【感想・ネタバレ】アミダサマのレビュー

あらすじ

幼子の名はミハル。産廃処理場に放置された冷蔵庫から発見された、物言わぬ美少女。彼女が寺に身を寄せるようになってから、集落には凶事が発生し、邪気に蝕まれていく。猫の死。そして愛する母の死。冥界に旅立つ者を引き止めるため、ミハルは祈る。「アミダサマ!」――。その夜、愛し愛された者が少女に導かれ、交錯する。恐怖と感動が一度に押し寄せる、ホラーサスペンスの傑作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ホラーサスペンスと言っても、純粋なホラーって感じやないな。
何か、じとっとした感じ…
それも、ずっと…
年末の最後にこれ読んで、良かったんか…っと少し後悔せんでもないけど^^;
初夢の中身がロクなもんしか思い浮かばない…

主人公のミハル、冷蔵庫の中で発見される。
一度、死の世界に行ったのか、特殊な力を備えてる。
あかんで!
一度、冥土にいったモノを呼び戻すなんて!
怖すぎる…
何か呼び戻すしても、もう普通の状態やない!

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、火神を生んだために病んで黄泉国に移った伊弉冉(いざなみ)尊を追っていく話を思い出す。

もう、黄泉の人の姿は!
ぎゃー!!

まぁ、この話自体は、お坊さんも出てくるし、阿弥陀さんやし、仏教なんやけど。


良いお年を!笑。

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2024年01月01日

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少女の力の解放をきっかけに、田舎町が少しずつ狂気に侵されていく。
現実世界がゆっくりと腐って、すえた臭いを放ちながらグズグズと朽ちていくような、不穏な描写が絶妙で頁をめくる手が止まらなかった。
仏教にさほど関心無くとも一気に読ませる暗黒の幻想世界。

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2017年09月02日

Posted by ブクログ

まほかるさんは、人知を超えた「存在するもの」を書くのがうまいなあ。なぜか評価は悪いみたいだけど、人物の心理を丁寧にしっかりと書いているのが好きです。「文章力」という感じがする。

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2014年05月27日

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ネタバレ

2011/12/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2021/4/8〜4/13

3年ぶりのまほかる作品。その間に、いくつかの作品が映画化され、プチまほかるブームが来ていたなぁ。
産廃処理場に捨てられた冷蔵庫から発見された少女、ミハル。その子に“呼ばれた”住職の筒井浄鑑とサラリーマンの工藤悠人。不思議な現象が次々起こり、最後は思わぬ展開に。すごい世界観。

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2021年04月15日

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あゝ、これは曼荼羅なのだ。
文庫解説の冒頭の一文に、ようやく少し納得する。親に捨てられた美少女を中心に、彼女に惹きつけられ、むしばまれ、崩れていく人々。
彼らを囲むようにまき散らされる邪気は、終わりのない曼荼羅の縁を描いている。

読み進めども霧は晴れず、半ばを過ぎても「叙述トリックか?」と疑ったほど。
だが実際は、ただ、わからないだけだった。
すべてを把握しようとすればするほど、迷路へと。

面白いかと問われれば……正直、私は苦しかった。
沼田まほかるの“得体の知れない闇”に触れた読後感だけは、確かに残りました。

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2025年12月06日

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コエに導かれて冷蔵庫の中から少女・ミハルを助け出した悠人と浄鑑。ミハルが育っていくにつれ周りの人たちが少しずつおかしくなっていく。
浄鑑の母千賀子がミハルを溺愛し、飼い猫クマが死にそうで死なないのはミハルの力なのかという不穏な空気感はゾクゾク。
悠人のパートがイマイチわからない。
ホラーだけじゃない不思議な雰囲気の内容。
阿弥陀如来だから輪廻転生、極楽浄土ってことなのかな。

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2025年12月04日

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切なくて苦しい物語だった。
解説に、プロローグをどう解釈するかで印象が全く違うとあったけどまさにその通り。

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2024年06月10日

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2009年初版。著者の作品は5作目です。映像化されたものも2本視聴しました。全てに共通しているのは、全編にわたって湿った感じ。爽快感はありません。なんとも不愉快になります。否定しているわけではありません。それが著者の作品の好きなところです。この作品も人間の嫌なところを、ふんだんに見せてくれます。ただ、今まで読んだ作品の中では少し物足りなさが残ります。私にもう少し仏教的な知識があれば、もっと楽しめたのかもしれません。

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2022年07月14日

Posted by ブクログ

まほかるさんの作品にはどれも特殊な感想を持ったが、今回はまずまず。
クライマックスの描写はいまいちついていけなかった。

え!?ここでそんなことしちゃうん?それはあかんやろー。っていうのは健在。

愛されることをしらず、愛に飢えた女の子の悲しい物語なのか?

