沼田まほかるのレビュー一覧
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ネタバレ読みやすかった。
ユリゴコロってなんだろ〜と思ってたけど、幼い時に聞いた「拠り所」から来た言葉だった。
意味としてはなんといえばいいのやら。殺意の衝動?
普通の家庭に育って、そこからサイコパスが産まれるというのが私的に新しかった。
遺伝子にサイコパスが組み込まれてるタイプ。
そんなもんだから、
こういう経験があったから歪んじゃったのね、こういう行動に出ちゃうのね、がまっっったく分からなくて、何考えてるのか、どんな人物なのかよくわからない。
細谷さんは頼もしい肝っ玉かあちゃん的な人を想像してたから、そんな人が4〜5人殺した経験のある元娼婦のお母さんでしたー!!と言われても結びつかない。
亮介 -
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ネタバレ沼田氏の作品を読むのも久しぶり。
はじめて氏の作品を読んだときはイヤミスという言葉すら知らず、ただただ読後の不快感に、こういうのは肌に合わないな、と感じたものです。
20年以上の時を経て、「そういうもの」と分かった上だと、それもまた一つのジャンルだと頭で理解して、心から味わうということが出来るようになった気がします。
改めて。沼田まほかる氏は、1948年大阪府生まれ。主婦、僧侶、建設コンサルタント会社経営などを経て、2004年に56歳で『九月が永遠に続けば』にて第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、遅咲きのデビューを果たした小説家。
その後、『ユリゴコロ』(2012)で第14回大藪春彦賞 -
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暗っ!
重っ!というより気怠い感じ。
十和子さんも陣治さんもメンヘラ過ぎるんとちゃうの?
陣治さんの献身的というか、ドロッと粘着してるような愛情にも辟易とするし…
十和子さんの別れた黒崎さんが忘れられんわりには、ズルズルと陣治さんと暮らすのにも…
その黒崎さんが、行方不明から、流れが展開するんやけど、やっぱり気怠〜いわ。
こんな生活してたら、良くないで!
完全に精神ヤラレますって!
そんなダラダラしてんと、ちゃっちゃと動いて、シロクロはっきりさせましょ!って思ってしまう今日この頃です。
黒崎さんの行方不明が、多分、殺されてて、誰がやったかまでは、何となく分かるけど…
最後は、そうなるん -
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二度は読まないが、作者の他の作品はきっとこれから読んでしまう。
直接的な表現や性の残虐性というものが苦手なので気が狂うかと思ったが、先を読みたくなったのはストーリーや文章力の勝ち。
えげつない描写は本当にきついが、なぜか下品さは感じられなかった。
初めは異常で鬱陶しかった服部が、作中で1番まともであたたかい存在に思えるとは…
亜沙美を「魔性の女」と表現するのはしっくりこない。彼女は意識的に主導権を握りながら誘惑したりはしないだろう。
彼女はただ美しく妖艶だったのではなく、人の加虐性を煽るような何かを持ってしまっていた。そしてトラウマを乗り越えるための反動か、加虐を受け入れてしまう心と身体を -
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ネタバレ沼田まほかる氏の作品はこれで二作品目。
以前『九月が永遠に続けば』(2005)を読み、そのつるつるとした(喉ごし、ならぬ)「読みごし」に偉く感心したのでした。
で、今回の作品『彼女がその名を知らない鳥たち』(2006)、作風は相変わらずのいやーな感じ。前回の作品対比だとミステリー感は弱まりましたが、むずがゆい感覚はむしろパワーアップ。何とも言えない読後感でありました。
因みに10年ほど前に読んで以来の再読となりました。
・・・
で、内容ですが、何とも言いづらい笑
藤田香織氏の解説では、メインのキャラクター二人を、いみじくも『愛せない男と共感できない女』と表現。
そう、本作は、かつ -
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沼田まほかる作品は「アミダサマ」「ユリゴコロ」「猫鳴り」に続いて4作目。
本作はホラー的要素は薄いものの、ファンタジー感というかフィクション感が低く、人間的ドロドロがリアルで、身の回りにいくらでも転がってそうな、そういう意味での怖さがあった。
驚くべきは、この作品が沼田先生56歳のデビュー作だということだ。
恋心が自らを蝕んでいく(恋に恋しているようなバカではなく、自制的にも見える文彦でさえ!)思春期の苦しみや、愛と救いと赦しと肉欲と支配欲の渾然一体となった理性と本能のせめぎ合いや、そんなテーマを50代で描く、そのこと自体が良い意味で普通じゃない。
登場する大人たちは、全員が全員、真っ白で