沼田まほかるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり前に読んでこの本で沼田まほかるさんを知った。その時も一気読みしたが、10年以上経っての再読。記憶力の衰えも手伝って、新鮮な気持ちでまたまた一気に読みました。美沙子に代わって子供達を育ててた英実子。夫の気持ちはなお姉にあることを知っての暮らし。姉を葬った罪悪感も抱えて生きてきた。その姉が生きて、長男の近くにいると知った時、死んでなかったとホッとする気持ちと、自分の存在の意味が分からなくてなってしまったのでは?
最後、お父さんお母さん二人でドライブに出かけるシーン。楽しそうな気配が伝わってくる。でも、最後お父さんが癌で辛そうなときは、美沙子は死を手伝う覚悟があるのでは?と思う。そして、そのときは自分もこれまでの罪を背負って共に逝くのかもなぁ。 -
Posted by ブクログ
『ユリゴコロ』『猫鳴り』に続いて読んだ沼田まほかる作品。
読み始めは不思議な出来事を追う物語かと思っていたが、ページを進めるごとに印象は大きく変わった。怪異そのものよりも、人の心や共同体が少しずつ歪んでいく様子がじわじわと描かれ、読んでいるこちらまで落ち着かない気持ちにさせられる。
この作品は論理的に謎を解いていくというより、狂気や不気味さを「体験する」物語だった。説明し切られない部分も多く、納得するために読むというより、その世界に引きずり込まれる感覚を味わう作品と言った方が近いかもしれない。
好みは大きく分かれそうだが、この独特の空気に飲み込まれた人は抜け出せなくなるはず。まさに「沼田沼」という表現がしっくりくる一冊だった。
★★★☆☆
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Posted by ブクログ
ネタバレ3つの中篇連作です。
一篇は流産直後の中年夫婦、とりわけ妻側のささくれ立った心と奥底に垣間見える狂気に鳥肌が立つ作品。拾ってきた猫を捨てようとし森に赴くものの、うまくゆかず。そして、その猫を捨てたという身勝手な関西弁の女の子が有山アヤメまたホラーな感じ。
二篇目は殺人衝動を持つひきこもり中学生男子が主人公。父子家庭で父に難癖をつける日々。更には、幸せそうな男児への殺人衝動が喉元までこみあげてくる今日この頃。
ある日、難癖を真に受けた父が貰ってきた仔猫が死んでしまい、その遺骸を埋めようと公園にくるとそこにいるのは有山アヤメとふてぶてしい猫で…。
三篇目は一篇から20年以上たった場面。中年夫婦の夫が主人公。
その時には妻はもう亡くなり、かつて貰ってきた猫もいよいよ死期を迎えようとして来ていた…。自分もいつか死ぬし死に方にも思案するところ、その猫から死への態度を教わるような有様。淡々と描かれる風景にそこはかとなく猫への愛情が溢れ出す佳作。
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一篇、二篇とよみ、これはイヤミスかも(ミステリじゃないけど)、と思いつつ、ページをめくる手が三篇に突入すると雰囲気やトーンがいつの間にか変調している。
一篇・二篇と「人」がメインであったものの、三篇では完全に「猫」がメイン。20年生きた猫が死を迎えるとき、諭すような態度と行動をみて、人が感じ取る何か。
私も実家では猫をかれこれ三匹飼いました。
死に方はそれぞれ違いましたが、うち一匹は死ぬ前の「おしらせ」を感じました。猫のみならずペットや動物は人間よりも先に死んでゆくことが大半でしょうが、ペットを亡くしたことが有る方には胸に響く短篇だと思います。
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ということで久しぶりの沼田作品でした。
相変わらず人の汚らしい心を描くのが秀逸。狂気の描き方がすごい。
他方、最後の三篇目の人と猫とのやり取りが非常に印象的でした。そのギャップは凄いのですが、前半の気持ち悪さに耐えられるのならば三篇目目当てに是非読んで欲しい作品ですね。 -
Posted by ブクログ
これ男の人が読んでも、みんなが評する「イヤミス」を100%味わうの無理くないかと思った
主人公の自立してなくて芯がなくて他力本願なくせに、親切にしてくれる人には上に出るっていう、なんか居そうな嫌な女の本当の気持ち悪さは同性しか理解できなそうやし。
あと、アサミみたいな女が現れた時の絶望感も、、
後味の悪さだけじゃない、なんか女しかわからんイヤさがある
ただ、アサミはなにも悪くない。いい人やけど弱っちい弟、誠実な医師のフリしてほんまは性癖に闇抱えた陰気で気色悪い妻子おる男、など周りが弱過ぎた。もっと物理的に強くてメンタルもタフなド陽キャの男と出会ってれば大事に守られて幸せに生きていけたのでは、思う。
作中1番可哀想なのは冬子
冬子の孤独さや絶望は、この話の中で唯一想像できるし共感できる。あの息子を好きに?なる心理も非常にわかる。しょーもない人間だらけの中で、唯一のピュアな人やからもうそこしか信用できないもんな。冬子の孤独は取り巻きのしょーもないメンズにもクソな父親にも母親にも理解できんと思うと、なんかめちゃくちゃムカついてくるw
お前ら冬子のことわかったような口聞くな
結論、アサミのような女を好む男と一緒になっても幸せになれへんやろから、やっぱり女の人は芯を持って明るくパワフルに生きていくべし!
その陽のオーラに惹きつけられたメンズの人生をも明るく照らし、その代わり大事に大事にされて生きるのが令和の女の良い結婚と思う。しみじみ。
話は逸れたが終盤の衝撃の繰り返しのおかげで、作品としては非常におもろかった