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2022年07月09日

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まほかるワールドとも言える観念的な世界観の物語でした。そこに人間臭い登場人物の思いが交錯して物語が描かれています。人間の嫌なドロドロとした部分と物語の中心にいる少女ミハルの見ている世界の対比が生み出すホラーなのかもしれないと思いました。

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2022年06月26日

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沼田さん3冊目
そろそろ作者さんの癖をつかめるかな?

これまでの2作はどちらもクセツヨな感じだったので、今回もそれ系かな?と思ってたけど、そんなことはなくクセややツヨだった。

仏教の用語や考え方とかが出てくるのだが、いまいちピンとこない。
多分、仏教に精通してる人や、俺と違って感受性豊かな人が読むと違った解釈になるのだろう。

と言っても、読みにくいことはなく、ガンガン読み進められたし、続きも気になるほど引き込まれた。

ただ、終わり方はモヤモヤ系。
好みは分かれるが、俺はちょっと苦手な感じ。

映画とかでもよくわからんまま終わって「ん?」ってなることがある。
『この作品は○○を表現していて、あの時の○○は××だからであり、△△ってことなんだよ』とか言われても、「いや、わかるかいっ!」ってなってしまうからなぁ…。

言葉で言わなくても通じるだろ!って熟年の老夫婦でしか通用しませんよ…
単に俺の理解力不足なのかも知れんが

沼田さん作品を3作読んで気づいたことは、ヤバい感じの女性が出てくることかな。
しかも、生々しくヤバい。
あと、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか考えさせられるって感じ。
今回はバッドエンド…なのか?

やはりクセツヨだな。
でもこれがクセになる。

有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ

アミダサマってタイトルのせいで、あみだばばあの歌が毎回頭に流れてましたわ…(笑)

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2022年05月23日

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生と死のかたちを捻じ曲げようとするミハルの力。
だんだんおかしくなっていく千賀子や町の人々の様子が恐ろしかった。

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2021年07月16日

購入済み

サスペンスよりホラー寄り

最初は事件か?と思いきやゾクゾクドロドロなホラー作品でした。他映画作品から入り3冊目に読んだかな?
徐々に来るホラー感で一気に読破しました。

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2019年12月09日

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巻末の解説に、この本は曼荼羅だとあり、ああそうかとも思うが、観念世界のストーリーは常識で理解しようとすれば、紐解けぬ疑問の連鎖に訳が分からなくなり、更にはそれが詩的に表現され、一層現実感を失い、夢の世界を泳ぐような感覚になる。それが曼荼羅なのだろうか。理屈で読もうとしてはいけないのだろう。奇妙な疾走感と閉鎖的な陰鬱な世界観。その中でこそ通じる非現実的なストーリー。オカルトと言ってしまえばそこまでか。

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2018年12月03日

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2018年、27冊目は、久しぶりの、沼田まほかる。

産廃処理場の、廃冷蔵庫の中で発見された幼女、ミハル。発見したのは、近くの寺の僧、浄鑑と、東京でサラリーマンをする、工藤悠人。浄鑑と悠人はミハルによって呼び寄せられるようにして、その場に居合わせることとなった。その後、悠人の目から逃れるように、寺に引き取られるミハル。もう一度ミハルに呼ばれることを望む悠人。ミハルの成長を見守る浄鑑とその母。待ち続ける悠人。そして……。

ミハル、浄鑑、その母のパートと、悠人のパートが不規則に交互してストーリーは展開して行く。

ん~っ、色々と悪くないんだけどね。自分の仏教知識の浅薄さとか置いておいても、ちょっとソッチ寄りのライト・ホラー的(ホラーに振り切ってない)印象が拭いきれない。

ミハルの持つ「力」によって、ミハル、浄鑑が暮らす、古の因習が根深く残る山村の均衡が崩れるのは納得。ただ、悠人パートの悠人のDV体質は説明不足というか、神経逆撫でられる。『彼女がその名を~』の 陣治の振舞い以上に、悠人の素行には不快感を覚える。 ソレがラストの律子(悠人の恋人)の存在を引き立てるのも解らんでもないけど……。

