き!

    いつものを期待して読んだけど、コミカルなのもあって新鮮でした〜(「普通じゃない」)
    最後のオチが笑ける〜

    帯に書いてある通り
    「怖さも面白さも尋常じゃない九つの物語」
    でした〜(^-^)v

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    2023年07月01日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    思ってた以上に恋愛小説で慣れてないから読み終わるのに時間かかっちゃった、なんかずっと苦しかったけどやっぱりこの人の書く小説は終わり方本当に好き

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    2023年05月08日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    複雑な愛。
    陣治の印象が最後一気に変わる。

    描写も引き込まれリアルに苦しい。
    あっという間に読み終えた一冊。

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    2023年04月17日
  • 九月が永遠に続けば

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    息子の失踪から始まり…とあるが、まぁ、これだけでは警察は動いてくれんか…
    しかし、徐々に色々分かってくる。
    息子と父親、更にその娘、更に娘の男友達などなど…更に更に、色々絡み合って複雑怪奇〜
    まぁ、要はドロドロって感じやな。
    そんな、身内ばっかりで、色んな関係あると、もう麻痺してしまいそう…
    死に関しては、またまた、どんでん返し的な…
    タイトル通り、時が止まって欲しそうな気になる。
    もう起こった事は、仕方ないから、前向いて行こう!レベルではないし…
    この人ら、これから普通の生活はムリ!
    謎は解かれても、しんど〜っ感じ。
    先が気になって、一気読んだから、面白いんやろうけど、あと味は…

    しかし、

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    2023年04月09日
  • 猫鳴り

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    死に向かって弱っていくサマを、たっぷりと時間をかけて見せてくれたな、、、という感じだった。それが、あまりにもリアルだった。実生活でも、長年一緒に暮らしてた猫がいなくなるとき、おじいちゃんやおばあちゃんが最期に入院しているときのような、長く悲しく果てしない時間を過ごしてる気分だった。命と身体が朽ちるのを見ているだけしかない、自分がなんとも無力に感じるあの時間。

    でも、もしかしたら本人たちはモンみたいに覚悟を決めて迎えてたのかも。傍にいる方としたら、そんな淡々とはしてられないけどね。

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    2023年03月23日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    見出しはどう考えても陣治が悪役、ちなみに十和子も陣治を悪にしている。

    歪んだ世界。歪んでいても愛情は真っ直ぐなんだとストレートに感じてしまった。しかし、直球ストレートは十和子にどう映ったんだろう。

    いたたまれない。救われない。対岸の火事。
    でも、それがいい。
    読者の心を容赦なくもっていく「まほかる砲」は本当にクセになる。

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    2023年03月07日
  • 九月が永遠に続けば

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    ホラー映画を見ているみたいな雰囲気でどんどん話が進んでいく。
    服部さんが、この小説で一番人間味があるように感じた。
    鬱陶しくもありがたい存在。

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    2023年02月10日
  • 九月が永遠に続けば

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    様々な事情が絡まり合って展開される物語が面白かった。

    ★印象的なフレーズ
    「君は顔やスタイルにばかり過敏で、自分のほんとうの醜さにはまったく気付いていないらしいな。ガリガリで、みっともなくて、惨めったらしいのは、君の精神だ。その精神のせいで、君の目はいつも不安そうにおどおどしているんだし、君の頬っぺたはそんなにカサカサして若々しい艶がないんだ。」

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    2022年12月12日
  • 九月が永遠に続けば

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    ネタバレ

    多感な年頃の息子に年下の恋人との逢瀬を目撃されて、息子が突発的に失踪する
    そして手を尽くして探す、というお話かと思いきや。
    別れた元夫の新しい妻、その連れ子、担任、
    謎めいた登場人物。
    そしてお節介が過ぎる同級生の父親。
    どうなってどうなるの?と読み進める。
    結果、これからどうするの?と言う終わり方。
    なかなか現実的には起こらないだろうシュチュエーション。
    登場人物の全てが何かしらの思いを残しながら
    昨日とは違う今日になるなかで、
    いちばんピュアだっただろうナズナが
    二度と「少女である楽園」に戻れない
    という一節が印象に残る

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    2022年12月04日
  • 痺れる

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    短編集。ユリゴコロが好きで集めだした作者さんなんですがアミダサマの世界観が合わなかったので恐る恐る読みました。これはとても読みやすい。
    九編全て女性の視点で書かれていて、恐怖や嫌悪感や性欲や嫉妬。
    女性が読むと共感する部分が多そうと感じました。

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    2022年10月22日
  • ユリゴコロ

    購入済み

    家族について考えさせられる一冊

    4冊のノートに記されていた全てに、驚きを隠せませんでした。自分が亮介の立場だったら、と考えると、怒りと悲しみでいっぱいになっていると思います。
    ノートの内容を中心に物語が展開されていて、読むスピードを抑えることができませんでした。

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    2022年10月15日