とにかく、ドコにも振り切ってなく、さらにモヤ感残る造り。総評、2.8的な、★★★☆☆。

自分も『ユリゴコロ』から追いかけ始めたので、『ユリゴコロ』的なモノ(伏線回収含め)を期待すると、完全に裏切られる。『彼女がその名を~』とも、『九月が永遠に~』とも全くベクトルが異なる。そんな質感。

個人的、好みで、沼田まほかる既読4作並べるなら、『ユリゴコロ』>『彼女がその名を~』>『アミダサマ』>『九月が永遠に~』の順かな。『痺れる』は短縮集なので、選外。

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2018年11月12日

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ネタバレ

ホラーとの帯でしたが、特に怖くない。読みやすいは読みやすい。
しかし、律子が結局なんだったのかわからんままではないか!

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2018年09月18日

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ネタバレ

人間のドロドロした、いや~な小説を読みたいと思って手元の本から手にしたんですが、どちらかというとホラーな感じでした。私が求めていたのとはちょっと違ういや~な感じだったんで挫折するかなと思ったんですが最後まで読んでました。ミハルや悠人の存在をどういうふうにとらえていいのか、いまひとつ消化できないまま終わってしまいました。人が理性や常識などで抑えているいろんな種類の強い欲望は純粋な欲望に当てられると開花していくのか…欲望だらけになった町が怖かったし、哀しかったです。カアサンや悠人の変貌が恐ろしい。最後、ミハルが悠人の子として生まれ変わろうとしているとき、本当に生まれてきてそこから二人が出会ってしまったとき、この世界はどうなるのか考えたら怖かったです。律子がいるから大丈夫なのかしら。

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2018年09月08日

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最初はミハルの「力」の全貌がよくわからなかったけれど、理解した時にはゾッとしました。純真すぎるがゆえに、この世の理を捻じ曲げる・・・。哀れだと思うのに、同じくらい、いやそれ以上に恐ろしく、不気味な存在・・・。

解説で、プロローグを「救済と読むか、無限の業苦と読むかで、印象は全く違ったものになると思う。」とありましたが、私は業苦だと思ってしまった方です。
そうか・・・救済。うん、救済だといいな。

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2018年08月02日

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一度仏門に入ったまほかるさんならではの本だった。仏教の教育を受けた人には、何と無くわかるんじゃないかと思った。ただ、最近まほかるワールドにハマりすぎて少し苦しくなり、次は少し気持ちが明るくなる本を読みたいなと思った。

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2017年12月20日

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冷蔵庫に閉じ込められていた「ミハル」
その「コエ」に呼び寄せられた悠人と、近所の寺の院主。
何度も出てくる阿弥陀の話、無神論者の私にはしっくりこなかった。
でもそれに嫌悪感や反発心を抱く事は無かった。

「コエ」「喉が切り裂かれたもの」「ミミ」

このあたりが曖昧でもやっとした。
ミハルがなぜ周りを不幸にしてゆくのかも謎。
死なせたくないものを死なせない力だけではダメだったのか。
その存在自体が不吉だから、村が陰鬱なものになっていったのか。

「リツコ」という存在の救い。
物語の最後に新しく宿る命。
希望かと思えば、一抹の不安にも感じる。
なにしろモヤモヤする本だった。

ただ、ハマり出すと読みやすいので1日で読めてしまう。
個人的には千賀子の狂いようが怖かった…
「ぴょーん」がトラウマ。

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2016年07月24日

Posted by ブクログ

このテイストで、うさんくさくならないギリギリのラインをちゃんと保ちながら、最後まできちんと読ませる力量がすごい。
寺の住職と医者が幼馴染で、村?町?がどんどん平穏な日常からずれていく、という設定が小野不由美さんの屍鬼と重なって、おや。と思った。
救われたいと思わないことで救われる、という主人公の潔い信仰が心に残った。

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2016年04月04日

Posted by ブクログ

ひたすらに禍々しい小説。
沼田まほかる好きだけど、これはうーん、、、
超現実的なホラーなのか、人間の怖さなのか、よくわからなかった。
千賀子に取り憑き、あれほどのことをさせたのは一体なに?単に読者を怖がらせるための演出なのか?

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2016年02月20日

Posted by ブクログ

純粋さは罪なのか?
という話だと思う、多分。
帯で「最恐!」と謳っていたからちょっとびびっていたのだけれど、怖いというよりは「気持ち悪い」が勝った読後感。
産業処理場の冷蔵庫に閉じ込められていた、ミハルという純粋さの化身みたいな女の子が寺に拾われてから、村には悪意が満ち、位相がずれたみたいに人々がおかしくなっていく。
その描写は確かにぞっとするものがある。
特に寺の住職の母親の変わりようには、読みながら頭の中で「えーっ…」と愕然とせずにはいられなかった。
でも、やっぱり怖いというよりは、そのぬめっと湿るような描写が気持ち悪くて仕方ない。
詳細さのせいなのか、何なのか…
『猫鳴り』もそうだったところを鑑みると、それがこの作家の文章の魅力なのかもしれない。

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2015年12月28日

Posted by ブクログ

 人間心理による何とも言えない薄気味の悪さ。これが著者の真骨頂だと思うけど、本作はストレートなホラータッチで、これを描く。面白かったけど、なぜ村全体が悪意に染まっていくのか、とかよくわからない点も多く、やや消化不良。

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2015年12月15日

Posted by ブクログ

うーーーん何か物足りない。なんだろう。頭ですごいアニメーションが流れてくるほど勢いを感じた。異常な美少女に生きる女が勝てたのではないけれど、でもそっちへの希望みたいのなあったのが新鮮だった。あっさり幸せっぽく終わるのは好かなかったけど、完結させたくなかったからこういう終わり方なのかな。

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2015年09月14日

Posted by ブクログ

沼田まほかるのアミダサマを読みました。

産業廃棄物の冷蔵庫の中に放置されていた少女ミハルを助けた僧侶の浄鑑は母と一緒にその少女を育てることにします。
しかし、その少女が寺に住み始めた後、集落には凶事が起きるようになってしまいます。
ミハルは亡くなってしまった飼い猫や浄鑑の母が生き返ることを望むのですが...

サイコホラーはあまり好きではないので、評価は低くなります。

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2015年03月15日

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途中までは、物語にひきこまれて、どろどろとした世界観を十分味わうことができた。
ただ、ラストが私の好みとは合わなかったかな。
急に抽象的になってしまって、ぷっつり終わってしまったような…

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2014年11月07日

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気配に惹かれ、産廃場に放置されていた冷蔵庫に閉じ込められていた幼い少女を見つけ、引き取った住職・浄鑑。しかし寺のある集落は、少女の無垢な願いとともに少しずつ狂気に侵されていく…。無垢な願いの恐ろしさにじりじりするけど、まほかる作品特有の醜さ、グロテスクさが少ない気がするのは主人公の浄鑑がとても常識人で好感が持てるからかもしれないと思う。雰囲気のある作品なんだけど、いわゆる“まほかる感”を期待してたのでちょいガッカリしてしまた。

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2014年08月10日

Posted by ブクログ

じわじわと世界が腐っていくような描写が不気味でホラーとしての怖さはある。

終盤の展開がかなり概念的な話になっていって置いてけぼりを食らった感じ。

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2014年06月23日

Posted by ブクログ

背景に仏教。
冷蔵庫に閉じ込められた寡黙な幼女と拾われた猫。
ホラー要素がきっちりと揃った上に
あの沼田まほかるさん独特の
どうしようもなく弱くて醜い人間たちの交錯。
旅先での夜のお供に選んじゃいました。

毎回思うんですが
ねとっとした人を描くのが上手ですよね。
憎悪に満ちた悪役や
計算高い裏切り者を描く作家は多かれど
反射的に嫌悪感を抱かせるし
顔ごと背けたくなるみじめさを漂わせているのに
ものすごく気になる登場人物を読者に憑かせる。
その腕前は本当に見事です。

ストーリーそのものは
もうちょっとホラー街道をひた走るか
どうせなら醜悪を極めるかの
どちらかに寄った方がよかったのかなあと。
沼田さんですから
ものすごくいいお話にはなりようがないんですけど
後味もそこまで悪くない割に
これがやりたかったんだね!というインパクトも薄いので
数ヶ月後には内容を丸ごと忘れそうな予感。

唯一残りそうなのは
カアサンが変わっていく描写かなあ。
あえて誰もいない温泉に持って入って読んだんですが
程よくゾッとできました(笑)

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2014年05月06日

Posted by ブクログ

この人は、下卑た男を書かせたらすごい。
緊迫感をもって、読ませてくれる。
でも最後までこの物語の主人公がいったいなんだったのかがわからなかった。

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2014年01月19日

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